何かおかしい、、、、
写真のヘリコプターの向こうは西日本一の高さになる建設中の近鉄ビルです
ANAの背面飛行の話題に続いて、九州山鹿市でR22が墜落した事故の調査結果が発表されました。
いずれも比較的飛行経験の少ないパイロットが操縦操作をあやまり、致命的な危機へと陥り、ANAはかろうじて回復し、R22のほうは墜落し2名の方が亡くなってしまいました。
ある操作をしたときに、一定の疑いを持ってするような癖をつけていると、致命的な危機まで至る前に、何かおかしいと気がつくと比較的安全なうちに修正操作ができて今回のような事故には至らないように思います。
経験が少ないうちにそのような癖を身につけてしまうと比較的パイロットとして絶体絶命の危険に陥ることなく一生飛び続けることができるように思います。
疑り深くないパイロットは早死ににするそうですから、、、、
ANA機 背面飛行になっていた、、、
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/air_crash/?1317203899
9月6日 那覇から羽田に向かっていたANA機の機長がトイレに行って帰ったとき、副操縦士がコクピットのドアーのスイッチとラダートリムのスイッチを間違えて、異常姿勢に入り、超過禁止速度を超えるというトラブルがありました。
このトラブルで調査中の事故調査委員会がフライトレコーダーを分析したところ、バンク130度、ダイブ姿勢が35度と予想以上の異常姿勢に入ってていたことがわかったようです。
このトラブルは副操縦士の一方的なミスでしかも基本的なことがわかっていないかのような判断がなされていて、多分操縦士生命は絶たれることとなるでしょう。
しかし一般的なバッシングの見方とは正反対に私はこの副操縦士に味方する見解を持っています。
まずスイッチを間違えたことですが、夜間や暗い状態で、似たようなスイッチがすぐ近くに、しかも動かす方向が同じような左右方向であるものを配置しておくことは間違いを引き起こす元で、このようなことは設計時から改善しておく必要があります。
ドアーロックのスイッチのオープンクローズが左右方向にする必要などさらさらないでしょう。
ベル社のヘリにも同じような誤操作を起こしやすい設計ミスがあり、油圧故障の訓練をするためにスイッチを切り替えたところ、隣のよく似たエンジンコントロールのスイッチを操作してしまっていきなりエンジンがフルパワーになってローターが過回転する事故が続きました。
その後ベル社はこのスイッチの頭の形状を球形と三角形にし間違えないように変更しています。
去年は八尾空港で試験飛行中のUH1が同じような原因でホバリングリング中、いきなり墜落しています。
さて原因はとにかく、異常姿勢に入ってしまったならば、適切な操作で正常姿勢に戻す必要があります。
パイロットは一人前になるまでには必ずこの、異常姿勢からの回復操作の訓練を、有視界状態と計器飛行状態との両方で、訓練されています。
今回はVNE(超過禁止速度)を少し超えたようですが、過度のG(重力加速度)をかけることなく回復しています。急にこのような背面ダイブに入ってしまった場合はGか VNEのどちらかが超過するか両方とも超過する恐れが強くあります。
今回は比較的機体にダメージを与えることなくうまく回復操作ができたように思います。
自分では過去にT33の計器飛行訓練の背面ダイブからの回復操作で、引き起こし操作とスピードブレーキの自動的にかかる修正舵が重なって7.3Gかけてしまったことがありました。
信じられない話では夜間の編隊飛行で雲から出たら僚機の翼端の航法灯の色が違っていておかしいなと思ったらなんと、僚機は背面飛行で編隊の定位置にいたというような話まで聞いたことがあります。
つまり夜間の雲中の異常姿勢からの回復は判断操作ともにかなりの錬度を必要とするということです。
普段から水平に飛ぶことばかりの民間航空機がこのような困難な異常姿勢からの回復操作をできたということは奇跡的ともいえるかもしれません。
この副操縦士はたいした男です。
四国航空 350-B3 緊急着陸後炎上
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20110922-00000074-jnn-soci
昨年の9月27日 朝日航洋の332が屋久島で墜落して以来約1年、ヘリコプターの大事故はありませんでしたが、今日ついに起こったようです。
機体は緊急着陸後炎上し燃え尽きてしまいましたが、幸い乗っていた3名は無事怪我も無くすんだようです。
TBS系はこの機体が運動場へ白い煙を吐きながら進入してくる様子を見事に捕らえています。
また着陸後炎が広がり機体が燃え上がる様子も、映し出していました。
その様子から見ると、何らかの原因で漏れ出した燃料が高熱の排気管に触れて、白煙を上げて、機体後方へたなびかせているような様子です。
着陸後ももれ続けていた燃料になんらかの火が引火し、大きく燃え上がったような感じです。
消火後の完全に燃え尽きた機体の残骸の様子では、どこから燃料が漏れ出たのか特定は困難かもしれませんが、350の過去の燃料系統の不具合の履歴から探れば意外と簡単に原因に迫れるかもしれません。
いずれにしても今回のパイロットの緊急事態の判断と不時着操作はほぼ完璧で、賞賛されるべきものだと思います。
それにしても台風一過のときや、大地震被害の直後など、ヘリコプターが一斉に動き出すので、普段飛んでないヘリやパイロット、整備士たちまで総動員されるような状態ですのである意味かなり慎重に対処する必要はあるかもしれません。
それにしても乗っていた方たちがすべて無事であったことは本当に不幸中の幸いでした。
京都府北部のある病院へリポート
京都消防航空隊がAS155を導入し、24時間運航体制を取るということを報道されていたようです。
北部のある病院のヘリポートが拡張されていましたが、その対応の一環なのでしょうか。しかし まだ夜間照明は設置されていませんでした。
いずれは整備されることでしょう。
通常、Hマーク方向が離着陸の方向を示すものなのですが、わざわざ障害物のない海や水田の方向とせず、病院の建物上空を通過する向きになっているのはどうしたのでしょう?
いつも建物は避けて離着陸していますが。
災害時のヘリコプターの離着陸場所
fir**respon*er1*9 さんからの質問に答えて!
被災地フライト、大変お疲れ様でした。
ところで少し込み入った内容を教えていただきたいのですが、今回の被災地のうち、
町や村の中心部はそこそこ降りれるポジションはあったと思いますが、孤立集落では、
①やはりヘリで降りれるポジションは厳しかったのでしょうか
②もしくはEC135クラスはOKだけどUH-1クラス以上は難しかったのでしょうか
③拠点間輸送(被災地外⇔町村中心部のグランド等の災害対応拠点)はOKでも端末輸送(町村中心部の災害対応拠点⇔孤立集落)はOUTだったとか。
場所によってそれぞれと思いますが、山間部水害地でのヘリ運用という課題を教えていただければ非常に助かるのですが。。。
ご質問いただきましたが なかなか回答は難しいと思いながら、時間が過ぎてしまいました。
基本的に軍用(自衛隊、米軍)以外のヘリは航空法に拘束されるので、低空 飛行場以外の場所への離着陸、そして制限空域の飛行、そして物件の投下などは事前申請して許可を得てからという大原則があり、消防、防災、そして県警ヘリ、民間機は台風だから、地震だからという理由では自由に飛べないようになっています。
唯一自由になるのは救助特例といって、他に手段がなくて人命に危機が迫っているときのみ自由な運航が認められることになっています。
これは改まって法の例外規定で定めるまでもなく、人命が危険にさらされているときには、どのような法律も犯すことには何の制限もないということは、法以前の問題でしょう。
ヘリコプターの災害時の運航にはこの法の特例規定が、拡大解釈されて、人命が人命がとこじつけて運用しているということが実態でしょう。
