海上自衛隊 YS11 オーバーラン





 一昨日 海上自衛隊のYS11 輸送機が小月飛行場への着陸に際してオーバーランし、収穫直前の田んぼへ突っ込んで止まったものの11人の乗組員は怪我もなく無事だったようです。

 まだYS11が飛んでいたのかと驚きましたが、調べてみると海空自衛隊と海上保安庁などで飛んでいたようです。

 全部で180機程度製造され、世界中で飛んでいたようですが、そのうち7回か8回ほどオーバーランの事故を起こしていますので、1200メートルの滑走路で運用できるという設計がなされたとはいえ、かなり難しい運用であったのかもしれません。

 事故の当時は小雨が降っていて滑走路は滑りやすく、風がほとんど無風に近い追い風気味の横風から弱い正対風で変化していたように想像できます。

 厚木から飛んできたようですから1時間半ほどは飛んでいたでしょうから、燃料は相当に消費していて、搭載荷物にもよるでしょうがそれほど機体重量が重かったとも思えないでしょう。

 ただ11時ころから降り始めた小雨のために、滑走路はかなり滑りやすくなっていたのでしょうか。降り始めの道路はスリップしやすいので気をつけろとよく言われます。

 飛行機の着陸は5メーターくらいの正対風がもっとも容易で着陸時の減速もスームースですが、まったくの無風状態や弱い追い風になったりすると、生の速度が死ににくく、高くなったりすると予想外に接地地点が延びてしまって減速に苦労する場面があるようです。

 気流が安定していて雲の状況もそれほど悪くないので、副操縦士に着陸を任していたら、上記のような状況になって、あわてて操縦を変わったけれども、雨にぬれた滑走路ですべり、残った滑走路での着陸復航もままならず田んぼに突っ込んでしまったというような状況だったのでしょうか。

 風 雲 滑走路長 滑走路の濡れ具合、副操縦士の腕、機体の重量、機体の着陸特性、その他、それぞれどれをとっても着陸に不安全というほどの問題点はなかったのでしょうが、全部が一挙に不利な方向に振ってしまうと今回のような事故になってしまうという、航空ならではの危険性をはらんでいるという側面を見事に見せてしまいました。

 このようなことをうまくコントロールというか、よく見極めて無事故で乗り切ることがパイロットとして求められる素養であってそれに答えることこそ、他の職種の人より高い報酬が取れる原点なのでしょうか。

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 不採算空港整備中止へ、、、、、


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090928-00000058-san-bus_all

 前原国土交通大臣が日航の再建に関して特別会計による空港の整備を止めると言っています。

 もちろんそれは正解で国民の誰も反対しないことでしょう。

 しかしもう既に日本全国考えられるところにはほとんど全て空港が整備されつくしてしまって、98ヶ所もあって来年度にはさらに茨城空港なるものが完成するそうですからいまさら何をいわんやと言うところでしょうか。

 これのすべては自民党が敷いた不の財産を整理するという、後ろ向きの残念な大仕事というしかありません。

 今度はたぶん今までに作った大赤字の空港は廃止して、更地や山に戻すという大工事にこの金を使うのでしょうか。

 廃港にしてそのまま廃墟として残すには、大きすぎる施設でしょうからどうするのでしょうか難しいところです。

 バブルのころ農水省が農道空港と称して作った数箇所の飛行場は本来の目的にはまったく使われることなく、今はスポーツ航空やラジコンの飛行場として活用されていますが、規模の大きな本物の空港はなかなかそうは行かないでしょう。

 過去に新空港の設置等で廃港の危機にさらされて残った福井空港 旧広島空港、旧岡山空港は小型機空港としてなんとか生き残っています。

 しかし何十箇所も廃港として小型機やグライダーやラジコン機に使わせることも非現実的でしょうし、維持管理に高額の費用を使い続けることも難しいでしょう。

 今飛んでいる機材を50人乗り程度の小型機に変えて路線を存続するくらいが落としどころになると想像しますが、それがうまくいったとしても今の赤字額が半分程度に縮小する程度で根本的な解決にはならないでしょう。

