ドクターヘリ 昨年度 出動 2万件 超え、、、
航空医療学会(ドクターヘリの運航にかかわる医療関係者などで作る学会)の発表によると、昨年一年間のドクターヘリの総出動回数が2万件を超えたそうです。
平成11年に始って以来、ドクターヘリの数も43機に増え、出動回数も年間、2万件を超えたそうですが、この発表が厚労省からでなく、医療者などの任意団体から発表されること、そして、今はもうすでに12月ですから、4月からか1月からかわかりませんがなぜこのように年間の実績統計の発表が遅いのか、良くわかりません。
厚労省はいったい何をしているのでしょう。
NHKはこの統計を元に、過疎地域で救命された方が多くあったというように、ドクターヘリの効果を評価していますが、それではドクターヘリがなかった場合にこの2万件の出動で、何名くらいが命を落とした可能性があるかについては言及していませんでした。
この防ぎえた死から救命したという実績こそドクターヘリの効果であって、もちろん施した医療行為や傷病の重症度や本人の体力など必ずしも完全にこのような判定は出来ませんが、日常的にドクターヘリを飛ばす現場ではかなりの正確さで把握できるようです。
もちろん、重症で苦しむ患者さんをヘリで使って搬送し、いち早く処理医療を施すことは大変重要で後遺症の軽減やトータル医療費の削減にもなるという、良い効果も見逃せませんが、普通なら死んでしまう方をヘリのスピードで救命することこそ、評価されるべき能力実績であるので、この辺の掘り下げがニュースとして欲しい所です。
本当にこのような救命事例は10件か20件の出動で1件くらいであったように思います。月に50回程度飛ぶ県で3回から4回くらいであったように思います。
このようなことをなぜわざわざ書くかと言うと、いかに多く飛ぶか、あるいは少なすぎるということもある程度重要ではありますが、実はこのように10回に1回あるかないかのここ一番の場面は絶対にはずしてはならないということなのです。
重複要請や比較的軽症患者さんのために、県外や遠方へ飛んでいて、このような場面をミスることのないような運航は心がけるべきでしょう。
大きなお世話という意見ももちろんあるでしょうが、出動回数が多いことを評価するより、いかに重症患者さんを救命したかと言う事が評価されることも一理あるということになります。
逆の捉え方も出来ます。
多く飛んで、繰り返し繰り返し、出動を重ねて、経験を積み、熟練度を上げることこそ、いざという場面で十分な活動が出来るという面もあり、月に100回も、一日10回も出動する実績を上げていると、その中には10分の1 20分の一の確率で劇的救命が飛び込んでくるということも実情です。
ヘリは単に、早く搬送する、あるいは出来るというだけならこのような劇的救命の例は比較的少ないもので、絶体絶命の修羅場にいち早く飛びこんで行くということがドクターヘリの任務であるのでしょう。
NHKの昨日のドクターヘリのニュースを見ていると、なんとなく早く運んでるのが2万回程度だとしか言っていないようで少し物足りなさを感じました。
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