AW609 民間版オスプレイ 墜落、、、






 先ほどファイスブックを見ていると民間版オスプレイのAW609の開発中のプロトタイプ2機のうちの1機が北イタリアのアグスタウエストランド本社の近くに墜落炎上し2名のパイロットが死亡したと言うニュースが出ていました。

 詳しいことは良くわかりませんが2機ですでに1200時間程度のテストフライトを経過しているようでしたが、昨日朝、離陸後10分程度で墜落した模様です。

 アグスタ社はイタリアのヘリメーカーですがベルのヘリのライセンス生産から成長し、206 212 412のライセンス生産から最近はAW139と言う412の後継機を世界中に売っている大メーカ-になっています。

 オスプレイで手が回らなくなったベル社は609の開発製造権をアグスタ社に譲り渡してしまって、開発販売が遅れ遅れになっていて心配していましたが、発売前に大変な事故が起きてしまったようです。

 民間版オスプレイは搭載量が412程度で、速度はオスプレイと同じ程度の500キロ程度で、医療用や新聞取材用などに大変有望は性能を持っていて世界中から期待されていただけに今回の事故は大変影響が大きいでしょう。

 この事故の影響でアグスタが開発を投げ出してしまわなければ良いのですが、ベルファミリーの富士重工なども開発支援に加わり世界的な協力で実用化を目指してほしいものです。
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ランデブー方式から現場直近着陸へ、、、



 先日ドクターヘリの今後の課題と言う記事の中でランデブー方式から現場直近方式へと言うことを取り上げました。

 救急患者さんに対する症例発症から医療介入までの時間をいかに短縮できるかということが救命率を高める決め手であって、ドクターヘリがその効果を最大限に高めるにはランデブー方式から現場直近着陸方式へ進化させることが必要です。

 佐賀県の学校がドクターヘリのランデブーポイントでなくなるということは、あほかと言う評価をしましたが、それは学校で生徒が上の後者から転落したり、プールでおぼれたりした時、ドクターヘリが校庭に着陸し、ヘリから降りたドクターが救命処置をすること以上に早く治療が始められる方法はありません。

 ヘリが校庭に着陸しないなら、救急車へ収容してヘリが着陸するランデブーポイントまで搬送する必要がありますから、ドクターヘリが如何に早く付近上空へ到達していても、患者sんのいるところへ着陸しない限り、ドクターは患者さんを診ることが出来ませんので、結果的に手遅れで死亡する可能性は高くなるでしょう。

 今回 宮崎県のドクターヘリが着陸した交差点はランデブーポイントであるはずはなく、現場直近着陸の典型的な例ですが、この場所へ着陸するための事前の打ち合わせや、手順が決められているはずも無く、またこの位置で傷病者多数の救急事案が起こることも想定しているはずはありませんから、瞬間的な判断で安全性と、救命効果を読んでいきなり着陸したことでしょう。

 そして多数傷病者の中から、もっとも重症の患者さんを手早い診察で見出し、処置をし、ヘリ搬送したことでしょう。

 もちろんこの地域でドクターヘリ事案が発生すれば近隣のどこへ着陸するかと言うランデブーポイントは決めてあったことでしょうけれども、そこに着陸して、多数の患者さんが救急車に乗せられて到着し、それから患者さん全員を診察してからヘリ搬送していたらどれだけ時間がかかったかわからないでしょう。

 ドクターヘリが導入されてはや15年近くになり、すでこのような現場直近着陸方式へと徐々に進化していく過程に入っていて、先進的な運航現場ではどんどん取り入れてきていますが、一般的にはあまり理解されていないようですし、この件に対して元締めの厚労省や航空機の運航の元締めの国土交通省航空局が何らかの意思表示、見解を示したことは無くどのように考えているか聞いてみたいものです。

 佐賀県が現場直近着陸方式と言うものに少しでも理解があったなら、学校への着陸はやめるなどと言うことは言い出さないで、学校での救急事案だけでも校庭に着陸してくれと言う程度のことは言うと思うのですが、生徒は手遅れで死んでも良いと言っているように聞こえて仕方が無いのですがいかがでしょうか。

 片や市街地の交差点に着陸 片や学校に着陸禁止、、



 



