救急にポンプ車が出動することは違法?、、




 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111031-00000057-mai-soci

 今日ヤフーでこのような記事を見つけました。


救急救命 掲示板:投稿数1,926 救急車の出動件数は年々増加。タクシー代わりにするなどの不適正利用や、搬送拒否などが社会問題になっている。[関連情報]
ヘッドラインTwitterに投稿86mixiチェックFacebook19<PA連携>ポンプ車の救命出動 一部公安委が「待った」 救急車だけでなく、より現場に近い消防分署からもポンプ車を出動させ、先着した方が救命処置を始める「PA連携」と呼ばれるシステムを巡り、「消防車の目的外使用で道路交通法違反」と県公安委員会から物言いが付くケースが出ている。市民からの救急車出動要請に迅速に対応するための措置だが、実施を断念する消防本部もあり、総務省消防庁が実態調査に着手した。(毎日新聞)


 現実に救急事案にポンプ車の出動をしていない消防局もあるようで、ドクターヘリ着陸のための散水も今後問題になるかもしれません。

 どうなるのでしょうか

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 岐阜防災機 アルプス墜落事故 調査報告書公表、、


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111028-00000055-mai-soci

 平成9年に起きた岐阜防災機の北アルプス墜落事故の事故原因を調査していた、安全運輸委員会の調査報告書が公表されました。

 報道を読んだだけですので、第一印象のみここで書いてみたいと思います。

 報道によると、高高度でのホバリング性能いっぱいの状態で、吊り下げ作業のためホバリングしていたヘリが横風、気流の乱れなどの影響でパイロットが意図しないうちに高度が下がり、岩壁にローターを接触させたため墜落に至った可能性が大きいそうです。

 ここで調査に少し疑問なのは、最初にホバリングしたときに2名の救助隊員を下ろしていますので、ぶつけたときには200キロ程度軽くなっています。最初にホバリングで高度が下がらなかったのに、200キロ軽くなってからなぜ高度が下がったのでしょうか。たまたま横風が吹いたのでしょうか。ホバリングする向きを変えたのでしょうか。10000フィートの上空では地上付近と違ってそう風向風速が極端に変わることは少ないものです。

 この運行に際して、機長は高高度での救助実績や訓練が十分でないのに、県の運航管理に不備があってこの飛行を実施させたことがその背景にあるということですが、報道はこっちのほうを大きく取り上げているようです。

 この機長は当時57歳で私の航空自衛隊の航空学生の3期か4期後輩です。岐阜防災機に乗るようになってすでに数年以上も経過していた模様ですが、そのような長い期間があるのになぜ高高度の救助の実績や訓練が少ないのでしょうか。

 防災機が担当するすべての空域での運航が出来ない操縦士はとても機長としての資格はないと思いますし、もし経験や技量的に及ばないレベルならば訓練を徹底的にやるべきでしょうし、高高度の運航は性能表の読みと実際の運航がどのように相違があるかなど一番に研究する項目でしょう。

 防災パイロットに経験技量の不足があると県や県警航空隊では認識していたとの報道もあるようですが、この事案が発生した当時、唯一の経験技量があるとされる県警の航空隊長は会議で名古屋に出張中で、急遽別のヘリが名古屋へ出迎えに飛んだとの情報もあるようで、県警すらまともに運航できる体制はなかった可能性もあります。

 県警 防災あわせて複数以上のパイロットが在籍しながら、県内の全域で活動できるパイロットは隊長ただ一人しかいないのであれば、365日会議も休暇もなしに働いてもらうしかないのではないでしょうか。

 何も遠慮はいりません 民と違って官庁は 安全上 業務遂行上 必要な訓練に経費を使えないわけはありません。 どんどん訓練すれば良いだけの話です。そして半数以上のパイロットがすべての任務を滞りなくこなせるようにするべきでしょう。

 十分な訓練もないまま、県警の隊長がいなかったため心ならずも出動し、アルプスで墜落し、自分の命のみならず同乗の仲間を道ずれに死んだパイロットは殺されたようなものでしょう。

