ヘリポート??
救命要請に飛ぶドクターヘリは、さまざまな場所へ着陸することがあり、一般の皆さんは十派一からげにヘリポートとそれ以外の場所と言うような認識ではないでしょうか。
あるいは基地病院や基地病院以外の大規模病院は、屋上や地上にあるヘリポートと、ドクターヘリが飛んで行って、患者さんとランデブーするのは、ヘリポート以外の場所で、いわゆる臨時へリポートや飛行場外離着陸場と呼んでいる広場や学校のグランドと言う仕分けと思っていられることでしょう。
実は以外にもドクターヘリが基地とする病院にあるヘリポートと一般に呼ばれているものも、殆どが航空法上の分類ではほとんどヘリポートではありません。
なぜかと言えばヘリポートとして建設するには、ヘリが離着陸するに十分なスペースと、進入離着陸する上で航空法が定めた広大な空域を確保占有し、その空域を侵す建物を建てることを法的に制限することなどがあり、その地域の住民や企業体など利害関係者を招集して、公聴会を開いて了解を得ることが必要なのです。
ヘリポートの設置の場合のこのような手続きと空域の使用の権利の設定は、ヘリポートを個人が設置しようと、民間会社がやろうと、公的機関がやろうと変わることはありません。
このような条件があるため、過去に大阪中ノ島のフェスチバルホールの屋上にあった朝日へリポートの存在のために、周りの広大な地域の建築高度規制のため、高層ビルが建てることが出来ない状態が長く続いて、開発が遅れ、ついには閉鎖された例があります。
このような規制のため、今現在ドクターヘリが基地病院のヘリポートとして使用している、いわゆるヘリポートはごく少数の例を除いて、臨時へリポートや場外離着陸場と呼ばれる施設で、許認可に必要な空域や着陸場所の広さは正式ヘリポートに準じたものにはなっていますが、設置後直近など空域内に障害物を立てられたら終わりと言う運命にあります。
正式へリポートも今現在使用されている許可を受けた場外離着陸場も同じように十分な広さがあり、進入離陸に際して、障害となる架空線や建物もないことになっていますので、昨日取り上げたような右旋回で十分確認する必要など一切ないほど安全であって、昨日、免許を取ったばかりのパイロットが目をつぶっていても安全に離着陸できるようになっています。
これはいわゆる航空法上の単なる建前であって、これがドクターヘリが離着陸する場所すべてに適用できるならば、パイロットに2000時間の飛行経験を求める必要はさらさらなく、航空法上の規定 運送事業操縦士は確か500時間の飛行経験でよかったと思います。
面白いことに、正式へリポートには着陸帯を示す白または黄色の四角い箱と、ヘリポートを示す○にHのマーキングを決められた大きさ、太さで明示することになっていますが、いわゆる許可を受けた場外離着陸場にはマーキングをするような規定はなく、各地病院では好きなようにマーキンを入れたり,病院へリポートの国際標準をマーキングをしたり、まるで正式へリポートと同じようなマーキングをしたりと、まったくやり放題となっています。
一方正式ヘリポートとして建設された基地病院では、パイロットからの視認性を良くするため、生地を赤く塗装したり、国際標準の赤地に白十字のマーキングは出来ないことになっています。
このあたりはもう少し柔軟に対応して、病院へリポートはすべて国際標準にするように法改正すればよいと思うのですが、そうすれれば、場外とヘリポートの区別がつかなくなるというクレームもありそうです。
ただし今でも場外離着陸上に紛らわしい○にHを書いているところも結構多いようですからこのあたりもいずれ整理するべきでしょう。
ようするにヘリポート関係の規定類は時代遅れというほかありません。
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