埼玉防災ヘリ 事故調査経過報告、、、
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/pdf2/keika110729-JA31TM.pdf
但馬空港フェスチバルへ行っている間に埼玉防災機の奥多摩事故についての経過報告が発表されたようですので、今日はそのことを取り上げます。
この事故は遭難者救助の発動からテレビの取材チームが無謀取材で亡くなったり、防災ヘリが岐阜県に続いて墜落したり、大きくニュースとなったのですがまだ1年しかたっていないとは。地震や原発に気を取られているとはるか昔のことに思えてしまっていました。
この事故といい、岐阜防災の事故といい、パイロットが考えられないような未熟さを秘めているかのような事故が続いたので事故調査には強い関心を持っていました。
というのは事故調査に当たる国土交通省の事故調査委員が事故の翌日でしたかこれもまったく無知というか未熟というか、事故調査の本分をわきまえないような、セットリングウイズ パワーが原因であるかのような発言をして、プロの目からみたらとんでもないと取れる発言をしてしまっていました。
事故の翌日に原因をしゃべれるようならはじめから事故調査はいらないでしょうにーー
調査委員がどのような予断を持って調査に臨もうとも、文明の利器はいい加減な予測は見事に打ち砕いていますし、長いホイストやスリングで樹木のなかにホバリングして作業をする場合に絶対にしてはならないことが何かという、その反対のことをしてしまっている実態がものの見事に残っていました。
ホイストの状況を録画するビデオカメラの映像が事故原因を見事に暴いているようです。
ひとつにはテールのフェネストロンが樹木を巻き込んで枝葉を吹き飛ばす様子が残っているそうです。
つまり最初の異常はフェネストロンが樹木を巻き込んで破壊し、テールコントロールを失ったヘリが操縦不能になって周りの立ち木をローターで叩いて墜落したようです。
フェネストロンが破壊する前ヘリは隊員の降下位置にあわせるかのように、ホバリングの状態で左へ移動していますが、このヘリは右側にホイストが着いていて、パイロットや降下する隊員にとっては右側の障害物は非情によく確認できますが、逆の方向の左へ移動するなら、テール方向の障害物の確認は副操縦士が窓から大きく身を乗り出して、確認する必要があり、めくら状態で移動しテールに樹木を巻き込んでしまったようです。
ホバリング作業をする場合はテールが一番見にくくて。低い位置にあって障害物に当たる可能性が高いのですから、テールローターをどこに持ってくるかということは一番の基本です。
長つりの精密ホバリングは風向よりも障害物で、テールローターを一番安全な位置におき、一番近い障害物は必ず自分のまん前かどちらかというと右前に持ってきて、ローターとの間隔を見ながら正確な位置決めをします。
これは岐阜防災事故の場合もいえることでした。
また一回決めた場所へ入って、ホバリングして何かの都合で移動しなければならなくなったときには一回離脱して、周りの障害物を再確認して入りなおすことも必要です。
このような基本的なことは誰も教育訓練したり、教えたりしないのでしょうか。
もうひとつ経過報告で気になった点ですが、機長は過去30日間に2時間53分しか飛行していませんがこの程度の飛行実績ではとても防災ヘリの機長としての技量を維持できないのではないでしょうか。
どうも防災ヘリ運航は心もとないような気がするのですが大丈夫なのでしょうか。
小型機事故 連発、、、
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20110726-00000044-jnn-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110728-00000047-mai-soci
先日はタイのヘリコプター事故の連続した話題を取り上げましたが、どうも航空事故は連続して起きるようなジンクスがあるようです。
先日は静岡県の富士川滑空場から飛び立った曲技機が駿河湾に墜落して、ベテランの方が亡くなり、今日は航空大学校の帯広分校のボナンザが山に激突して3名の方が亡くなったようです。
今回の事故は一名の訓練生が生き残っていますのでかなり詳しいことがすぐにわかるでしょう。
旧 帯広空港が陸上自衛隊と同居していた頃、ベル47KH4で飛び立ち今回の墜落現場である芽室というレーポーテングポイントを通過して4500フィートの日勝峠を超えて丘珠空港へ向かったことが有りました。