 事故調査報告書が正しいとするならば、もちろん航空危険罪、業務上過失致死罪 嫌疑濃厚でしょう。
 

 校庭での離着陸はやめるべきか?、、、


 昨日 竹田小学校付近の方からの砂塵被害の書き込みをいただき、コメント欄が少し紛糾しました。自分は真っ只中の当事者ですので一応考え方をここで明らかにしておきたいと思います。

 校庭への離着陸を何回も繰り返していますので、今回のように砂塵が大きく飛んで周りの住民の方たちへ大きな被害を与えてしまったり、雨や雪の時期には同じ校庭に着陸してもまったく砂塵が飛ばなかったりと、一回一回まったく違った状況が出現します。

 たった1回であろうと比較的小さな校庭で周りが民家で囲まれている状況ではかなりの砂塵被害を与えていることは間違いありません。

 急患の傷病者にはまったく関係ない方たちへの被害は、ほかに十分な適地があったり、その他状況が許す限りにおいてはなるべく防止することはドクターヘリ運行関係者が守るべき事であると思います。

 ドクターヘリが導入されるに当たって、着陸地の選定においては比較的広い面積が確保されていて、第3者の出入りがほぼ制限出来、なおかつ管理者が公的機関で協力を得やすいということで、学校の校庭が多く選定されました。

 そして当初から砂塵被害は予想されましたので消防隊が出動して、散水し被害を最小限にするということが申し合わせされ、実際に行われています。

 豊岡で1年半にわたってドクターヘリが飛び、多くの学校へ着陸して、この選定が果たして正しかったかどうかを検討しなおす時期が着ているということも確かでしょう。

 ひとつの問題点は消防ポンプ車による散水が果たして果たして十分に効果があるかということです。さらにはヘリが到着するまでに十分な散水を実施できているかどうか、ヘリコプターの到着が早すぎて上空で長時間待機旋回して待っていないかということも、実際の状況を確認検討する必要がないかということです。

 さらには散水の効果があるかどうかという点も気になります。というのは日本の小中高の運動場は固い土が地盤で生徒たちが運動や遊びで転んでもひどい怪我をしないように、非常に細かい、やわらかい微粒子の砂を定期的に敷き詰めることをされているようです。特に秋の運動会の直前にはこのようは手入れをされるようで、ヘリの風で一段と飛散しやすいような状況となっています。

 敷き詰められた細かい砂は時間とともに雨で固められたり、強風で飛んだりして、だんだんと飛びにくくはなりますが、秋の運動会前から当分の間は非常に飛散しやすい状態であるということもわかってヘリの離着陸場として使用することは適切であったかどうか再協議する必要があったのかもしれません。

 また運航開始前に調査指定した着陸場所の再評価をし、使用していた場所を廃止したり、新たに新しいところもどんどん付け加えてより安全で効率的でなおかつ迷惑のかかりにくい適地を探す手間隙を惜しんではいけないと思います。

 われわれ直接ヘリコプターを運行するものとしては与えられた離着陸場所を使うに当たって、安全最優先でなおかつ周りの方たちには最小限の迷惑で、そして最終的には患者さんの確実迅速なピックアップをすることに最大限の努力をするということでしょう。

 最近は校庭の芝生化が全国各地で進んでいて、ドクターヘリも気持ちよく利用させていただく機会が増えています。

 学校で学ぶ子供たちにとっても、周りの住民の方たちにとっても、さらには我々ドクターヘリの関係者にとっても非常にありがたい事なのです。

 校庭の芝生化、維持管理には父兄の皆さんや地域住民の方たちの強力な支援があってこそ成り立っているような話を聞いたことがありますが、ドクターヘリも同じように地域の住民の方たちの強力な支援の下に飛んでいることが出来ています。

ふるさとのお祭りへ


 昨夜はあいにくの雨模様でしたが、ふるさとのお祭りへ行って来ました。

 55年以上前に、小学生になる前から高校を卒業するまで、太鼓をたたいたり担いだりした 太鼓台がそのまま保存されています。

 

