連続するヘリコプター事故、、
先週の週末にアメリカアラバマで医療用ヘリが墜落して患者さんを含む4名が死亡しています。
最近でほかにはまインドネシアではセレベスで12名が死亡する軍用ヘリの墜落事故があり、韓国では山火事消火の消防ヘリが1月に続いて連続して墜落したようです。
世界中にはヘリコプターが数万機程度あるのでしょうか正確な数は良くわかりませんが事故はおおむね3日程度に一回以上は起きているようです。
私は上のサイトを時々覗いて世界で起こる事故の情報を得るようにしています。
アメリカの医療用ヘリの事故はかっては非常多くて年間10件以上、毎月1件も起きるような状態でしたが最近はかなり減っていてずいぶんと変わったと思っていました。
しかしここにきて若干増えだしたように見受けられます。
アメリカの医療ヘリは原則患者負担の完全民営で、かつ一時は850機といわれるほど数が多く、競争が激しすぎるような状態でやはり運航に無理をするような状況が見られたようです。
つまり競争になるとどうなるかというと、悪天候でも飛ぶ、夜間でも飛ぶ、どこへでも飛んでいくということで危険性が増す可能性が高くなるようです。
今回のアラバマの事故も高速道路の事故の患者を収容して病院への途中天候が悪く霧が事故原因に影響したというような情報が言われています。
日本のドクターヘリの場合は民間ヘリが飛んでいるとは言うものの、公的資金で県別に運航していて、しかも、運航費用は無料、夜間無しと安全運航には大変良い状態で運航していますので無事故が続くひとつの要因になっていることは間違いないでしょう。
航空事故というものは事故が起きてからでさえ、正しい原因を導きだして、正しい再発防止策を出すことが大変難しい中、いまだ事故が起きていない中で安全運航を維持することがどれほど困難かということになります。
日本のドクターヘリはそのような中で10年以上も無事故を継続しているわけですからやはりたいしたものだというしかないでしょう。
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大切な指導者や管理者、、、、、
先日の八尾空港の小型機事故、調布の離陸直後の墜落事故などは顕著ですが、多くの事故を注意深く見ていると、管理者や指導者の不在、力不足が目に付いて仕方がありません。
自家用運航や白タク運航はやはり適切な指導者や管理者が存在するわけはなく、経験の浅いものが自らの独断で運航を取り仕切らざるを得ず、航空規則で決められた組織が規定を守っていても起きる事故が安全規定類をまるまる無視したような運航が無事でいられることはないでしょう。
またそのような運航が散見される中、行政当局は取り締まる気持ちがあるのかないのか、まったくやる気が見えない中、不法運航はやり放題という実態が垣間見えています。
運航会社はそれなりに人材を配置し、規定類を守り、
安全を期するようには体裁を何とか維持してはいますが、いかにせん、業界は団塊の世代の引退で、指導層や管理層の潜在的な能力が落ちてきていることはほぼ間違いないでしょう。
このような事情は行政組織自体についてもほぼ同じでしょうし、このような中、肥大化した航空の世界の安全性と効率を維持していくことは大変難しいことでしょう。
事故の調査は厳正に行われることでしょうけれども、運航技術的な面、操縦者の知識や経験の浅いことが事故を招いたというような表面的な調査はどうでもよく、運航の違法性、自家用機で運航事業をしていなかったか、自家用操縦士免許のみで、操縦教育をしていなかったかなど、航空行政の不行き届きや違反を取り締まれないことが事故に結びついていなかったを良く調べるべきでしょう。
つまり今回の事故の被告は死亡した4名だけではなく、当然航空行政当局も取り調べの対象とするべきかどうかが重要な視点となります。
さて航空行政組織の一員である運輸安全委員会が自らの組織の上部組織を事故調査の対象として十分踏み込んで遠慮なく調査が出来るかどうかは大変疑問のあるところです。
調査をする前から適当にお茶を濁すような気がして仕方がないのは、そのような視点の報道がほとんどなされないことなのですが、これは事故に関する発表がそれを避ける方向へと曲げられているからでしょう。
調布離陸事故とまったく同じ背因で墜落した可能性が高い今回の事故ですが、さて事故調査の結果はどのように出ることでしょうか。
もうすでにちゃんと当たり障りのない筋書きを書いている出世候補の担当者がいるのでしょうか。
500時間や1000時間程度のパイロットが防ぎ得ない事故など山ほどありますから、、、指導者や管理者は決して彼らを殺さないように守ってあげないとだめです。自分もそうしてもらったように、、、、