 ことは通行量が0とならない高速道路と違って、0か100の選択しかなさそうなところがつらいところです。

 空港整備が全国各県を目標にやってきて、ほぼ最後まで行き着いたところで無謀であったことにやっと気がついて、この先どうしようかとなったわけですが、予算規模がごく小さくても、ドクターヘリも同じように全国配備を目指して驀進中です。

 約20機ほど配備され、ほぼ中間点に来ていますので、今後どのように進めるかのちょうど良い反省点とも言えるでしょう。

 いけいけどんどんで、50機も配備して、20機もほとんど飛ばないようになったとしたら取り返しがつかないことにもなりかねませんが、今の状況で各方面の協力が得られるならばうまく機能するようには思いますが、、、、

 JR西日本 会社ぐるみの不正、、、、、、、



  http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/jr_fukuchiyama_accident/?1254021431


 JR西日本尼崎事故の事故調査委員会にJRの社員が接触し情報を集めたり、事故調査報告書に記述を自社に有利なように書き換えさせようとした疑いがあるそうです。

 この問題は上記記事のようにどんどん大きな問題となって来ています。

 最終的にはこのような行為に罰則規定を設けるような法改正をした程度で落ち着きそうな感じですが、本来ならこの程度の改正ではすまない内容を帯びていて、安全運輸委員会そのものが国土交通省の組織内におくことすら妥当ではないでしょう。

 陸海空の交通行政の要にいる国土交通省自体が各種事故の間接直接の事故原因となるような事故がある可能性があったり、行政指導や規制によって事故を誘発する要因を持っているものが、自らの組織で自らの処罰や改善の報告書を公正に出せるとはどうしても思えないからです。

 事故が起こったらその責任はどこにあるいは誰にどの程度あるかというような判断を下すのがある意味、安全運輸委員会の大きな仕事なのですから、その組織や構成員に様々な圧力や依頼、あるいは贈収賄の働きかけがあることは想像に難くないでしょう。

 今回は大きな力がJRという組織からかかったようですが、小さなヘリの事故に際してもキットかかって来たことでしょう。

 どのような方向で調査報告を出させることが、事故後の会社がうまく立ち直れるか一番簡単な例は現場で操縦していたパイロットや運転手が馬鹿だからこのような事故が起こってしまったというストーリーを書かせることです。

 事故の背因や要因はなるべく小さく扱って、現場に近いところが間抜けだから起きたという毎度同じ報告書を書いていれば良いということでしょう。

 今回の岐阜防災ヘリの墜落事故では、県警が強制捜査をし、事故調査委員会が県警と寄り添って調査をしています中で、県警航空隊からの情報として、引き返せといったとか、飛ぶなといったとか、6000フィートまでしか経験がなかったとか、いろいろなことが出てきています。

 ストーリーが決まっているということなのですが、経験のない馬鹿なパイロットがテールを山にぶつけて落ちたんだといいたかったのでしょうが、残念ながらテールは山に当たってないようです。

 飛ぶなというなら自分たちが飛ぶべきなのに、隊長副隊長そろって愛知県へ出張していて救助要請に即座に対応できない状態にしながら、愛知県警のへりで岐阜まで送らせたなどどうも不透明な状況も出ているようです。

 死んだJRの運転手も岐阜防災のパイロットも何も言い訳が出来ないことをいいことに誰かが書いたストーリーですべても取り繕ってまたしばらくしたら何事もなかったように運航を続けるのでしょうか。

