ヘリパイロットの忘れ物、、ライセンス、、、、


 ヘリパイロットも人間ですから頻度の差はあっても忘れ物をしない人はいないでしょう。

 今回は、自分も含めて多くのパイロットが、その業務中は携帯を義務付けられている、ライセンスを忘れたという話です。

 昭和の40年代中ごろのことだと聞いています。私の先輩で上司でも会ったTパイロットは温厚で静かな方でした。今もそうだと思いますが、定年後岡山県の山間部に帰省され暮らしておられたと聞いていましたところ、テレビのニュースでインタビューを受けていられるのを見て驚きました。なんと数トン以上の岩が山の上から落ちて、住宅を直撃し居間の真ん中に鎮座したけれどもけが人がなったという事件であいかわらず物静かにしっれとコメントしておられて変わらないなと思ったものでした。

 40年代中ごろにベル47で滋賀県の山間部送電線をパトロール中、テールローターをドライブするシャフトが切れ、旋転しながら墜落、地面に激突する寸前に木の股にヘリが引っかかり、電力会社社員ともども九死に一生を得たという事故がありました。

 Tさんの会社への事故の電話連絡の第一声に、会社の自分のデスクの引き出しにライセンスが入っているから持ってきてくれとの事だったそうです。

 昔は落としたりなくしたりしてはいけないということで、ライセンスは持って歩かない人も多く、このようなことは普通だったようです。

 今のライセンスはクレジットカード大の持ち歩くには便利な小さなものになっていますが、われわれが持っている古いライセンスはとても携帯するには大きすぎてとてもポケットには入らないような代物です。しかし規定は携帯となっていて、携行するだけではだめなような規定になっていました。 

 ですから事務所や自宅の貴重品入れにおいておくことが普通に行われていたようです。

 もちろん事故があると、警察からライセンスの提示を真っ先に求められるということですぐに持ってきてくれと連絡したのでしょう。

 もうひとつ、ライセンスにまつわる忘れ物の話です。戦中派のパイロットで自分が減りに乗り出したころの訓練課長をされていた、Iさんのお話です。

 この方はごくまじめな方で駆け出しの自分に多くのことを教えていただいた恩師でもあります。

 この方がライセンスを取って、仕事にあちこちへ飛んでいくようになったはじめのころだそうです。現地に着陸して待機の時間があって、何気なくライセンスを入れた小さなかばんを、ちょうど胸の高さに来るベル47の水平安定版の上において休憩、談笑していたそうです。そして飛ぶことになってついそれを忘れたまま離陸、すぐに気がついて戻ったそうですが、ライセンスもろとも行方不明だったそうです。

 再発行するとライセンス番号が元のではなく新しく書き換わるので、自分がとったのとはずいぶん後のころの番号になってしまって、ずいぶんと悔しがっておられました。

 最後は自分がライセンスを忘れた話です。

 年に一回の査察 今は審査という社内チェックがあって、このときは普段はかばんに入れたままで飛んでいるのですが(規定に反して携行してます)このときばかりは後輩が審査官だったのですがまじめにライセンスを出して、ピッチレバーの下において審査飛行をやってそのまま忘れてしまいました。

 何週間も忘れたまま、出張に出てヘリの乗っていましたが、毎日誰かに見せるわけでもなくぜんぜん気が使いないで仕事をしていましたところ、何気なくいつもライセンスを入れている場所を見て青くなりました。 ない ない!!どこでなくしたんだろ 家に電話したり心当たりを探したところどこにもないーー。

 やっとのことで審査でヘリの中へおいたことを思い出し、そのヘリの行方を運管理に聞いて、現場の担当整備士に連絡 やっと発見という大失敗でした。

 何しろ限定試験以外に、業務で30年以上ライセンスを提示してくださいということは一回もありませんでしたので、机の中に大切にしまっておくこともそう間違ってはいないように思いますが、、

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 アシアナ機 関空で着陸時 しりもちをつく、、、、


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091028-00000239-jij-soci

 28日ソウルから関空へ着いたアシアナ航空のAB321型機が着陸時機体後部を滑走路にしりもちをついて損傷したようです。

 日航の御巣鷹山墜落事故は同機が過去に大阪空港への着陸時、同じようにしりもちを着き、このときに壊れた機体の後部の修理に際して、圧力隔壁の修理手順をミスし、強度が十分でなかった修理部分から長年にわたって亀裂が進み、事故時に一挙に破裂して、機内の空気が一挙に尾翼部分を破壊して、油圧系統をすべて破壊したために操縦不能になって墜落したとの調査報告でした。