つまりヘリコプターの性能や特性を無視した航空法による、がんじがらめを生かしたまま、実態は運航者にすべてを丸投げして勝手にしなさい、危険が起きたらお前たちの責任ですという、航空当局のお役所仕事が、災害時のヘリの運航の前に大きく立ちふさがっているということが実態なのかもしれません。
そうは言いながらも、自治体や、消防関係などは、災害時、緊急時に安全効率的に、ヘリを飛ばすという、やむにやまれない事情があるために、事前に準備されていたり、ドクターヘリを飛ばしていたり、また災害訓練などを行って、ヘリの運航に精通したりしている実態があります。
つまり 普通の自治体 市町村などではヘリコプターが着陸する場所はあらかじめ決めてあったり、ドクターヘリが普通に何回も着陸している実態があります。
過去にヘリが着陸した例などはそのまま大災害時の初動に大きく役に立つ大切な情報となります。
災害の状況によってはあらかじめ決めていた場所が流されたり、進入道路が遮断されていたりして使えない状況も当然予想されますし、今回はドクターヘリが通常使用していたランデブーポイントが濁流で流されて使えなかった例もありました。
大型ヘリが使うか中型までか小型機かというような条件の設定は、空港や大型離着陸場所へ展開した後に短時間に前線離着陸場所の選定をするなど機動的に動けるように思いました。
ただ、ネックは自衛隊が統制するか、はたまた県の消防防災当局か、市町村かなどの少し難しい面があるということと、県警、防災や順民間ヘリなど民間登録のヘリが航空法の制限をどこまで取り払って自由に活動できるかどうかということもひとつの問題点とはなるでしょう。
何しろ人命救助でないと、航空法に元ずく許認可の元でしか飛べないようになっていますので、いくらなんでも食料運搬や市役所職員の輸送、孤立者の輸送などには人命がなどという拡大解釈は無理でしょう。
許認可まで1週間かかりますではとても対応できないでしょう。
災害時は1日で許認可を出しますとか言う航空関係役所もあるようですが、ならば普段はなぜできないのでしょうか、はたまた1日の許認可審査で、山の中を縫って飛ぶパイロットの安全性は保障できるのでしょうか。ヘリパイロットの命も人命なのですから、
航空法にはヘリコプターの存在はないようですので、このような変なことが延々と続いています。
五条市大塔 旧大塔村 赤谷、、、
写真上 谷瀬の吊り橋付近
下 数年前 赤谷キャンプ場付近で白骨化した小鹿発見 孫の宝物となりました。
http://blogs.yahoo.co.jp/bell214b1989/42677296.html
一昨日 新宮市への災害支援飛行の行き帰り、今,毎日のようにニュースに出てくる大塔の赤谷のせき止めダムの付近を通過し、変わり果てた様子を見てきました。
上のURLでちょうど2年前に取り上げた懐かしい場所です。
25年ほど前、奈良県最後の水力発電所、川原樋川発電所の開発で、今回流出崩壊した長殿発電所を結ぶ、17基の送電線鉄塔の建設工事で1年近く滞在した場所です。
ヘリポートとして使用した場所は赤谷と川原樋川がT型に合流する場所で、工事が終わったあと温泉が整備されたキャンプ場となっています。
今回の崩壊災害でこの赤谷キャンプ場はいつ再開されるかなど想像もつきません。
この場所は日本猿や鹿が普通に見られ、名の通りの赤谷と呼ばれる谷には赤松が群生し、地元の方たちには秘密の松茸の群生地があるそうで、ご馳走にもなりました。
孫たちと例年ここへキャンプに来ていたのですが、今年は勤務地の関係で豊岡方面と新たに徳島県美馬町へ出かけました。
孫いわく 赤谷へ行っておけばよかったのにーーもういけないかもといっていました。
十津川の120年前の大洪水被害による北海道新十津川への移民の秘話にも当時赤谷での滞在中にありました。
北海道出身の整備士の祖祖父が十津川からの移民で、たまたま赤谷へきていて、残った親戚のおばあさんとの劇的な対面があったりしました。
40年にわたるヘリ生活でも奈良和歌山の山中での思い出はいっぱいあり、そのような地域が大きな被害を受け、心痛むフライトでした。