 このようなことが今回の表ざたになった不祥事から垣間見えてきます。

 ドクターヘリ離着陸場の整備、、、、


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090917-00000004-agara-l30


 上のようなニュースが最近流れました。全国的に救急や防災用のヘリポートが整備されるような時代になってきました。

 この場所は廃校をランデブーポイントに使って救急患者さんを年間5回から10回程度は運んでいたような記憶があります。

 近くに診療所があって、過疎の山村の救急患者さんを診療所の要請で施設の整った病院への搬送です。

 600万円弱をかけて、きれいに舗装していただいたようですが、完成後はまだ着陸する機会がなく上空からは見る機会がありました。

 兵庫県では沼島という淡路島のさらに離れ島の人口250人程度の島に1億円もかけて緊急用のヘリポートを作ったとか、岐阜県では5000万年もかけて夜間照明つきの防災用へリポートを作ったというようなニュースを過去にこのブログで紹介したこともあります。

  http://blogs.yahoo.co.jp/bell214b1989/39574335.html

 一箇所にそのような莫大な金額をかけるということは少し首を傾げますが、少ない金額で多くの場所を整備するほうがより税金の使い道としては有効ではないかと思います。

 当和歌山県ではすでに30箇所近く整備が終わっているように思います。このような着陸帯を整備された場所の中からさらに簡易の夜間照明施設を一箇所当たり300万円程度で整備すればドクターヘリの将来の夜間飛行に繋がるかもしれません。

 ただし今のところ、ドクターヘリ限定ということで、場外離着陸の広さや進入 離脱方向の障害物の規制は受けないで緊急に着陸するという条件でいわゆる合法の場所も非合法の場所も離着陸場としての整備を行っていただいています。

 夜間飛ぶということになるとこのように整備された場所の中から、やはりいわゆる合法的な、広さが十分、障害物もクリアーできるようなところから夜間照明を整備して、限定して飛ぶようにすることが良いでしょう。

 いま ドクターヘリが年間5000回も着陸している場所は、場外離着陸の条件に合わない狭い場所、障害物がある場所が70%以上あると思います。

 これで8年間無事故 さらにこれからもどんどんドクターヘリが増えてきて年間10000回も離着陸を繰り返すことはすぐそこに来ています。

 ヘリコプターの離着陸する場所が進入方向8分の1 離陸方向4分の1 が取れないと許可しないなどというヘリの性能を無視した、とぼけた規制がいかに馬鹿げているかということを全国のドクターヘリが毎日証明しているようなものです。

 また1億円かけた緊急へリポートが10年に1回も使わないということを証明されようとしているかどうかは知りませんが、また5000万かけて夜間着陸可能に整備しても肝心のヘリが墜落してしまっていなくなるようではなんとも世の中はうまくいかないものです。

 公金ですからやはり慎重な使い方をしないことには、国民が納得しないという民主主義はなんともはや 難しいものです。

 運輸安全委員会は公正な事故調査を出来るのか、、、、、


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000043-jij-soci

 事故調査の根幹にかかわる不正というか疑惑の疑いが記事になっています。

 運輸案全員会は国土交通省の一組織として航空事故鉄道事故などの調査を行って、事故の直接原因 要因 背景などを明らかにし、改善事項を各方面へ勧告し、ひいては法律や規則類などの改正を求めたりするなど、事故の再発防止のためにあるそうです。

 それなのに事故がATCを設置していなかったことが原因するかかどうかを決める前に当事者からその項目を削除するように依頼を受け接待された疑いがあるそうです。

 こんなことをするから関係者の信頼を失ってしまって、事故調査結果などに対する信頼性やその正確性まで疑われてしまうのです。

 今回 岐阜県防災ヘリの墜落事故に際して、原因がまったくわからない段階からテールが山に当たったらしいとか、ホイストワイヤーはカットされたようだとか、パイロットの救助経験が6000フィートまでしかなかったか、いろいろな情報をマスコミにリークしてしまっています。

 もともとヘリコプター事故の調査のメンバーの構成を見ればヘリの運航に詳しい経歴を持った人はほとんど含まれていないことが多く、事故が起こるたびに調査に不信を持ってしまうことが良くありました。

