アクセルが戻らない、、航空機だったら、、、、


 600万台以上のトヨタ車がリコールで回収されることになったのはアクセルがいっぱい踏み込んだ位置で引っかかり戻らなくなって、暴走して死亡者が出る事故があったからだそうです。

 車でさえ非常に危険な暴走に入ってそら恐ろしい事態ですが、同じようなことが航空機で発生したらどうなるのでしょうか。

 昔、石川県の小松基地所属のF104がこの例と同じようなトラブルに見舞われたことがあったそうです。

 小松基地を離陸したF104が車で言うとことのアクセル、航空機ではスロットルがマックスパワー位置で動かなくなってしまったそうです。

 この状態ならばまだ良かったのですが、燃料を早く消費して、機体重量を軽くしようとさらに一段前のABポジション アフターバーナーを点火して超音速飛行にするポジションに入れたところ、さらに悪いことにその位置でスタックしてしまったそうです。

 F104はエンジンがひとつしかありませんので、着陸するにはこのたったひとつのエンジンを燃料バルブを使ってとめるしかありません。

 ギアーとフラップは速度制限があって通常はある一定の速度以下で操作するのですが、それを無視してダウンし、抵抗を増やして速度を出来るだけ落としながらといっても400ノットや500ノットくらいは出てしまうのではないでしょうか、その状態でイチかバチの位置で燃料バルブを操作してエンジンを止めたそうです。

 エンジンが止まると通常の操縦油圧は失われて、操縦が出来なくなるので、胴体の側方へ小さな風車 ラムエアータービンというものが対気流を使って油圧を発生して操縦桿が動くような装置があるそうです。

 またエンジンが作動しているときフラップを降ろすとBLCと呼ばれる、エンジンのあっすく空気を主翼に沿って強制的に流して揚力を防火させる装置が作動するのですが、エンジンを止めるとこの装置が止まるために着陸操作が極端に困難になるとのことでした。

 エンジンを止める操作が若干遅かったのか、機体は滑走路 真ん中あたりに激突し、その速度は300ノット程度ではなかったかといわれています。

 機体は胴体部分で折れ、パイロットは残念ながら殉職されました。

 ヘリコプターがエンジンをコントロールできなかった例もあります。

 自分が訓練生で真冬に教官同乗で飛行、ベル47G2でしたが急にスロットルが動かなくなりました。47のスロットルはローターのピッチ角度に応じた出力を調整し、ローターの回転を一定に保つように操作します。

 ところが急にスロットルが言うことを効かなくなって、ローター回転数が大きく変動してしまいました。

 教官はあわてず騒がず、ヘリコプターの速度を操縦桿で機首を上げて落としました。そうするとヘリはゆっくりと降下していき、急にスロットルが効くようになりました。

 スロットルのケーブルとカバーのパイプの間にたまった水が上昇とともに凍って動かなくなったと教えてくれました。過去に経験があってご存知であったようで、さすがに経験者はあわてず騒がずで、基地に帰って点検整備を指示して一件落着でしたが、もし知らないで高高度を飛行していたら危険なところでした。

 米国のトヨタ車のトラブルでは引っかかって戻らなくなったアクセルが目いっぱいエンジンを加速して、恐怖のどん底という場面ですが、ここであわててエンジンキーでエンジンを止めたらさらにハンドルロックがかかってもうどうしようもないことでしょう。

 ちょっとした設計でのミスとも言えないような小さな行き違いが多数の人命を奪ってしまう恐ろしい文明社会です。

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 いよいよ3月末で定年、、、、、、


ヘリコプターで飛ぶことだけで35年以上過ぎ、3月末で何とか無事ひとつの区切りを迎えることとなります。

先輩には80歳近くなっても現役で飛んでおられる方から、自衛隊の同期生などは54歳の定年で完全に飛ぶことから離れた仲間たちや、運航会社にいる仲間たちは60歳の定年できっぱり引退したり、65歳まで連続最大馬力以下くらいにパワーを落として飛び続けるものなど様々です。