芽室付近は標高1000フィートくらいですが日勝峠は急に立ち上がった山岳部でいきなり4500フィートと壁のようになっていて、晩秋の西からの季節風が強烈に吹き降ろしていて手前で7000フィートまで上がって高度を速度に変えて飛び越えようとしましたが、むなしく2回も落とされて、3回目にやっと占冠方面へ抜けたことがある懐かしい土地です。
帯広平野は結構広く太平洋側気候で、空中操作や基本計器飛行の訓練にはもってこいの地形ですが芽室から西側はイキナリ立ち上がる日高山脈で雲が多いと訓練には向かない気象状態となります。
事故に至った経過や状況はまだよくわかりませんが、梅雨明け後の最近の気象状態は太平洋高気圧が本邦から少し東へ引っ込んで、その高気圧の淵を湿った空気が日本列島を北上し、その上には北の冷たい空気が覆うという、積乱雲が発達しやすくて、気温が低めで全般的には夏の青空からは程遠い雲が多い天候となっています。
静岡の事故といい、今回の事故といいどうも有視界飛行の小型機が、発達した積乱雲や雲の多い状態に影響され、うまく雲を避けられずに起こったような事故ではないかと思います。
有視界飛行では絶対に雲の中へ入らないという強い意思が我が身を守るということでしょうか。
御難続きの管制官、、、
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110727/crm11072708570007-n1.htm
日本人は管制官に限らず、悪く言えば、一般的にカタブツ、真面目すぎ、融通が利かないという所でしょうか、よくいえば何事も規則通り、真面目に仕事をする、信頼できるという所でしょうか。
今回の報道の件もいいか悪いかと言えば悪いに決まってはいますが、一般国民に管制の仕事ぶりを公開して理解を深めるという大目的からすれば一概に悪いとは言えないような気もします。
少し途中経過がまずかったかな程度で終わる位の度量というものがああってもいいと思うのですが、今のネット社会、人の粗探しをするにはもってこいの世の中になってしまって本当にギスギスしています。
どこかで見学の中学生に電波を飛ばさして大騒ぎになったこともありましたが、騒ぎすぎではないでしょうか。
このようような時代になってしまったら、たまには大きく緊張する場面もある航空管制において、パイロットと管制官がいつも相手の間違い探し、粗探しをしていがみ合っているようではとても安全効率的な運航は望めないでしょう。
着陸機と離陸機に同時に許可を出してしまっただけで新聞に出るようでは、毎日の勤務が地獄のようなものではないでしょうか。その許可発出があわや大惨事ならともかく、着陸機は滑走路を見てアプローチしていますし、離陸機も通信を聞いているのですから、お互いに再確認するなり、着陸をやり直すなりして安全にやり過ごしたならば新聞に発表するほどのことではないでしょう。
相手に完全無欠を求めるネット全盛、ギスギス乾燥社会の弊害ではないでしょうか。
日本の管制通信に置いては 世界で一番私語の少ない国ではないでしょうか。羽田や八尾のような超過密空港ならいざしらず、一日10便程度の空港に置いても挨拶や私語をまったく交わさないような無味乾燥の通信連絡ならパソコンでやる方式に早く変えたほうが良いでしょう。
人間と人間が言葉を交わして安全確実な運航をするという口話による航空管制の一番の良いところがまったく阻害され、四角四面の機械のような通信が理想とされる無味乾燥の世界に身を置く最近の管制官の人たちはなんと味気ない仕事だと思っているのではないでしょうか。
また古い話ですがインドネシアのローカル空港ではパイロットの私が日本人だとわかると管制塔の周波数でどんどん日本語で挨拶はするわ、世間話はするは、挙句の果てにはお○○○と放送禁止用語まで出てくる始末でした。
まあ あまり硬いことばかり言わないで空対地に限らず、関係者、みな仲良く和気藹々と仕事できないものでしょうか。
美濃部校長の講話
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%99%E8%93%89%E9%83%A8%E9%9A%8A
今日は大昔の話です。
昨日の話題で東南アジアのジャングルを飛行していて、スコール ガスで超低空飛行をして旋回もできなくなってまっすぐ上昇して雲の中をさまよったと話をしました。
このことで思い出したのが、航空自衛隊 幹部候補生学校 美濃部正校長の講話です。
昭和45年の初夏だったと思います。我々航空学生24期生約60名は操縦教育を受ける前の操縦英語課程の学生として教育を受けるべく、奈良県にある幹部候補生学校へ入校しました。
