アクセス 600人/日 達成 御礼!!、、、、


 昨日 一日のアクセス数としてはじめて600人を達成しました。

 これもひとえに多くの読者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。

 このブログをはじめてから早いもので2年と3ヶ月ほど経過し、ドクターヘリのパイロットとしても2年半お世話になって、自分自身の出動回数も477回となりました。

 その間 多くの救急患者さんたちを搬送し、多くのドラマを体験することとなりました。

 ヘリコプターのパイロットとしては長かったのですが、最後の仕事として新しく始まったドクターヘリに乗れることになり、誰かのために、あるいはなにかの役に立つことも知っているかもしれない、あるいは何か提言らしきことも出来るのではないかとあまり深い考えもなくこのブログをはじめました。

こんなブログをこのように多くの人たちに読んでもらえることとなるとは予想外でした。

利害関係が複雑に絡む情報社会で、また個人情報の制限や壁があるなど多くの方々に予想できない迷惑や被害を与えていることもあり、途中で投げ出しそうになったことも何回もありました。

私がのべる意見や提言も、必ず反対勢力や今現時点で頑張っていてくださる多くの方の努力を否定するような物言いになることも多く、多くの方の反感を買っていることは間違いはないようです。

自分の見る立場は常に現場の一作業員からの見方ではありますが、このような立場の多くの仲間の意見や考えというものはなかなか理解されがたく、大きな流れの中で取り入れられることも難しい面があります。

ヘリコプターを飛ばす要員は自衛隊 官庁 民間と様々な形態で存在し、その中でも民間のヘリコプターの要員はそれなりに社会に貢献してきたという自負はあるのですが、将来を見るとどうもあまり良い見通しはないようです。

ドクターヘリが50機体制になって、民間のヘリ要員がそれに十分に答え、それなりの社会的な評価を得、新人からベテランへとうまく循環していけるような情況が果たして構築されるのかという面ではまだまだ不安が残ります。

そのときが来るまで、やはり あーだ こーだと書き続けることになるかもしれませんが。

家人はあまり好き勝手なことばかり書き連ねないほうがいいのと違う、ともいいます。

さあ どうしようかなーーーです。

多くの皆さんのご愛読ありがとうございます。ご意見 コメントどしどしお願いします。時間とネット環境の制約でご返事、返信が十分出来ていないのですが、お許しください。

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 朝ズバ みのもんた ドクターヘリ会社 大赤字、、、、、


 昨日のTBS系列のみのもんたの朝ズバでドクターヘリを取り上げていました。

 視点はドクターヘリの運行料金が年間240回を想定して契約を結んでいるが、出動回数が想定を大きく上回り、ヘリコプターの運行会社はドクターヘリ1機あたり年間9000万円以上の赤字に泣いている。

 この状態はどう見てもおかしいので補助金を増額して、運行会社に支払うべきである。

 このような趣旨だったと思います。

 各運行会社が契約先の都道府県や補助金の金額を決める厚生省などと契約内容の改善を申し入れても良い結果が得られないので、業界団体がマスコミに手を回して報道させたのかと疑ってしまいます。

 そもそも240回という想定でドクターヘリの運行を始めたときには、240回を下回ったら、あるいは240回を超えたら契約の金額はどうしようとか、将来的の情勢の変化に応じて契約内容については話し合おうとかいうような取り決めがなかったのでしょうか。

 朝ズバでは、契約会社側に240回以上絶対に飛びそうにないから、余分な分は黙ってポケットに入れようともくろみがあり、それを官のほうも黙認するような暗黙の了解があったのではというような突っ込みはまったくありませんでした。

 つまり当初から続く契約の不備の原因は果たしてどちらにあったのかという、根本的な判断がなされていませんので、航空会社がわが言う9000万円以上に赤字と言うことは本当なのかどうかことも含めて100%航空会社が言うことが本当かどうかわからないかもしれません。

 ただ240回で想定していた出動回数は場所によって400回500回に増えていることは確かですので、回数比例の変動費支払い、固定費の支払いと別の金額で支払契約にすることは必ず必要でしょう。