 今回のようなトラブルは着陸時のミスでは起こりやすく、激しく落着しなければテールスキッドという滑走路をこすっても、機体の外板が損傷しないような小さなそり状のものが装備されています。

 落着が激しいとこのスキッドだけでは衝撃を吸収ことができなくて、スキッドの衝撃緩衝部分を越えて機体自体に損傷がおよび、機体構造部分や圧力隔壁まで傷んでしまうと事故ということになってしまいます。

 このような着陸時の落着事故はハイラウンドアウトといわれる、着陸時の引き起こしのレートと高度判定がうまくいかず、滑走路着地点上空で引き起こし角度が大きなってしまっているのにまだ着地までの高度が高すぎた場合に起こります。

 このようになった場合は着陸復航してもう一度やり直すことがいいのですが、まさか定期便の航空機が強風乱気流でもないのに着陸復航をするなどということは、パイロットのプライドが許さないでしょうから、何とかだまし騙し着けようとしたときにはまる失敗です。

 ノーズは接地姿勢まで上がっていて、エンジンのパワーは絞られていますので、速度が死んだとたん急激に沈みますので、本能的に落着を防ぐためにさらに操縦桿を引いて頭を上げててしまいがちですので、しりもちをつく姿勢になってしまいますし、速度が死んでいますので沈みは止まらないで、ハードランデングという最悪の結果となります。

 こうなってはパワー全開でゴーアラウンドしか残った手段はないということなのですが、果たしてプライドがゴーアラウンドさせるかどうかです。

 アシアナ機はゴーアラウンドしたようですから、そのまま着陸していたらさらに強く尻尾を滑走路にたたきつけられていたでしょう。

 ヘリコプターにも尻尾の下の部分にテールスキッドがついていて、同じように強く地面にたたきつけると、テールブームの機体への取り付け部分などが傷み、それが原因となって時間がたってから墜落事故となる可能性があります。

 直近のヘリの死亡事故の中でそれが原因として疑わしい事例もあったように個人的には想像している事例もあります。

 ヘリによってはわざとテールスキッドを壊れやすく作ってあったり、206Bの場合などは一度変形したら点検用の穴がふさがってわかるような工夫をしてあったりします。

 護衛艦 くらま 韓国籍コンテナ船と衝突(2)、、、、


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091028-00000032-yonh-kr

 関門海峡での船舶衝突事故から1日たち、いろいろなことがわかってきています。

 この事故に関するマスコミから伝わってくる情報を聞いただけでも、くらま側 韓国船側、保安庁の海上交通管制側、そして韓国船が追い越そうとした小型船とおおむね出演すべき役者はほぼそろったようです。

 この関門海峡は世界中でも有数の海の交通の難所であると、世界中を航海して回ったOB船長の方がテレビで証言し、追越をかけるような海域ではないということも言って折られました。

 しかし どうもこの海域が完全に追い越しが禁止されていなかったようで、管制官は韓国船に追いつかれそうになった小型船は通常の規定とは反対の左側を追い越してくれるようにとの連絡を受け、韓国船に伝えたようです。

 たぶん左側を追い越すことを強制するとのことは言っていないようです。

 その依頼にしたがって、左側に舵を切って追い越そうとしたら、意外に早い潮に頭を余計に左に振られ、くらまの進行してくる航路に入ってしまって右弦にくらまの船首がぶつかってしまったような様子です。

 管制官はくらまに対して、韓国船が通常と違って小型船の左側、自分の航路に接近して追い越しを駆けるという情報を知らせなかったようで、突然自分の航路に入ってきた韓国船を避けることが出来なくて衝突してしまったようです。

 回避操作を試みたが間に合わなかったのか、あるいは回避操作を取る暇もなかったかは、事情を聞けばわかるでしょう。

 もし、くらまに一連の追い越しの連絡内容がうまく伝えることが出来ていれば、何とか回避することが出来た可能性があったでしょうし、韓国船が減速してくらまをやり過ごしてから追い越しを駆ければ何も起こらなかったことでしょう。

