空中を遊泳する航空機、、、




 遠い大昔 と言ってもわが人生における遠い昔ですが、私が始めて飛行機に乗せてもらって空を飛んだ経験は名古屋の小牧基地で当時、航空自衛隊の輸送航空団の主力輸送機C46でした。

 確か中学生のときで、新聞社の募集で、航空自衛隊小牧基地の体験入隊のイベントで応募した所運よく当選し、その1泊2日の2日目に体験飛行として載せてもらい、小牧基地を北へ向けて離陸し。岐阜飛行場の周りを一回りして帰る20分程度の飛行でした。

 そして64歳でドクターヘリで豊岡病院への着陸で飛行人生は一応終わりましたが、その中で初飛行や初単独飛行も大変印象深い出来事でしたが、自分自身がもっとも印象深く残るシーンはやはり、初めて編隊飛行で飛んだときに印象でした。

 自分が飛んでいる感覚は確かに飛んでいるのですが、編隊飛行で飛んで初めて空中を遊泳していることが実感としてわかり、特に離陸滑走を始めて僚機とともに浮かび上がったときこそ、空を飛ぶ実感そのものでした。

 その後訓練課程が進み、ジェット機での編隊アクロバットや、空中集合などの訓練を広い空で繰り返すとき、本当に飛んでいるという実感に酔ったものでした。

 何しろ対象物のない広い空では、自分が動いているのか、僚機動くのか、空中集合ではどちらがどの程度の接近率で近づくのか、訓練当初の新米には大変判断が難しく、苦労したものです。

 このような空中での感覚がその後の長いパイロット人生の中で他機との接近飛行や衝突回避、そして鳥との衝突回避などの空中間隔にどれほど役に立ったかわかりません。

 一般の民間出身のパイロットはこのような訓練をすることはなく、また他機と接近して飛ぶ機会も大変少なく、このような能力においてずいぶんと不利な状態で飛んでいるように思いました。

 自分は自衛隊で一通りの訓練を受ける機会が十分で、このような編隊飛行、航空生理訓練、パラシュート降下訓練などを受ける機会があり、ヘリコプターとはいえその後のパイロット人生にはずいぶんと役に立ったように思いました。

何しろ自分が飛んでいるという実感は自分のすぐ脇を飛ぶ僚機の姿を見て初めて強く感じたものでした。
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大災害時のヘリコプターの燃料の取り扱い、、



 このブログをはじめた当時、災害で出動したヘリコプターが集結した、広場などで給油することは、地方ごとに定められた消防法に基づく地方条例に違反する可能性が高いことを取り上げたことがあります。

 昨日その件について書き込みをいただいたようです。

 ヘリコプターの燃料はジェット燃料はガソリンよりは危険性は低い灯油と同じ分類ですが、それでも、地方ごとに決められた条例規制され、一定の設備を持った貯蔵施設や、取り扱い施設でないと規定数量の取り扱い つまり給油 そして貯蔵が出来ないことになっています。

 そのような設備がないと殆ど扱えないか、100リッターまでなどとごく少量なら給油できる所もあるようです。

 ドクターヘリのような小型のヘリでも1時間飛べば200リッター程度は消費しますので、規定の設備施設が必要となりますが、大災害などで出動した場合は、合法的には空港のエプロンでしか給油することは出来ず、東日本震災の場合のように、福島空港の滑走路横の芝地で給油することも条例違反となるようです。
 
 ですからどこかの医科大学のグランドの角や都市の運動公園にドラム缶を20本も30本も集積して入れ替わり着陸するヘリに給油することなどはもってのほかということになります。

 以前はヘリコプターが遭難などした人の人命救助のために、山頂などに着陸することは事前に調査して申請し、安全であることを確認してからでないと許可になりませんでしたが、そんなことを言っていては防災ヘリや消防ヘリの救助はありえないと言うことがわかり許可申請は要らないということになりました。

 つまり人命救助のためには今までは安全が事前に確認された場所にしか着陸させないことで、一定の安全性を保障していたのですが、救助ということのために救助ヘリの乗組員の安全性は無視されたことになり、2機の防災ヘリが墜落し7名程度の方の命が失われたということが起こっています。