 そうすると240回にはるかに満たないところは減額になるのでしょうか。

 いずれにしても、もう少しまともな契約体系にすることは絶対に必要です。すでにそのようになっているところは多くあるようです。

 ただ 運行料金が過当競争によって、過剰に安くなってしまっていることは確かなようです。

 パイロットや整備士が十分いない、ヘリコプターを十分安全に運行できる航空会社も数限られているのに、また将来において日本国内全体で50機も運行する見通しがあるのに、いまだに単純金額入札の制度でしか担当会社を決められなかった業界と官庁側の浅知恵がこのような結果になってしまっていることも確かです。

 民活という聞こえの良い、民間ヘリ会社のドクターヘリの運行でこのような不信感をもたれるようなことが続くと朝ズバでも言っていたように、官庁自体が運行することはどうしてだめなのかという意見も起こってきかねません。

 もしかしたらパイロットなど運行従事者もそのほうが安心して働けると思っているものが多いかもしれません。

 官庁自主運行の一番のよさは従事者の身分保障という点もありますが、実は育成過程における訓練が十分に出来るのではないかということにあり、ヘリ会社側も実はこのことを言っているのです。

 今の料金体系では訓練育成が十分に出来ないのでその費用も見て欲しいと言っていますがもしその費用をまともに支払った場合にポケットへ入れてしまわないかと心配するのは私だけでしょうか。

 

 竜巻とヘリコプター、、


 1昨日は群馬県館林市において竜巻が発生し、家屋が200戸以上被害を受け、車は30台も壊れ、死者こそなかったものの30人近い人が怪我をしたそうです。

 上空に寒気があり下層に暖かい湿った空気がある梅雨時などに、強い積乱雲が発生するようなとき、積乱雲の周りの空域で竜巻が発生することがあります。

 ヘリコプターが飛行中、竜巻に巻き込まれて事故になった例は日本では発生していないようですが、10年ほどまえに、北海道で地上にいたベル206Bが竜巻に巻き込まれて横転して全損となった例があります。

 ヘリコプターが飛行中竜巻に巻き込まれるという恐れはないかという疑問があると思いますが、竜巻は普通遠くの方から目視できることがほとんどですし、竜巻自体の移動速度がヘリコプターの飛行速度に比較してかなり遅いので十分に避けることが出来るように思います。

 強い冬型気圧配置の時の真冬の日本海は陸地で竜巻が発生する大気状態とよく似ていて、強い寒気が上空にあり、暖かい海水に近い大気が暖められて、小型の竜巻が発生することがよくあります。はるか昔20代の時にベル212で石油試掘リグへのフライトの副操縦士をした時に目撃したのですが、海面から渦になって海水が巻き上げられて行く様子は竜巻そのものでした。この海水による雲が東へ流れて山脈に当たって豪雪となって降り注ぐのでしょう。

 ヘリコプターの運行には竜巻はそれほど脅威ではないのですが、ダウンバーストと呼ばれる竜巻とは逆の現象があることがここ20年ほどの間にわかってきました。

 竜巻が空気を上空へ強制的に持ってあがると、当然その薄くなる空間に上空からすごい勢いで空気の塊が垂直に降下して、地面に当たると4方8方へばらけます。

 航空機がこのダウンバーストの中へはいると、強烈な下降気流と短時間に急激に変わる風向によって、着陸時などは非常に危険な状態となります。また空気が上昇する時は温度が下がる影響で雲が発生しますので竜巻は必ず見えるのですが、ダウンバーストの場合は雲は発生しないので目で見ることが出来ません。

 このダウンバーストの影響で事故になった例は立証されている事故の例も数多くあるそうで、着陸時に滑走路の手前に墜落した事故はダウンバーストを疑ってみることが必要だといわれています。

 30年前インドネシアのジャングル上空を飛行していましたが、何百キロも続くジャングルでは毎日のように積乱雲が発生する不安定な大気状態のです。このような中、離着陸時の急激な風向風速の変化には泣かされて飛んでいました。当時はダウンバートはまだ科学的にわかっていない時代でしたが今思えば規模の小さなダウンバーストが常に発生していたのだと理解しています。