 左側の追い越しを依頼した小型船は、韓国船とくらまの両方の航跡波にはさまれてがぶられるのがいやだったのか、海峡通過後すぐに右のほうへ進みたかったので左側の追越を依頼したのでしょうか、そのあたりも管制官は確認して、原則どおりに右側追越を助言しても良かったのではないかもしれません。

 この海の管制官は航空で言う,管通官といわれる、管制官と違う職種でいわゆる管制命令権はなく、情報の伝達と助言しか出来ないような職種だと思われます。

 航空の管制官、管通官もまったく同じなのですが、実際に航空機や船舶の運航を経験したことがあると非常に良い管制が出来るように思います。

 たぶん海の場合は管制官の皆さんは海技免許を持った方が担当されているのではないかと想像しますが、空の場合、操縦免許を持った管制官はほとんど聞いたことがありません。

 アメリカには多くの管制官の方が操縦免許を持っているようです。

 なぜこのように話題が飛ぶのかというと、今回の海難事故の事例では、海保の管制官の方が関門海峡を何回も行き来する操船を実際にやった経験があれば衝突を回避できたかも知れないと思うからです。

 ヘリコプター搭載護衛艦 くらま 韓国籍コンテナ船と衝突、、、、、


 昨夜8時前 関門海峡で護衛官くらまが韓国籍コンテナ船とほぼ正面同士で衝突し、双方とも火災を起こし、少人数ですが怪我人が出た模様です。

 NHK 民法各社は夜間を押して取材ヘリコプターを飛ばして生々しい映像を中継していました。

 自分はヘリのことはある程度はわかりますが、船のことは素人なのでよくわかりませんのでただの推測での判断ですので以下の記述はあまり信用はしないでください。

 ただ関門海峡は何回も上空から見たことがありますし、下関側の高台の海峡を見下ろす国民宿舎に10日ほど泊まって、仕事をしたことがあって暇な時間は行き来する船を眺めたことがありました。

 確か海峡の下関側の少し高くなったところにだったと思いますが、潮の流れる速度を、電光掲示板で行きかう船舶に知らせる表示があったように思います。

 最も狭いところで600メートルしかないようですので、その狭いところを早い潮の流れに影響されながら行きかうことは素人目も大変そうだなあと眺めていました。

 狭い海峡ですのでたぶん、十分に減速して通過するのでしょう、向かい潮の船はいつまでたっても通過できないほどの速度ですが、追い潮の船はかなりのスピードで通過するように思えました。

 大型船が慎重に間隔をとり速度を十分調整して通過していく隙間を縫って小型の船舶が直角方向や斜め方向にすり抜けていくのを見て、かなり危険だなと思ったものでした。

 今回の衝突事故はこのような小型船を回避しようとしたときに、潮の流れの中の対抗船への距離感覚の判断を読み違ったのではないかと想像しました。

 大型船同士だけの対抗ならば今回のような事故は起こりにくく、たぶん第3の船舶が影響を与えたのではないかと思いますが、今後の調査でそれは明らかになるでしょう。

 過去において、自衛隊の艦船や航空機と民間のそれがかかわる事故が起こった場合、ヒステリックなマスコミの影響でいつも一方的に自衛隊が悪者にされ、冷静な技術的原因究明がおざなりにされてきたことは否めません。

 今回の相手はさらに微妙な韓国籍コンテナ船ですので、かの国は軍国主義日本の自衛隊の傍若無人の操船に原因があると言い出して、マスコミがそれに載るという悪い構図が見えてきそうです。

 民主党がそれに悪乗りする可能性も否定できません。

 狭い海域、空域に船舶、航空機が集中すると一定の確率で衝突事故は起こりえると言う事を事故が起こるたびに再確認は出来るのですが、なかなか根絶は出来ません。何か秘策はないものでしょうか。

空港素通り パイロット居眠りか、、、、、、


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091025-00000022-sph-soci

パイロットが居眠りし、空港を素通りして1時間以上遅れて、目的地にやっと着陸したということが表ざたになったようです。

パイロットが飛行中に居眠りをすることは、まったく誉められたことではありませんが、パイロットとて人の子、普通の人間ですからたまには居眠りをするということはあるでしょう。