航空自衛隊の航空学生の大先輩に、F86Fから大手定期航空会社に移って、60歳の定年まで747-400の部長として飛び続け、その後子会社のコミュータ会社に社長として派遣されてもなお、小型旅客機の機長の資格を取って、65歳まで飛び続けた、うらやましいほどのパイロット人生を送られた方もいます。

多くの先輩や同僚たちの定年後の身の処し方を参考に、自らはどのように生きるべきかを悩む時期がすでにかなり前から来ています。

パイロットとしての能力はすでに50歳くらいから確実に降下のパスに間違いなく乗っていますので、定年を期して新たなことをはじめることはありえません。過去に身に着いた少ない財産を食いつないで、何とか持ちこたえながらある時期まで飛ぶことは是非したいところですが、そのことが後輩諸氏や新たにヘリパイロットの道に入ろうとしておられる方の邪魔になるようなことがあるならばそれはなんとしても避けたいところです。

若いころから会社にとっては好都合な、ある意味会社の指示に従っただけとはいえ、ただ飛び回って会社の売り上げに貢献するパイロットであったので、後輩の教育や訓練は少ない機会しかなく、後輩たちには本当に申し訳の無いことをしたものです。

今現在15500時間を越えたヘリコプターの飛行時間にこだわって、恥も無く日本一を目指すか、潔くある時点で身を引くか悩ましいところです。

ピーク時は何でもやらせろとヘリコプターがやれるほとんどの仕事をしたものですが、今現在出来るフライトはドクターヘリと報道取材と難易度の低い物資輸送のフライトくらいになってしまっていますので、年と共に商品価値はずいぶんと落ちてしまっていることは隠しようがありません。

許されるなら、業界の片隅でブログで愚痴を言いながら、ある程度の時期まで飛ばせていただいて、そのうち人知れず消えていくことにしましょう。

ヘリコプターで蕎麦を食べに行くことは悪いことか?、、、、、、、


最近このブログに表題のような書き込みをいただいています。さらに少し前には社員旅行のバスに乗り遅れた友人をヘリコプターで高速道路のサービスエリアへ先回りして送って行って着陸した例も書き込んでいただきました。

いずれも航空法の着陸禁止の条文に違反するとんでもない危険極まりない、身勝手な行為として非難する趣旨の書き込みであると思います。

国民のほとんどすべての方がこのような考え方になんら違和感を持たないような風潮がヘリコプターの能力を大きく奪ってしまっていて、本当はもっと役に立つ空飛ぶ乗り物がほとんどその能力を発揮できないでいる原因になっていないでしょうか。

ヘリコプターは世界で飛び出してすでに70年80年すぎていますが、そもそも狭いところに着陸できる空飛ぶ乗り物として開発されて、その性能は他の航空機と同等以上に大きく発展しています。 

バブルの時期は企業自家用機や個人自家用機が多数導入されて、もしや大普及かとの夢もバブルの崩壊とともに一夜の夢に終わってしまったようです。

当時も今も数百キロ程度以内の点から点への移動手段としては圧倒的な便利さを持った乗り物として、各方面で活用される元になった理由はやはり、狭いところに自由に着陸できるという性能と速度200キロ程度の高速性でしょう。

このような特性を最大限使うと、100キロ先のおいしい蕎麦屋に30分で飛んで行くとか、バスに乗り遅れた友人を高速のサービスエリアへ先回りして送るというようなことは経済性を気にしない者にとっては本当に便利な使用法でしょう。

こんな身勝手な使用法は当然規制されてしかるべきで、とんでもない使い道であるという意見があるでしょうが、その昔、空港の急な使用を申し入れて断られたときのことを思い出します。

お前たちのような小さなヘリコプターは公共性に乏しいが定期便は公共性の高いものなので急な着陸は認めないなどと言われました。

ではその公共性の高い定期便には犯罪者ややくざも乗っているだろうし、不要不急の観光客などは半分以上占めているだろうから、便数は半分にしろ。こちらは送電線の建設現場へ向かうヘリだけど、どちらが公共性が高いか裁判でもするかと大喧嘩になりました。
(JALの悲惨な状況を予言していたような言葉でした 笑)