但馬 竹田城跡へ着陸




 秋の行楽日和の好天が続きましたが、行楽地で発病してドクターヘリ要請が増えています。

 皆さん気をつけてください!。

ジンクス 航空事故は連続する、、


 四国航空の不時着炎上からこちら、東邦航空の同じ350B3の墜落事故が続き、航空事故は連続するというジンクスがあると前回のブログで取り上げました。

 まさかそれからまだどんどん続くとは思いもしませんでしたが、東邦の事故と同じ日、調布飛行場で共立航空のセスナ機がオフランウェーし、一昨日にはニューヨークで遊覧飛行のベル206Bが離陸直後にLTE(テールローター効果の喪失)でまわされてハドソン川へ墜落し乗客のイギリス人の方が亡くなっています。

 それで終わるかと思ったら、今日は小松基地のF15がドロップタンクを落とすトラブルがあったようです。

 自分の含めて航空関係者は気持ちを新たにして、安全運航を再度誓う必要がありそうです。

 航空のトラブルに限らず、地上も水上もさらには労災事故も、家で転んで大怪我をすることも、原因は千差万別であって、その事故対策もあちらを立てればこちらが立たずと非常に難しいものがあります。

 そしてマスコミは結果論で、やれポカミスだの基本的なことがなされていないなどとたたき放題で、ひとつ間違ったら大惨事などと、好き勝手なことを並べています。

 航空に携わるものは神様ではないので、ポカミスも失敗もある程度は防ぎようのないことは確かですが、ちょっとしたミスが大惨事につながらないようなごく常識的な注意力の維持向上と、日ごろからの鍛錬修養で知識、技術の向上によってポカミス、失敗を大事故につなげないような防御体制を求められているでしょう。

 特に事故トラブルが連発するような時期には真摯に組織会社や個人の運航の実態というものをよく見つめなおして、改善するべきものは直ちに行動を起こすことでしょう。

 でないと自分自身がいつ当事者にならないとも限りません。

 

東邦航空 350B3 事故、、


 非常に残念なことに、昨日の東邦航空の350の事故でパイロットの方が亡くなってしまいました。

 航空事故は続くというジンクスがあって、ANAの背面飛行、四国航空の同じ350の火災事故と続いたので心配していましたが、ジンクスどおりに続いてまた起きてしまいました。

 物資輸送中のからフックや軽い吊荷がテールローターにあたる事故は数多く起きていて、自分が知っているだけでも5件や10件はすぐに思い出すことが出来ます。

 しかし事故がおきても、乗員の死亡につながる事故はあまり多くなく、新聞やテレビで報道されることも少ないので一般の方はあまり知らないで過ぎています。

 なぜこのようなことが多く起こり、またパイロットや関係者がその危険性を十分に承知しているはずなのに繰り返して起こってしまうのでしょうか。

 その原因のひとつはホバリング状態のヘリが、いともたやすく50キロ100キロの速度に達してしまうというヘリコプターの持つ特性があります。

 軽い吊荷が後方にたなびいて、速度が限度を超えた瞬間、水平より上に上がりテールローターをたたいてしまいます。また速度とともにノーズ上げ下げの姿勢の変化も大きく影響してしまいます。

 軽い吊荷のコントロールが困難であるとともに、小さなバックミラーを通してその状態を見ることも難しいという面があります。

 いったんテールローターに当たったら、方向操縦は聞かなくなりますので、通常はオートローテーションで降下して、適当な場所へ不時着するしかありませんが、山間部の物資輸送ではそのような適地はほとんどありませんので、ある程度は度胸を決めて早めに森林の中へ軟着陸を試みるしかないでしょう。

 今回は不運なことに不時着の衝撃が大きくて、機体がかなり壊れて発火したのでしょう。

 350は機体構造が脆弱でプラスチックのような素材も多用しているので壊れやすく、燃えやすいでしょう。

 今回もしもベルのヘリなら火傷で死亡するようなことはなかったかもしれません。

 物資輸送のリスクは今回のような事例のみではなく、数多くのリスクが次々と襲ってくるような仕事で、ヘリのパイロットが物資輸送を出来るようになったら一人前といわれるほどです。

 特に350などの小型機で実施する物資輸送は、期待の安定性、余剰馬力、強風乱気流に対する強さ、搭載量と機体重量の比などどれをとっても不利な条件の元での飛行作業となります。

 十分な訓練と、安全管理で事故のないようにしたいものです。

 

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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