しかし今回は度が過ぎていて1時間くらいは寝てしまっていたのですから、居眠りという程度ではなく熟睡していたのでしょう。

それも旅客機は2名操縦ですから、二人そろって熟睡していたのでしょう。

客室乗務員も管制官もそこまでよくもまあ、ほおって置いたものだと感心します。何事もなく無事に着陸できたから良かったようなものですが、大事故に繋がる危険性は大きかったといえるでしょう。

前夜の睡眠不足や、暖かい直射日光をまぶしく受けて長く飛んだり、深夜から早朝の長時間の国際線や、オートパイロットの飛ばす飛行機の中は睡魔との闘いに明け暮れていると言えるかもしれません。

短時間の飛行が多いまたオートパイロットの装備がないのがほとんどであったり、長時間の水平直線飛行の少ないヘリコプターはそのような睡魔との闘いなどほとんどないと一般的には思われるでしょうが、なかなか そうでもありませんでした。

また操縦は一人操縦のヘリコプターがほとんどですので、眠くなるようなことはないのでしょうか。

1日に4時間5時間の飛行作業となればどのような飛び方でも、一日に一度や二度は睡魔に襲われることは普通にあります。

また一定周波数でパイロットの視界の上の部分をちらちらと通るローターの軌跡が強い眠気を誘うということも証明されています。
30年以上ヘリを飛ばしてきて、睡魔に襲われたことは何回あったかわからないほど多くあります。

一般的に非常に事故が多くてリスキーなフライトである農薬散布飛行でも、夜明け前のまだ暗い4時前から起きて5時から飛び始めるような作業ですので、連日の早起きともなると、5分おきに離着陸を繰り返すようなフライトでも、油断すると寝てしまうようなこともありました。

物資輸送や材木搬出のフライトも3分ごとに精密なホバリングを繰り返す過酷な作業ですが1日の飛行時間が7時間8時間ともなるとどうしても緊張感が持続できないで、昼食後の日あたりの暖かいときなど、不覚にも寝てしまうことがありました。

誘導や吊り荷の監視、操作のために同乗している整備士も同じように眠くなってコックリという場面の多くあり、冗談で「 あんなたが眠いときは俺も眠いから、こっちが寝てないかよく注意して寝てくれよ 」などと言ってお互いに励ましあって飛んだものです。

なんといっても一番眠気を誘うフライトは送電線パトロールです。延々と続く送電線を山を越え野を越えて、鉄塔上端から15メートルほど斜め上を飛び続けるのですが、少々地形が険しくても、風があって機体がゆれようと、襲ってくる睡魔にいつもさらされていたものです。

このような睡魔に勝つ方法は各人各人それぞれの方法を編み出して飛んでいたようですが、手足をつねろうが、頬をたたこうがなかなか克服できるものではありませんでした。

自分が編み出した方法は、同乗教育した後輩たちには全員に申し送ってある方法でかなり確実に目が覚める方法ですが、これは残念ながらブログ上では公開出来ない方法です。

ドクターヘリの運航は3年ほど経験し、500回ほど出動していますが一回も眠くなったことはありません。搭乗されている乗客が普通の状態ではないことが、緊張感を高めているのでしょう。

 ドクターヘリと公共事業、、、


 莫大な税金をつぎ込んで行われる公共事業に、ダムや空港そして高速道路の整備などがあります。

 そしてその事業の成否というものが問題になって、税金の無駄使いとして槍玉に挙げられています。

 多額の税金をつぎ込みながら、いつまでたっても完成しないダム、豪華な設備を持った広大な空港を整備しても、見込みの乗客が乗らず、まったく採算が取れない空港、走っている車の数よりも、横断する鹿や熊、狸のほうが多い高速道路などです。

 経済成長の見込みが大きく狂ったためというか、過大な見積もりのために、予想した便数が飛ばない関西空港や神戸空港は大変な事態になりそうです。

 大阪空港廃止という当初の約束事が反故にされたため、一方的に見込みの狂いをあげつらうことは出来ませんがそれにしても何らかの対策を打たない限りは、3つの空港ともにだめになるという最悪の結末に向かっているように見えます。

 いえることは自県の利益にこだわって、利益誘導をする姿勢がこのような結果を招いたことはどうやら間違いがないようですので、ここは高所からの判断によって、犠牲者が出ることをためらわない解決策をとることでしょう。

