八尾空港 小型機死亡事故 事故調査報告発表、、、




 昨年3月 八尾空港でムーニー20が着陸復行中に頭が上がりすぎて失速墜落し、4人の方が亡くなった事故の調査報告書が発表されました。

 事故機は全備重量が規定値より60キロもオーバーしていたことと、重心位置が規定範囲よりも後方に外れていて、頭が上がりやすい状態にあったと言うことが調査でわかったそうです。

 この情報は規定に違反していたと言う、相当程度重要な情報ですが、此れは事故の直接の原因ではなく、重要な要因ということで、本来ならどのような操作が失速に直接結びついたか、あるかはこの違法な状態ならどの程度このような事故の可能性が高いか、あるいは軽微な影響が出るだけなのか少し突っ込んでほしいところです。

 事故調査は同じような事故の再発防止なので、今回のオーバーウエイトと重心位置の逸脱はどの程度の重要度であったのかは、ある程度精密に知りたいところです。

 事故調査委員会の技術的な要因の解明は良くできましたというところなのですが、直接事故調査報告書を読んでいないので指摘したかどうかわかりませんが、ひとつ重要なことを指摘しておきたいと思います。

 それは自家用機の運航についての大きな問題点です。

 今回の八尾での事故、そして離陸直後に墜落した調布での事故、そして防災ヘリの4回の事故はすべて、自家用機の運航上の事故と言う厳然たる事実があります。

 自家用にの運航に問題点はないのか、あるなら何をどう改善するべきなのか、ないならなぜ同じような事故がなぜ何回も起こるのか、と言うような切り口がぜひとも必要となるでしょう。

 防災へりの場合も、この二つの事故の場合も運航に当たってなんらかな違法行為の回避、準備不足の回避、運航上の注意事項の付与、このようなことは自家用運航の場合は、誰も何も管理もアドバイスもする必要もなく、パイロットまかせの野放しで良いと言うことになっています。

 野放しでありながら、小型機の場合は事業もどきのことをやり、防災ヘリの場合は技術的に高度なことを悪条件でも実施することになります。

 国が制度として自家用機だと突っ放しているのですが、それが小型機の違法行為を見逃し、公的ヘリの場合は管理できる組織や経済的基盤を持ちながら、パイロット任せで誰も何もしない。

 このような切り口は事故調査対象にはなじまない事項であるなら、同じような事故は数限りなく起きても当然と言うことになります。

 事業機の運航なら、重量オーバーや重心位置のはずれなどは運航管理者が見逃すはずはありませんし、違法な低空飛行を常時やっているなら運航部長などが見逃すと監督不十分と言うことになります。

 事故が起きてから指摘するなら、組織も法も規定類も在ってもないことに等しいと言えるでしょう。
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ドクターヘリ 残り3県、、、、





 3月に入って奈良県のドクターヘリが飛びだし、さらに昨日から新潟県の2号機目が運航をはじめたそうです。

 そして残された県は、石川、福井、鳥取とたしか3県のみではないでしょうか。

 15年ほどかかってほぼ全国にいきわたったと言う感じです。

 一般に費用対効果は防災ヘリよりも有効なように見えるのはやはり出動回数の多さでしょう。

 ヘリコプターの運航会社にとっては、自社のヘリを持ち込めると言う点で、防災ヘリは人員のみを送りんで、利ざやだけを稼ぐ関係上、経営的にはドクターヘリのほうが収益性が良いでしょう。

 さらにドクターヘリの場合、厚労省が元締めで補助金を出しているので、一時の防災へりのようなダンピング合戦はないのが、価格上の過当競争もなく、健全な経営が出来そうです。

 運航会社の選定では、導入当初、大手のみしか受注することが出来ませんでしたが、最近は弱小、後発、地元などの健闘が目立ちます。

 このような傾向がなぜ起こっているかと言うと、厚生労働省が元締めになっていることと、発注側の中心である医療関係者たちのネットワークで運航にかかわる情報や運航会社の情報がかなり正確に伝播しているのではないかと言うことが考えられます。