このようなことがあってからは、その飛行目的で空港の使用を制限 云々はあまり言わなくなったような気がします。

さて表題のような目的で着陸するヘリコプターであろうと、最近はどこにでも自由に離着陸が出来るようになったドクターヘリもヘリコプターには変わりありません。

ヘリコプターの航空法上の離着陸の許可制は安全性の確認がその目的の全てであって、騒音による被害や、着陸する場所の土地の所有権の管理権侵害、周りの住民などの被害ということは民事上の問題で許可を受けようが受けまいがそのことに対する、法的な許容はありません。

ドクターヘリが航空法上の手続きによる、安全確認手順を取らない つまり航空法上の許可を取らないで、どこにでも着陸することは人命救助上の優先事項として許されていますから、その安全確認責任は全ていきなり飛んで行って着陸するパイロットにかかってくるということでしょう。

ということは普通に事前に着陸する許可を取った場所にするパイロットに比較して、ドクターヘリのパイロットは格段に高度な安全確認義務が生じるでしょうし、高い離着陸技術、そして十分な事前訓練というものがいるということは常識でしょう。ところがその狭い場所は基準があって許可が出せないので訓練出来ないと言うむちゃくちゃな制度です。

いや へりのパイロットは普通、このような能力は十分に持っているし、従事者免許試験で十分に確認が出来ているということならば、蕎麦を食べに行くパイロットを航空法違反で摘発する意味は無いでしょう。

そうなんです。ヘリパイロットは普通に経験を積めば蕎麦を食べに行くことも、バスを先回りして友人を送っていくことも、安全にできるものなのですが、わけのわからない法律で意味も無くそれを禁止しているだけのことなのです。

と言ったらやはり言い過ぎでしょうねーーー

 トヨタ リコール対象車の販売生産停止とヘリコプター


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100127-00000427-reu-bus_all

 トヨタは北米でのリコール対象車の販売と生産を一時停止することを決めたようです。この件はアクセルペダルがいっぱいに踏み込まれた状態で、フロアーマットが引っかかって戻らなくなるという、致命的な欠陥が表ざたになり、このような処置になってしまったようです。

 この欠陥が表ざたになるまでには、相当数の犠牲者が出ていたであろうことは想像できますし、当初は純正部品以外のマットを使用したり、2重にマットを敷くことが原因であると一部言い訳のようなことを言ってようでした。

 操縦系統のこのような欠陥で起こる事故は非常に悲惨で、絶対にこのようなことが起こり得ないような構造に設計するべきで、起こった事故に対して言い逃れをするような姿勢はいただけません。

 同じような事例はヘリコプターでも起こっています。
 
 AS350ではピッチレバーの付け根にヘッドセットの部品が挟まって、着陸時にピッチレバーが上げられなくなって、十分なパワーが入らなくなりましたが、幸いハードランデングですんだことがありました。

 ベル206Bではコパイ側の副操縦装置の操縦桿だけを取り外した状態では、連結部分がすこし出っ張っていて、持ち込み荷物や、乗客のかかとが当たって操縦に影響が出ることがしばしばありました。

 女性ヘリパイロットの草分けの岳ユミ子さんが十和田湖で低空飛行中、湖面に突っ込んで死亡した事故はこれが原因ではないとかと、噂になったことがありました。

 ヘリコプターに限らず車でも操縦装置に操作に少しでも障害が出るような構造は基本的には許されることではありません。

 デザインが良い 燃費が良い、高性能で安いなどというような条件以前に絶対的にあってはならないことでしょう。

 飛行中 緊急事態、ヘリコプターと飛行機、、、、、


 航空機が緊急事態になった時、何とか非常事態に対処して、飛行し続けて、安全な場所に着陸するということが一番に求められます。

 飛行機の場合は飛行場にしか安全に着陸することは、ほぼ不可能ですので、どうしても飛行を維持継続することを、機体の性能的にもパイロットの緊急手順上でも求められます。

 ヘリコプターの場合は無理に飛行を継続することよりも、ある程度狭い場所でも、地上に不安全を与えることなく着陸できるならば、最寄の適当な場所へ着陸することが大切です。