 ドクターヘリは瀕死の患者さんの命を救うことが目的なので、着陸地は医療介入が一番早くできる場所が良いことには間違いはありませんが、さまざまな理由でそのことが実行されないと言う事態がおきることはある程度仕方が無いでしょう。

 九州のある県では学校に着陸すると教育上の負担が大きいのですべての学校は着陸地から除外しましたが、昨日は宮崎市で市街地の中心部の交差点に着陸したようです。

 これがドクターヘリを飛ばす九州内の県ですがところが違えばしきたりも大いに変わるようです。

 教育上の理由で学校に着陸しないことも正当な理由ですし、救命のために交差点に着陸することも大いに正当な理由となるでしょう。

 要は管理責任者が自らの判断で正しいと思ったことをすれば良いのであって、学校に着陸しないことで失われる命があってもそれは仕方が無いことだし、交差点に強行着陸しても救えなかった命も出ると言うことも当然起こりえることでしょう。

 私が溺水で心肺停止の10歳の子供のすぐそばの海岸に着陸した時、100メートル離れた場所のアベックがカメラと携帯電話がヘリの風圧で水没したとクレームが入って30万円の保険金を支払ったこともありましたが、命が救える可能性を信じてやったことにまったく悔いはありませんでした。

 交差点に着陸するには許可がどうとか、2次災害がどうとか、連絡調整はどうとか、色々御託を並べる面々は引きも切りませんが、すぐ助けろと言う人間はほとんどいない中、救命に燃えるフライトドクターはじめパイロットなどなどよく思い切って強行着陸したと思います。

 実は宮崎ドクターヘリと中心になって飛ばす、Nドクターは
数年に亘って豊岡ドクターヘリで経験を積んだ精鋭で、彼ならばこそよくやってくれたものだと感心しました。

 外国は外国はと外野がうるさい中、日本のドクターヘリも捨てたものではないようです。

  もちろん学校に着陸しないドクターヘリに対する私の評価は 「 あほか?」 であることはこのブログの読者なら十分お分かりこことでしょう。

航空界あちらを立てればこちらが立たず!




 航空の世界に限らずあちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たずと、相反することが起こり、とくにヘリコプターの性能などにおいては顕著に現れます。

 最新のオスプレイはヘリコプターとは言えないかもしれませんが、構造上ローターの長さが大変短くて、ヘリコプターとしての性能が大変悪く、とくにホバリング能力が低く、離着陸時の事故が多いように見受けます。

 またヘリコプターの非常時の着陸手段のオートローテーション降下時、速度や降下率を大きくしないとオートローテーションを維持できませんので、実用上はオートローテーション着陸がほぼ不可能となっています。

 もちろんその短所に有り余るほどの高速性能と垂直離着陸機能があり、使用方法によっては最大能力を発揮し、最新鋭航空機としての評価があるでしょう。

 ドクターヘリの場合は日本国内で大きく分けて、ほぼ4機種が採用されていて、それぞれの長所とともに短所もあり、使い方によって最大限の効果が出るのですが、さてその長所は生かされて、短所はうまくカバーできているのでしょうか。

 昨日までの記事でドクターヘリの今後はキーワード方式による119番入電同時発進と現場直近着陸によって医療介入までの時間短縮し、救命と医療費削減効果を追及していくことになりそうですので、ヘリはその目的がより達成しやすい機種、あるいはその特徴性能をより備えた機種が有利となるでしょう。

 そのような性能特徴とは、ヘリは出来るだけ小型で狭い場所へ離着陸できるように、出来れば高速性能よりホバリング性能がよく、不整地や雪上への着陸に有利で、障害物や外の様子が良く見えて視界がよく、故障時の耐空性能がよく、また故障しにくい頑丈なヘリが有利となるでしょう。

 ただし夜間飛行導入となると、飛行距離は遠くになりそうですし、外が良く見えないので不正地には着陸しなくなるでしょうし、計器飛行、自動操縦も必須となり、昼間飛行とはやや傾向が変わった性能特徴が求められそうで、小型だから良いということも無いでしょう。

 いずれにしても帯に短し襷に長いのが航空機の常で機種選定は100%OKはありえませんのでつらいところです。

 ヘリコプター場外離着陸場、、、、






今日はヘリコプターが飛行場以外の場所へ離着陸する場合の許可基準などの運用についてです。


 このブログで何回も取り上げていますが、上の図のような基準でヘリが離着陸する場合、障害物が一定の空域に存在しない場合に限って許可を出すこととして長年運用してきました。