 給油や備蓄の問題の違法性は、消防関係の地方条例の規定なので、その部分の改正を適切に行って災害用のヘリが違法な燃料取り扱いをする事なく、十分に飛んでで活動できることが必要と思われますが、なぜか改正されたということはないようです。

 航空法の事前許可なく自由に着陸出来る改正はあっという間に行われましたが、ただし改正前に許可制として安全性に一定の縛りをかけていた内容が、まったく改正に応じた新たな安全性を保障するすべを無視してしまって訓練すら認めていませんので改正なのか改悪なのか良くわかりません。

 危険物の備蓄と取り扱いの規制を改正し、災害用ヘリコプターのスムースな運航を助けることは確かにそれなりの理由はありますが、そのためにはヘリコプターの燃料の取り扱いについての安全性を確保した上での新たな制度が必要なことは言うまでもなく、そのめどもなく自由にグランドに10000リッターもの燃料を積み上げ、燃えやすい芝生の上で、漏洩燃料用の溝や枡もなく自由に給油させられないと言うことでしょうか。

 いち早くヘリはどこに着陸していいよと無責任に改正するほうが良いのか、それとも、ちゃんした安全性がないと言い張って改正しないで、いつまでも違法行為をさせ続けるほうが正しいのか、いづれにしても両方お役所なので少し話し合ってみてはいかがでしょうか。

 それにしても災害に応じて飛ぶほうの者としては、どちらも無責任と言うしかないのですがいかがでしょうか。

パイロットの選抜と生涯管理、、、




 パイロットが意図的に航空機を墜落させた事件は過去に何件も起きていますので、機器類の故障や操縦士に操作ミスや判断ミスなどで起こる事故がやや減少の傾向にある中、だんだん目立つ事故原因となってきているようです。

 最近では何ヶ月も行方不明になっているマーレーシア航空の例もこの原因と同じかもしれないでしょう。

 人間の一生においてこのような精神的に不安定な状態を完全に防ぐことが非常に困難ですので、どのようにして最悪の事態を防ぐかを十分に検討し、実行していくことが大変大切な時代となってしまっています。

 人権問題に強くかかわるのですが、まず第一にはもともとある程度以上にに異常性を秘めた人間は採用しないと言うことと、一旦採用してパイロットとして仕事を続けていく上では、会社は組織、そして周りの人間などがお互いによく見守って、最悪の事態を防ぐネットワークーをうまく機能させると言うことに尽きます。

 通常の場合 航空経歴がまったくない、白紙の人間を候補生として採用し、軍や航空大学などでかなりの長期間寮生活、集団生活の状態で、飛行訓練前の基礎教育をしながら、人間を見極めると言う過程が大変大切なこととなります。

 一旦飛行訓練を始めてしまうと、多額の費用がかかり、過程が進むにしたがって首にすることが本人とっても組織にとっても大変難しくなってくるからです。

 資格を得て実務に着いてしまってから首にすることは、地上教育の段階で首にするより、本人にとっても組織にとっても、この決断は大変大きな負担となるでしょう。

 このような状態で、一番難しいのはやはり他社や外国で実績があるという触れ込みで採用されたパイロットが一旦審査をすり抜けてしまうと、事故や大きなインシデントがないと首には出来ないで飛び続けることになり、過去の健康問題や、技術上の欠陥を見逃すことになります。

 今回の犯人の副操縦士が、さまざまな関門を通過してきた中で、この人間をLCCの親会社の大手航空会社なら採用したかどうか、もうひとつは長くグライダーを飛ばしていた航空経歴がない、真っ白な人間であった場合に精神的な病歴などを確認したとき訓練を続けたか、首にしたかと言う微妙な判断が今になって問われることになるでしょう。

 わかりやすい例で言うと、やや精神障害の恐れのある事業用操縦士の資格を持つ人間と、まったく航空経歴のない、新人を一から訓練するのとどちらを取るかと判断すう時に、資金力のある大手は、真っ白の人間を取り、LCCは少しでも安く養成出来る精神異常者を取りかねないと言うことがはっきりわかります。

 これは採用時の例で、採用後の経過管理、健康管理、人事管理などではさらに袋小路に迷い込んでしまい、抜き差しならないところまで行かないと改善がなされない恐れが強くなって、最後に暴発したのが今回の例かもしれません。

