パイロット訓練生 十一面観音、千手観音になりたい?、、、

 

 
 
 引退後 ボランティアの観光ガイドの世界に首を突っ込んだので、お寺の千手観音などに接するることが良くあります。
 
 聖徳太子ゆかりの達磨寺でガイドする機会もあり、聖徳太子坐像もあるのでこの歴史上の偉人が10人の話を同時に聞いて、即座にすべてに対して答えたという有名な説話も良く話題になります。
 
 いずれも古代の人たちが人間の性能の限界を良く知っていて、それを超越することに大いに人間の理想を求めていたのではないかということも想像できます。
 
 パイロットの訓練を受けるとき、初心者で飛ぶとき、自らの性能の低さに嘆き、うまく飛べないことばかりで、このような古代の説話や理想形に今になって自覚する所ですがすでに時、遅しでした。
 
 水平飛行は高度と速度と針路を一定にして飛ぶことをさすのですが、これがなかなかうまく行きません。
 
 おのおのの現在値を指す計器は10センチも離れていないのに、目が2つもある優秀な人間はこの3つの計器を同時に読んで、正しい修正操作をすることが出来ず、クロスチェックという方法で3つの計器をスキャンして、正しい修正操作を操縦かんとスロットルですることになります。
 
 固定翼機に比較するとヘリコプターは格段に複雑で、テールローターのトルクやドリフトに対抗するローター面の傾きでこの修正操作が一段と難しいものとなります。
 
 千手十一面観音であったなら、なんと優秀なパイロットであったことでしょうか。
 
 この様なことは一パイロットにしてのみ現れることではなく、ヘリコプターが起こす多くの事故に際して、ただパイロットだけの注意配分がこのような観音様のように出来なかっただけでなく、同乗する外部見張りの整備士や隊員などにも言え、ヘリコプター搭乗員全体として多くの注意点を見るべきときに、困難な作業に出くわしたり、何かしら小さなトラブルが起こったときに、搭乗員全員が一点を長く見つめるようなことが起こりがちです。
 
 テールローターを樹木にぶち当てたり、ローターを絶壁にぶつけるなどが起こるのは、ひとりの人間が十一面観音でないので、わざわざ多くの目を乗せているのに、みなが同じ所しか見ていないということで起こります。
 
 というようなことを仏像を見ながら思いめぐらしたとしても、ヘリを下りた今となっては手遅れでした。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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