 ところがもともと狭い場所へ着陸が可能な性能を求めて設計された、ヘリコプターが法的には飛行機と同じ扱いを受けて、飛行場以外の場所への着陸は原則禁止、そして特別に許可を受けた場所については着陸可能という法制度で縛られるパイロットたちには、緊急事態や天候が急激に悪化したばあいでも、このような不時着、正確には陸上自衛隊などの呼び方では予防着陸という、目的地や飛行場でない新たな敵地への着陸をどうしてもためらうような風潮があります。

 もちろん何の正当な目的もないのに、あちこちにめったやたら着陸するということは、そう許されるものではありませんが、緊急時にこのようなヘリコプターのすばらしい性能を存分に使って、安全を確保するということをためらう理由はないと思います。

 ヘリコプターであっても、エンジンが2つ以上装備されているものにあっては、一定の以下の故障状態にあっては飛行を継続できる能力を高めるような設計をしていて、これが逆にパイロットに飛行の継続を暗に強要する要素となっていることは否めません。

 このような一定のトラブルがおこっても、飛行継続の影響の少ないような設計は、ヘリコプターの使用が厳冬のはるか洋上における、石油試掘作業に使用されたり、見渡す限りのジャングルのはるかかなたの石油生産基地への飛行に飛ぶ場合、経路途中での不時着はほとんど100%死を意味するので、絶対的な飛行継続能力を求められたからです。

 しかし 日本国内でのヘリコプターの使われ方は、このような厳しい条件はほとんどありませんが、だからといって双発のヘリコプターが意味がないということはなく、山間部や都心の上空で飛行を継続できるという安全性は大いに役にたっています。

 日本のヘリコプターは前述の法律的な取り扱いと、双発ヘリの普及という2つの面から、緊急時の予防着陸、不時着をためらうような風潮が出ることは安全上非常に懸念されるところです。

 2年前に起こった、NHK取材機の静岡へリポート着陸寸前の墜落事故はこの典型的な例で、詳しい事情は良くわかりませんが、トラブルが発生した沼津付近で直ちに予防着陸を試みていたら、死者が出ることはなかった可能性があります。

 双発機を運航している、ドクターヘリは幸いにして、飛行地域に数百の着陸地点をあらかじめ設定してあり、また法的にもどこにでも着陸できる特権をあたえられていますので、環境的には短時間で予防着陸が出来る体制にあります。

 しかし、なにぶん重症の患者さんのもとへ向かっていたり、あるいは基地病院への搬送経路にあるという任務の特性上、途中での予防着陸が難しい側面もあります。

 いずれにしてもすべてのヘリコプターは安全上予防着陸をためらうことがあってはならないということは肝に命ずるべきでしょうし、それを妨げる恐れのある制度風潮は改められるべきでしょう。

 ドクターヘリは2億5千万円もらわないと合わない、、、、、


 この言葉はあるヘリコプター運航会社の運航担当役員が、もう2年も前、わたしに言った言葉です。その会社はまだドクターヘリの運航には参入できていない小規模のヘリ会社です。

 いまはおおむね1億7千万円程度が厚生省の補助金と県の負担をあわせて、出費される年間の契約料金となっていますが、実際はすべて入札で運航会社が決まることになっていますので、たぶん年間にこの金額をもらっている運航会社はないでしょう。

 この2億5千万円が現実離れした途方もなく高い金額であるかどうかは、それぞれの立場によって判断が分かれるところですが、いま現実に支払われている金額とはかなりの差があります。

 いま現実に最大1億7千万円の契約で飛ばしている会社にあっても、厚生省と協議し、自ら設定した運航回数年間200回を大きく超える飛行回数となり、固定費と変動費による変動金額契約としないで、金額固定契約をしたため、少なくすんだ場合にそのままポケットに入れようとした目論見がはずれて、もっとよこせと泣きついている実態があります。

 年間の運航経費で大きく変動するのは昨日取り上げた、ヘリコプターの整備にかかる費用くらいで、後は飛行回数が増えても変動費として読めないものではなく、400回飛べば、プラス200回分2千万円から3000万円程度の増加となるだけでしょう。