 もちろんそれはヘリが飛ぶ場合に一定の安全性を確保するためで、パイロットがいつもサーカスのような飛び方をしなくても普通の技術で安全に飛べると言うことがヘリコプター社会的にも通用する交通手段として長く安全に飛ばすことになると言う合意があったのでしょう。

 ところが長年飛んでいるところを見ると結構タイトな条件でも安全に飛べそうだし、航空大事故や海難事故のときの救助ではそのような制限を取り払い自由に飛んで自由に離着陸しても大丈夫そうだと言うことで、許可は要らないという例外規定を設けたようです。

 ドクターヘリが飛び出したとき、許可制のままだとほとんど役に立ちそうに無いと言うことが各方面から言われ、年に何回あるかというような航空事故や海難事故を想定して作られた例外規定を、年中通して毎日100件も飛ぶようなドクターヘリにこのような例外規定を当てはめると誰かが言い出して実行しています。

 もちろん許可制では離着陸時の周辺空域の障害物が無いことが前提で調査確認した場合のみ許可を出していましたが、例外規定で許可が要らなくなると所定の空域に障害物があるかどうかは確認されていないと言うことになります。

 ドクターヘリは現在45機程度が毎日飛行しており、各1機当たりの着陸場は400箇所程度確保していますので、全国では15000箇所もの着陸場所があり、そのおのおのはどれが所定の許可を取った安全な空域をもつもので、どれが保護された空域があるかないのかわからないことになっています。

 年に1回あるかないかの航空事故などを想定した法律の例外規定を15000箇所に拡大して飛ばすときの、安全性の根拠はいったい何なのでしょうか。

 このような運用に当たっては、従来から取ってきた事前調査による安全性の確認が不必要と規定で決めても、従来の安全を維持してきた制度が妥当なのかどうかくらいは少しくらい調べてみる姿勢は必要でしょう。

 従来の事前調査による空域の安全性確認が過剰規制であったのならすべてのヘリの運航の離着陸は自由にする必要があるでしょうし、いや、事前調査による許可制度そのものが安全性を維持してきたと言う結果なら、ドクターヘリに毎日100件もの不安全離着陸を認めることはありえないでしょう。

 本当に安全性を守るため、その気になれば15000件のすでに登録している離着陸場所が、従来の基準でどの程度不許可に該当するか、あるいはどの程度が従来の許可基準に合うか調べ、それぞれにどの程度の離着陸実績がありどの程度の不安全実例が生じているか調べるべきでしょう。

 このようなことを言うと当局は必ず、運航会社などへ丸投げして報告を求めてお茶を濁しておしまいになりそうですが、このような大変大きな安全性維持の改革がまったくなんの調査も無く行われてしまうところにヘリコプターの不幸がありそうです。

 従前から離着陸の周辺空域の安全性の確認制度が一瞬にしてすべてパイロットの責任とし、それも年間数回あるかないかを想定した法改正を毎日100回運航するヘリコプターに当てはめ、それを実行するパイロットに何の訓練も課すことなく知らない顔は安全責任官庁のすることでしょうか。

 その気になれば15000件程度は10日もあれば一通りの調査は出来ると思いますが、そのようなことはまったく知らない顔ですから今までの許可制度はいったい何だったのでしょうか。

ドクターヘリ 今後の課題





                            


  昨日はある団体からのお招きで生まれて初めて講演会の講師なるものを努めてきました。

 ということで遠方から来ていただいた方はじめ、参加された皆さんにはつたない話で大変ご迷惑をおかけしたのですが、やはりまとまったお話をするということでストーリー立てていろいろ準備したり考えることで、自分の頭の中や、今後の課題などについて随分と整理できて、考えがまとまってきたように思います。

 ドクターヘリの今後の課題や方向性については管理をする厚労省、地方行政機関、基地病院や請け負う運航会社でもはっきりした態度は表明していないようでどのような方向へ進むのか一抹の不安がありそうです。
 