 LCCとはいえ、比較的安定した航空会社でもこのような状態ですから零細企業のヘリコプター運航会社では更に悪い条件が蔓延している可能性は否定できないかもしれません。

 パイロットの初期からの養成では、普通はかなり厳しい寮生活からスタートし、ある意味24時間監視の元で共同生活をさせながら基礎的な訓練をし、適格者に対して飛行訓練に投入すような慎重性が必要とも言えるでしょう。

 パイロット志望の20代にもならない若者を、まったく何の選抜もなく、パイロットへの早道と称してお客さんにしたてて、多額の金額を巻き上げて、味噌もくそもライセンスを与えて、無謀な夢を植えつけてしまう無謀な道を閉ざす必要まではないでしょうけれども、何とかしないといけないかもしれません。

 パイロットの選別を神の手を使ってやるごとくやってのけ、今回のような事例をいち早く防ぐ手段があるのなら、パイロットの初期からの選抜と訓練、そして生涯に渉る健康管理などああだこうだと論ずることもないのですが、世の中難しいものです。

ドイツ機墜落事件 パイロットは鬱だった?、、




ドイツのLCC機の墜落事件は新たな段階へ進んできたようです。

 この27歳の新人副操縦士は医師の診断で乗務をとめられていたようですが、会社はそのことを把握していなかったか、知っていても知らない振りをして飛ばしていたようです。

 もし知っていて飛ばすなら、相棒となる機長たちに目を離すなと言っておけばこのような事件は起きなかったでしょう。

 周りの人間の証言で鬱症状を知っていた者がいるような記事が報道されていますので、上司である機長たちや同僚など周りの人間が気を付けていれば、必ず異変に気づき、大惨事は避けれた可能性が強く、他人のことや仲間うちのことでも、無関心、無責任がはびこる世は日本だけではないようです。

 鬱症状など精神的な病気はパイロットにとっては致命傷で、ほぼ100%仕事を失うことは確実で、本人から申告することを期待するのは大変難しく、周りの人々が気をつけるということが大切なのですが、だからと言ってだれだれは欝だ、などと言うことも大変はばかられて、難しい問題です。

 ただし、自分の周りのパイロットに異常な言動はないか、落ち込んでいないかなど気をつけるに越したことはなく、特に部下や後輩は暖かく見守ってあげて欲しいものです。

 しかし どこまでが正常で、どこからが異常だというような判断は素人には大変困難で、医療サイドのかかわりが大変重要となりますが、日本においては異常と判定されればパイロットでなくても、社会的な地位を一挙に失う危険性があり、大変難しいようです。

 また鬱病は重症なときではなく、回復段階での自殺願望が強くなるそうで、直ってきたからと言って、周りが安心している時に自殺するケースが大変多いそうで、今回の場合、この副操縦士が、乗務停止の判定を苦にして自殺と言うことと、鬱症状のある程度の改善時の自殺のケースと言うことが重なったと言うこともあるかもしれません。

 日航機 羽田沖墜落、機長何をするんですか、事件のときも、周りの人間はずいぶんと前から異常に気がついていたことが後で明らかになっています。

 今回の事例もこのような例に漏れず、すでにグライダーを乗り出した少年時代からなんらかの異常に気づいた人たちが多くいることでしょう。

 そのような人たちも公式には何もわからなかったと言うしかない立場を守っているのでしょう。

 これでは同じような事件は防げないと言うことになります。

 さてどうしましょう、、、、、、


ドイツ機墜落 最悪の原因 何を学ぶか、、、




 ドイツのLCC機が墜落し、150人の方が亡くなった事故の、私の原因予想はものの見事にはずれ、事故から事件へと変化しました。

 航空事故が起きた場合、通常機械が悪者になり、パイロットは性善説を前提にして、誤って失敗したのではないかと言うような見通しで、事故調査が始ります。

 事故調査の前提がパイロットは善人でただの馬鹿だから何か間違ったんだと言うことから始まるのが普通でしたが、パイロットが馬鹿でなく、極悪人だったと言うことなら事故調査そのものは殆どいらないと言う例でしょう。