 つまり価格競争がなければ後は安全性と運航技術だけが競争となりますが、その点で大手と中小の差がほとんどないという評価がなされているのではないかと思います。

 このような評価が行き渡っている中で最大手がドクターヘリ最初の事故を起こしてしまいましたので、さらに大手の評価が下がってしまっていることでしょう。

 すでにほとんどの県へ行き渡っている状況の中、今後運航会社の評価や事故などによって、契約更新時に請け負う会社が変わり、勢力地図が塗り変わっていくことでしょう。

 実は総元締めの厚労省は、各運航会社の運航技術や安全維持制度、能力、パイロットや整備士などの需給関係などに対してほとんど興味や関心を示していないことが続いています。

 医療関係者は様々な学会や、同じ出身大学の仲間や先輩後輩などの情報網があり、ドクターヘリの運航状況や会社の評価などが共有化されて、いずれ会社選定などにも影響を与える勢力となったり、安全施策や運航要員の安全教育や訓練などについての要望など出て来る様になることでしょう。

 ドクターヘリが始まって15年、右も左もわからないで、黙々と飛んで任務を果たしてきた医療関係者がいずれ、運航会社を評価するところへと差し掛かって来ていることでしょう。

 つまり知らぬは厚労省、運航会社のみで運航要員や会社の評価はあらゆる場面で試されていると言えるでしょう。
 

 

重い!!、、、、、




 航空機は最大重量が決められていて、機体自身の重量と搭載した燃料と、乗客や荷物などの搭載重量などすべての重量の和が制限以内であるということを求められています。

 飛行機は滑走路から離陸する前に計算して確かめますが、ヘリの場合はそうも行かない事情が時々出てきます。

 飛行機の場合はある程度までならオーバーしても離陸滑走距離が伸びる程度で済みますが、大型機などは着陸重量にも制限があり、先日アメリカへ飛ぶ旅客機の中で重病人が出たため引き返し、重量オーバーのまま緊急着陸したということをニュースで言っていました。

 普通なら燃料を投棄して重量を制限内まで落として、着陸装置に負担がかからないようにして着陸しますが、急いだので緊急状態を宣言して着陸したようです。

 ヘリの場合の離陸重量と着陸重量は同じ値であることが多いので、最大重量での着陸は技さえあればほぼ支障はありませんが、最大重量にした場合で、離陸していけるかどうかがおおいにリスキーな場面が多発します。

 ヘリが離陸していけるかいけないかと言うことは、機体構造上の最大重量では、標高や気温が高いと空気密度が低下し、最大馬力を使っても十分ホバリングできない状態は常に起こり、離陸していけない可能性があります。

 着陸の場合も同じような性能低下が起こり、標高ゼロ地点から、ある程度重い状態で飛んで行って、標高の高いところへ着陸しようとすると最大馬力を出しても十分ホバリングできないで墜落と言う事態になりかねません。

 1000馬力程度のヘリで、重い重量で離陸して行って、1時間ほど飛ぶと燃料はおおむね300キロ程度消費しますので、その分軽くはなりますので、その分の計算も必要となります。

 この性能見込みの計算は、物を吊り下げる時はさらに変化が大きくて、標高の高いところで、燃料がどの程度残っているか、風向き風速はどうかでどの程度まで吊り上げられるか、また荷物の重さは常に正確に計測されているとは限りませんので、重そうなときは、慎重に吊り上げてみると言うような操作が必要となります。

 急斜面に置いてある重そうな荷物を吊り上げた時、いきなり斜面の下方向へずり出して、はるかに制限重量以上で、地獄の底へ持っていかれそうになりましたが、100メートルも下で何かに引っかかって止まり、事なきを得たことがありました。

 1000馬力程度のヘリでは給油直後と一時間飛んだ後の給油直前では吊ることが出来る最大重量は燃料が減った分、おおむね300キロもの違いが出てきます。

 ある時ドクターヘリの出動がかかり、15分ほど飛んで現場へ着きました。

 患者さんをふと見ると、な、なんと100キロは軽くありそうです。ストレッチャーのベルトは継ぎ足せるようにしてあって、固定は出来そうですが、確かストレッチャーの制限重量は120キロだったか、何とか収まりそうですが、付き添いの家族も乗っていただきますと、ドクターから無悲辞なお言葉、、、

 二入でどう見ても4人分以上、、、

 昔取った杵柄で、真夏の田んぼで農薬をいっぱい積んで、飛行機のように地面すれすれに滑走して100メートルも走ってやっと離陸した技を使って、、、重いー!!