 その中ではっきりしているのはパイロットが近い将来足りなくなりそうだという点で、このことだけでも早急に手を打つ必要があるのですが、自衛隊OBや自費訓練生からの導入を言ってはいますがとてもそれだけでは足りることはないでしょう。

 特に公的ヘリという部門の警察、消防、防災、そしてドクターヘリもこの分野に入りますがこのような公的な運航に従事するパイロットは公的費用で一元的に募集、訓練をし将来的は保証も与えて優秀な人材を長期的に確保する必要がありそうですが今の様子では10年以内に破たんしそうでしょう。

 次はドクターヘリの今後の方向性についても責任ある部署からの意思表明はありません。

 ドクターヘリの有効性は医療介入までの時間短縮をいかに成し遂げるかで決まりますので、今のランデブー方式中心から現場直近着陸方式へ移行していくことがドクターヘリの方向性としては間違っていないと思うのですが、パイロットの技量と相談してやるかどうか決めるしかなく、この方向性ははどうするか、早急に決定し、訓練や安全管理はどうあるべきか決めるべきでしょう。

 そして現場直近方式が定着し,ドクターヘリの有効性が最大限定着して、初めて夜間飛行の実現性について取り掛かるということが常識的な判断でしょう。

 一部行政の首長が素人考えや成果確保で夜間飛行の実現をあおったり、すでに防災ヘリなどで実施しているようですが、やるべきことには順序と経済性、制度の有効性、安全性など多くの検討事項がありやればよいというようなものではないでしょう。

 というようなことがお話をする準備中などいろいろ考えることで随分と整理でき自分自身にとっても大変良い経験となりました。

 

MRJ 初飛行延期、、、






 26日から30日に予定されていた三菱の最新鋭旅客機 MRJの初飛行を11月2日の週を延期すると発表したそうです。

 線状障害物の記事を書いていたので一日遅くなってしまいニュースの鮮度が落ちましたが重要なので今日取り上げました。

 新しく開発する航空機の初飛行は大変重要なことで、三菱も自信があるから日程を公表してきたのでしょうが、4回も延期すればその自信は完全に裏目と出たと言えるでしょう。

 新造機の初飛行は大変技術的には大変重要な事柄で発表した日にちが一回で延期すれば、その技術力に対する信用はがた落ちとなるでしょうし、国家的な事業として開発側とほぼ一体となってる検査認可する航空行政当局とうまく行っていないか、あるいは開発そのものに問題があるのではと疑ってしまいます。

 そしてその発表される延期の理由の改修する場所についても疑ってしまいます。

 延期しようとしまいが、機体全体の回収作業は延々と続くものですし、運航会社へ納入された後も普通に改修が行われるもので、今回の方向舵の改修が本当ならどのように飛行の安全性に大きく影響するものなのか、本当のところの理由を聞いてみたいものです。

 ラダーの形状の改修程度のものは普通に考えて飛行の安全にはほとんど影響は無いでしょうから、初飛行から納入までまだまだ長時間あるはずですからその間に改修すればよいようなものです。

 さてそのラダーの不具合が本当に飛行の安全に影響があるのか、あるいは後で改修するのではだめなのか、あるいは許認可側との意見の対立があるのか、あるいは本当はらーラダーでなくもっと重要な不具合が見つかったのか心配になります。

 過去に三菱はMH2000と言う、民間用ヘリの売り出し後にテスト飛行で墜落死亡者を出していて、その原因はダクテッドファンのテール部分の強度設計を誤ってしまったという苦い経験をしています。

 4回にもなった初飛行の延期、これの意味することは新造機開発の難しさなのか、それとも納入紀元を守って運航会社に売り込む営業の仕方が十分安全な初飛行を待ってくれないと言うことなのか内情が大変気になるところです。

 あるいはそこには許認可行政当局の航空局との意見相違がありうまくいかないの色々事情はあるのでしょうが、出来れば事情に影響されること無くぜひとも安全に進めてほしいものです。

ヘリパイロット 線状障害物は見えない(3)





 線状障害物が背景に溶け込んで見えないとヘリパイロットの取っては大変な天敵ですが、低空飛行しない限り引っかかることは無いと言う保証は、長野県で取材ヘリが対地150メートル以上の送電線に衝突して墜落全員死亡した事故でもろくも崩れました。

