屋上へリポート重量制限と新型機導入、、、
オスプレイが既存の屋上へリポートに着陸することは、離島など長距離の患者搬送で飛んできて、時間短縮には大変有効で、今の殆どの屋上へリポートはベル412 防災ヘンを最大のヘリと設計してある関係上、規定違反で大変危険であると言う書き込みをいただきました。
はるばる1000キロを飛んで2時間も3時間も早く着いたのに、飛行場から救急車やドクターヘリに乗せ変えて病院まで飛ぶのに、1時間以上もせっかく短縮したものを無駄にしてしまうのはなんともったいないことでしょうか。
屋上へリポートは認可の強度設計上、着陸機の最大重量の2.5倍の強度を証明することとなっていて、日本の屋上へリポートは一部、政府官邸のものなどを除いて、殆どはベル412の最大離着陸重量、12500ポンド 5.6トンかける2.5倍で14トンの設計をしています。
ベル412はすでに古い設計の機種で、一部の都道府県の防災ヘリや、海上保安庁の運航機、そして、一部NHKなどの報道取材ヘリは更新にあたり、AW139 6.5トンなどに入れ替わっています。
自衛隊はすでにSH60 12トン程度に入れ替わっていますし、今後重いヘリは増えることはあっても減ることはなさそうです。
そして長距離医療搬送に大変有望なAW609 民間版オスプレイは6.5トン程度あり殆どの病院の屋上へリポートには着陸出来そうにありません。
ヘリポートを改修しより重い重量に耐えるようにすれば良いではないかと、ごもっともなご意見が出ると思うのですがこれがそう簡単にはいかないということを、ドクターヘリの現場で一緒に仕事をしてくれたCS(運航管理)の同僚から聞いたことがありました。
彼は1級建築士で例の姉歯事件のときの実情など良く話してくれた、経歴の大変、変わったCSでしたが、いわくビルの強度部材の柱の強度は屋上から下に行くに従ってだんだん太くして強度を持たせているので、屋上に余分の重いものを作ると下まで強度を増す改修が必要で、大変な工事となると言っていました。
さてどうしたものでしょうか。
5トンのヘリの着陸に2.5倍の12.5トンの強度が必要であると言う理論はわからないことはないのですが。一応規定としてそれを強要し、しかも想定するへり重量は、着陸時の重量ではなく、そのヘリの許される最大重量を規定しているので、AW139を燃料や搭載重量を減らして5.6トン以下にしましたから許可をしてくださいと言っても原則的には許されないことなっています。
話は少し飛びますが、それは日本の航空の規定がそうなっているだけで、同じようなことが航空機の着陸料金の重量区分がその機種の容認される最大重量で請求され、実際の着陸重量で請求される一部海外との不均衡が非関税障壁として、外国から追求されたりしています。
ベル412 5.6トンがAW139 6.5トンぐらいなら何とかごまかせるでしょうが、今まで厳しい規制をしてきた都合上、いきなり実際の着陸重量でいいよと言うこともいつまでもいってはいられなくなり、主力ヘリは殆ど屋上へリポートに着陸出来なくなったり、いろいろな支障が出てきそうに思います。
とは言っても大災害が起こるとなんでもありで、さまざまな規制がいきなりフリーになって、運航者が要らぬリスクを負って飛ばざるを得なくなり、いずれ事故やトラブルが起こるのでしょう。
そしてそれもしばらくたてば、何の検討や改善も加えることもなく知らない顔で平常に戻ってしまいます。
今からアドバイスしておきますが、屋上へリポートの書かれたMAX5.6トンなどと書かれた表示は内緒で消しておいたほうが良いかもしれません。
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