 逆竜巻はイコールダウンバーストです。

 このような現象も温室効果CO2による地球温暖化による影響ではなく、普通に起こる気象現象の一部でしょう。

 選挙とヘリコプター(2)、、、、


 少し広い場所があれば、点から点へと時速200キロで移動できる乗り物は選挙運動で政党党首などが利用するには非常に強力な武器です。

 しかし天候には制限を受け、離着陸場は航空法上の許可、また所有者管理者の承認という高いハードルがあります。

 このような制限が電話1本ですべてクリヤーできるならば、ヘリコプターの利用はずいぶんと進んだことでしょう。この壁があるためにヘリコプターが自由に飛ぶことが出来ない、ひいてはヘリが活用されない大きな壁になっています。

 たとえば飛行場以外の場所へ離着陸するには、その場所を調査し図面を起こし、障害物などが一定以上なく、着陸地面は平坦で広さが決められただけあることを証明する書類とその場所の管理者の承諾を得たという書類も添えて、使用する日にちの少なくとも1週間以上前に航空局へ許可申請する必要があります。

 そして無事に審査のとおり許可が降りてから出ないと着陸できないことになっています。

 天候制限は飛行場の場合一定時間ごとに観測され公式なデータとして発表される雲の高さと視程の値が一定以上の数値でないと離着陸できないことになっています。

 こんなことを言っていたらヘリコプターなどは臨機応変に次から次へと飛んで回る党首の選挙活動などには使えないということはわかるでしょう。

 ここに政権政党の自民党がヘリを使うことが出来、野党が使えない理由があります。

 運行の許認可を出すのはお役所ですし、離着陸場所の管理者は河川敷などは国土交通省、学校や県民運動場 競技場なども官庁です。

 このようなものはすべて○○総理の選挙事務所です。と電話を入れたらアット言う間に解決します。というのは過去の話でした。民主に政権が移るかもしれない今度の選挙ではいったいお役所はこのような申し入れにどう対応するのでしょうか。

 下手に断ろうものなら選挙結果次第ではひどい仕返しをされることでしょう。

 過去には某中国地方の空港で長崎へ総理を迎えに行くAS332が視程が悪く飛べないと選挙事務所に電話を入れたら10分で解決しました。10分で視程が回復したと気象観測値が発行され離陸したらすぐにもとの値に戻ったと再発表されました。

 選挙事務所から空港長へ電話が入ったのでしょう。

 離着陸場所の許認可でもまったく同じような取り扱いは普通に行われていますし、日ごろは絶対に着陸できない大空港のそれも定期便のすぐ脇にヘリを着陸させるようなことも平気でやっていたようです。

 このようなことは自民党が安定的に政権を独占していたので、ヘリ会社がなんと言おうと大災害のときぐらいしか優先的な取り扱いをしなかったのに、自民党の大物が言えばなんでも通ったようです。

 いま政権がどうなるかわからないような状態ですので、ヘリコプターの運行に関する許認可がいままでのように取り扱えるかどうか難しいでしょう。

 変な許認可を出したら、政権の行方によってはどのような仕返しがあるか見通せないでしょう。

 しかし 考えてみればヘリコプターにとっては自民党の要求によって優先的は取り扱いをして自由に飛んだようなことが普通に出来ていればずいぶんと発展したことでしょう。

 やっといま 人命 救急などきわめて限定的ではありますが、それに近い運行が認められるようになってきています。

 そんなことは50年前から政治家の圧力が有ったときだけ優先的に許容していたのですがそれもずいぶんおかしな話です。

 日本のヘリコプターなんてそんなものでしかなかったということなのでしょう。

 選挙とヘリコプター、、、


 短期間に多くの場所を分単位で回る必要がある国政選挙時の政党党首など移動はヘリコプターが大きな威力を発揮します。

 そこで選挙の時期には党首など政党の要人がヘリを使って、地方の候補者の応援に回るために各社のヘリをチャーターしています。

 大昔 福田前総理の父親の福田赳夫元総理は朝日ヘリコプターのベル204Bを使って、全国を飛び回った折には岩崎さんという大先輩パイロットがお抱えで常に飛んでいましたし、同じ時期 田中角栄元総理は川崎の大型ヘリ バートル107を常に使っていました。