 このような悪人犯罪者がパイロットになることは絶対防ぐことは言うまでもなく、出来れば善人で、努力家で、嘘はつかず、そして常々勉強を欠かさず、向上心に富んでいて、厳しい航空身体検査を一点の傷もなく通過し、欝や精神病を持たず、もちろん操縦技術は抜群で、できれば65歳くらいまで病気ひとつせず、さらには常に会社や組織の言いなりになってくれるような人間をぜひともパイロットに採用したいことでしょう。

 そんな人間はめったにいないことでしょうし、採用の20代前半の時期にすべてを見抜くことは不可能でしょう。

 今回の犯人の副操縦士は630時間しか飛んでいなかったようですから、採用から事業用操縦士資格を取るまで1年程度、250時間くらいの飛行経験と、副操縦士資格取得まで50時間程度、ここで半年くらいで早くて、計1年半くらいでしょう。

 そして副操縦士としての職務に着くと一月に少なくとも50時間くらいは飛行しますので、約半年で事故現在の飛行時間になることでしょう。

 そうすると2年くらいの間にこのパイロットを教官として指導したり、資格を与えるかどうかの審査したり、入社初期の社員教育をしたり、運航管理者として接したり、訓練段階から同期生として一緒に訓練を受けたりしたときの周りで直接、接した人間がどの様な人物評価をしていたか大変気になるところです。

 機長何をするんですか墜落事故のときと同じように、このような周りの人たちの中で、必ずこのパイロットの異常性を認識していたものは絶対にいるはずですが、いわゆる登用決定権者の目はうまく、すり抜けて副操縦士として飛び続け、本人にとっては予定通りに150人を道ずれに山に突っ込んだと言うことでしょう。

 このような事例に接するとき、どこかの政党がドクターヘリのパイロットは自衛隊から連れてくれば良いと言う安易な解決方法を言っている無責任さを指摘せざるを得ません。

 ドクターヘリのパイロットにはドクターヘリを飛ばす技術とそれを包括する人格、性格、肉体的条件、精神状態などがあることは当然なのですが、自衛隊のヘリパイロットがあたかもこのようなドクターヘリ程度なら十分すぎるものを持っているものと安心して判断しているのですが、果たしてそうなのでしょうか。

 大手民間運航会社も最近は人手不足で、引き抜いてきたパイロットを数年もしないうちに重要な部署へ付けて飛ばしていますが、いずれ痛い目に遭うでしょう。

 私たちが飛び出したころは、ヨチヨチ歩きからひよこになって、成鳥になりベテランになり、やがて飛べなくなるまで多くの仲間、上司 後輩がお互いに見守りあいながら、下手なやつにはそれなりのフライト、体力ないのは報道ヘリ、根性があるのは物資輸送などとそれなりの住み分けと昇格をこなしながら、失敗を防いできたものでした。

 来月からドクターヘリに乗せるパイロットを自衛隊から引き抜いてきたから、30時間飛ばして実務に付けようなどとは、恐ろしくてとても出来ないと思いますが、国土交通大臣がやれと言うならやるのでしょうか。

 自衛隊で5000時間飛んだといわれても、その履歴を逐一見ていたわけでもなく、どんな性格やらわからず、やはりどこの馬の骨かなと思って、本性を出すまで1年や2年は様子を見たほうが良いでしょう。

パイロットはちゃんとした養成機関でそして運航会社などそれなりの組織で、それなりの人間が十分な時間と手間をかけて育てることが必要で、あっちで1年ライセンス、こっちの会社1年300時間、などと点々とするような制度は必ず今回のような人物が紛れ込む恐れが大きいと言えるでしょう。

 墜落したドイツLCC機 事故原因は、、、





 なぞが多いフランス山岳地帯に墜落したドイツのLCC機ですが、原因らしきものがあまり報道されていません。

 JALやANA出身の航空評論家諸氏も説得力のある解説を出来ないほど、謎が多い今回の事故ですが、いつもと同じように素人評論家が事故原因に迫ってみます。

 パイロットは飛行の継続困難な重大な故障やトラブルなどが起こった場合、故障に対処し始めると同時に外部に対して通信連絡をすることが大原則です。

 無線通信は操縦かんについている送信ボタンを押せば則、送信できますし、トランスポんダーというレーダー識別用の通信機はほぼワンアクション2,3秒で送信可能ですから、パイロットが意識喪失にでもならない限りは8分間の急降下の間にそれが出来ないことなどありえないでしょう。