 つまり倍の仕事をしてもこの程度の変動にしかなりませんが、不意の故障などによる、運航原価の変動はこの程度ではすまないことは予想しないといけないでしょう。

 このような費用と、365日休むことなく飛べる体制を維持するために、予備のヘリを持つことが義務付けられる契約条件があるので、2億5千万円もらわないと十分な体制を組めないという意味の発言であったのでしょう。

 しかし、運が良くて不意の故障がまったく発生しなくて、さらに、予備機として持っているヘリが飾っておくだけでなく、まったくほかの仕事で年間に5千万円、1億円の売り上げ上げることを許されるのならば、今の最大1億7千万円の契約料金でも十分に引き合うでしょうし、あるいはぼろもうけであるかもわかりません。

 さて、大きな不意の故障が発生し、さらに予備機がある程度の収入を得ることが出来ない一番悪い状態にはまったとき、かの運航担当役員の言う金額が正しいとすれば、最大の1億7千万円もらっていても、単年度では8千万円の大赤字になってしまうでしょう。

 まあ 話半分にしても5千万円程度の赤字は食らう可能性があるでしょう。このような状態になったら、何が起こるかというとそれは恐ろしいことになるでしょう。

 整備にまともな費用をかけることはかなり難しいこととなるでしょうし、パイロットその他従事者の訓練の費用や、処遇が切り詰められることは確実でしょう。

 あるいは大会社で余裕が十分あって他の部門からの収入を横流しできたり、まったく他の事業部門から回すことが出来れば非常に良いでしょうが、この厳しい経済状況の時期なかなかそうも行かないでしょう。

 このように取り上げたのは最悪の場合で、現実にはそれほどのところまではいっていませんしそうあってはならないことです。

 なぜこのようなことを取り上げたというかというと、ドクターヘリを飛ばす事業は、ヘリコプターの運航事業の中でも相当に厳しい分野で、多少多く契約金額をもらっていたとしてもリスクが大きすぎる面があるということです。

 それは365日ほとんど十分整備できることのない環境で、しかも飛ばないからといって日中整備することは不可能ですし、故障したから10日間止めますということが出来ない契約となっていて、予備機を24時間以内に投入しないと許されませんし、予備機は予備機である程度の収入はどこかで得ないと運航経費がまかなえないようになっています。

 ドクターヘリが50機体制となって、年間500回ずつ飛んでそれぞれ50機がこのような不安定な経営の元で飛び続けることは、リスクを全国へばら撒いているようなものといえるかもしれません。

 しかし、これが民間活力の活用の不具合の最たるものなのですが、何か良い解決方法はないものでしょうか。

 ドクターヘリ 運航費用 読めない整備費、、、、


 ドクターヘリの運航原価のうちヘリコプターの整備にかかる費用が、故障の発生の仕方によって大きく変わりどの程度かかるか読めない点が、運航会社に大きな負担を強いる可能性があります。

 県警ヘリや防災へり 消防ヘリなどが県庁所有、そのコストが非常に高くつくのは、不意の故障に備えて多くの予備部品を持っていたり、予定していない故障や改修に多額の費用がかかるという面があります。

 ドクターヘリが民間運航会社とのヘリコプター持込による、契約運航なので、このような整備にかかる費用は一定の金額を載せての契約となっていますので、不意の大きな故障が発生すると、単年度の利益どころか、数年先までの分まで飛んでしまうという危険性があります。

 ドクターヘリに使用されるヘリコプターは比較的設計発売時期が新しいものが多く、おおむね点検間隔が長く、さらにはエンジンやメインローター、ギアボックス、テールローターなどコンポーネントの点検間隔が長く設定されていて、1000時間程度はほとんど何の整備もしなくても良いようなヘリコプターです。

 ということは新造機を購入して、ドクターヘリの運航を受注すると、年間200時間くらいしか飛ばない実態では、整備にかかる費用は本当に少なくてすむことになります。ただしこれは予防整備と言って飛行時間や年月で点検する最小限の整備にかかる費用であって、不意にまたいきなり故障するようなときに、修理や交換によって発生する費用というものはほとんど予想できないという実態があります。