 この選挙に絡む要人輸送のヘリの仕事はなかなか たいへんで天候判断などが厳しいことが要求されたりしました。

 というのはやはり政党党首などが地方の候補者の応援演説のために行くわけですから、大多数の支援者が待ち受ける演説会場へ直接ヘリで乗りつけることがほとんどでしたので、分単位で組まれた予定に沿って飛行し、天候などでヘリが飛べない恐れがあるときなどは、2次3次の計画を立てているとはいえその判断は厳しいものが要求されたようです。

 朝 一番 定期便の飛行機から降りてくる要人を横付けしたヘリに乗せると5分で離陸して大観衆が待ち受ける河川敷や演説会場に直接乗り付けるのですから、応援の効果は絶大なものです。

 また演説が終わるや否や次の会場に向けて飛び立ちますので、ヘリコプターの効果、機動性が遺憾なく発揮できる内容の仕事でした。

 航空局が発効する飛行場外離着陸の許認可も政権政党の場合はほとんどフリーパスで短期間に許可になりましたし、普段は使用できない大空港も定期便の着くすぐそばに着陸を許されるなど、普段と違う取り扱いがなされたようです。

 しかしこれには野党サイドから見たらとんでもないことで、野党贔屓のマスコミから大反発とも取れる報道がなされたことがありました。

 ことは選挙ですから、政党が圧力をかけてヘリコプターの運行に関して不法なことを運行会社に強制しているとでも報道された選挙に重大な影響が出る恐れがあります。

 大分県の応援に前総理の父親の阿部晋太郎氏が入ったときに起こったことです。当時は204Bの時代はすでに過ぎAS330の時代に入っていました。

 河川敷のある場所を離着陸場として許可申請をし許可を受けていたのですが、会場の都合でその場所から数百メートルほど離れた場所へ大観衆が待つ中着陸し、応援演説を済まして次の場所へ飛び立っていきましたので無事に任務を終えたとヘリクルーは思っていました。

 数百メートル下流に着陸したくらいはどうと言うことはない、誰もそんなことはどうこう言わないものだと思っていたらそうではなかったのです。

 某社の新聞記者が航空局へ阿部氏のヘリがどこへ着陸するかを問い合わせ、その場所でじっと待機していたそうです。多くの支持者たちが数百メートル下流でヘリを待っていることを眺めながら、そしてヘリが申請の場所と違ったところへ着陸するのを確認すると航空局へすぐに連絡を入れたそうです。

 違法着陸ではないかと

 次の日の新聞にはその新聞社の紙面の大きなスペースを割いて、阿部晋太郎のヘリ違法着陸!!スクープ記事でした。

 選挙が絡むフライトは、対立政党や候補者が絡むととんでもないことが起こりうるということですので油断がなりません。

 アメリカでヘリ墜落4名死亡、、、


 http://www.cnn.co.jp/world/CNN200907250018.html

 http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200907240031.html


 CNNのニュースによるとアメリカ東部でヘリが墜落し4名が死亡したようです。このニュースを検索しているとベルギーで乗っ取ったヘリを使い刑務所から3人が脱獄したと言うニュースを見つけました。

 いずれも今までは日本では起こっていない事例ですが、外国で起こったことはいずれ日本でも起こることが当たり前のような世の中動きですのでいずれ起こるのでしょうか。

 アメリカのヘリの事故で4名が死亡した事故は日本で起こっていないと言うことですがどのような点が日本で起こっていないかと言うと以下のようになります。

 商業用ヘリとCNNでは言っていますがこれはいわゆるコマーシャル用ということで日本で言うと使用事業とか運送事業を指すのですが自家用でなく軍用でなく、警察など公共団体のヘリでないものを指しています。

 日本では使用事業や運送事業のヘリが夜間飛行するということはほとんどありません。一部 東京都内の夜間遊覧飛行をしている程度でアメリカのようにい一般に飛んでいるという実績はありません。

