ヘリがヘバるかパイロットがヘバるか、、、


     待機中はスポットクーラーでがんがん(そんなに冷えないか)冷やします!!
 
 
 ごく一部を除いて、ほぼ全国的に昨日で梅雨が明けたようですから、これからほぼ一月半、酷暑がドクターヘリの運航を悩ませる季節となりました。
 
 ヘリも乗員もがんばれとエールを送るしかありません。
 
 ドクターヘリは重症の患者さんを考慮してエアコンが装備されていると言うことが条件で、すべての機種にエアコン、クーラーが装備されています。
 
 私は長くヘリで飛んでいましたが、殆ど重量物を吊って飛ぶことが多く、高級車(笑)あまり乗せてもらえなかったので、クーラーの恩恵にあまり浴することはありませんでした。
 
 ヘリコプターは真夏でもある1000メートル程度の高い高度を200キロ程度の高速で飛ぶなら真夏でも、かなり爽快ですが、長時間50キロ以下で飛ぶ送電線パトロールや、物資を運ぶ場合は、2,3分で吊り上げ、荷卸しを繰り返して、速度を出す暇がありませんので、30度以上の空気の中での蒸し風呂となります。
 
 中に乗っているパイロット君と同じく、ヘリコプター君も一生懸命ローターで空気を掻いてヘリを浮かそうとするのですが、何しろその相手の空気が高温で密度が小さくて、掻いても掻いても空回りのようになって、思うようにヘリの重量を支えてくれません。
 
 さらに普通ならヘリのローターを力強く回してくれる、ジェットエンジンは吸い込む空気が高温で、同じく密度が小さくて、思うような馬力が出ないと言う、情けない状態で、いわゆる人間も含めて、ふわふわと言う感じになっています。
 
 このような中でも、ヘリのキャビンを1,2分で急速に冷やしてくれるエアコンがあれば、乗っている人間だけでもピッシとするのですが、今まで乗ったエアコン装備のヘリはドクターヘリを含めてとても頼りない能力、耐久性不十分のものでした。
 
 何しろ1,2分でピッシ冷えませんから、普通 多くの出動では5分から10分位の距離を飛ぶことがほとんどですので、少し効いてきたかなと思ったら着陸して、機内はまた灼熱の太陽で暖まってしまいます。
 
 もう一つのご不満はヘリのクーラーは殆どが車のものを転用しているものが多くて、振動が多いヘリには耐久性がいまいちの場合が多くて、春が過ぎて5月ころから使い始めると、ちょうど夏がピークに入る、今頃の時期になると一度、何かが故障して効かなくなり、2,3日クーラーなしで飛ぶ羽目になることが良くあったと思います。
 
 真夏でも低体温症の患者さんを乗せて、暖房を入れてくれと指示され、蒸し風呂で飛ぶこともありますし、ドクターヘリパイロットは暑さ寒さに適応できる人と言う採用条件もありそうですから、希望者は心してください(笑)
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bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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