入校から卒業まで、成績順に卒業となるので4箇月から7箇月間、毎日6時間英語教育、残りの2時間は体育や自衛隊の教科という激しい教育が始まるに際して、学校長の講話をいただくことになりました。
校長は戦中のパイロットで、南方で戦っていた当時のお話をしてくれたのですが、非常に自信に満ちた話しぶりと共に長く覚えている内容が一つだけありました。
美濃部校長は戦中、南方で戦闘機や攻撃機を使って、夜間の攻撃をしていたということで、ジャングルを超低空で這って長時間飛び、帰りも超低空で帰ってくるという話をされました。
そして、なんとなんと超低空で長時間飛んで帰ってくると、1回の攻撃でプロペラが樹木を叩いて摩耗するということを言われました。
1時間以上の講話の中ではっきりと覚えていたのはこのことだけで、美濃部空将が戦争中にどのような事をなさっていて、どれほど大きな功績を残された方なのかは、最近になるまでまったく知りませんでした。
操縦教育を受ける前の身としては、ジャングルを超低空で飛ぶとはどのようなことなのかはまったく想像すらできませんでしたが、10年後30才でそのようなフライトをするとは、、、
ジャングルは昼間はあちこちに積乱雲が発達するのですが、夜間は逆に洋上に積乱雲が出来ますので、夜間攻撃はジャングルを這って飛ぶのが天候的に安定している上に、敵のレーダーにも見つかりにくく、理にかなっています。
また昼間、積乱雲の下を超低空で飛ぶと薄暗くなって前方も見えなくて、夜間飛行と同じような状態となります。
旋回するべくバンクを取ると本当にローターが樹木にあたりそうになることは、当時の美濃部少佐の飛行状況に似通っています。
特攻を否定し夜間攻撃でパイロットの技量を上げながら戦果を上げる素晴らしい戦術を指揮された校長の戦後の航空自衛隊での出世が成らなかったのは、例の源田空幕長の醜い弱点を握っていたからだとも言われているそうです。
このようなパイロットとして極めて素晴らしい方の貴重なお話を聞かせていただく機会がありながら、若輩 無学で我が地肉することは全く出来なかったのは本当に残念なことでした。
ただジャングルでの超低空のフライトの実感を身をもって体験し、校長のお話を思い出したことでいくらかのお許しはいただけたでしょうか。
タイでヘリ事故連発、、、
http://www.newsclip.be/news/2011724_031541.html
いつもブログネタを提供していただく pun*u*0461 さんの要望にお答えした話題です。
さすがに pun*u*0461さん情報が早いですね、教えていただくまでまったく知りませんでした。
ヘリコプターの事故が2連までは時々聞きますが3連鎖することは非常に稀で、しかもその内2回が同じ機種ということも驚きです。
東南アジアの熱帯は常にピーカンの快晴、視程50キロという目をつぶっていても飛べるような好天ですが、一旦悪くなると雷雨スコール、地上にへばりつくガスというとんでもない悪天となります。
自分もスマトラ中部でスコールにあって、地上にへばりつくガスでバンクを取ったら樹木に当たりそうで、旋回することもできなくなってまっすぐ上昇して雲中をさまよって死ぬ目にあったことが有りました。
1機目の212の墜落は多分自分と同じような状況で障害物にあたって墜落したと思います。
そして2機目のブラックホークは仲間の事故で搜索や遺体収容に夢中になって天候条件の判断に無理があったのでしょう。
3機目の事故は前2機の天候判断の失敗を分かっていたのでしょうから、当然天候には十分配慮しその点の注意は十分だったでしょうから、思わぬ故障で墜落してしまったということは十分考えられます。
212は多分1970年少し前に売りだされていますし、1985年頃には412が212に変わってデビューしていますので、今や212は世界でも高齢のヘリということになるでしょう。
日本では1970年ころに朝日ヘリコプターが洋上の石油掘削リグへの人員輸送用に導入したのが最初で、その後5年ほど後に、確か貿易摩擦の解消の目玉商品として、それまでまともなヘリを所有していなかった海上保安庁に数十機単位で導入されました。
ですから日本を含め世界中の212の機齢は若いものでも30年はゆうに超えています。
30年というと日本では1万時間しか飛びませんが世界平均では多分この倍は飛んでいますので若い機齢のものでも2万時間以上ということになるでしょう。
日本でのヘリの寿命は1万時間がいいところですが、自分がインドネシアで飛んでいた1980年当時23000時間飛んでいた205があると聞いたことが有りました。
もともとベルの204シリーズは非常に頑丈な胴体にシンプルなローターシステム 頑丈なエンジンで今のプラスチック製のヘリのようなひ弱さはありません。