 過去バブル絶頂期に旭化成が宮崎空港から延岡へ夜間の社員の輸送を当時の東亜国内航空へ委託していたことがあり、一時的な代替に入った阪急航空が墜落して多くの死者をだした事故がありましたがその後そのような事業はなくなってしまいました。

 もし今現時点でありうるとすれば、取材ヘリが大事件に際して夜間飛ぶという可能性はありますがそれとても、規制のため夜間の離着陸場所が十分確保できないため、全国でとはいかないでしょう。

 高速道路に墜落しましたが車を撒きこむことはなかったように報道していますが、当時相当の悪天候であったようで、送電線に衝突したように伝えています。

 日本では夜間のヘリの運航のニーズがもともとほとんどありませんので、これと同じような悪天候で強行して飛ぶようなニーズはさらにないということになります。

 もともと送電線にあたりそうになるような高度での運航を航空法上でも認めていませんので、パイロットはアメリカのように低空での飛行に習熟していませんし、さらに夜間はとても無理ということが一般的でしょう。

 アメリカではヘリコプターに線状障害物に当たったとき、ヘリのダメージを最小限にして墜落しないようなものを開発して着けるような国柄ですのでどのように飛んでいるのかある程度は想像が出来るでしょう。

 また高速道路上に墜落という最悪の事態であったようですが幸いにして車を巻き込むことはなかったといっていますがこれも日本ではあまり考えられないことです。

 しかし日本で今まで起こりえなかったような事故なのですが、これは夜間ヘリが飛ぶニーズがなかったというだけのことであって、ドクターヘリが夜間 救急患者を搬送するようになると日本のヘリもアメリカとまったく同じような条件となりますので、さあ 安全対策はどうするべきなのでしょう。

 刑務所から脱獄はあまり起きそうにありませんが、これとて絶対にないとはいえません。なぜならばヘリを乗っ取る気になればいとも簡単に実行できそうだからです。過去には東京ヘリポートで未遂事件があったようです。

 航空機のW&B(重量重心)、、、、、、


 中国国内上空で日食の観察のため、航空機の乗客が一度に片側の窓に集中したために、危険な状態になったと言うニュースがあったそうです。

 それに対して航空会社社員の方からそのような危険性は少ないと言う書き込みをいただきました。

 一般に固定翼航空機は縦方向の重心は一定以上の変動がある可能性があり、許容範囲から外れる可能性があり注意が必要ですが横方向は重心点からのずれる距離が小さいためにあまり心配はないようです。

 昔 YS11と言う国産機がありました。これに乗ったことのある方は覚えておられるかも知れませんが、空港に到着して乗客を降ろすときに、後ろのほうの座席の方から順にと言うアナウンスがあったものです。

 前の乗客が降りて後ろの乗客が残ると、重心位置が後方に移動し、主翼の下にあるメインギアーを支点に頭が持ち上がって尻餅を着く恐れがあるからでした。

 またYS11に乗っていた同期生の話によると、乗客がトイレに向かって移動すると、マニュアルコントロールする操縦かんに微妙に感じるといっていました。

 航空自衛隊が長く使っていた練習機T33はP80と言う戦闘機を複座にして練習機に流用したジェット機ですが、練習機にした場合機種の機銃を6機下ろしますので後ろが重くなりすぎて、機銃の変わりにほぼ同じ重さの鉛を積んでいました。

 ヘリコプターはその原理構造から重量重心の制限は固定翼機よりも厳しいものでした。

 重心位置は前後方向 横方向ともかなり厳しい範囲の制限を受けていて、しかも、乗客や燃料、荷物の搭載方法でこの範囲から外れる可能性が常にあります。

 外れた場合どうなるかと言うと、制限を超える前重になると頭が下がってしまい上げることが出来なくなりますし、後ろ重の場合はこの反対にお尻が下がってうっかり離陸すると後方へ進んで止まらなくなります。