 このような情けない結果が多く出ているこのご時世ですから、ドクターヘリのようにこれから推し進めようとする新規の公共事業には同じような失敗をすることのないように願いたいものです。

 それにはやはり一番は責任体制の明確単純化でしょう。

 多府県にまたがる事業とするならば、共同という聞こえの良い、責任の所在が不明確になるような体制は避け、単純明快な責任体制によって、決断実行が迅速に行えて、しかも方向性の修正なども迅速に行えるような体制がぜひとも必要でしょう。
 
 過去の自衛隊の災害出動の手続きの複雑さや、ドクターヘリが高速道路に着陸するに際しての連絡調整の複雑さなど、いざ出動というときの迅速性をわざわざ妨害するような体制はぜひともないように願いたいものです。

 あっちもこっちも相談、あっちにもこっちにも連絡、あっちもこっちも承認をもらってと言うようになると、最終的には現場は動けないという、なさけないことになりかねません。

 たとえば3県共同運航などと耳障りの良い名のドクターヘリが果たしてうまく飛ぶかどうか見ものではないでしょうか。

 うちが独自飛ばすけれども、必要に応じて貸してやるから、だまって見ておけくらいがちょうど良いのかもしれません。

 裁判での被告の呼ばれ方、、、、、


 宇都宮幼女殺人事件でDNA鑑定の不備から有罪とされ、新しい鑑定方法でほぼ無罪を予想される、再審の法廷での被告の呼ばれ方が話題となって報道されていました。

 法廷で被告は普通被告人、とか被告○○など呼び捨てにされることが普通です。

 この再審法廷ではほとんど無罪を言い渡すための法廷ですので、裁判長も検事も弁護士も皆、菅谷さんのことを犯人、被疑者、被告とは思っていないで 自然と裁判長が被告を呼ぶにあたって、菅谷さんと呼んでしまったと報道されています。

 自分がはるか20年以上前、傍聴したヘリコプター事故のパイロットの航空機危険罪を問う裁判でもまったく同じようなとこがありました。

 被告の後輩パイロットは、雪中飛行訓練で深い積雪の水田から離陸中、舞い上がった雪の影響でホワイトアウトになって、雪の中へ突っ込んで墜落し、他に被害はなかったものの航空機危険罪で略式決定罰金5万円とされ、そのことを不服として会社ぐるみで正式裁判へと訴えた事件でした。

 雪中の離着陸は超ベテランでも緊張するかなりの危険に満ちた場合もある飛行で、ヘリパイが初期に受ける訓練としてはかなりの難度の高いもので、そこで起こった、他への被害がまったくない自損事故が果たして、航空危険罪に言う過失を問うべき内容かが争点となり、裁判長はじめ検事は当初はマニュアルどうり、被告人○○などと後輩を呼んでいましたが、審議が進むにつれて、どうやら普通の犯罪者ではないと思ったのか、当時後輩はまだ20代半ばであったので、何回となく○○君と君づけで呼び出しました。

 さらに審議が進むうちになんと、最終的には○○さんと呼び出す始末でした。

 そしてさらに不規則発言が入りました。

 検事 裁判官ともヘリコプターの様々な専門用語が飛び交うやり取りの中で、やはり実際に墜落したヘリコプターがどのようなもので、操作する操縦桿やピッチレバーを見てみないと判定が難しいということになり、その日程について、傍聴席の会社の総務部長と裁判官。検事が相談を始める有様でした。

 裁判の席で傍聴席と裁判官と検事が話し合うというようなことはありえないようです。

 さらにまだ不規則発言がありました。

 被告の後輩が大阪から東京へ転勤することになったことを知った検事が、完全勝利しても罰金5万で、しかも内容的には超専門的な裁判に苦労して根をあげたのか、この裁判、○○さんの転勤と一緒に東京へ持っていってもらえないものでしょうかと泣きを入れる始末でした。

 もちろん判決はわれわれパイロット側の完全勝利で無罪となり、5万円の罰金は支払わないですみました。

 この20年以上前の裁判は画期的な判例で、それ以前 農薬散布など危険な飛行で一生懸命農業のために飛んでいて、運悪く自損事故で墜落したパイロットはすべて、罰金5万円の処分を受けていたのですが、その後はこのような処分はなくなった判例となったものでした。

