2011年度 ドクターヘリ10大ニュース、、、
早いもので激動の2011年も今日で終わりです。この記事を書いている今現在で後残すところ14時間弱となりました。
個人的にも3月末で一旦引退し、もう飛ぶこともないと少し寂しい生活をスタートしましたが、縁あって8月からまた飛ぶこととなり現在に至っています。
幸い、後輩たちの配慮でご老体をいたわっていただき、例年は現場ですが、ここ数年ぶりに年末年始を家族とともに自宅で迎えることが出来ています。
自分にとっての大きな出来事でほかにはやはり、東北大震災へ出動したことが大きなことでした。
震災の状況や救助活動にも大きな印象がありましたが、そのほかには、多くの後輩パイロットや整備の連中にあちこちの現場で出合ったり、無線を通してその声が聞こえてきたことでした。
元の会社で一緒だった後輩たちや他社の友人などです。他社や官庁へ転職していたり、元の会社のまま飛んでいるものなどさまざまですが、ヘリのパイロット整備士たちの、公共的な仕事への重要性、貢献度などを実感した次第でした。
個人的な重大ニュースはこのあたりにして以下、ドクターヘリの今年の十代ニュースを取り上げて見ました。
1、多数のドクターヘリが震災現場へ出動
2、ドクターヘリに新機種 ベル429 アグスタ109 登場
3、豊岡ドクターヘリ 年間1000件出動達成
4、山口県ドクターヘリ運航開始
5 岐阜県ドクターヘリ運航開始
6、高知県ドクターヘリ運航開始
7、島根県ドクターヘリ運航開始
8、長野県ドクターヘリ2号機 運航開始
9、鹿児島県ドクターヘリ運航開始
10、年間無事故 無災害 大きなインシデントなしで1年間の運航を終了、
このようなことが一年の大きなニュースでしょう。
読者の皆さん 愛読ありがとうございます。
次年度も現役としてしばらくは飛び続けることになりそうですので、よろしくお願いします
来年こそ 穏やかで良い年になりますように!!
パイロットと飲酒(2)
飲酒不祥事多発のANA ほとんどそのような不祥事が聞こえてこないJAL、この件に特定してどちらの会社がより安全か少し書いてみます。
もう10年以上も前の話ですが、某電力会社のヘリコプターの仕事をA社とN社で請け負っていて、年に一度、電力会社の本店で安全会議が行われした。
この席上、電力会社の責任者の取締役の方から突然次のような質問がありました。
社員が常に飛ぶヘリコプターの運航は安全の上にも安全でお願いしたい。ヘリが安全に運航するにはパイロットの体調が非常に重要な要素であって、わが社はパイロットが万全の体調で飛んでもらうように常々お願いしているところであって、体調が思わしくないときはいつでも運航を中止していただいてよいとお願いしていますが、過去にこのようなことで運航を中止した例はありますかと聞かれました。
突然の質問でありましたがN社の代表はわが社は常々パイロットに飛行前の体調管理には万全で臨むように指導しているので、一回もそのような例はありませんと胸を張って答えました。
私はA社の運航責任者であり、その答えは 30年にもわたって長く運航をさせていただいている中で、残念ながら知る限りでは1件、パイロットがひどい下痢になって運航を中止させていただいたことがあります。と答えました。
これを聞いた、取締り役の方はわたしのほうを向いて、少し微笑んだような気がしましたが、我々の答えに対しての評価はされませんでした。
今回のアルコール検査で当該パイロットを飛ばさないで、交代させたために出発が遅れたことは乗客には大きな迷惑ですが、安全運航にとっては安全対策のアルコール検査がちゃんと機能しているということは間違いありません。
逆にJALにこのようなことは長期間にわたって1件もないということは、検査そのものがうまく機能していない恐れはないのか、あるいは聖人君子ばかりなのか少しは疑って見たくなります。
パイロットと飲酒
ANAの機長が出発前のアルコール検査で規定以上の値が出て、出発便が遅れる事例が3週間ほどの間で2回も起こり、マスコミの格好の餌食となってしまいました。
そもそもパイロットは酒精飲料や薬物の影響で正常な運航を行えないような状態で乗務してはならないと航空法などに規定されていますが、ある時期までは毎回乗務の前にアルコール検査したり、その数値をいちいち記録するようなところまでは求めていませんでした。