 横方向の場合は重いほうへ傾きだすとと、操縦桿を作動範囲いっぱい反対側へ操作してもとめられなくなります。

 いずれも操縦桿の操作範囲いっぱいまで動かしても制御できなくなりますので、離陸前に慎重に操作すると重心位置がどの程度の位置にあるかわかります。

 重心位置が許容範囲にあるかどうかは離陸時に操縦桿をまっすぐにホバリングに入れる地面を切るときに操作範囲の余裕が後どの程度あるかで判断できます。

 操作範囲の余裕が少ししか残っていないか、デッドストップに当たるときは重心位置が外れていると言うことです。

 ヘリコプターは重心位置が原因で事故になった例があります。

 その典型的な例は農薬散布するヘリが撒布装置の故障から片側のタンクからしか農薬が出なくなっていることに気づくのが遅れ、操縦かんの変位に気づいてホバリングして着陸しようとして傾きがとめられなくなって横転と言う例です。

 速度があるうちは水平を保てるのですが、速度が落ちてくると操縦かんの操作範囲いっぱいに操作しても水平が保てなくなるそうです。

 このようなときは速度を落とさないで飛行機のように広い場所へ滑走着陸で滑り込むような操作が必要です。

 またヘリコプターの場合時々テールロー他の故障と言うことが起こりますが、異常振動などが原因でテールローターそのものや、テール部そのものが脱落した場合には、テールコントロールを失うと同時にノーズヘビイのアンバランスが起きる可能性があります。

 このような故障は実際に体験された方もあるようですので油断がなりません。

 見つからないR44と但馬空港、、、、


 但馬空港は兵庫県北部地方の交通過疎地の起爆剤として、羽田空港や伊丹空港と短時間で結ぶと言う目的で兵庫県が大いに力を入れて作った空港です。

 当時は播但道などの高速道路の完成も遠い将来であると言う見込みや、バブル景気の行け行けどんどんでいつの間にか出来上がってしまいました。

 当時、兵庫県は航空先進県を目指していましたのでこの但馬空港のほかに、姫路北部にも小型空港を作るべく計画していて、この建設予定地を通る送電線の移設工事を関西電力は具体的に計画していました。また今はほとんど使われることのない、播磨地区学研地域内に播磨へリポートなるものまで作っています。

 そしてはるか前には一時期繁盛した神戸ヘリポートは早い時期に作られましたし、当時からすでに神戸空港は計画が固まっていたようです。

 今 振り返れば兵庫県が航空先進県を目指すと言う触れ込みで作ったこのような空港へリポートはほぼ100%失敗だったようです。

 神戸空港を含めて全ての空港ヘリポートは財政的に大きなお荷物になってしまっていて、当初の目論見の利用頻度は未来永劫とても達成できないでしょう。

 この段階で兵庫県のみを非難することは簡単ですが、考えてみれば日本国中どこでもほぼ同じような状態ですのでいったい日本国中の航空施設の過剰状態は将来どのようにケリをつけるのでしょうか。

 各県の首長にとっては頭の痛いことでしょうが、十分に使うことにない施設にいつまでも高額の税金を垂れ流すことは県民が許さないでしょうからいずれは廃止や休業と言うことになるかも知れません。

 このような問題を抱えた但馬空港でまたしてもヘリコプターの行方不明事故が起き、消息を絶ってから3日にもなるのに、いまだに見つからないようです。

 空港自体が山の稜線を造成して作った山間部に位置していますし、西側 南側は山間部 ですので小さいR44がこの付近で山中に不時着でもしていると、人家のある地域からまったく見えない聞こえないと言う位置にあるかも知れません。

 過去にはアクロバット飛行で有名なロック岩崎氏は飛行場内で墜落して亡くなっていますし、空港を飛び立って北部の海上上空でアクロバット飛行中の航空機が墜落したこともありました。

 来年春からは空港のすぐ下の豊岡市民病院を基地としたドクターヘリが運航されることが決まっているようです。 この地方特有の霧の多さや、冬季の積雪 降雪が運航上の大きな障害となりそうですし、天候に絡んだ今回のヘリコプターの事故が大いにドクターヘリにも影響を与えそうです。