 と言うことでヘリパイロットは性能上の最大重量付近の操縦感覚とマニュアル上の制限値の変化に対応する操縦感覚を身につけている必要があります。

 

ハリソン フォード誘導路に着陸、、、





  今日の記事はハリソンフォードの誤着陸を取り上げようと思っていましたら、栃木県那須で高校登山部の生徒たちの悲惨な雪崩の事故がありました。

 春になっているはずなのにいつまでも寒くて、季節はずれの大雪による雪崩で8人もの方が犠牲になってしまいました。

 それにしても人間が如何に弱く、自然が如何に凶暴であるかを表している事態ですが、この事故の後の夜のお天気情報で雪崩に注意が必要ですと、糸魚川の大火の時と同じように、バカみたいな事後の言い訳をしていました。

 せめて雪崩警報くらいは出せよと言いたくもなります。

 さてこのようないわゆる一種の大規模な山岳遭難と言えるような大事故なのですが、さて埼玉県はこのような事例が起きたら、防災へりを出動させ、救助収容した場合には、条例に基づいて5万円を徴収するのでしょうか。そして、横に倒れている同級生がドクターヘリで搬送されたら無料と言うことになるのでしょうか。笑うしかありません。

 馬鹿げた条例は止めたらと言ってあげたくもなります。

 ハリソンフォードが管制官と連絡を取りながら、着陸したのが、指定された滑走路ではなく、隣の誘導路に、しかも待機中の旅客機を飛び越えて着陸したようです。

 英語の国で自国語の英語で管制しながらこのざまですから、日本人が片言の英語でやって間違いが起きないはずはないでしょう。

 ハリソンフォードは「自分はなんと馬鹿なパイロット」だと無線で言ったようでそれに答えて管制官は「ネバーマインド 気にするな」、とでも言ったのでしょうか。

 同じ事を日本で小型機やヘリのパイロットがやれば、どれだけ高飛車に罵しられ、始末書を取られ、マスコミのさらし者にされて、貴族の管制官様の言うことをなぜ聞かないのだと、問い詰められることになります。

 ハリソンフォードは超大物とはいえ、さすがアメリカと言う国は懐の深い国で、管制官は気にするなと言ったようです。

 私は神戸空港の建設開港に当たり、小型機の代表として運用管制のすり合わせや関係ルールの設定の相談にあずかり、運航要領は熟知していますし、開港式典や、空港披露に招待される身分でしたが、その後しがない小規模会社のドクターヘリのパイロットに落ちぶれ、神戸空港での運行中に管制上の揉め事が2回も3回も起こりました。

 その時には5年ほど前の威光もすでになく、ほとんど一方的に罵られ、会社は弱小なのでけんかしないでくれと止められ、餓鬼の管制官に60を越えた化石のようなヘリパイロットは泣き寝入りするしかありませんでした。

 アメリカの管制官はさすが、ネバーマインド!!と言ったようですし、インドネシアの管制官も高給取りのヘリパイロットには一目も2目も置いていましたし、航空自衛隊の管制官も同じようなマインドで仕事をしていますので、パイロットに対して罵るようなことはありえません。

 日本の国土交通省の管制官の小型機やヘリに対する態度は再教育の必要があると自分では常々思っていますが、それはほぼ見直されることは永久にないでしょう。

 事故調査の無能ぶりと双璧をなす日本航空界の癌とも言える2大異常運航と言ったら言いすぎでしょうか。

和歌山ドクターヘリ 見学会、、、




 和歌山ドクターヘリが5000回出動を記念して見学会を催したそうです。

 ABCニュースで取り上げられて好評だったようです。

 ドクターヘリが導入されると、対外はどこかで防災訓練などがあるたびに呼び出されて、防災ヘリや県警ヘリなどと同じように参加を要請されるようでした。

 大規模な防災訓練などに参加すると、訓練スケジュールや展示場所の関係で、実働要請が入った場合に、普段どおりに出動できない可能性が高く、訓練などへの参加は出来るだけ避けるようにすることが必要です。