 パイロットが意識喪失かまたはそれに近い状態で、殆ど操縦することも、無線を出すことも出来ない状態なら今回の墜落は理解できるでしょう。

 パイロットが上空で意識喪失など操縦できない状態になる可能性は、低酸素症と心筋梗や脳出血などですが、2人操縦の航空機では同時に2人とも意識喪失するのは低酸素症しかありえません。

 日本では以前一部で問題になっていましたが、酸素や与圧なしに飛行できない1万フィート以上の高空を飛行する、民間の操縦士たちが、航空自衛隊などでは行っている航空生理訓練と言う、減圧室に入って体験する急減圧や低酸素症、急降下などの訓練を受けていないことが問題ではないのかと言うことがありました。

 私が大昔数回受けたこの、航空生理訓練では低酸素症で実際に意識を失う状態を体験する訓練が非常に印象的でした。

 2万5千フィートまで減圧した訓練室で、酸素マスクを取って、1000から999、998、997とメモしていくのを酸素マスクを付けて、横に座った補助者が見守ってくれていて、だんだん低酸素症の症状が出てきて、書き込む数字がミミズが張ったような字になり、ついに何も書けなくなった瞬間、意識が遠のいてきます。

 そして、頭ががくんと落ちて意識が完全になくなった瞬間、隣の補助者が酸素マスクを口に押し当ててくれました。

 100%酸素が肺に入った瞬間あっというまに意識が戻ります。

 おおむね普通の人間で2万5千フィートなら30秒から1分程度で意識を失うそうで、その間なんともいえないような気持良さで、眠りに落ちていくようでした。

 また個人によっては指先に変化が出たり、体に熱感があったりするようです。

 つまり自分が低酸素症で意識を失うまでどの様な経過をたどるかを実際に体験し、戦闘機でひとりで飛行中に酸素系統の異常等が起こっても、うまく対処すれば生き残れるし、わからなければ眠るように意識を失って、墜落すると言うことになります。

 実は同期生の一人がF104の高高度ミッションで編隊飛行中、何の応答もなく編隊から離れて若狭湾へ突っ込んで殉職した事故があり、これは着けていたムーンスーツのコネクタ部分の接続に問題があったのではないかといわれました。

 過去にはビジネスジェット機が予定航路を外れて、高高度で直進飛行を続け、緊急発進した戦闘機から操縦席を覗くとパイロットたちが意識を失ってうなだれていて、燃料がなくなって墜落したと言う事故例もあります。

 今回の事故では1万1千メートル 3万3千フィートを巡航していたそうですから、酸素を付けなければ10秒から30秒程度で意識喪失し、ある程度以上の時間、低酸素状態が続けば低高度へ降りても意識回復しない可能性は大きいと言えるでしょう。

 もしキャビンの一部が壊れて一挙に与圧が抜ければ、航空生理訓練で実際に体験したようにに、急減圧が起こり、室内は一瞬霧が発生し、5秒程度で消えますし、そのときには酸素マスクも降りてきているので、何とか酸素マスクを掴んで必死に対処できたのでないでしょうか。

 私が思うのには今回のトラブルは急減圧ではなく、室内の与圧を調整するレギュレーターの故障で3分とか5分かけて静かな減圧が起こり、酸素マスクが下りてきて、それを間違ってマスクの系統の故障 誤作動と勘違いして酸素を吸わないでいるうち、意識が遠のいてきて、あわてて緊急降下にセットしたところで意識が尽きて、戻ることがなかったのではないでしょうか。

 このストーリーなら無線連絡やトランスポンダーの送信がなかったことも頷けます。


 フランスでA320墜落 全員死亡か、、、




 本当に航空事故は連鎖するようです。

 先日の南米のヘリ衝突事故から一月も過ぎていませんので、もはや 連鎖すると言う状態ではなく、一定の期間ごとに航空事故が起こっていると言って差し支えないような状態です。

 それに比較すると日本の新幹線は運航密度と運航速度を考慮すると、50年以上の旅客死亡事故なしは驚異的な記録でしょう。

東京のキーテレビ局各社が、東京直下型地震や東海沖地震が予想される中、地震の揺れで高速走行中の新幹線が脱線転覆し、一度に数千人以上の死者が出ると思い込み、何回も取材訓練をしたのがすべて無駄になったとこは大変喜ばしいことでした、

