ヘリコプターのバードストライク、、、
へりポートにはなぜだか鳥の訪問が多いのですが、仲間と思うのでしょうか。
サンケイ新聞ネットに成田空港のバードストライクが夏場に多く、鷹匠が活躍していると言う記事が出ていました。
航空機の離着陸中に大型の鳥類や中小型でも群れになった物がエンジンにまともに飛び込むと、墜落しかねない大変危険な事態となります。
ジェット機などでは鶏を高速で打ち出して風防にぶつける、安全性検査をしている動画を見たことがありますし、国産初のジェット練習機、T1の訓練を受けていた時代に実際にぶつかって風防が破損し、パイロットの顔面を直撃したものの、ヘルメットのバイザーが目を守って事なきを得た例があったことを、直接本人の飛行隊長から聞いたことがありました。
ヘリコプターに乗り出してからは自分自身を含めて、10回以上のバードストライクを見聞きしましたので、相当な確率で起こっているように思います。
ヘリコプターの場合は飛行速度が比較的遅いのと、飛行の自由度が高いため、ある程度早く発見が出来れば、殆ど難なく避けることが出来るのですが、春の繁殖期などは鳥自身が縄張りを守るため、衝突を避けようとしないばかりでなく、外敵として向かってくることがあり、大変危険な場合があります。
送電線の鉄塔には頭頂部に猛禽類などが営巣することも多く、近寄ると威嚇してくることも多く、春は大変気を使ったものですし、パトロール飛行が終ったあと定期的に駆除しに行く必要があるそうでした。
猛禽類の中でも、オオタカなど保護種に指定されている種類が送電線の近くに生息している場合などは、わざわざ営巣しやすいように、鉄塔の頂部付近に平らなものをつけてやり、その上パトロール飛行は延々と遠くから回避して飛び、種保存に協力していました。
ヘリコプターは比較的自由自在に回避操作が出来るのですが、相手の鳥がたまたま頑固なやつであったり、繁殖中は気が荒くなり向かってきたりすることや、鳥もヘリもお互いに発見が遅れて、大きく回避操作したものの、ぶつかってしまうような事例があり、風防やローターが、傷ついて大変高額な損害を受けることがありました。
先輩パイロットが204Bで山中で生コンを運んでいたとき、あわやとなり、うまくかわしたと思った瞬間、運悪く、後方へ逃れたとんびが、うしろでローターを叩き、血糊や羽毛がいっぱい着いたローターの一部がくちばしによって貫通して穴が開き、修理が効かない交換となったことがありました。
ドクターヘリが患者輸送中、副操縦士席の下方の風防から、とんびが飛び込んできて、緊急に着陸した事例がありましたが、他の機種では過去にパイロット側にも飛び込んできた例もあり、パイロットが怪我をしたりすると墜落にも結びつく大変危険な事例でした。
航空機も鳥も編隊飛行中には回避操作が困難で、しかもフライトリーダーが自分がぶつからないと油断しても、遼機がぶつかると言う危険性があり、私はそれで無垢の鳩を一匹、204Bのローターで斬首してしまったことがありました。
八尾空港で着陸した数秒後、鳩の群れがごく近くを通過し、避けようもありませんので、あっと思った瞬間、風防に血しぶきが飛び、首のない死体がすぐそばに叩きつけられました。
同じ空を飛ぶ仲間として、是非ぶつからないように、気をつけてあげたいものでした。 合掌!!
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