 今回の見学会の場所は基地病院のすぐそばで、他の機関との連携や調整もない単独の行事なのでいつでも中止して現場へ向かうことが出来る体制なので良い見学会でした。

 私がいたころに、基地病院屋上へリポートに駐機したままやったことがあり、フェンスのない屋上には入れる人数にも制限があり、また級に出動がかかった場合には、退避するのに時間がかかるなど制限がありました。

 今回の場所選定は非常に良いと思います。

 マリーナシテイは基地病院から数キロ程度で、広い埋立地で、ヘリが着陸するスペースには事欠かず、関西電力の防災訓練を行ったことがありました。

 ドクターヘリの出動でも確か1回着陸したような記憶があります。

 マリーナシテイには黒潮市場と言う新鮮な魚などを売っているところや温泉に入りながら、窓から和歌山医大病院の屋上にヘリが駐機しているのが見えるスーパー銭湯黒潮温泉、釣堀や岸壁の釣り場、小さな遊園地と観光場所となっています。

 先週、家族でドライブをかねて、魚を買いに行ってきたところでした。

長野防災ヘリ事故、県警が強制捜査へ、





 長野県の防災へりが墜落し、9名の方が亡くなった事故について、県警が業務上過失致死で強制捜査をしていることがわかりました。

 すでに11日にわかっていたそうですので事故後すぐに強制捜査が始まっていたようです。

 捜査するのは長野県警でも、県警航空隊は関係ないので、航空の専門家でもない捜査本部が十分に正確な捜査が出来るかどうかやや不安が残りますが、一部は航空隊に様々な情報の教えを請うことになるのでしょう。

 ただ県警航空隊としても、空港内の隣同士の格納庫でほとんど仲間同士のようなものですし、県の組織としても県警と防災へり組織とは仲間内なので、しかも乗っていたものは皆、亡くなってしまっていますので、どの程度厳正な捜査になることでしょう。

 安全運輸委員会の事故調査は再発防止が目的なので、県警の法に照らして違法行為があったかどうかの調べとは幾分違うはずなのですが、県警はほとんど安全運輸委員会の事故調査におんぶに抱っこと言うことになりがちです。

 しかも事故調査委員会のメンバーにはほぼヘリを飛ばせる専門家は普通いませんのであまり真相に迫ることは期待できない恐れもありそうです。

 普通 ヘリコプターの事故はパイロットが一番悪者で、次は上司など管理者、管理組織、航空行政、法体系とどんどん罪は軽くなると言うか、罪はないという事が当然のように判定されます。

 この様な判定はある程度仕方がないことは、当然事実であることが多いのですが、それでは同じような事故は何回でも繰り返されることになります。

 今回の県警の強制捜査でどのような結果が出るか予想すると、やはり上司や組織にはある程度小さなの過失が認定されても、それが罪を問うほど重大な過失責任はないという結論になることでしょう。

 私は防災ヘリのパイロットの養成、育成の制度に大きな問題があると常々思っていますので、そのしわ寄せが、過去4件の事故の大きな原因のひとつで、此れを何の反省もなく延々と続けている航空行政や、公的ヘリの制度の責任を問う時期が来ていると思うのですが、一県警の捜査本部がまずそこまで踏み込むことはないでしょう。

 つまり今回の事故の関係者で罪を問われるとしたら、亡くなったパイロットだけで、他に罪を問われるものはいないと言う結果になることでしょう。

新潟県ドクターヘリ 2号機目運航開始、、、






 報道によると新潟県の2号機目のドクターヘリが長岡日赤病院を基地として、3月29日から運航をはじめるようです。

 一号機目の年間の出動要請が650件ほどあり、2機体制になると一機あたり350件ほどですから、全国的には平均程度の出動回数かやや少ない程度ですので2機体制は妥当なところでしょう。