 この裁判は当時のヘリ会社の大物社長がこのような処分は許せないと、親会社の顧問弁護士を総動員して5万の罰金をひっくり返すために戦っていただいたおかげです。

 被告人菅谷が裁判長から菅谷さんと呼ばれたという報道で昔の裁判を思い出しました。

 ドクターヘリ副操縦士制度を、、、、


 民間ヘリコプター業界の団塊の世代の引退で、ドクターヘリや防災ヘリの機長が足りなくなってくることが迫っています。

 新しく導入が始まってこの先近い将来に全国50機体制になりそうなのですが、その一番の障害はパイロット不足、2番目が救急ドクターの不足でしょう。

 パイロットの育成は、ライセンス取得からドクターヘリ機長までは2000時間の飛行経験を求められていますので、どう早くても10年はかかります。

 ここはやはり定期航空のパイロットと同じような副操縦士制度を設けることしか、この問題を解決する方法はないでしょう。

 ところがこのような制度をやりたいとか、制度的にこのようはものを作りたいとか、資金的にこのような制度を後押ししてほしいとか言う声が業界から上がってきません。

 それはなぜなのでしょうか。小さな規模のヘリ運航会社がひしめく、貧乏な業界にあって、自社が他社に先んじて、新しいドクターヘリの運航を請け負うことが至上命令なので、今目先にある契約を取ることしか考えられないような状態なのでしょう。

 次の契約を取るためのパイロットは何とかつじつまを合わせて準備はするのですが、次の次はわからないし、そこまで十分見通してあらかじめ雇ったり訓練するような余裕がないというのが本音でしょう。

 各社このような状態で50機まで増機する体制を取って、なおかつその要員がリタイヤ 新人参入の更新をやっていけるのでしょうか。

 各社はお互いに強いライバルですので、手の内を見せないで必死になって要員を探しているのが実情でしょう。

 そのような中である大手は技術的な技量不足で自衛隊OBの採用を断念したようですし、かといって新人が十分に育ってきているとはとてもいえない状態です。

 この困った問題の決め手はやはりなんと言っても、定期航空がやっている、新人から副操縦士として10年程度乗務させて、その中から機長を育てるという方法しかないでしょう。

 ドクターヘリは今はパイロット整備士が搭乗し、CS(運行管理)が地上支援という3名体制をとっていますが、整備士を地上勤務として、フライトは2名操縦士とし、一名は見習いとして、数年間 出動500回とか 飛行時間として50時間とか経験をさせて、機長として育成することが一番の近道でしょう。

 ただしライセンス取立て飛行時間200時間程度ではとても、操縦桿を持たせられないレベルでしょうから、1000時間経験者 500時間経験者というような入り口の制限はいるかもしれません。

 そして現場経験500時間で審査をして、今の2000時間以上という規制は取っ払って1500時間でも1000時間でも技量が到達したものから機長として飛ばすことを認めればよいでしょう。

 このような体制をとるためには、今のドクターヘリは3名体制ですが、4名体制が必要となるためにおおむね年間1000万円程度の運航経費増となりますが、この1000万は安全な運航要員の育成費用だと思えばそれほど高くはないでしょう。

 このような費用は日本全体のドクターヘリの将来的な安全運航に直接貢献するでしょうし、要員の育成がその業務の中でなされることは、他の部門 自衛隊や他の運航会社からパイロットを引き抜いてくるような不安定な編成をとらなくてすみますので、ヘリ会社の安定経営、ドクターヘリ志望者たちの就業希望にもこたえられることでしょう。

 航空技術的に一人乗り操縦の航空機の副操縦士飛行時間や経験を認めないという、航空局の見解があって、パイロットとしての飛行時間経験に加算できないようですが、そんなことは枝葉末節のことでしょう。

 大学がヘリコプターパイロット養成、、、、、


 http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1217

 書き込みいただいたように帝京大学がヘリパイをしかもドクターヘリパイロットを養成する学科を設けるようです。

 すでに定期便のパイロットを養成する学科を持った大学はすでにあるようですので、ついにヘリまでかというのが正直な感想です。

 今までのヘリパイ養成はフライトスクールで行われていたので、学歴が中途半端でしかもヘリパイとしての就職率も低く、これに飛び込んでくる若者にとってはあまりにもリスクの高い進路であったように思います。