 そのような素人の事故調査集団に事故当事者の会社側から派遣された者が24時間密着して、悪く言えば一定の方向へ事故調査をリードしようとたくらんでいるといっても過言ではないような様子です。

 たとえば今回の事故は岐阜県警と防災航空隊の救助の棲み分けや、技術的な交流、はたまた縄張り意識、などが微妙に影響したことは想像に難くないようですが、そのような背景にあるのに県警のヘリで現場を案内してもらったり、ホイストでおろしてもらったりすることが果たして公正な事故調査に影響を与えないでしょうか。

 何となれば事故調査官は県警ヘリのパイロットや関係者と事故に関する会話を交わすことは十分にあるでしょうが、彼ら自身が今回の事故に対する一方的な見解を持つ恐れは十分いありえるでしょう。事故調査は公正に行われるべきであることはまったく当たり前のことなのですが、今回の尼崎事故での報道を見る本当に心配になってしまいます。

 過去にもいろいろあったようですが一番に思い出すのは、同期生が乗るF86Fが全日空のB727にぶつけられて162名の死者が出た全日空雫石事故の事故報告書発表の記者会見の場面でした。

 事故調が発表した事故調査報告では全日空のパイロットにも事故原因につながる過失があったような記述があり、この点を取材記者からおかしいと突っ込まれてその場で事故調査報告書の文言を訂正するという離れ業を犯してしまったことがありました。

 ヘリコプターの事故調査にヘリの運行を熟知したパイロットかその経験者が入っていないで正確な事故調査などできるはずはないと思いますが、まともなヘリパイロットが事故調査委員会に在籍したということはいまだ聞いたことがないのは非常に残念なことです。 

 緊急事態!! スリングロープ ホイストワイヤー カット、、、、、


 岐阜防災ヘリが絶壁にローターをぶつけていまや墜落すると言うとき、下の救助隊員の安全のためにパイロットが意識的にホイストのワイヤーをカットしてヘリコプターから切り離したのではないかと言われています。

 自分は下の救助隊員がヘリの異常に気がついて自発的にはずした瞬間ヘリの姿勢が暴れ、鞭のように飛んだワイヤーがローターに当たって切れたのではないかと思うと以前のブログに書きました。

 パイロットが意識的に切ったのではないかという指摘があるように、構造上は通常パイロットの左上にある多くのスイッチ類やサーキットブレーカーが並ぶスイッチ版の中にホイストカッターのアーム(カットレデイ)スイッチをガードを起こしてアームポジションします。これで後は操縦かんの上部にあるカットスイッチ(これも通常はガードがかかっている)のガードを起こして押し込めば切れるようになっています。

 このスイッチを押せば電気的に火薬を発火させ、刃を強制的に飛ばしてワイヤーを切ることになります。

 この操作はパイロットしか出来ない構造でしかもピッチレバーから手を離さないとスイッチの操作は出来ませんし、天井にあるスイッチをわざわざ探して切り替えないといけないほど普段は触らないスイッチでしょう。

 これだけの操作をしないと切れないようになっているのは、誤操作や誤作動で吊り下げられた人が墜落して死ぬ可能性があるからです。一部の防災航空隊では落雷や無線電波による誤作動を防止するためにわざわざ遮断用の刃を打ち出す火薬をはずして飛んでいるところもあるようです。

 それは全備重量5トンくらいのヘリにとってホイストにかかる最大300キロくらいの重量は直ちにカットしなければならないほどの加重ではないと言うこともあるようです。

 果たして山に当たるかどうかの緊張の中、難しいホバリング操作をしていた人がローターが当たったからといってこれだけの操作を出来るでしょうか。

 またカットするには下の救助隊員がまだ地上にいて、すでにフックが繋がっていると言うことも確認が出来ていないとこのカット操作は無駄なことになります。

 このような操作が出来るかどうかは、自分が過去にスリングで荷物を吊り下げて飛んでいて、危険状態になって吊り荷をカットした経験からある程度は想像が出来ます。

 スリングの場合は全備重量の50%程度、332で3.5トン 204Bで1.5トン程度になり最終進入で落とされて墜落しそうになったり、吊りの木材が吊り上げるとき重すぎてもう一度おろそうとしても斜面を滑り落ちだして、ヘリが斜面の下のほうに引き摺り下ろされ回りの木にローターが当たりそうになったりした時です。