ただテールローターの能力不足で低速度時などで回されて墜落する事例が多く、どんどんテールローターを大きくしたり、ギアボックスを強化するなど改修されて行きました。
ですから204から412までどんどん改良されていって今は非常に信頼性が高い状態まで行っていると思いますので特別問題になるような点はないように思います。
214はさすがに胴体の割にはオーバーパワーで信頼性のないママ日本からはなくなってしまいましたが。
どんなに丈夫で信頼性が高いと言ってもいずれは退役させないといけない時期というものはあるでしょうから、いかに貧しい東南アジアといえどもいずれは変えるでしょう。
しかし日本は自衛隊6000時間退役など官庁関係かなり裕福ですね。
明日からまたドクターヘリパイロット、、、
今日までは元ドクターヘリパイロットでしたが、明日からまた現役のドクターヘリパイロットに戻ることになりました。
昨日規定された訓練と審査を終了しましたので、また飛ぶことになります。もといた場所への復帰ですので、早く元の仕事に慣れて少しは役に立つパイロットになるべく早くもどるように頑張ります。
ブログの題名はドクターヘリパイロット(また)にするか (再)にするか仲間から意見が色々とありましたが、とりあえず( )は無しということで行きます。
当分の間は仕事に専念しますので、更新は不定期となりますが引き続きご愛読お願いします。
いつまで飛ぶかということはとりあえず決まっていませんので、再登板 無理をせず無事故が唯一の目標ということで明日からの仕事に就きたいと思っています。
また一緒に飛んでいただくスタッフの皆さん 出戻りですが是非宜しくお願いします!!
台風一過、、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110721-00000002-jct-soci
迷走気味の台風6号が徳島県に一時上陸し、潮岬をかすめて伊豆諸島方面へ去っていきました。
秋の台風は台風一過と言って素晴らしい晴れの日が来るのですが、今回は涼しくて曇り空の節電向きの天候となり電力会社も胸をなでおろしていることでしょう。
それにしても自社の商品が生産高一杯売れればホクホクなのが普通の会社でしょうが、自社の電力がめいっぱい売れたらヤバイとは電力会社も因果な商売です。
さて今回の台風では高知県馬路村の魚梁瀬ダム付近が過去最大の記録的な大雨となったようです。
ということは魚梁瀬の電源開発の魚梁瀬ダムの電力の備蓄量が満タンになったはずです。
さらに三重 和歌山県境の同じ電源開発の池原ダム水系も同じような南東斜面で台風の雨を受け止める地域にあってこれも大雨で電力を十分蓄えたはずです。
日本の発電ダムはこのように主に台風の雨を貯めるタイプと豪雪地帯の雪解けの水を使う黒部ダム水系、新潟福島県境の奥只見水系などの主に2種類のタイプがあるようです。
ヘリコプターはこのような山深いダムへ入る送電線の新設工事 建設後の点検修理、ダムや発電所の保守点検などに長く飛んでいますので、このようなところへ飛んでいく機会が多く有りました。
電力需要がどんどん拡大し、日本国中のこのように大規模に建設された水力発電設備 全て合わせても全電力使用量の10%程度しかまかなえないそうですが、今回の6号台風のように比較的被害の少ない、雨台風が電力危機をいくらかでも救う足しになってくれればこの仕事に従事したものにとっては嬉しい限りです。
しかし 当時はこのような大規模な水力発電システムが極めて大きい自然破壊になっているとは夢にも想いませんでしたが、堆積する土砂や流木、落ち葉などの量とその排除方法など、この施設を建設当時の状態で維持管理経費と困難さをあとで知ることとなりました。
人間が生きて行くために自然に働きかけるすべての行為が自然破壊となり、またその逆にその効用で文明生活を送ることができるというものでしょうか。
台風が過ぎて魚梁瀬の雨量のニュースに接してふと思いました。
なでしこジャパンの真価、、、
なでしこジャパンが日本の大方のマスコミの予想を裏切って世界一になってしまいました。本当によくやってくれました。
マスコミ嫌いのベルとしてはこの話題を取り上げないわけにはいきません。
蓮舫の仕分けのおかげで、パートでレジ打ちまでしながら頑張っていた選手までいる世界代表チームがまさかあのドイツやアメリカを下して優勝するなどほとんど誰も予想しなかったことでしょう。
コーナーキックをアウトサイドキックのボレーでゴールへねじ込んだ、あの澤の残り時間2分の同点ゴールまでは誰が見ても負け試合でした。