このきっかけになったのは、JALの生きた牛を運ぶアメリカからの貨物便がアラスカのアンカレッジ空港を離陸直後に墜落し、乗員とともに数十等の牛が死亡した事故がきっかけとなりました。
このときの外人機長は早朝の出発時間の数時間前までバーで飲んでいて、まともに歩けないほど酔っていたとの証言があり、死体から採取された血液に相当量のアルコールが検出され、事故の原因の主なものであるとアメリカ当局の事故調査で明らかにされました。
ところが通常パイロットがアルコール検査をするのは、出発前の運航ブリーフィングのときですから、原則的には社内の人間しかいないような状態です。
パイロットに規定以上のアルコールが検出されても、通常は社外の人間や、監督官庁、警察などがその場所にいないはずですから、隠そうと思えばいくらでも隠すことが出来ます。
出発便が一定以上遅れることになったら、航空当局への報告があるにしても、 風邪を引いて急に発熱しましたとか、食あたりで下痢がひどくて乗務で来ませんとか、機体に即時整備しなければならない不具合が見つかりましたとか、パイロットのアルコール以外の嘘の理由を報告すれば、自社のパイロットが続けて二日酔いで飛べなかったという不名誉は何とかごまかせたことでしょう。
今回、初回は香港で見つかり、今回は国内主基地の関空で見つかっています。つまり双方とも誤魔かせなかった事情があるということが見え隠れしていないでしょうか。
香港の場合はANAといえども海外の出先の拠点ですから、たとえばキャセイ航空の運行管理施設を間借りして、出発前のブリーフィングをしているのなら、家主のキャセイに知れてしまったら隠せないかも知れませんし、過去にも香港でライセンスの不所持を上げられていますので、もしかしたら官憲が検査しているのかも知れません。
ならばどうして自社施設のある関空で今回発覚したのだろうかと想像しますに、時期が悪かったということがあげられます。
実は国土交通省は陸海空の国内運送事業者に対して、年末年始の安全総点検を毎年指示し、通常12月10日から1月10日にかけて各事業所などの総点検を求めていて、場合によっては立ち入り検査も行っているようです。
2度目はたまたまこれに引っかかったのでしょうか。
もちろんドクターヘリも運送事業として認可されていますので、社内点検が入り、その結果や改善事項は国土交通省へ報告されます。
62歳のANAのパイロットが上げられましたが、同じ年代のパイロットが最終段階まで無事に飛び続けてこのような不名誉な結果になるとは、時代が時代なら武勇伝で済んだ内容なので本当に同情します。
検査の前に体調が悪いので変わってくれと一言 言えばなんと言うこともなかったでしょうに、、、
平和ボケの日韓首脳とキム ジョンイルの急死
久々の政治ネタです。
北朝鮮や東アジア情勢に一貫した考えや知識もまったくありませんが19日お昼のNHKニュースを見ていて突然のキムジョンイルの急死を知って感じたことをランダムに書いてみます。
変なことばかりです。19日午後からニュースを読むキャスターはみな申し合わせたように黒系統の地味な服装に一斉に替わりました。
今日21日現在でもまだそのような服装でニュースを読んでいるような感じがしますが、数百人も拉致被害者を出す悲惨な犯罪行為を命令したことがほぼ間違いない容疑者が死んで、いつまで喪に服するつもりなのでしょうか。いや喪服ではないと言い張れるように微妙な服装でありうまく加減はしているようですが。
本当に19日は発表の2日前午前8時過ぎに地方視察に出かける、お召し列車の中で心筋梗塞で死んだと言う情報を信じている人はいるのでしょうか。あの歌舞伎調の語り口の有名女性アナが出なくなった2ヶ月前からほとんどの脳死状態になってしまっていて、後継争いが決着し、ジョンウンをダミーに担ぐことが決まるまで、一世一代の死亡告知放送をやるべく日夜演技の練習をしていたのではなかったのでしょうか。
日韓の首脳はいきなり核装備のテポドンが飛んでくる可能性もある中、半世紀以上前、売春でしこたまもうけた韓国ばあさんに追い銭をするようなとぼけた相談を本当にしていたのでしょうか。国の安全に責任を持つ二人の代表者がそろいもそろって、敵国の重大な異変を知らなかった、あるいは知らされていなかったのでしょうか。