 このような時でも、下の作業員の安全を確認するまでは勝手にカットは出来ませんし、時間がたてば立つほど墜落に近づいていきます。

 この岐阜防災の事故は下の救急隊員が2名目撃していますのでかなり詳しいことはわかってくるように思います。

 この事故は県警航空隊と防災航空隊の協力関係、そして救助事案や救急事案での棲み分けや指揮系統、操縦士や乗組員の訓練や経歴などいろいろな問題が焙り出されて今までの日本全国各都道府県の所有するヘリコプターの運航に関して大きな問題提起となる可能性を秘めているようです。

 不具合 不都合があるならば、縦割り 縄張りにこだわることなく、大いに改善してほしいものです。

 前原国交相 3大難問にどう立ち向かうか、、、、、、、




 昨日 八ヶ場ダムを視察した前原国交相にはこのダム問題のほかにJAL問題 そして高速道路無料化問題と3つの大きな問題が立ちはだかっていて、同情してしまいます。

 ダムと高速無料化は民主党が言い出したことですのでこれに対処することは、マニュフェストを実現するためですから致し方ないでしょうがJAL問題は戦後の自民党の航空行政のつけをまともにかぶった体ですので事は少し趣旨が違うかも知れませんが。

 しかしこの3つの問題すべては日本社会の高コスト化が根にあると言えるようですので解決方法は同じで金の出を抑えることしかないでしょう。

 ダムの本体工事には1500億程度しかかからないのに、周辺事業に3000億円もかかったり、JALの機長が年俸2500万円以上取っていたり、車より周りの熊や狐のほうが多いところに高速道路を作ったりして、東名高速の利用者に払わせたり、高度成長が永久に続かないと成り立たないようなことを延々と続けることは到底無理だったようです。

 日本の全ての組織運営が行き詰って、国民のほとんどがのた打ち回ってその苦しみの中どん底にいるようになって、やっと官で守られていた最後の砦にその苦しみが回ってきたと言うことでしょうか。

 と言うことになると民主政権が3年も続けば日本の最悪に状態には底を打っていよいよ上にむき出すと思えば少しは希望がわくというものでしょう。

 ダム問題と高速無料化問題はとりあえず今日明日結論を出さなくても、今後の国民世論の動向や地元住民との話し合いなどを見て結論を出せばよいようですが、JAL問題は年末までの資金繰りと米国航空会社からの支援申し入れに対して返答する必要があるので早急な意思決定が必要だそうです。

 日本の航空行政は戦後航空が米国から再開を認められて以来、自民党に繋がる運輸省がその全てを決定して来ましたので、国営会社 民間会社と言えどもその決定に反した運営は出来ませんでした。

 特に国内の航空機の運航に関しては、ジャンボからセスナ、ヘリにいたるまで全て箸の上げ下げまであーだこーだとなされる行政指導という命令に従って飛ぶということしか出来ませんでした。

 これでは国際的な競争に勝てるはずもなく、高コスト化が延々と続いていたといっても過言ではないでしょう。

 その結果が大きなところでは、巨費を投じて作った日本国中の超豪華空港がただの広場になりそうになったり、小さなところではヘリやセスナのチャーター料金が諸外国の3倍も5倍もするのに従事者はまともな給料をもらえなかったりするような、いびつな航空の世界と言うものが出来上がってしまいました。

 JALに海外からの資本が入ることになると、将来的には日本の航空はまたアメリカに大政奉還と言う事態になるかもしれません。これは極論ですがダムや高速道路の建設維持管理にも海外の資本が入ると言うこともあながち絶対にないとは言えないでしょう。