 新潟は日本海性気象で雪が多いので650件のうち、150件もの出動見合わせがあり、これらは雪などの天候不良によるものと思われます。

 2号機目の日赤長岡病院には格納庫に接して、ヘリポートに電気式の融雪装置が整備されたそうですので、格納庫、融雪装置を有しない新潟市内の1号機の基地病院、新潟医歯科病院よりも冬季の出動に有利に対応できるでしょう。

 北海道を除く同一県で2機運航する場合、担当運航会社が別の会社に決まることは初めてではないでしょうか。

 しかも長岡はほとんど県内での運航経験のない、2社のジョイントですが此れも珍しいことです。

 最近は大手の会社の元気がなく、後発の中小会社ががんばっていると言う事情がありますが、此れのひとつの理由は、運航経験や豊富さや従事者の技術的な優位性がなくなってきてしまったということがあるのでしょう。

 もうひとつの理由は、大手会社のマンネリな営業展開より熱心は後発小規模会社の熱心さが勝っていると言うことの現れでしょうか、いずれにしても、同じような運航を請け負う報道ヘリに比較して2倍もの運航料金が設定されている仕事を取れないと言うことは大手にとっては大変な痛手でしょう。

 関西では同一会社が広く運航を請け負うメリットが言われ、新潟では違う会社がそれぞれ違った機種で運航するメリットが優先されたようです。

 さて 2社がそれぞれの特徴を生かして、切磋琢磨しながら競争することはそれほど悪いことではありませんし、県にとっては何らかの不具合が起こったなら、もう一方の会社にすぐに変えることが出来ると言う大きなメリットがあります。

 とは言うもの大手も新興会社もパイロットの確保と言う点では相当苦労しているはずで、しかもこの先その状態が緩和されるめどもなく、先行き不安が残ります。

 どちらの基地病院も冬季の山間部の雪という難しい運航状況は同じなので、安全を維持して実績を伸ばしてほしいものです。

パイロットに不信感、、、、




 ベテランパイロットの不足が言われだして久しい、公的ヘリの世界ですがそのしわ寄せが、人繰りが着かないで運休、事故、インシデント、自主養成、繰り返される離職といろいろな問題が起きているようです。

 この中で一番派手なのが事故で、これが起きないと多くの問題点が潜伏し、表に出ないため、なかなか根本的な解決は難しいようです。

 公的ヘリ、防災県警、消防ドクターヘリなど、担当するパイロットは多くても4,5名がローテーションし、少ないと2人が交代で乗り、長野のような悲惨な県は一人が常に乗ると言う形態でしょう。

 パイロットとしてはいっしょに飛ぶ、消防隊員や整備士、ドクターやナースなどの人たちがどのような気持ちで飛んでいるのか大変気にかかります。

 パイロット自身の技量や経験、そしてその日の天候や強風、乱気流、視界、障害物など、その時々にパイロットがどのように対応するか、機内で何を話すか、などなど 100%命を預けて飛んでいますので、何を考えながら乗っているのか気になるところです。

 私は長く飛んでいましたので、乗客たちが何も言わなくても、どの程度の不安を持っていながら飛んでいるか程度のことはキャビンの空気でほとんどわかりました。

 一緒に長く飛んだ、物資輸送の誘導確認役の整備士たちには、とんでもない怖がりから、120%私を信頼し、地獄の底までお付き合いしますと言うなんでもへっちゃらなタイプまで、様々ですが、恐怖や不安の感覚は一瞬にしてわかるものでした。

 極度の怖がりは降りろよ、仕事に邪魔だからと言いたい気持ちを抑えながら我慢して飛ぶのですが、相手も恐怖心を押し殺して我慢しながら誘導しますが、やはりパイロットの足を引っ張るものでした。

 逆にくそ度胸の整備士とは、強風や悪天候と戦いながら一日の仕事を必死にこなすのに大変力強い助けとなりますが、墜落して殺してはいけないと自重する気持ちが働くものでした。

