ヘリコプターの事故はどうすれば防げるか?



 ヘリコプターの事故が続いたので、誰でもどうすれば事故を防げるのかと言う思いをもつ方が多いことでしょう。

 神がこの世に存在し、ヘリが事故を起こす1分ほど前にパイロットにこのまま行けば落ちるよと、何らかの方法で教えることが出来れば、90%以上の事故は防ぐことが出来そうなのがヘリコプターの事故というものでしょう。

 事故が起きる瞬間より、さかのぼればさかのぼるほど事故を予測することは難しく、危険要素や事故防止策は無限にあり、適切な防止策を取ることは難しくなります。

 この方法は運航組織などの管理面、パイロットの能力や知識などの人的要因、天候や離着陸地の条件など、そして、運航目的などの要件等をあらかじめ検討し、事故が起きそうな状況をあらかじめ予想して防止策を取ると言う、広範囲でつかみどころのない状況から危険予知をするという、大変高度で困難な手法となります。

 大きく分けてもうひとつの方法は、過去に起きてしまった事故から教訓を得て、同じような事故を起こさないために何をするかと言う、逆方向からアプローチする方法で、此れは事故を起こした数が多い運航組織ほど有利な情報を持っていると言うことになります。

 私が元いた会社は大手で、事故の数も数限りなく多く、自分が在職した期間だけでも殉職者は10人できかないほどでしたので、過去に起きた事故の状況を理解しているだけでも相当な事故防止策が身についているということになります。

 事故の多い組織ほど、新たに発生する事故を未然に防止する情報や、回避するためのやるべきこと、やってはいけないことを知っているはずなのですが、人間は皆忘れやすく、貴重な情報を我が身に血となり肉となり身に着けることは難しいと言うことで、同じような事故を何回でも起こして反省ばかりしていると言うことでわかります。

 事故を起こして反省できる人は運がよくて生きているのですが、反省することもかなわず命を絶ってしまった例も少なくありません。

 このような事故防止の考え方は、ほとんどはパイロット自身が日ごろから考えて、実行するべきものなのですが、パイロットはただの人間なので、日ごろから勤勉で正直で、嘘もつかず、完全無欠の聖人君子のような例はありえませんので、やはり組織が強制し、教育し、監視し、そして先輩や上司が見守り、部下後輩は上司の指導や監督に従うような組織運営が大変重要になります。

 どのような事故が起きても、不可抗力と言うことはほとんどありえませんので、事故に際して技術的な検討は重要であることは間違いはないのですが、実は組織の管理体制や、上司部下、先輩後輩、そして他部門との協調、協力など、直接技術的な事柄以外のことが事故に大変影響を与えている場合が多く、その部分を見過ごして、技術的検討だけで良しとすると、同じような事故は何度でも繰り返すと言うことになります。

 
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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