 日本は東南アジアなどでダムや発電所 高速道路などを作ったようですし、外国人であっても参政権を与えると言い出していますのでこれはかなり危険な兆候でしょうか。

 それにしても前原さん 健闘を祈らずにはいられません。ぜひがんばってください。

 今後のドクターヘリ普及 最大の問題点、、、、、


  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090917-00000004-agara-l30

 今後ドクターヘリが導入される各都府県は地形天候状態がヘリの運航にとって、すでに導入された県に比較すると条件は悪くなりそうだというようなことを書きました。

 さらに医療体制の面でも先行する都府県に比較して不利な状態ではないかということもあげました。

 これだけ不利な条件がそろえば、ドクターヘリというものを導入してはたしてうまく機能するのかと心配する方も多いと思います。

 ところが心配すべきもっと大きな問題を秘めているということはあまり知られていませんし、表にはでてこないことがあるのです。

 先行してドクターヘリを導入した県には必ずドクターヘリ病というかドクターヘリ信者というほどにドクターヘリを飛ばして救急に役立てようとした、急進的なドクターや医療関係者がおられました。

 そのようなかたがたが異常なほどの熱意で、ドクターヘリにあまり乗り気でないお役所や病院関係者、消防関係者などを次々と説得し、ドクターヘリというものを実現されてきました。

 今後導入される各都府県で同じような方が出て、ドクターヘリ導入実現のためにまい進されるかどうかはかなり疑わしいのではないでしょうか。

 つまり積極的に導入を図り、うまく救急に役立てるところまで、どんな反対者や消極的な部門を説得して軌道に載せるだけの精神力 行動力をもった人が果たしてどれだけ出てくるでしょうか。

 これは直接担当する救急部門のドクターやナース、管理部門の方たちにいえることではなく、今後 ドクターヘリ導入はおおむね各県の医療部門が導入し、使うのは一定の病院の救急部門ということになりますので、まずここで大きな壁が出来ないかと心配します。

 初期の導入には医療側の先進ドクターが自分たち自身ですべてのことをしたでしょうから、このようなことはありえなかったでしょうが、いまや役所が入れて現場が使うということが普通になってきました。

 さらには2県3県が共同で導入し、担当病院は2箇所3箇所などという複雑な体制でしかも上から与えられたヘリが、果たして先進県と同じようにうまく飛ぶとはどうしても思えませんがいかがでしょうか。

 だんだん条件が悪くなる新規ドクターヘリ運航の条件、、、、、、


 20機ほど入った日本のドクターヘリの運航は今後どのような経過をたどるのでしょうか。

 先進意識の強い積極的なドクターの方たちが構築した、ドクターヘリのシステムはいまや1県1機以上の体制へと驀進しているかのように見えます。

 運航にかかる財政的な面では政府 厚生省が面倒を見ることで決着しているようですので、後はドクターヘリを使うほうの医療体制とヘリコプターを運航するヘリ会社と、運航を支援したりする県消防など運航側の体制がどの程度取れるかに今後の経過はかかっています。

 昨日は北海道3機体制に際して、医療体制の懸念を少し取り上げましたが、今日はヘリコプターの運航体制の問題です。

 ヘリの運航体制の問題のうち運航要員にかかわる問題点はことが多き過ぎて今日は取り上げません。

 運航にかかわる天候や地形条件のことなのですが、今まで先行的にドクターヘリが導入された地域は比較的地形的にも天候的にも恵まれた地域だったのですが、これはたまたまだったのでしょうが非常にラッキーであったと思います。