日本のマスコミはまさかこのような結果になるとは予想だにしなかったようで、準決勝の中継から急遽予定を組み入れて、仕方なくというかやっと中継生番組を組んだのでしょう。
これを放送しなかったら国賊テレビ局と罵られたことでしょう。
ことスポーツに限って、世界一は誰が何といっても世界一です。
何しろ日本のスポーツ放送は未だに民放は芸能プロ野球とNHKは伝統芸能外人メインイカサマ付き相撲の放送の呪縛から離れることができません。
何事もいかに改革ということが困難であって、無様に過去を引きずっている見苦しさを晒しています。
NHKは日本の芸能プロ草野球から、本物プロ野球の大リーグへ有力選手を連れ出して、国民の目を引きつけようと画策し、松坂の初登板を朝7時のニュースのトップで中継したりして煽りましたが、実力のないスポーツ選手はものの見事に売り物になりませんでした。
民放は民放で石川遼を世界の世界の舞台へ連れ出すことには成功しましたが今ひとつ成績は上がらず、ご本人の無免許運転がバレた程度の話題まで落ちています。
つまりマスコミは自分の商売でスポーツを使っているだけで、世界の頂点を極めた有力選手はその功績の大きさで放送しているのではないということがよくわかります。
体操の内村、キムヨナに隠れて評価を不当に下げられた浅田真央などなど実力と取り上げれ方のアンバランスには事欠かないでしょう。
それにしてもなでしこジャパンすばらしいーーーー
航空危険罪と原発
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110719-00000113-san-soci
ちょうど2年前 名古屋の航空用品販売をされていた方が自家用用のロビンソンR44で米子空港から豊岡の但馬空港へ向かったまま行方不明となり、その後兵庫県内の山に墜落しているのを発見され、同乗の方とともに2名共なくなっておられた事故がありました。
今日のニュースによると、被疑者死亡でありますが航空危険罪(危険法とニュースで言っていますが)の容疑で書類送検されたということです。
航空従事者が過失によって墜落などを起こした場合でも、この法律によって 三年以下の禁錮又は二十万円以下の罰金と定めています。
この他に乗客や同乗者に怪我を負わせたリ死亡させてしまったら、業務上過失致死罪が適用されるものと思います。
今回の報道によると但馬空港付近で悪天候のために雲中飛行か雲上飛行となった状態からうまく切り抜けて着陸できなかったことが過失だと認定しているようですが、自家用操縦士のレベルでは過失を問うことは少し酷であると思います。
自家用操縦士の方がその日の天候で同じ状態から10人中8人くらいがうまく雲から脱出して無事に着陸できる状態であったのにこの事故に合われた方がたまたま過失で事故ってしまったということを証明できなければ罪を問うことはできないでしょう。
そのような天候状態の中へ漫然と飛んでいってしまったということがより過失性が高く、またその判断が事前に天候調査で自家用操縦士レベルでも十分判断できたならばそちらの方がより重要でしょう。
航空というある程度高度な機器を国家のライセンスをもって運行し、仲間とはいえ同乗者とともに自らを死に至らしめ、結果的には航空に危険を生じせしめたのですから犯罪性を追求されることはある程度は致し方がないかもしれません。
今回のような事故でも自分一人で飛んでいて事故って死んでしまっても航空危険罪で訴追される可能性大です。
さて 今回の福島原発はどうなるのでしょうか。
国からの許認可を得て、完璧な性能と安全性をもっていて、最高の技術をもって建設されたものを、高度の訓練を受けた従事者が厳格に運用し、さらには規定された定期点検を間違いなく行い、内外にも安全性をこれでもかと宣伝していたはずです。
今回の自家用ヘリが意に反して厚い雲に囲まれてしまって安全に脱出できなかったのと全く同じように、予想以上の地震と津波に襲われてしまったと言い訳してみても、自然条件がその事故の発端となったことには全く変わらないでしょう。
原子力には原子力危険罪という法律もありませんし、航空機のハイジャックに相当する原子力施設占拠罪という究極の危険を罰する法律もありません。
数万以上の人たちが影響を受け、ことと次第によっては数千人の子供たちが癌で亡くなるということもあながち可能性ゼロということも言えないでしょう。
雲に巻かれて無念の死を迎えた自家用パイロットの罪を問い、原発で悲惨な事故を起こした者が何の罪も問われないどころか、そのために電力供給をとどこらせておきながら普通に電気を使ったら罰金だなんと よく言えたものです。
法治(放置)国家日本!!