 空港の存在はドクターヘリの運航に取っては必ずしもプラスに働く場合ばかりではなく、障害となることもあります。

 全国に数ある空港の中で、この但馬空港と広島西飛行場は視程が5キロ以上ないと離着陸できないことになっています。

 他の全ての空港は通常は5キロですが、特別有視界飛行方式による許可を受けることが出来、その場合は1,5キロの視程があれば離着陸が出来ることになっています。

 この微妙な視程制限の差がドクターヘリの運航の安全性と確実性に悪い影響を与えなければ良いと今から少し心配しています。

  スーパーモーニング キャスター鳥越俊太郎の馬鹿まるだしコメント、、


  山口県防府市の土石流災害の一夜明けた朝、テレビ朝日のモーニングショーを見ていたらキャスターの鳥越俊太郎がとんでもないことを言っていましたのでここに取り上げておきます。

このような人間がジャーナリストとはとてもいえないと思いますので、こんな放送によって真実から悪意を持って遠ざけられることはとても許せないことです。

北海道大雪山山系の遭難のときも同じような報道がありました。つまり今の報道はどうしても誰かを悪者にしないと気がすまないようで、自然の猛威を甘く見た登山愛好家が自然の猛威の前に命を絶ったものだと思っていましたが、報道や警察は罪人を作り出さないことには気が済まないようです。

今回の土石流被害の責任は山の木を伐採しすぎたことに原因があると、とんでもない犯人探しをしていましたので、そうではないことを自分の経験知識から言っておきたいと思います。

ゲリラ豪雨と呼ばれる短時間に狭い場所に大量の雨が降る集中豪雨は熱帯地方でよくあることで、土石流が発生することはいくらでもあり、インドネシアで1年ヘリコプターで各地を飛び回っていたときによく目撃しました。

自然林を伐採して禿山にするからそうなるのだと生半可な識者は良く発言していますが、木材業者は100メートル四方で1本か2本の製品となる木を切っているだけで、ほとんど緑が消えて禿山になることなどは皆無です。

それでもゲリラ豪雨の雨量が土石流を押し流すことなどは普通のことですが、日本のようにあっちにもこっちにも人が住んでいないのでニュースになることもありません。

土石流は当たり前の自然現象なのです。

さて日本は山林の過剰伐採のために土石流の被害が起こりやすくなったのでしょうか。人間が住む前からどこでも土石流は起こっていたでしょうがニュースと言うものがなかっただけのことでしょう。

一度でも日本の国土を上空から見てみたらよくわかるでしょう。日本には土石流を起こすような伐採過剰の禿山などはどこにもないといっても過言ではないでしょう。

実は明治以降から戦中戦後にかけて日本国中の里山は使えるような木は全て切り倒されて家など建物その他に使いつくされたようです。そして広葉樹の里山は炭を焼くために適切に伐採されたり、山菜やきのこ類を取ったりしながら適切に管理されていましたが、家庭用燃料の変化や会社勤めなどの社会の変化のために管理されなくなって荒れ放題となったようです。

そこで国は戦後、杉やヒノキの植林を全国的に推し進め、間伐などをうまく管理をして、治水と木材供給と言う国家戦略路描いていたのでしょう。

ところが海外の安い木材が大量に輸入されたため、国産木材の価格が暴落して山林を維持管理していけなくなったのは国民みな知るところです。

日本国中、山と言う山はそれは見事に植林されて、上空から見ると本当に見事ですが、いったん山へ入ると、適切な間伐をされていないので、一本一本が細くひょろ長い状態になってしまって山全体の保水力が落ちてしまっているようです。

どちらかと言うと、木を切りすぎるから土石流が起きると言うことはまったくなく、適切に切らないからなのです。

しかしそれとても自然の猛威のゲリラ豪雨に対して日本中どこも土石流が起こったら誰かのせいだなどと妄言は慎むべきでしょう。

割り箸は山の木を切って作るので、使うなと言う意見とまったく同じで適切に伐採された木材を有効利用して捨てることなく割り箸や爪楊枝にまで加工して使うことが山林を守り、引いては自然災害の被害を最小限に抑える効果があるということぐらい誰だってわかるでしょうに。

防府市の土石流被害現場付近は中国電力にお世話になっていた当時、送電線パトロールで何回となく飛行しましたが、それほど急峻な地形でもなく、山々は見事に植林されて青々としていました。ただ中国地方特有の崩れやすい赤土の地域ではあったようです。