 ドクターヘリで飛ぶ場合などは、やはり10人10色で超怖がりから超鈍感まで様々で、ドクターの場合は一般的にフライトのリスクには鈍感が多く、ナースはやや怖がりが多いようでした。

 私は防災へりを担当した経験がないのですが、消防士にはおおむねクソ度胸派が多いように思いますが、その仲間を路ずれに墜落したことは大変悔やまれます。 怖がりが多いと無意味な低空飛行や急激な旋回などをすることは躊躇しますが、クソ度胸派が多く乗っていると少々危険な操作をしても喜ばれると言うことでつい、気が緩むことはありえるでしょう。

 パイロットにも一般の人と同じようにクソ度胸派と怖がり派がいて、怖がり派のパイロットが極端な不安全状況、悪天や強風などに遭遇するとキャビンの中が恐怖心で充満して凍ってしまって、とても任務どころではなくなってしまいます。

 一般的にパイロットの経験や技量が任務に対して十分でない場合には、キャビンの中に不安が充満することが多くなり、笑いや冗談が飛び交うことはなくなるようです。

 と言うことで各地で公的ヘリで飛ぶ、パイロット以外の乗り組みの方は、自分たちが飛ぶヘリのキャビンの空気がどのようなものか気をつけてみることも良いでしょう。

 いつも笑いや冗談が一切なく、不安な空気が充満している様な状態なら要注意と言うことになります。

豊岡ドクターヘリ 7年で1万回出動、、、







 私のふるさと、豊岡ドクターヘリが3月21日、7年弱で出動1万回安全飛行を記録したそうです。

 実は我が愚妻は豊岡生まれで、私は大阪が故郷ですが、最後にヘリを降りたのが豊岡ですので故郷のような気持ちです。

 この1万回の内、たぶん1000回は自分が飛んだので少しは誇らしい気持ちですが、飛べば飛ぶほど安全には十分注意してほしいものです。

 さて21日から奈良のドクターヘリが運航開始していますが、奈良県内のニュースでも運航開始式典を行ったと言うニュースだけで、いまだ飛んだと言うニュースは流れていませんので少し気になるところです。

 奈良県も大阪府と同じように運航回数の少ない県になりそうな気がして仕方がありません。

 ドクターヘリが飛ぶかどうかは、救急119番を受ける消防指令担当者の意識をいかに変えるかということに尽きます。

 意識を変えると言っても、実際にヘリで対応したほうが絶対的に救命に有利な状態を理解してもらうと言うことですので、それはドクターがヘリを使って救急医療を実践し証明して見せる必要があります。

 消防指令が一定の条件なら絶対的にヘリが有効であると、いったん
覚えたら必ずヘリを呼ぶことが身につきますが、有効性を疑ったり、不安があるとヘリは呼ばれることはないでしょう。

 県南部の山間部はすでに和歌山ドクターヘリで有効性を理解していますので、1回当たり60万円の縛りがなくなり、積極的に呼ぶことにはなりますが、何しろ人口密度が極端に少ない地域ですので、多くても週2回程度でしょう。

 県東部の地域は人口密度が南部よりやや多いので、背景人口と、ドクターヘリ救急事案の発生は南部よりかなり多そうですが、和歌山ドクターヘリの範囲でなかったため、関係者にヘリ使用の免疫がなく、相当程度の啓蒙が必要でしょう。

 そして北部の人口密集地こそ救急事案も格段に多く、この地域こそドクターヘリ対応事案が潜在していることは確実で、此れらそれぞれをどのように対応するかで、豊岡型になるか大阪型になるかが決まるでしょう。

 物事は何でも最初が肝心で、当初年400回と予想された大阪が100件程度にとどまり、1000件と予想された豊岡は今や年間1500件に達しています。

 出動回数が多ければ良いと言うことは一概には言えませんが、ヘリで有効な救命処置が出来る事案には確実に対応する体制を一日も早く確立してほしいものです。

 大阪が救急車によって有効確実な救命医療がなされているなら、ドクターヘリの出動が少ないことはなんら問題ではありませんが、広い奈良県で救急車での有効な救命医療に問題を抱えながら、ヘリも飛ばないというようなことはぜひ避けてほしいものです。