片方は平時なのに軍艦を撃沈されたり、いきなり民地に砲弾を打ち込まれて、多数の死者を出しても有効な反撃も出来ず、方や違法に入国した工作者に数百人も拉致されながら、国家予算も十分に足りていない中多額の援助をするなど、とぼけたもの同士、今迫り来る危機をまったく自覚していない有様でした。
北朝鮮の異常事態をそろいもそろって両国ともまったく知らないという前代未聞の大失態をほとんど誰も攻めようとしませんがいったいどうなっているのでしょうか。
もちろんアメリカはかなりのことを知っていたでしょうが直ちに自国の安全にはほとんど影響することはあまりないでしょうから、静かに警戒していたことでしょう。
急死がわかってからでも警戒しないよりした方が良いに決まっていますので、那覇基地のF15がスクランブルで離陸しようとして滑走路から出てしまって、一時滑走路が閉鎖され全日空の便など一部が嘉手納基地などへ着陸したという報道がありました。
普通考えたら異変が起こる恐れがあったら、手持ちの戦闘機などはすぐ実弾を積んで、CAP(コンバット エアー パトロール)(空中警戒飛行)にはいるべきでしょうがこの事故はその任務ではなかったと空自が発表していますが、発表の内容はとにかく実際にはCAPしてもらわないと宝の持ち腐れです。こんなことは左翼新聞はかんかんになって怒ることでしょうが現実はそう甘くありません。
敦賀や玄海、島根の原発に一発打ち込まれてから泣いても仕方がないでしょう。
街頭演説は得意なようですが、平和ボケにはつける薬がないようです。
ANA 機長飲酒でまた遅れ、、、
今日は今シーズン初の積雪でしたがこの後7件も出動しました
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111217-00000551-san-soci
全日空の機長が乗務前のアルコール検査でまた引っかかり、関西空港から香港へ飛ぶ便が1時間14分遅れたそうです。
交代要員の機長の手配が着くまでで、その程度の遅れで出発できたのは乗客にとっては幸運というべきでしょうか、これが国内の主要基地からの出発便であったからでしょう。
どこにでも交代要員は配置出来ないでしょうから、大阪 東京など主な基地に以外から朝の一便目で飛ぶ乗客はよほど気をつけたほうが良いということでしょうか。
ドクターヘリのパイロットは各社 使用事業会社は8時間前までの飲酒を許されていて、各現場にはアルコール検査機も配置されています。
ただしアルコール検査で乗務出来ないとなっても、現場には交代要員はいませんし、各社本拠地に交代要員がいたとしても、交代させるまでにはやはり、半日程度の時間はかかってしまうでしょうから、現実的には検査値が基準以下になるまで飛ばないということになるのでしょうか。
アルコールは習慣性がありますから、お酒をたしなむものはいずれはパイロットにはなれないということになってしまうかもしれません。
タバコのニコチンがフライトにどのように影響するかはよくわかりませんが、聞いたところによるとオーストラリアの空軍の戦闘機パイロットはタバコを吸うことを禁止されているそうです。
先日、坂之上の雲を見ていると、司令官が腰につけた水筒から何か飲んでいるシーンが何回か、ありましたがあの水筒の中身はどう見てもウイスキーのようにに思えました。
また戦争の末期には特攻に出る未成年の若い乗員たちも別れの杯を交わして、離陸していったようです。
さらにもっと極端なのはインドネシアで一緒に飛んだ、ベトナム参戦組みの米人パイロットやフィリピン人整備士の話では、麻薬を打って飛んでいるものは多くいたという話でした。
話は完全に脱線してしまいましたが、アルコールやタバコさらには薬物にまで依存しながら飛び続けるということはいかにもパイロットも弱い人間である一面を物語っているようです。
ちゃんとした検査システムでこのようなことが続けて発覚し、当人には大目玉でしょうが、安全運航が維持されるということは良いことでしょう。
予備の人員をちゃんと配置して大きな遅れを出さないのならばそれほど攻められることではないのかもしれません。
バス運転手 乗客残してトイレ、、、、
