ドクターヘリパイロットの成長管理は、、、




 ドクターヘリを飛ばす基地病院の救急医の勤務は研修医を終えて数年程度の医師にかなり人気がある職場のようで、多くの新人が次々と入って来ています。

 救急医にとってドクターヘリの対象とする患者さんは重症度が高く、また救急現場から初期治療を行う経験蓄積には大変有効な職場であるようです。

 また 出動回数が多いほど短期間に経験できる症例も多く、大変恵まれた職場であるようです。

 経験を積んだ新人の救急医はずいぶんと自信を深めて、次の段階へと転職していく事例も多く見て来ました。

 ドクターヘリのパイロットはこのような医師の成長管理に比較してあまり恵まれていないように思います。

 ヘリコプターのパイロットも定期便のパイロットや自衛隊のパイロットと同じように成長段階に応じて適切な職域、職種、機種など階段を上っていく必要があります。

 その階段の一部の部分をドクターヘリという職域で過ごすことがヘリパイロットとしては必要で、一生ドクターヘリということは本人にとっても、職場にとってもあまり良いこととは言えないでしょう。

 ドクターヘリは新人パイロットにはとても無理な職場で2000時間程度の飛行経験が必要なのですが、30歳40歳で2000時間程度のパイロットがその残った人生すべてをドクターヘリということはあまりお勧めできません。

 まず第一にドクターヘリのパイロットは年間の飛行時間は大変少なくて、150時間から200時間くらいが普通で10年やっても2000時間は飛べないので、技量経験的にさほどの進歩は望めないと言うことがあります。

 パイロットは一般には10年程度以内に新しい機種、より大型の機種へ転換する訓練を経て、新しい飛び方をする内容の職域へと転換していくことが進歩する上で大変有効でしょう。

 また長い飛行経歴の中で操縦教育や実務訓練の教官配置、審査や査察の仕事、また実務訓練の教育管理なども経験として積んでいく事が本人の能力向上に大変重要な経験となります。

 このようなことは医師や看護師などの世界もよく似通った面があると思いますが、ドクターヘリのパイロットも10年も20年も同じ仕事ばかりするような配置は避けるべきでしょう。

 と ここまで書いてきて、このようなことが実際に出来るような民間ヘリ会社は実際どの程度あるのかと見渡したとき、背筋が寒くなります。

 防災ヘリや警察消防ヘリなども殆ど似通ったような状態で、このようなことがまともに出来る、パイロットを一生のスパンで管理教育向上させることができるような組織は自衛隊と海上保安庁、定期航空大手2社くらいしかないことがわかれば、お先真っ暗とでも言うべきでしょうか。

 ドクターヘリのパイロットが足りなければ自衛隊の経験者を回せば良いなどという政党があるようですが、今日の論点から言うとまったく無謀と言うしかなく、医者が足りなければ朝鮮と中国からつれてくれば良いということと同じ程度の発想でしょう。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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