 日本の地方の中でも静岡県や千葉県 そして岡山県 和歌山県などは天候が非常に穏やかでそれほど高い山も少なくてヘリコプターが飛ぶ条件としては非常に恵まれています。

 そして北海道という冬場の厳しい地方にあっても札幌付近は比較的平野が広く恵まれているといえましょう。

 ところが今後導入されてくる県は冬場の降雪に悩まされるであろう日本海側の県があるでしょうし、高い山が多い四国の県であったり、条件の悪いところが続くでしょう。

 世界的に見て小型機やヘリコプターが飛ぶに際しての日本の天候、地形条件は非常に悪いといわれていて、アメリカやオーストラリアで自家用の免許を取得して帰国した人たちは日本の免許に書き換えることは許されても、事実上日本で単独で飛ぶことは許されていないといっても過言ではありません。

 今までドクターヘリが悪天候に関する事故やインシデントがなかったのは、パイロットが比較的経験の積んだ者が担当したことと、運航地域の天候が比較的良好なことが幸いしたものと想像できますが、今後はこの両方の条件が悪くなってくることには間違いはないでしょう。

 ドクターヘリにとって3000メートルの山岳地でのホバリングは考えられませんがそれにしても、現在飛行している状態よりは厳しくはなるでしょう。

 さてどのような体制で新しい運航に備えるのでしょうか。

 北海道 いよいよ3機体制、、、、、


 http://www.hemnet.jp/databank/detail/10510.html

 広大な面積を持つ北海道に1機のドクターヘリではとてもすべてをカバーすることが不可能でしたが、来月からいよいよ3機体制となって、ほぼ道内すべてをカバーできるようになるようです。

 北海道の広大な地形や景色は一度でも飛んだことがあるヘリのパイロットはなんとなく内地と違った様子に感動すると思います。

 自分自身も長いヘリパイロット生活の中で、少ない経験ですがそれでもたぶん500時間くらいは飛ぶ経験があったように思います。

 25歳から30歳くらいにかけてですので30年位前の話ですが、毎年 秋季に唐松や椴松の若い植林木を食い荒らす野ねずみの駆除の薬を北海道銃の山という山に散布しました。

 その後204Bの初期と330の初期に送電線建設の物資輸送に飛んだ経験がありました。

 広大な北海道の原野や延々と続く牧場、広大な田畑に点在する農家のありようを思い出しながら、ヘリコプター救急が必要だなと、今ドクターヘリを飛ばす立場で思い巡らせていました。

 3機のドクターヘリで広い北海道はたぶん十分とはいえないでしょうが、それでも80%くらいは30分範囲にカバーできるのではないでしょうか。

 今 北海道で3機の運航が始まるとき、一番注目していることは釧路の運航体制です。今までのドクターヘリ18機はすべて、ひとつの病院が単独で運航する体制をとることが出来ました。つまりひとつの病院でヘリに搭乗する医師、看護師のローテーションを組むことが出来、救急の受け入れ態勢がある程度以上は整っている一定規模の病院でありました。

 もうひとつは病院の規模が救急の体制のみだけが十分であるのではなく、救急患者の緊急診療の各診療科が十分に救急部門に引き継いで出来る体制があるということがかなり充実していたのではないかと思います。

 このたび釧路で飛び始めるドクターヘリは2つの病院が日数を決めて分担して飛ばすようです。

 この方法をとるのはたぶん救急に医師、看護師の定数や設備だけではなく、救急を取り巻く各診療科の充実状態も十分でないということなのでしょう。

 このような条件でもドクターヘリが十分に機能を発揮して救急患者の診療にうまく対応できるかどうかということが、今後 ドクターヘリが同じような条件を抱える各県に順調に導入されるかどうかを決めることになるでしょう。

 ドクターヘリを取り巻く医療資源が十分でない、あるいは十分でない医療資源であってもうまく救急患者に対応できるかどうかが、先進県の条件の整った今までの導入と今後の部分との違いでしょう。

 ドクターヘリは国庫4分の3 県負担4千万円で入りますがそれが機能する体制を作れるかどうかが今後の分かれ道です。

 はたして皆さんの県で重症の急病や大事故にあったときにドクターヘリが飛んできてくれるようになるかどうかはこのような点で決まるでしょう。

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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