恐怖 恐怖症?、、、
今日のテーマは少し変な言い回しですが、このような言葉があるかどうかわわかりません。
簡単に言えば高所恐怖症のパイロットはいるかどうか、またそのようなパイロットがまともにパイロットの仕事をこなしていけるかどうかと言うような感じの話題です。
パイロットが飛行中ある一定以上の恐怖状態に落ちいったとき、果たしてその恐怖に打ち勝って冷静沈着適切な判断と操作によってそのピンチをうまく切り抜けて生還できるかという、切実でギリギリの状態の事です。
このような極めて大きなピンチからそれほどでもない小さなピンチまで様々な状況が長いパイロット生活の中で何回も起こります。
定期便のパイロットは極めて安全性の高い、良い環境で航空機を運行しているので、一生の間にこのような状況にまったく出くわさないとこが普通でしょうから、パイロットにこのような能力を求められることも少ないでしょうし、実際にこのような自分の持つパニック症候群がバレることもほとんどないでしょう。
定期便のパイロットでこのような事を試された不運な人たちは、御巣鷹山墜落事故のJAL123便の乗員に代表されます。
ところが同じパイロットでも定期便とは運行状況が全く違う、ヘリコプターや戦闘機のパイロットはこのような恐怖心に対抗して戦って生還するような状況に陥ることがかなり多いということはいえるでしょう。
戦闘機はなるほどと思われるでしょうが、ヘリコプターのパイロットにもかなりこのような状況に陥ることがあり、年間通して飛んでいるパイロットは年、数度くらいはこのような絶体絶命のピンチに陥るように思います。
特に日常的に緊急状態で飛ぶ回数が多いドクターヘリのパイロットには常にこのようなことがついてまわる可能性が高いようです。
急な悪天候、極めて重症な患者、日没時間、機体の故障、重い機体重量、限られた燃料残、乱気流、突風や強い風、このような条件が複数同時に襲ってくることなどは普通のことですので、いちいち パニックになったり恐怖心にとらわれているようならとても安全な運航は望めません。
強そうに見えてるパイロットと言えども皆、ただの人間ですからこのような状態になった時の精神状態はいくら平静を装っていても他人からは分かってしまうものです。
このようなことはパイロットとして操縦操作が上手であるとか、ヘリコプター運行上の知識豊富であるとか、教官経験があるとか、審査操縦士であって優秀なパイロットであるとか言うことはほとんど関係なく、生まれ持った精神力や性格が大きく影響しているように見受けます。
ただパイロットとしての様々な経験のなかでパニックを何回も克服して、精神力を鍛えて向上してきたかどうかはかなりの有効性があるでしょう。
過去のパニック経験を我が身の血となり肉としてを身に付けて来たものは大きな財産といえます。
このようなことは自分自身以上にいつもパイロットの横にいて命を100%あずけてくれている整備士の連中はよく知っていて本当に正確な診断を常に下しています。
あまりあからさまに声には出しませんが、こいつとだけは一緒に飛びたくないと、、、
それはそうです 命がかかっています、、、
そんなことを言われるようなパイロットのだけはならないように頑張ってきました。