 豊岡が年間1500回も出動していると言うことは、少なくともヘリが有効な事案の救命医療に穴をあけているとは考えにくいので、やはり10000回無事故達成は大きな成果でしょう。

 

パイロット 適性検査の適性度は 経営者の適正は、、


↑この中でパイロットになったもの約40名 事故で殉職5名 私のようなしがない民間のヘリパイロットからブルーインパルスの初代飛行隊長、F15、747 727にぶつけられた者、 国立大教授と様々、、、皆 適性あったのかなー、、、



 防災ヘリの事故が連続し、長野県などの高高度の山岳救助が出来るパイロットがいない、あるいは育成することには大変なことだということが一般的に理解されてきたようです。

 そんなことは新人パイロットがヘリに乗り出したら、100時間も飛ばないうちに理解できたことでしょうから、その道に従事する者にとっては常識中の常識と言えるでしょう。

 また訓練を始めた者が将来的に自分がそのレベルまで技量を伸ばせるかどうかはまったくわからないでしょうし、またそのレベルの技量がなくても、飛んで一生食っていける内容のフライトはいくらでもあり、一部特殊な名人職人パイロットがやることだと思って、日々のフライトに修練するしかないでしょう。

 給料を貰いながら、あるいは航空大学校のような公的機関で、訓練を受けるパイロットには適性検査や航空身体検査、英語数学などの学科試験などを受けて選抜されることになっています。

 と言うことでパイロットとしての人生を始めるにあたってかなり選抜されていますが、途中で罷免されたり、自信なくしてやめたり、事故で死んだりと一生淘汰される道が待っています。

 こんなことはごく当たり前のことで、誰もが理解していると思っていましたが、一部ヘリ運航会社の経営者やヘリを飛ばす公的組織の管理者などは、訓練し、経験を積めば、いとも簡単に誰でもアルプスで飛べると思っていたようですし、今も思っている者がいることが不思議でなりません。

 5000時間程度のヘリパイロットをベテランと言ってみたり、神様みたいに扱っていたようですし、どのような選抜試験をしたのかわかりませんが、ほとんど真っ白の素人を2人も採用し、此れで将来は安泰だと思っていた節があるのがとても理解できません。

 航空自衛隊ではパイロットの選抜の試験検査で実際にフライトさせたり、ペーパーテストの検査をしたり、面接したりとあらゆる試験を実施して選抜し、有能なパイロットを確実に育成するための手段としています。

 と言うことで、ここまで書けば相当に適性検査というものには有効性があると組織は自信をもっていると思われそうですが、実はそうではなかったようです。

 適性検査隊に勤務した同期生の話では、適性検査の成績はAの最適からEの不適まで成績を着け、わざわざE の成績つまり不適と判定された者をわざわざ訓練コースへ入れて、すべての追跡調査をし、適性検査自体の適正度を改善することまでしていたそうです。

 それに比較して、高額の自腹で飛行学校へ入ってくる者や、防災ヘリ組織で片手間に一流のヘリパイロットを育てようなどとはほとんど正気とは思えないような仕業です。

 全国で50機の防災ヘリや、警察消防へり、ドクターヘリなど200機ものヘリを飛ばすパイロットが訓練さえすれば簡単に製造でき、どんな困難なフライトも何の問題もなく出来るようになる。

 しかもなりたい希望者はいくらでもいるし、しかもごく安い給料でこき使えるなどと考えてきた、ヘリ運航会社の経営陣や、それに感化された行政の管理者、おまけに自らヘリのパイロットでありながら、公的養成機関を廃止し、民間飛行学校を増殖させた行政官など罪深い連中が多くいます。

 ヘリコプター関係者でありながら、運航の困難さを十分理解せず、とんでもない現状を招いた関係者には何の適性検査もなかったことが悔やまれますが時すでに遅しでした。

 20年程度は現状のような最悪の状態が続くことでしょう。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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