 大学教育の一課程としてこのようなものが社会的に認知されるのであれば非常に良いことだといえるでしょう。

 ただしこれが大学の言うようにドクターヘリパイロットの養成に繋がるのであればいうことはないのですがなかなかことはそう簡単にはいかないでしょう。

 ヘリのパイロットの免許、事業用操縦士の資格は時間と資金をつぎ込めばほぼ取れるような制度になってはいますが、免許所持者 飛行時間にして250時間程度の新人がドクターヘリの機長経験2000時間程度までどのように育っていくかという一番肝心な制度がどうも心もとない日本のヘリ業界、航空行政の欠陥があります。

 固定翼 定期便の運航は2名操縦の機体に副操縦士として、何の苦労もなく経験をつんで機長に育っていける制度になっていますので、良いのですがヘリの場合、自衛隊 官庁以外の民間操縦士がうまく育っていけるかどうかかなり難しいと思います。

 一昔前は農薬散布がこの新人パイロットの育成の部分を大きく担っていたのですが今は壊滅状態です。

 大学教育の一環としてこのようにパイロットの養成学科が社会的に認知されて、怪しいフライトスクールが淘汰されて、複数の大学に吸収され、生徒はしっかりした教育を十分受けて、ヘリ会社や官庁関係に順調に就職できるようになればよいと思います。

 そして最終的には航空大学校も廃止して、民間のパイロット教育は複数の大学ですべてまかなうように出来たらいいのではないでしょうか。

 奨学金制度も充実して、競争陸の高い状態を保てればレベルも上がるでしょうし、それに通らなくてもどうしてもという人たちは今のような、アメリカ行きや飛行学校を目指せばよいのではないでしょうか。

 今の育成制度は自衛隊に充実した制度はありますがそれ以外は航空大学校だけですので、大学での民間パイロット養成システムは方向性としては非常に良いと思います。

 ただ今回の帝京大学が歌うドクターヘリパイロット養成という文句は過大広告であることは間違いないでしょう。

 10年ぶりの遭遇、、、、


 昨日 救急出動でとあるヘリポートに着陸し、患者さん処置中、機外で待機していると、農家の方と思しき軽トラックがフェンスの向こうに止まりました。

 みかん農家のおじさんらしき方がなにやら自分のほうを呼んでいます。

 近づいていくとIさんはいますか?と声をかけられ、Iは私ですが、、、、なにやら相手は見たような顔です。

 向こうも気が着いたようで、Sですと名乗りました。 がその名前には覚えはありません。

 10年ほど前、物資輸送のヘリポートへ果物の差し入れをいただいて、家族ずれで見学に来た方ですか?

 そうですーー わーー10年以上たっていますが、、、

 10年以上まえ2年くらいにわたって、巨大送電線の建設作業で今日のヘリポートから30キロほどの山間部で332で飛んでいたころの話です。

 また同じ地域を206Bで部下たちが送電線パトロールで毎月のように飛んでいました。

 ヘリコプターが着くたびに家族ずれで、差し入れの果物を持って見学に来ていたSさんでした。

 近くを通りかかったらヘリが着陸してきたので見に来たとのことでした。

 当時はこの付近でパトロールに来るたびに箱に一杯のみかんや柿やぶどうをいただいて部下たちがヘリに積んで帰ってきましたので、一同おいしい新鮮な果物を事務所でいただくことが出来たものでした。

 そして物資輸送の仕事も重なり、自分自身も数回いただいた記憶が残っていました。

 当時小さかった小学生の息子さんは高校へ通っているとのことで、こちらからも当時のパイロットのY君は東京、整備のH君は福岡ですなどと懐かしい話で盛り上がってしまいました。

 短時間の着陸で思わぬ懐かしい話で患者さんの搬送のためすぐに切り上げて帰りましたが昔お世話になった地域で飛んでいるとこのようなことに出くわすことは非常にうれしいものです。

 地上の支援のない山間部などで、おっかけのような方々、航空無線マニアの方たち、航空機写真マニアの方たちとの暖かい交流が結構あって、缶コーヒーやお茶をいただいたり、取ってもらった写真をいただいたり、車のヘッドライトでパッシングして合図をいただいたり、結構楽しいものでした。

 Sさん当時は本当にありがとうございました。 まだ飛んでますよーーーー

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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