 つまり法を守って飛んでいても線状障害物は危険であるということを証明してしまったのですが、ヘリのパイロットにとっては救助事例ではどのような低空飛行も認めていますので、自分を守るためには何らかの事故防止策を持っている必要があるということになります。

 一番の事故予防策は訓練であることは間違いありませんので、訓練が出来ればよいのですが、農薬散布や送電線巡視、物資輸送をするパイロットくらいしか訓練や実務飛行をすることは出来ないという現実があります。

 ということになるとドクターヘリや県警ヘリ防災ヘリのパイロットはこのような飛行の経験があるパイロットとそのような経験のないパイロットでは低空飛行の能力には圧倒的な差があるということで今後のパイロットの新陳代謝で若手が入ってくると危険性が増すという傾向が強く出る可能性が高くなります。

 この経験の差はなぜ出るかというと、低空飛行を多くやったパイロットが見張り能力が高くて、経験の無いパイロットには見張り能力が低いということではありません。

 低空飛行の経験の多いパイロットがなぜ安全性が高いかというと、地形や送電線鉄塔や電柱、山額地帯の様子などで、線状障害物がどこにあるかという予知能力が高く、その余地に元づいて見張りをするため、発見が早い、あるいは見つけ出す能力があるということになります。

 人の住む島があれば電源ケーブルは海底か鉄塔しかありませんし、電柱や鉄塔があれば必ず線があり、その線はどことどこが結ばれているか、予想し見張りをするのですが、漠然と首を動かして視線を移動していても見つけ出すことは大変難しいと言えるでしょう。

 心そこにあらずんば見れども見えずですので、いかに線状障害物の状態を読めるかにかかっています。

 つまりヘリパイロットが何千時間飛んでいようとこのような注意配分をしながら飛んだ経験のないパイロットは、線状障害物に対する耐性はないということになります。

 これは他の障害物に対しても同じことで、ローターやテールローターを後方の立ち木にぶつけたりするのも同じような現象ということがいえるでしょう。

 救助事例で安全性が保障されない低空飛行や離着陸を許されるパイロットにはどのような訓練や経歴が必要かということが一目瞭然なのですが、完全安全保障体制を基本とする航空法体系の下ではこのような訓練は出来ないという縛りがあり、さてこの矛盾をどのように解決していけばよいのか、速やかな答えが求められています。

 もう農薬散布のフライトは無くなってしまったのですから、、、

ヘリパイロット 線状障害物は見えない?(2)、、、




 昨日に続いてヘリパイロットの大敵、線状障害物の話題です。

 線状の障害物は見えにくい、あるいは見えないという話をしましたが、そもそも航空法に守られて飛んでいるヘリパイロットには線状障害物が大敵であるとか、衝突して墜落すると言う話の前提すらないことになっていると言うと 「えーーっ」 と 言う反応が聞こえて来そうです。

 航空法の最低安全高度の設定を守っていれば、そもそも航空機が線状障害物にぶつかるはずはありませんし、法の例外規定で最低安全高度以下で飛行する許可を貰って飛ぶ場合、建前上はすべての飛行に障害となる障害物は調査済みで安全が確保されていないと許可は出ないことになっています。

 そしてもうひとつの問題点は飛行場以外の場所への離着陸においても進入、離陸上昇の経路においては、おおむね最低安全高度程度まで到達するまでは、障害物があってはいけないことになっていますので、そもそもヘリパイロットが線状障害物が見えにくいとか、発見が難しいと言う話はありえないといえるような法制度になっています。

 もし私が今書いた条件が正しいとすれば、線状障害物にぶつかって墜落するヘリのパイロットはとんでもない無法者でまるで暴走族のような飛び方をしたか、あるいは許可申請における調査が十分でなかったか、あるいはその十分な安全確認を怠った調査による許可申請をめくら判で許可した航空当局に怠慢があるということになります。

 誰かがズルをしたり、怠慢があったりしたのでなければ色々なところに法が想定した安全性維持機能に齟齬があるということも考えられます。

 線状障害物にぶつかる事故の防止に対する法律の施行による安全維持機能が完全ならばヘリコプターにワイヤーカッターを装備することなど、まったくいらないことなのですが、現実には多くのヘリが装備していますから、誰かがいかに日本のヘリの低空飛行にかかわる安全性は完璧だと言ったとしても、パイロット自身は低空飛行や線状障害物に対する耐性を身につけておく必要性があるということは否定できないでしょう。

