ウイングレット、、、、



 最近の旅客機にはウイングレットと呼ばれる、垂直尾翼の小さいようなものが主翼の翼端に装備されている機種が多くなっています。

 これは翼端に発生する渦をうまく逃がしてやることによって、主翼に発生する抵抗を減らして、燃費を良くしたり、速度を上げる効果があるようです。

 最新型機は最初から着いているものが多いようですが、旧型機でも一部、後付が出来るものもあるようです。

 このような翼端渦の抵抗というものがあることは、50年も以上前からわかっていたのですが、具体的にこのようなウイングレットをつけて抵抗を減らそうとすることはずいぶんと最近になってからです。

 速度性能や燃料効率が約3%ほど向上するようですので、長期間にわたって飛行する旅客機などはその効果が積み重なると馬鹿にならないほどものとなるでしょう。

 ウイングレットがこのような効果があるということがわかって実行されたのは、ここ10年程度のことではないかと思いますが、終戦後朝鮮戦争すこし前に開発されて、F86Fが登場して主力戦闘機の座を譲るまで活躍した、P80はランデングギアーが短い設計であったために、増加タンクを翼の下につけられない構造でありました。そこで翼端にチップタンクとして装備していました。

 その後P80は複坐に改良されて、西側陣営のほとんどの国で戦闘機パイロットを育てるT33Aという練習機となりました。

 長い運用のなかでチップタンクは片側230ガロン(900リッターちかい)も入る大きなもので、さぞや抵抗が大きいだろうと思われていたのですが、はずして飛んでもそれほど性能が上がらないことをパイロットたちは実感していました。

 本当は逆で大きなチップタンクをつけても性能が落ちないということなのです。それがいまのウイングレットと同じ役割をしていたということでした。

 そのためにT33はドロップタンクという名のチップタンクはまったくはずすことなく飛んでいて、F86などは短い飛行時間のミッションでは必ず、翼の下につけるパイロンタンクをはずして飛んでいたのとは対照的でした。

 これが今日のウイングレットの始まりでしょうか、それにしてもパイロットが体感して知っていたこの原理がウイングレットとして実用化されるまでずいぶんと長い時間がかかったものです。

 余談ですが、ドロップタンクはゼロ戦などでは実戦時は必ず投棄して身軽になって戦ったそうですが、戦後の平和国家日本ではドロップタンクを投棄する機会はほとんどなかったようです。 しかし40年近い前 T33で同期生が4機編隊でアクロバット中に翼端同士が衝突しチップタンクが一部落下し、残ったものを含めて2機分 計4個を投棄したことがありました。

 そのうち1個が農家の庭先に落ちて、新聞種になってしまいましたが、けが人等なくすんだことがありました。

 もうひとつ余談です。ドロップタンクの燃料はジェットエンジンの圧縮空気圧で機内のタンクに圧送するようになっていて、間違って機内の燃料から先に使ってしまって、一旦エンジンを止めてしまうと、ドロップタンクからの燃料を送ることが出来ないで、墜落に至った例が何件かあるようです。

 またドロップタンクは最小限の薄いアルミ合金で出来ていて、そのものには余分な強度はなく、高速の外気の圧力やGで変形する程度のものであって、カラになっても変形しないようにジェットエンジンの圧縮空気圧で風船のように膨らませて強度を保っています。

 ウイングレットからドロップタンクへ話が飛んでしまいました。

スポンサーサイト



プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
12 | 2010/01 | 02
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
ジャンルランキング
[ジャンルランキング]
その他
9位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
9位
サブジャンルランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

訪問者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR