サイレントタイム、、ヘリコプター、、、

 

 
 
 大災害や大事件のときの報道関係者の行動が、被災者の方などから大きな非難の対象になることが良くあり、報道と言う仕事の因果な報いに同情していたのですが、阪神大震災ころから同情している場合ではなく、ヘリコプターを飛ばすわが身にも直接降りかかってきて、他人事ではなくなりました。
 
 阪神大震災の時には早朝から真夜中までヘリコプターが飛び回り、その中で救助救難支援のヘリはほぼ日中だけ、報道関係は一日中飛び回りましたので、避難場所の被災者の多くの方は、救援物資を運んでこない報道ヘリの騒音にはずいぶんと激しい非難の声が上がりました。
 
 自分では地震当日の朝一便だけ報道で飛びましたが、時間が9時から11時ころまでで、被災者の方たちは殆ど被害に打ちひしがれていて、呆然としていて、空を見上げたりするような余裕もなく、救援のヘリは殆ど動きがない、何か町が死んだような不気味な感じを受けたものです。
 
 午後からは電力会社の被害復旧の物資を運搬し、翌日からは朝一番にお弁当を満載して神戸へ飛んで、その後は倒壊した送電線鉄塔の復旧に向かいましたので、報道関係のヘリの動きが被災者からの集中攻撃を受けると言うことにはあまり関心がありませんでした。
 
 このときは倒壊した家屋の下敷きになっている方たちを音波探知機で捜索した例はあったと思うのですが、新潟地震のときにすべてのヘリを止めてサイレントタイムなるものを儲けて捜索したのは公式では初めてではなかったかと思います。
 
 その後、尼崎JR事故の救出作業では、同じようにヘリのフライトを止めて音波探査をしたこと時には各社スムーズに従ったようでした。
 
 今回の土石流の被災者の捜索では、高度の規制を2000フィート以上として報道ヘリの規制したようです。
 
 このようなサイレントタイムの規制や、救助活動のために報道ヘリの規制は、最近、大事件大事故の場合殆ど行われるようになっていますが、この規制についての取り決めや、協定、法的な根拠などまったく手つかずで、将来において何らかのものが必要となってきそうです。
 
 今はいわゆる紳士協定と言うもので、規制をお願いしていると言うようなレベルだと思いますが、大昔 近畿地方の列車事故で30人程度亡くなることが在ったとき、先輩パイロットがつくづくと言っていた言葉を鮮明に思い出します。
 
 某テレビ局の普段 きわめて紳士的な報道の幹部の方が、この事故に際して現地へヘリで一番出来るかどうかのきわどい場面で、仕事に一途の、かの方は、やくざも裸足で逃げ出すような、すごい言動であったと、しみじみと言っていたことがありました。
 
 その時代から思うと、ヘリのサイレントタイムがスムーズに行えると言うことはずいぶんと時代が変わったものだと言うことでしょうか。
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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