多い農作業事故、高齢化と機械化、、、


 
 
 
 ドクターヘリが飛ぶ事故や症例の中で、結構、頻繁に起きるのが農作業中の事故です。
 
 特に耕運機などの機械化作業の中で起きる事故、機械ごと転落、下敷き、巻き込まれと大変悲惨な事故が多く、中には死亡事故となる場合もあります。
 
 なぜ耕運機などの事故が多いというと、まずは農業従事者の高齢化があり、高齢者の方がある程度の危険性がある耕運機などを使わざるを得ないということがあります。
 
 もうひとつ大きな要因は、耕運機や田植え機、コンバインなどの機械は、常に年中使うというものではなく、ごく短期間、しかもものによっては年に一度しか使わないようなものもあって、十分に熟練するほど使いこなせないという事情があります。
 
 しかも 田んぼや畑に出入りするあぜ道は非常に狭いものであったり、傾斜が急であったりして環境的にも大変な危険性がはらんでいるということもあります。
 
 もひとついえることは、最近の農業従事者はもともと大変少ない上、ひとりで作業することが多く、事故が起こっても、発見されて、救急要請まで大変時間がかかる事例も多く発生しています。
 
 耕運機で作業に出たおじいちゃんが帰ってこないので、おばあちゃんが心配して見に行くと耕運機の下敷きになっていたなどという事例もありました。
 
 耕運機など、畑を掻くとがった刃物がむき出して回っていて、転倒した弾みに顔に刺さったり、太ももに刺さったりして、身動きできなくなっていて、救急隊員だけではどうしようもなく、ドクターを手が必要な場合も多く、ドクターヘリは大変有効な事例となっています。
 
 今の日本の農業事情を考えるとき、このような高齢化と機械化の波はますます進み、農業機械による事故の防止と事故発生時の救急体制などに着いてのますますの対応が必要となるでしょう。
 
 ちなみに体に刺さった、耕運機の刃はまっすぐではなく、半円形になっていて、普通には抜けませんので、刃自体をエンジンカッターを切った事例と、刃の付け根のボルトを緩めて救助した事例がありました。
 
 ところがその後一度経験した事例で予想しなかった、対処法を取られたドクターがいましたが、がっちりと足に刺さった刃を抜くときになんと、刃が足に刺さった部分をメスで切開し、刺さった部分を傷口を広げて、抜いた例があり、これには発想の転換でなるほどと思いました。
 
 それにしても農業機械の事故は大変悲惨というしかありません。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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