土石流が起こるたびに過剰な森林伐採が原因でなどというキャスター あれは本当に馬鹿ですね。

 ここ1週間 大活躍するヘリコプター、手足を縛られながら、、、、


 北海道大雪山系の遭難、そして兵庫県での小型ヘリの行方不明、そして昨日は山口県防府市の集中豪雨被害とヘリコプターが大活躍するシーンがテレビにこれでもかこれでもかと放送されています。

 各地の救出飛行は厳しい地形条件、気象条件の中、おのおの各所属の違ったヘリコプターが互いに協力、連携 そして飛行技術を競いながら、見事にそれぞれの任務を果たしています。

 昨日は山口県防災ヘリと消防ヘリBK117とは消防ヘリAS365は最寄の北九州市消防でしょうか、それとも広島市消防だったのでしょうか、低空でホバリングして孤立した住民の方をホイストで吊り上げる作業をやっていました。

 さてこのような高い熟練度が必要な低空での捜索飛行、そして救出するための不整地 狭隘地への離着陸、そしてホイストで吊り上げる低空でのホバリングなど、ここ一番の特殊なフライトは、人命救助と言う単語がなければ全て航空法違反行為となります。

 それは航空法が低空で安全に飛行したり、狭いところへ離着陸するヘリコプターと言う特殊な航空機の存在を否定しているからに外なりません。

 これらは全て一律禁止され、一定の条件と安全性を確認すると言う作業をし、書類を起こし、一定期間以上前に許可を願い出ると言うことを条件に許可される制度になっています。

 つまり本番でやる救助作業飛行はまともに申請したら許可が出ない条件がほとんどですので、訓練のために同じようなフライトをすることが出来ないような制度になっています。

 なぜかと言うと離着陸は飛行機が着陸する滑走路の条件を角度と障害物の距離を緩和した数値となっていますので、本当に救助で着陸するような狭いところは許可が出ないと言うことです。また低空飛行時は常に不時着できる高度でなおかつスペースがあるところでないと許可条件は満たせなので、捜索やホイストでそんなことを言っていたらとても任務はこなせないでしょう。

 これは警察消防防災を含む民間ヘリに適用されるといっていますが、治安出動や防衛出動 またはそのために訓練で飛ぶ場合であって、それ以外の任務で飛ぶ防衛庁の航空機は当然航空法を守るべきでしょうから、民間 防衛庁とも捜索救助の訓練は同じでしょう。

 このような航空法のヘリコプターに対する取り扱いにどうしておかしいと声を上げる人がいないのでしょうか。

 ヘリコプターが世に出て50年もなるのに、このような大きな矛盾に対して、ちゃぶ台をひっくり返す とか ケツをまくる人が出ないのでしょうか。

 法律が決める違法行為を黙って黙々と人助け、捜索 を 延々とやっていれば良いのでしょうか。

 1昨日の小型へりが航空局が薦めた計器飛行もどきをしないで、低空を這って飛んできたらどうだったでしょうか、雲に撒かれたら計器飛行で回避しなさいなどと、生半可な計器飛行の科目を試験しなかったらどうだったでしょうか。

 低空で這って飛んできて、悪天候でどうにもならなくなったら、どんな狭いところでも自由に着陸するという権利をどうしていつまでも奪い続けるのでしょうか。

 自由に着陸できない法制度の元、飛行を続けようとしてあまりにも多くの事故が起こったため一時期、航空局は遠慮しないで安全に予防着陸をしてくださいと指導したことがありました。

 そのとき一番に、悪天候で予防着陸したパイロットが、天候が回復したので離陸しますと通報したところ、なんと着陸した場所の図面はじめ許可申請書類一式を提出し許可を受けてから離陸してくださいと言われたそうです。許可にならない狭さだったらヘリを陸送しろとでも言うのでしょうか。

 ここ1週間で大活躍するヘリコプターが法律上なんと大きな継子扱いを受けていることでしょうか。

 みんなでお膳をひっくり返しましょう!!

 

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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