滑走路上で失速、、、
事故から時間が過ぎてマスコミの報道も着陸復行中に滑走路上で失速したことが墜落の原因ではないかというような記事を出し始めています。
飛行機のパイロットにとって、自己の操作ミスで失速して墜落することなどほとんどありえないほどの失敗であるということになります。
過去に名古屋空港で中華航空機が着陸進入最終の滑走路端で失速して墜落し200人以上の犠牲者が出たことがありましたが、これは誤解による自動操縦の設定ミスであり、単なる操縦ミスではない要因でした。
自家用資格とはいえ2名ものパイロットが飛行状況を見ていながら、失速させてしまうことなどありえないほどの失敗というほかありません。
いかに操縦資格の付与の条件制度や訓練試験内容が適切でなかったかということが、根本的に問われるほどの事故であるということが言えるもので、事故調査はその面まで踏み込んで行う必要がありそうです。
固定翼のパイロットが最初に習うべき危険回避の基本中の基本は、飛行機が失速したらどうなるか、また失速に入る直前、飛行機はどのような兆候が出るか、失速に入ったらどのような回復操作をするかを学び、それが実際の操縦操作として回復操作が行えることが基本中の基本となります。
そして飛行機はそのときの重量と空気密度、そして機体のバンク(傾きの角度)、そしてフラップが何度になっているかによって失速する計器指示速度が決まります。
正確にその速度になると、必ず失速することになっていて、その瞬間、飛行機はただの物体となって石のごとく落ち始めます。
このことはどのような機種の飛行機に乗ろうとも大原則であり、離着陸時など低空で飛ぶ場合は回復に必要な高度が無ければ一貫の終りとなります。
つまり今回の事故で機長が操縦していたか、自家用資格の同乗者が操縦していたかどうかにかかわらず二人ともこの大原則を理解していなかったことは確かで、どちらかが危険を感じたら緊急の回復操作をしたことでしょう。
このようなパイロットが有資格者で存在することは、日本の免許制度、それ以前の訓練制度に大きな問題があると言うしかないでしょう。
このようなことは今行われている運輸安全委員会の事故調査の大きな項目であるべきですし、警察が行っている業務上過失致死疑いの捜査の大きなポイントになるでしょう。
このような調査や捜査は行われないで、パイロットのテクニック上の失敗ということで一件落着させるつもりかどうか十分に見張っている必要がありそうです。
スポンサーサイト