原発には着陸しないドクターヘリ
週間朝日は、福島県ドクターヘリが原発直近に着陸しないことはおかしいというような切り口で記事をあげています。
福島第一原発では、何千人もの作業員が働いているという現実があり、航空法上は飛行制限着陸制限は事実上ないということ、ドクターヘリに乗り組む医療従事者は、現場へ入る消防や警察官と同じ、公務員の身分であるのに直近へはいかないのかというようなことを取り上げているようです。
そして東海村の大量被爆事故のときは患者がヘリで搬送された実績があることもあげています。
帰還困難地域からはずれた、原発から4キロの地点と10キロの地点をランデブーポイントとして設定し、原発とランデブーポイントとは救急車で搬送して引き継ぐ体制をとっているとも言っています。
このヘリの運航範囲は県や福島医科大が決めたものではなく、運行会社の中日本航空が自社の乗員の安全のために決めたことであるということも述べています。
この話を私はまともに受け取ることができません。
なんとなれば、ドクターヘリで原発直近まで入り、救急患者さんを診察して、搬送するまでの時間はどう長く見ても、1時間も現場に滞在するわけではなさそうです。
普通は20分も現場にいたら長いほうで、一回の搬送でドクターナースが受ける被爆量はどの程度か見積もることができるでしょうし、線量計を装備していけば、被ばく線量を積算できるはずです。
年間1ミリーベルトだ20ミリだと揉めていますが、福島県が県民に許容する最大被爆量までは、福島大の医師看護師は当然許容するべきで、そもそも、安全な帰還許可地域にしか着陸しないなどという議論は成り立たないでしょう。
しかも自分たちが被爆したくないので、運行会社が20キロ以内は乗員の保護のため着陸しないと言っている、あるいは誰かが言わしているのかどちらかではないでしょうか。
もし運行会社が自発的にそう言っていて現実に、原発敷地内や帰還困難地域内の着陸を拒否しているのなら、即運航会社は首にするべきでしょう。
と 県民、特に帰還許可地域に戻った県民は言うことでしょう。
運航会社 各社は東海村被爆事故の取材の教訓から、全国の取材ヘリ基地に、防護服と線量計を配置し、積算被爆量の計測の体制を構築しています。
廃炉作業が何十年も続く、福島原発で危険を顧みずに働く多くの作業員の方が、瀕死の労災事故にあって生死をさまようときに、ここ一番の重要な救い手のドクターヘリが、自分だけ超安全に飛ぶことを快く思わない人はそう少なくはないことでしょう。
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