 愚だ愚だ色々書きましたが日本の法制度ではヘリのパイロットの低空飛行時の安全は守ってくれないことには間違いはなさそうです。

 とくに航空法の例外規定で救助ヘリは低空飛行、場外着陸は自由にやって良いと決めたのですから、パイロットは自ら線状障害物に対する安全性を自ら身に着けておく事は自分自身が長生きするためには絶対に必要なこととなっています。

 もちろんいかに救命に飛ぶドクターヘリなどのパイロットと言えども安全に飛ぶ権利、命を無駄にしない権利はありますから、危険なところへの飛行は拒否して、任務を中断する自由はありそうですが、さてどのあたりがその境界線かなかなか決めることは難しそうです。

 なぜかというと線状障害物は見えにくいからです。

 ないと思ったところに線があるとおしまいということになります。

 続きは明日にします。

ヘリパイロット 線状障害物は見えない?、、




 ヘリコプターが送電線や索道に引っかかって墜落する事故は農薬散布が華やかなころ多発し、多くの犠牲者が出ました。

 20年ほど前から農薬散布は無線操縦のヘリに取って変わられ実機のヘリの出番はほとんど壊滅的になくなり、その様な事故はめっきりなくなりましたが、油断は出来ないもので海上保安庁のヘリが5年ほど前、瀬戸内海の島を渡る送電線に衝突し乗っていた5人全員が死亡する大事故が起きています。

 送電線や索道のワイヤー電線などの線状障害物は地上から見上げるときは空が背景になり比較的見えやすいのですが、飛行中のヘリなどから見る場合、背景が地上の地形地物であったり、海であったりしますので、背景に溶け込んで大変見えにくい状態となることは、実際に低空で飛んでいるヘリパイロットにしかわかりませんし、普通の飛行機で飛ぶパイロットにはそのような状況で飛ぶことはほぼありませんので理解されることはないようです。

 もうひとつ言えることは、あらかじめ資料などで事前に知っていて、飛行中にその障害になる線をあらかじめすでに見つけていても、背景の影響や、ごく細い見え方ですので、遠近感が非常にわかりにくいと言うことがあって、パイロットがすでに確認している線に衝突してしまう場合も大変多く発生しています。

 つまり飛行コースにある線状障害物を見落とせば確実にぶつかりますし、見つけるのが遅すぎても、またある程度余裕を持って発見していても、遠近感の判断を誤れば大変危険だということになります。

 ドクターヘリの運航においては農薬散布飛行と違いそのような低高度を飛行する必要がありませんから、このような事故は起こらないかというとそういうわけでもないということが言えます。

 通常ヘリが飛行場以外の場所へ着陸する場合は、着陸帯の広さのほか、着陸場所へいたる一定の進入空域に障害物がないということを事前に調査して許可を取っていますが、ドクターヘリの場合このような許可を受けることなく着陸できますので、所定の調査や許可申請が行われていない場所が非常に多く、進入空域に線状障害物がないという保障はない場合が多くなります。

 ということで、離着陸の時の空域の線状障害物などの情報はないものとして飛ぶ必要がありますので、いつ瀬戸内海の事故のようなことが起こっても不思議ではないということになります。

 また通常の空域の高度制限、対地150メートル以上に渡っている送電線や木材搬出用の索道などがある可能性があり、このような情報は自ら探すしかなく、誰かが事前に通報してくれることにはなっていないのが普通です。

 索道の場合は起点と終点がほぼ山の木々に囲まれているようなことが多く大変見つけにくくなっていることが普通です。

 高い送電線は両端が高い鉄塔があるから必ず見つけやすいかというと、山の地形によって見る方向によれば鉄塔が山に隠れている場合もあり油断は出来ないということです。

 また送電線は分岐したり、交差することも良くあり、その分岐点や交差点を見間違うと突然線が近くにあったりすることもあり注意が必要となります。

 着陸に許可が要らない、低空飛行に許可が要らないということはパイロットにとっては当然法律に基づく事前調査による情報で保護される安全性が、一挙に自己責任ということになり責任は大変重いものとなります。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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