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=200000107&tid=a5pa591bfebebcjbeh5rbbda47a4fa5ha5a4a5l&sid=200000107&mid=1&first=1
産経新聞にバスの運転手が乗客を残してコンビニのトイレに駆け込んだと報道があり、乗客を車内に残してバスから降りるのは規則違反だと非難めいた書き方であったそうです。
ヤフー掲示板にはほとんど運転手を擁護する書き込みがいっぱいのようです。
車輪止めをかけるなど万全を期し、乗客に断った上駆け込んだそうですので、なかなか見上げた運転手です。
こんなことを非難めいた内容で記事にする記者、それを取り上げるデスク、さらにそんな新聞で金を取る新聞社、いよいよ新聞社もテレビ局に続いて断末魔のもがきに入ったということでしょうか。
人の生理現象を取り上げて上げ足取ってる暇があるなら、嘘っぱちの原発情報やエコやリサイクルの欺瞞など、もうちょっとはまともな記事を書いたらどうなんだとチャチャを入れたくなります。
航空機の分野でもこれと同じようなに、乗組員に取ってのピンチが長い人生の中では何度か襲ってくるものです。
ちゃんとトイレの付いた大型機でも離着陸の時は離れることが出来ませんし、まして小型機、ヘリコプターは悲惨なことになりそうなことは想像に硬くありません。
上空を飛行中のヘリが某空港にいきなり目的地変更の連絡を入れ、着陸したとたんにパイロットがCABの事務所を駆け抜けて、疾走し5分ほどしてすっきりした顔で戻って来たのを見て航空局職員みな一同理解したそうです。
自分はもっと悲惨な体験があります
北海道の広大な植林地に野鼠駆除の薬を散布している途中、前日の深酒だ祟ってどうしても我慢できなくなって、一人乗りの気安さ、牧場のはずれに誰も見られない場所を選んで着陸しました。
硬く黒い土のように見え、着陸は完璧、外へ出て用を足そうと一歩踏み出したとき、異様なやわらかさにアレっと思いました。
なんとなんと自分が投下しようとした場所は牛の糞を広大に薄く広げて、表面のみが硬くなっている、処理地だったのでした。
ひざが半分牛の糞にまみれて、泣く泣く飛んで帰ったものです。しっかりと用は足ましたが、、、
ヘリ関係者が急なトイレで起こした笑い話はどれほど数多くあるでしょうか。本人にとっては悲惨な物語ですが。
このようなことを思い出すして、ドクターヘリをはじめる関係者にいつもお願いをするのですが。
ヘリの場所や待機室から3分以内でいつでも使える、清潔で十分な広さのトイレを整備してくださいと、、、なにしろしゃがんでいる途中に出動要請が入って、あわてて飛び出したことは10回やそこらではききませんので、、、
残念ですがこのお願いの達成率は多分50%に満たないでしょう。
地上の消防隊の支援の元、着陸??
ドクターヘリがランデブーポイントなどへ着陸する場合、先着している消防隊などの支援の元に安全を確認して着陸することとなっています。
ただ 急なCPA(患者さんの心肺停止)事案などの場合、支援隊がいまだ到着していない時や、消防署から現場へ遠すぎてヘリがはるかに早くついてしまった場合、あるいは傷病者が多数いたり、急なCPAなどで到着している消防隊員、救急隊員全員がドクターヘリの支援まで手が回らない場合などが多く発生しています。
ヘリは着陸に際して自ら安全を確認して着陸するか、地上の支援が出来るまで空中で待機するか悩ましいところです。
任意の場所に着陸するという航空法の例外規定の運用に当たって、地上の支援の元に着陸するという自主規制のような取り決めをしたために無支援状態での着陸には、かなりのためらいがありますが、1秒でも早い処置は救命につながることは十分承知していますので本当に悩ましいところです。
写真の3件はランデブーポイントに指定されていない現場直近への着陸です。
虹とドクターヘリ
このところ冬の気象の走りで一時的な冬型の気圧配置になっています。
こんなときは西日本でも冬のはしりのお天気で日本海側の地方では弁当忘れても傘忘れるなとよく言われます。
当地もごたぶんにもれずにわか雨と晴れ間の繰り返す、ヘリコプターにとっては飛行しずらい毎日ですが、そんな合間に気持ちの良い虹が現れたりします。
大自然のすばらしい演出に囲まれて、気持ちを引き締めて飛行する毎日です。