 ただしその不意の故障によるものについては、ヘリコプターやエンジンメーカーの保障を受けることが出来る内容もあって、実際に整備にかかる費用を特定することはかなり難しいでしょう。

 さらにドクターヘリの運航契約は最長でも5年契約程度で、普通は単年度契約ですので、このような故障に付随する整備費用の過多はほとんど博打状態で、下手をするとエンジンの故障などが起こると、数千万円の修理費と修理中に使用するレンタルエンジンの使用料金などあっという間に5千万円単位の費用が飛んでいってしまう可能性があります。

 かといって官庁の防災ヘリ運航部署ではほとんど持っているような、1億円近い予備エンジンを持てるヘリ会社などはそうそうありえないでしょう。

 つまり使用するヘリコプターの故障の発生がなければ、運航会社はぼろもうけとなり、故障の発生が続けば、即、倒産の危機という実態が起こる可能性があります。

 しかもこれは新造機購入から、5年間 千数百時間まですらこの実態なのに、さらに年月が過ぎて2千時間3千時間 さらにはヘリコプターの耐用年数が来る10000時間程度になってくると、どれほどの整備費用が発生するか予想もつかないかもしれません。

 これがベル社やシコルスキーなど長い年月の実績のある、1万時間を有にに越えるヘリコプターを数多く飛ばしたメーカーのヘリは1万時間までの整備費用がかなり正確に読めるという安心感がありますが、最近に売り出されたヘリコプターには一抹の不安が付きまといます。

 かといって25年 10000時間の契約などということもありえませんが。

 自衛隊ヘリ 防災ヘリ 消防ヘリ 県警ヘリなど官庁は少なくとも耐用年数、飛行時間の限度を25年 10000時間などと設定し、その間に発生する点検整備 主要部品交換回数、一定の故障の発生などをあらかじめ設定して、長期的な予算編成をして、確実な点検整備を行う経済的な裏づけを行って、ヘリコプターを良好な状態で維持管理できる体制を行っています。

 単年度契約のドクターヘリが果たしてこのような長期的な整備体制を保っていけるのかどうかかなり疑問でしょう。

 ならばヘリコプターは県所有とし整備費用は県が負担し、運航のみをヘリ会社に委託することがよいのでしょうか。しかしそれでは費用が高くつきすぎることは目に見えています。

 なかなか 難しい問題点でしょう。

 ドクターヘリの将来的な問題点、、、、、


 ドクターヘリを運航する病院は現在でも、公立病院、公立大学病院、私立大学病院、そして私立病院、さらには日赤病院と様々な形態があります。

 ドクターヘリの運航費用はすべて公的資金、つまり県財政からと国家厚生省からの支出によってすべてがまかなわれています。

 病院経営は私立であっても、公立であっても様々な補助金が投入されているようですし、支払われる医療費はほぼ公的な社会保険や国民保険によって支払いがなされているので、ドクターヘリがすべて公的な資金で飛ぶことはある意味ではしかたがないことかもしれません。

 しかし、いま行き詰りつつある日本の医療事情の中で、特に苦しい救急や産科、小児科医療の中で、地域の救急医療の経営健全化にどの程度、ドクターヘリが有効であるかどうかわかりませんが少なくともドクターヘリの運航経費が全額、公費でまかなうことができるのであれば導入を望む病院も増えるのではないでしょうか。

 ところが国庫の補助はどうやら今のところ、1県1病院が大原則ですので、最初に決まった病院から違う病院へドクターヘリの配置が移動するということはほぼありえないでしょう。

 このような点から私立の病院が全額自費でヘリコプターを導入し、公的なドクターヘリのような縛りを受けない自由な運航を目指すところが現実に出てきています。

 全国各地の医療機関の配置状況や大病院、3次救急病院の立地状況はばらばらで、必ずしも大学病院や公立病院が地域の3次救急を担っているところばかりでないのが、このようなドクターヘリの配置状況になってしまっている理由なのでしょう。

 ドクターヘリの補助金システムが、地域によって公立病院であったり私立の病院であったりすることになんら問題点はないのかもしれませんが、やはり億単位の補助金が毎年入るということに違和感を持つ方もいるのではないでしょうか。

