ヘリコプターのデフロスター、、、

 

 
 
 デフロスターとは車などでは操縦席正面の窓の結露を防止して、視界を確保するためのものとあり、航空機では翼の凍結を防止する装置とあります。
 
 ヘリコプターの場合 凍結気象状態での飛行を想定した機種には、パイロットの正面の風防に、電熱線を挟み込んだものはAS330や332に装備されている例がありますが、ほとんどは暖房用の暖かい空気を機内から風防の内側を通して、結露を乾燥させる程度のもので、一気に吹き飛ばすほどの能力はありません。
 
 固定翼機の場合、エンジンのPC圧 ジェットエンジンのコンプレッサーで圧縮加熱された300度C位の空気を機外から風防にそって、機外から流し、凍結しないようにする装置もあり、熱線式とともに、地上で長時間使用すると風防が熱で割れるという事例があることを何回か聞いています。
 
 エアコンのないただの暖房の風を使うものは、朝一番など、10分も地上運転をして、機体全体が温まらないと、風防の曇りは取れず、拭いても拭いてもすぐに曇ってなかなか離陸できないという事態が良くありました。
 
 特に夜間 機体にカバーをかけて外においていえ、氷点下の気温に下がると、機体全体がマイナスの気温で、エンジンをかけて暖房を入れても、風防が温まるのに長時間かかりそれまで飛べないということになります。
 
 ドクターヘリがまともな格納庫が必要になるのはこのような理由もありますが、このようなことは実際に何回も体験したものでないとわからないことです。
 
 氷点下の上空で薄い雲を掠めたときなどは、機体表面が外気と同じ温度に近くなっていて、一挙に風防を含めて全体が、曇りガラスのような薄い氷の幕で覆われてしまうことがあります。
 
 雲から離れれば、薄い氷の層はすぐに飛んでしまい、飛行に支障はありませんが、雲に入ってしまうと、風防の中が曇っているのか中が曇っているのか良くわからない状態となり、デフロスターを全開にして、雲から離れるしかありませんが、一時的には計器飛行状態となってしまいます、
 
 湿った雪が降る0度C前後の気温の空域を飛ぶと、正面の風防にサッシの付近から雪が着きはじめ、運が悪いと前面全体に着いてしまってまったく前が見えず、横の窓から前方を覗いて飛ぶ羽目になり、大変危険性が高く、このようなときにはエンジンの空気取り入れ口付近や尾翼などにも同じように着氷している恐れがあります。
 
 このような時は通常高度を下げてみて、外気温度が高い空域を選びつつ、不時着に備えるというかなり緊張した場面となり、デフロスターはもちろん全開ですが、外側の着雪を溶かすような能力は望めないので外がよく見えない状態のまま不時着場所を探すことしかないでしょう。
 
 降雪中の飛行には強力なデフロスターが欲しい所ですが中型以下のヘリにはこのような装置はないので、気象判断はより慎重でなければなりません。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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