 その後地震計を遠い海底地下に設置したので、地震が来ても揺れが新幹線の線路地域を襲う前に自動的にブレーキがかかって減速するシステムを実用化してしまいましたので、最早脱線すらしないようになってしまっているようです。

 このような新幹線のシステムの進歩の中、航空機はヘリを含めて事故は一定の確率で起こり続けていて、多くの死者が出ていますので、改善の様子が十分に見られるとはとてもいえないようです。

 世界中で起こり続ける航空事故の中でも、ヘリコプターの事故はより多く起こっていて、関係者の謙虚な姿勢と、必要な訓練や施設の改善、運航制度のより安全な運用などが望まれます。

 この点から見ると、ヘリコプターの運航制度の規制緩和や乗員の養成制度の維持発展が見られず、どうも公的ヘリの運航の法的な規制の緩みには目を覆いたくなるような状態が放任されているようです。

 そのもっとも極端な例は、公的ヘリの救助に際して運航規制上の許可なくどこにでも着陸しても良いと緩和しながら、同じことを訓練で出来ないような、安全運航上大きく矛盾するような制度を長期間渉って実行しながらまったく、改善の見通しすらないと言うようなことを続けています。

 安全運航は絶え間ない努力を続けていても起きる可能性が高く、いい加減な制度をやっていて事故が起きないなどということはありえないと肝に肝に銘ずるべきでしょう。

 世界に誇る新幹線という良い見本が身近にありながら情けないことです。

ドクターヘリ 最大重量の決め方、、




 ヘリコプターは運航する機種によって、機種ごとにマニュアル上の最大重量が決められています。

 トラックなどの場合、マニュアル上の重量は最大積載量4,5トンとか決められていて、昔は3倍もの貨物を積んで走ることもあったようですが、過積載の取締りが厳しく行われたり、また過積載による機械的な劣化の問題などもあって、最近は極端な過積載はあまりないように聞いています。

ヘリコプターの最大重量は荷物乗客の重量だけでなく、搭載する燃料や、取り付けられた機器類の重量まで合計し、最大重量が決められています。

 最大の重量は主に機体各部分の構造強度を基準として決められていて、最大重量で実際に離着陸したり、一番馬力が必要なホバリング(地面効果外のホバリング)が一定の高度以下、つまり空気が薄くなる状態で安全に出来ると言う保障はありません。

 一例を挙げますと、マニュアルには精密なチャートがあり、高度5000フィートで外の温度が10度Cならホバリング可能な最大重量が2,50トンなどと読み取ることが出来るようになっています。

 5000フィート10度Cの高度の離着陸は2.5トンならば出来るかというと、無風状態でホバリングは出来るのですが上昇する力がありませんので安全には出来ないと言うことになり、さらにその場所の風が正対風なら必要馬力が減って何とか可能になるか、また背風や、テールローターが余分に馬力を食う方向の横風ならまったく出来ないと言うことになります。

 では重量を落として、どの程度の余裕を取るか、またはどの程度の重量を落とせばどの程度の余裕が出るかは、経験とマニュアルのデータとの兼ね合いでパイロットがどうするかと言うことを決定する必要があります。

 と言うことでドクターヘリなどが実際に飛行する場合で、狭い場所での離着陸をする場合を想定するには、搭載する乗客数や荷物の重量がほぼ決まるので、後は燃料の塔裁量で調整しますが、行動半径と余裕燃料が決められてしまいます。

 このような条件をあらかじめ考慮して、燃料搭載を決め離陸重量を設定していますので、マニュアルで最大重量が決まっているからと言ってその重量はとても詰めることはなく、さらに燃料の最大搭載量は2,5時間の飛行可能とマニュアルで決まっていてもその量を常に詰めると言うことはありえないことになっています。

 通常このような状態で運航していますので、各基地と機種の違いによって幾分違いが出てきますが、1時間半程度しか飛行出来ないことが多く、2箇所の出動要請を続けて飛んだり、標高の高い所へ着陸する場合など、パイロットが自分の経験と技量によってどの程度の余裕を取るかなどパイロットの固有の判断が運航に大きく影響することが出てきます。