 このような点が新規にドクターヘリを入れるに際して、基地病院をどこに選定するかという問題点が話題になるひとつの理由でしょう。

 昨日取り上げたドクターヘリの経済的効率や費用対効果の別の側面で、病院経営にどの程度の影響が出るかということもあるでしょう。

 簡単に言えば、病院経営に取ってドクターヘリがあると、儲かるかどうかということで、儲かるならタダで飛ばせるドクターヘリはうちの病院にもってこいということになるのではないかということです。

 今のところドクターヘリに十分に対応できる3次救急病院が少ない状況ですからあまり問題にはなっていないようですが、どんどん配備が進み、さらに新しい病院にはヘリポートが設置されることも多くなってくると、導入を希望する病院が増えてくる可能性もあるでしょう。

 このようなことに公平に対応するにはドクターヘリの補助金 公金の投入を一切なくし、必要な資金のうち、最低限の固定経費 ほぼ5千万円程度は病院の負担とし、運航回数や飛行時間によって生じる経費は個人負担をゼロとした、公的な医療保険から出費する制度を早急に構築する必要があるのではないでしょうか。

 ドクターヘリがいかに公共性が高いからといって、そのすべてを公的な資金によって、他の公立病院が近隣にあるのに、近くの私立病院に対して全額補助し続けることにはかなりの無理があるように思います。

 いかに税金の使い道を公正、公平しかも最小限度にしようと進む今の時代、人命だ救急だといっても、丸々税金補助金ではない公正、公平な負担制度を作っておくことは、この事業の将来の発展にとってもかなり重要なことでしょう。

 ドクターヘリの経済効率、、、、、


 公共性の高い事業ほど、費用対効果ということが追求される機会が少ないのですが、いまは、あらゆることが費用対効果や経済効果ということを追求されて、コストダウンを求められる時代です。

 たとえば防衛省が使う費用がもしゼロとした場合に、その結果他国に侵略されて、失う経済的損失がどの程度になるかとか、消防隊する支出を半分に削減した場合に、火災によって失われる経済的損失はどの程度増大するかなどということはほとんど、追求されるkとはありえないでしょう。

 しかし、だからと言って各種官庁が行う公共事業がその経済効果や費用対効果がどうでもないと言えるような時代ではありません。

 たとえば各種ヘリコプターが公共官庁の管理の下、各種事業目的で飛行していますが、おのおののヘリコプターが経済効果、費用対効果を追及されるような時代がすぐそこに来ているように思います。

 このような時代に新たに起こったドクターヘリはその導入に当たって相当の費用対効果をある程度は見込めるということで導入することは、行政として当然の準備事項でしょう。

 ヘリコプターが導入されたら、事故や急病によって死に至る、救急患者さんが、年間に百人の出てくるなどということはありえませんし、その数がどう見ても出動回数の5%程度の数でしょう。経済的に十分な余裕のある時代ならば、年間に救命できる実数が数名程度であって、他はただ単に救急搬送の時間を半分程度に短縮された程度であっても、ドクターヘリの存在は十分に肯定されたことでしょう。

 大雑把に見てドクターヘリに必要な運航経費が2億円とすると、年間出動回数が200回と仮定して、1回あたりの出動経費が100万円となります。

 この100万円の経費によって、人ひとりの命が毎回救命されるのならば、その費用対効果はきわめて高いと言えるでしょうが、通常は搬送時間が半分になって、治療に必要な医療費が少なくてすむ効果、そして、救急車が長距離、長時間の搬送をしなくて済む効果などが、この100万円を上回ることは難しいでしょう。

 やはりドクターヘリも一定の費用対効果を証明するには、年間必要経費あたりの出動件数がものを言うことは間違いありません。

 200回なら1回当たり100万円ですが400回なら50万円となり、この程度なら医療費削減や救急車の変わりをした分で十分にまかなえる金額でしょう。

 そしてまた400回の出動に増えると、当然ながら、ヘリコプターによって救命できたという事例も比例して増えてくるでしょう。

 500回出動なら40万円、600回なら33万円ですから飛べば飛ぶほど経済効果、費用対効果が飛躍的に上がってきます。

 このような仕組みは、防衛庁ヘリ 警察ヘリ 消防防災ヘリなど他の公共ヘリとまったく違った側面を持っていますのでドクターヘリ導入に当たる官庁はこの点を最優先に導入、運用の重点事項とするべきでしょう。

