阿倍野ハルカス ヘリ遊覧飛行は出来るか、、、
先日 大阪天王寺の近鉄が建てた、日本一の高層ビル 阿倍野ハルカスの屋上へリポートを使ってヘリコプターの遊覧飛行の実施を検討していると言うニュースを教えていただきました。
話題性や採算性、あるいは現実に集客できるかどうかと言う問題が在りますが、それ以前に果たして、ヘリコプターによる遊覧飛行 規定上は運送事業の範疇に入るのですが、これに対して許認可が出るかどうか少し書いてみます。
運送事業の屋上へリポートへの離着陸の条件に、適切な不時着場を設定できることと言う条件があり、ヘリポート自体が広さや強度、防火消防施設、事故のときに機体からもれた燃料を受け止める設備など、完璧に出来ていても、不時着場がなければ運送事業のヘリポートとして使用することは許可になりません。
不時着場と言ってもただ広い場所があれば良いというだけではだめで、たとえば阪大病院などは、まわりに駐車場や大学が使用する運動場がありますが、不特定多数の人が入る場合はだめなので駐車場はだめと言うことになり、運動場は大学の管理者の承認があり、人の侵入を管理者が管理できると言うことが条件となり、何とかOKとなった経緯があります。
たとえば最も古くて有名な東京の芝浦ヘリポートは、適当な広場はありませんが、幸いなことに周りが長く続く運河の公有水面に囲まれていることで認可になったと思いますし、最新の六本木ヒルズの場合は広い毛利庭園を不時着場として申請することを管理者が認めたものと想像することが出来ます。
ヘリポート単体としては不時着場は条件としては、必ず必要と言うわけではなく、救命飛行や緊急時の離着陸には問題ないようですが、一般大衆が多く利用する場合の運送事業ということで特に規制が厳しくなると言うことのようです。
この規制の少しおかしいところは、ヘリには単発エンジンと多発エンジンがあり、直ちに不時着が必要なトラブルは圧倒的に単発機が多いと思われるのですが、双発機の優遇規定は一切なく、もし、ニュースのように1時間飛行料金16万の機種と言えばR44 レシプロ単発機なので、現実に近鉄がヘリ業者をして申請書を持っていったら航空局はどんな顔をするのかぜひ見てみたいものです。
もともと阿倍野ハルカスは超高層ビルなので、消防当局や航空局などが、緊急時、火災時などに備えて、救助用平面でなく、正式なヘリポートを設置することを指導、要望したのでしょうが、いざヘリを飛ばす段になって、許可をしないと言い出したら、近鉄は金を返せとでも言うのでしょうか。
ただし うまく飛ばせるようになっても殆ど採算性は見込めず、花火程度で消滅しそうですので寂しい限りです。
今はすでに20年以上過ぎた、大阪南港のATCコスモタワーの完成寸前に後付けのパラボラアンテナを運ぶため、夜間照明付のたいそう立派な屋上へリポートの外にワイヤーを伸ばして、高度差50センチでホバリングしたことがあるのですが、その後誰も着陸した話は聞いたことがありません。
当時は関西空港に降り立ったVIPをヘリで受け入れるのだと景気のいい話が飛び交っていたのですが、残念ながらヘリが飛び交ったと言う話は一切なく、デマが飛び交っただけで終ったようです。
阿倍野ハルカスのたいそう立派な屋上ヘリポートも同じ運命をたどりそうですが、いったい誰が悪いのでしょうか。
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