 このような判断にはもちろん雲や降水など天候状態や巡航時の風向風速、そして離着陸場所の障害物や風向風速の状況などが絡んできて、多くの条件を瞬時に決めて安全確実にヘリを飛ばす基本的な技量と言うものが必要となります。

そのヘリのマニュアル上の最大重量が3,2トンだからこの数値以下なら、どの様な状態でも馬力は十分で離着陸は安全に出来るなどと言うような単純なものでは、まったくないということになります。



高知防災 隊長 定年、、、





 公的ヘリのパイロットの育成問題を何回も取り上げている中、高知防災の隊長が定年を迎え、慰労会が行われたそうです。

 このY君は朝日航洋時代 2、3年後輩で退職するまで10年間ほど、20代の血気盛んなころ一緒に飛んだ中なので懐かしくて、無断で高知ドクターヘリのブログをリンクさせてもらいました。

 朝日、退職後も時々は空港などで出会っていましたので、そのつど懐かしく昔話に花を咲かせたものてした。

 もともとは農林水産航空協会 いわゆる農水協の訓練生で10年近くは農薬散布の巡業を一緒にし、その後は送電線パトロールのフライトをする中、お隣の広島消防航空隊に転職し、その後郷里の高知県の防災ヘリが導入されると同時に高知県へ帰って行きました。

 農水協の公費でパイロットにしてもらった身なので、民間ヘリパイロットとはいえ、2回もの転職は不誠実と捉える向きもありますが、仕事内容は殆ど公的なものばかりで、給料もそれほど高くない中、県民の皆さんの公的ヘリコプターへの期待に良く答え、公的な訓練費用に対して何十倍もの貢献をしたものと思います。

 私たち団塊の世代以降の後輩たちはずいぶんと会社を辞めて、公的ヘリへと転進していったものも多くいて、ヘリで全国どこへ出かけても方々で、出会うことがずいぶんと楽しみでした。

 各地で昇進し責任ある対場でヘリを飛ばしている後輩も多く、ずいぶんと頼もしく感じたものでした。

Y君は定年まぎわに導入されたA139も訓練を受けて飛び続け、定年後も延長して飛び続けるそうですから、パイロット不足の中、御老体に鞭を打って頑張って欲しいものです・

免震ゴム不正 屋上へリポートへの影響は、、、





 東洋ゴムの免震ゴムのデータ改ざん不正の影響が大きく広がっているようです。

 免震ゴムの性能のデータを改ざんして納入し、免震性能が一部十分でない恐れがあり、またどの建物に使われているかはっきり発表していないようで、今後影響が急拡大する恐れがありそうです。

 今建築中の国立舞鶴医療センターは7階建てで、最近の病院の改築時は屋上にヘリポートを作ると言う例に漏れず、屋上のヘリポートが計画されています。

 舞鶴の場合はまだ建設中で、完成が大きく遅れることが予想されているようです。

 舞鶴医療センターへ搬送する豊岡ドクターヘリの患者さんは海上自衛隊の協力で何回も舞鶴湾に面したヘリポートへ着陸し、救急車に乗せ変えて行っていますので、患者さんが病棟へ入るのに20分程度の余分な時間がかかり、また通常はドクターが最後までつきそうので、1時間近いヘリのロスタイムが発生していました。

 屋上にヘリポートを持つ病院は全国には数知れず多く、又そのほとんどが結構な高層建築ですので、ドクターヘリの基地病院が免震ゴムを使用している場合が多いと思われますので、今後影響が出てくる可能性があります。

 屋上へリポートの認可基準には免震構造の規定はなく、ただ単に強度が要求されるだけですので、審査基準により、再確認ということになることでしょうが、監督官庁が同じ国土交通省と言うことで審査は早くなされるでしょう。

 屋上にヘリを駐機する場合、着陸帯には障害物がないようにとヘリの脱落防止の柵などはまったくなく、またヘリの緊急出動に備えて、機体を固定することもなく、免震装置の効果がなく大きく揺れると最悪 屋上から転落すると言うことも予想されます。

全国にブームのように普及する屋上ヘリポートですが、今回は意外な所から問題が出る可能性があり、私が常々、言っているように可能ならヘリポートは地上でと言うことも一考願いたいものです。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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