 各県に配備する、ドクターヘリは、防災へり、県警ヘリとは違って、飛んではじめて県民の役に立つものだということを忘れてはなりません。

 栃木県ドクターヘリ 運航開始、、、



 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100121-00000011-san-l09
 1月21日7時56分配信 産経新聞
 栃木県内初となるドクターヘリの運航が20日、始まった。基地病院となる独協医科大学病院(壬生町北小林)のヘリポートで同日開かれた式典では、参加者約100人が「命をつなぐ翼」として活躍が期待されるヘリの門出を祝った。

 寺野彰同大学長が「安全第一で運航していく」とあいさつ。福田富一知事も「本県の救急医療体制充実への新たな一歩。1人でも多くの命を救うために活躍してほしい」と激励した。

 医療機器や医薬品を装備したヘリには、フライトドクターと呼ばれる訓練を受けた医師と看護師が同乗。消防本部の出動要請から20分以内で救急現場に到着できるといい、迅速な初期治療で救命率の向上が期待される。

 フライトドクターの大森達人医師は、「遠距離の現場に対して積極的に活用できる。いち早く重篤な患者のもとへ向かい、命を助けることができれば」と意気込みを語った。


 報道によると全国で21番目のドクターヘリが栃木県壬生町獨協大学病院を基地として、1月20日から運航を開始したようです。

 運航会社はホンダ航空でドクターヘリ運航はは初の受注となり、ヘリ業界に与える影響は大きいでしょう。

 事前の情報によりますと、基地へリポートは格納庫付の立派な施設がすでに完成しているようです。

 この栃木県のドクターヘリ導入で関東圏の都県は東京都を除いて、神奈川 千葉 埼玉 群馬 とすべての県がドクターヘリを持ったこととなります。東京都は伊豆諸島などの離島向けには東京消防庁のヘリを夜間を含めて飛ばす体制をすでに持っていますので、関東圏の住民の方たちはすべてヘリコプター救急のサービスを受けることが出来る体制が出来たということになります。

 ドクターヘリのこのような順調な配備の進展は住民の救急医療体制にとっては非常に良い展開でしょう。

 翻って 我が近畿圏はかなり遅れてしまったと言っても、過言ではないでしょう。

 和歌山県に10年近くも前に導入されて、一定の救急実績を残して、順調に導入が進むものと期待をしていましたが、実態はどうもそのようにはいっていません。

 大阪府がドクターヘリを導入したものの、飛行回数が余りに少ない状態が続き、奈良県へも飛ぶと言いだし、さらには和歌山、徳島とは相互応援協定を結んだり、今後は滋賀県へも飛ぶというようなことを言い出しています。

 これはドクターヘリの救急救命が有効とされる50キロ圏はるかに超える地域までカバーしようとするまったく目的違いの運航体制ではないでしょうか。

 このような長距離の運航は救急というよりは、患者搬送の部類に入る運航でもともとは防災ヘリが担当するような運航ですので、各県が所有する防災ヘリが行うものでしょう。

 関東圏はうまくドクターヘリが全県に入り、すでにある防災ヘリを含めてすべての県が応援体制を組めば、理想的な運航体制が組めるでしょう。

 近畿圏がこのように行かないのはなぜか、答えはすこし考えればわかります。それは大阪府が他県に対して余計なことをしようとするので、周りの県が自らのドクターヘリを整備しようとしないからです。

 全国的に1県1機体制で整備しようとする動きは主流で、はじめから複数県が共同で運航しようとする動きは兵庫、京都、鳥取を除いてほとんどありません。

 いずれに日本国中に1県1機体制が整備された後には、近畿圏のドクターヘリの空白地区が多く残るのではないかと今から心配になってしまいます。

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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