ドクターヘリ 夜間運航は計器飛行の幻想から離れることが第一歩、、、、


 山間部を含めていたるところにあるランデブーポイントへの夜間着陸を昼間と同じように安全確実に出来るかどうかという点が、ドクターヘリの夜間運航の成否の決め手です。

 広く開けた平野部にある病院へリポートや、基地病院ヘリポートに、計器飛行方式で離着陸できることは特に、メリットはないとはいえませんが、今設定している数百箇所のランデブーポイントや、今の現場の直近に着陸する方式をやめて、各市町村に1箇所だけでも夜間照明を設置して、部分的な夜間運航を始めることは別にやぶさかではありませんが、それはヘリとクルーを夜通し待機させるに見合う出動回数があるかどうかが一番に問題となるでしょう。

 着陸できる場所が限られていると言うことはすなわち、救急車がそのランデブーポイントまで行く時間が長くかかると言うことですから当然病院へ直接行ったほうが早い場所にあってはヘリはいらないと言うことでしょう。

 これは昼間であってもドクターヘリの出動回数が極端に少ない都府県と同じ条件になると言うことです。

 つまり着陸場所の数が少ないと出動回数は極端に少なくなり、昼間と同じ効率で飛ぼうとすれば昼間着陸できる場所には全て着陸しないといけないと言うことになります。

 1件で数百箇所以上あるランデブーポイントに地上用の計器進入無線施設を設置することはまったくの論外です。日本には自衛隊 民間含めてそのような物が設置されているところは飛行場のみで、総数でも100箇所程度しかありません。それは少なくとも1箇所当たり数億円から数十億円単位の費用がかかり、また膨大な費用を使って維持管理されています。

 そんなものはなくてもGPSがあるではないかという意見がすぐに聞こえてきそうですが、通常航空用のものは全てが安全のために2重になっていて、レーダーがだめならVOR、VORがだめならレーダー、さらにはGPSとなっていて、今の運用状態では、GPSの電波だけで、山中にあるランデブーポイントへ、雲を突っ切って進入することは自殺行為というしかないでしょう。

 もちろんどのような航法援助施設を使っていたとしても、それぞれ定められた、障害物からの安全離隔距離と言うものは設定されていて、それにしたがって巡航から進入、着陸復航まで障害物からの安全な距離と言うものが保障されていなくてなりません。

 と言うことはそもそも山間部や障害物の山や送電線などが近くにあるような地形のところはほぼ計器着陸用のルートを設定すること事態が不可能なところがほとんどでしょう。

 さらに今までGPSを使ってそのような離着陸ルートを設定して、実証試験をやったこともなければ、やってみようとする声もありませんでした。

 それは誰もがそんなことは不可能だと思っていることもありますし、ヘリコプターがそもそも計器飛行方式で飛ぶ必要があると思うパイロットもごく少数派ではないでしょうか。

 ヘリコプターは低速で安定して飛べるので、計器飛行方式の空域は飛行機の3分の1程度、進入角度は通常の飛行機の3度の倍の6度くらいまで可能でしょうが、それにしても日本の地形は山が多すぎます。

 日本のヘリコプターのパイロットの試験制度を構築した人たちは、おおむね免許試験を行った自衛隊出身の運輸省の試験管パイロットたちでおおむね計器飛行をする資格を持っていましたし、計器飛行は有視界飛行よりも難易度が高く、有視界飛行よりも資格的にも上位にあってヘリコプターが社会的にも認知されるためには、計器歩行方式で飛びまわれるようになることが必要だとの認識を持っていたようでした。

 しかし 今になってもヘリコプターの計器飛行が定着しなかったのは、飛行機と同じ計器飛行をすることはまったくの必要性もなかったことと、ヘリコプター専用の計器飛行方式を設定することがいかに困難であったかという事でしょう。

 ドクターヘリが夜間飛ぶと言うニーズがすぐ近い将来への課題となった今、素人じみた計器飛行への幻想はきっぱりと捨て、有視界飛行とGPSによる安全な飛行ルートの設定による夜間飛行方式と言うものを本気になって構築したほうが早道でしょう。

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邪馬台国論争、畿内説有力になったか、、、、、


 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/259633/


 今日はいきなり古代史の話でヘリコプターとはあまり関係のない話です。、

 自分は大阪の東大阪に生まれ、日本書紀などにある、神武の東征の記述に出てくる、日下や盾津という地名が残っている地域のごく近くで育ちました。

 今は亡き小学校の恩師が歴史に造詣が深く、興味深くこのような歴史話をよくしていただきました。

 そんなわけで、学校校舎の新築工事で発掘された鉄剣や石の棺を直接見たりするうちに、自然と歴史に興味を持つようになりました。

 ふだん遊びまわる地域がちょうど生駒山ろくのあたりで、石で出来た横穴式の古墳か住居のようなものが多くあって、その中でよく遊んだものでした。もちろんその中では発掘の真似事をして、須恵器のような土器のかけらいっぱい拾って集めたものでしたし、付近の畑の土にはそのようなものの細かいものがいっぱい散らばっているような状況でした。

 神武天皇の軍勢が生駒山 大和の蛮族に対して朝日の逆光の中を、上りの地形で攻めてあえなく撃退され、はるか和歌山、南紀を迂回して、東のほうから順光でせめて、打ち破って大和の国の始まりとなったそうでした。

 その時代は今は陸地となっている大阪平野はほとんど海で、盾津から南に向かって進んでいるときに嵐にあって、船の舵が取れてしまったそうですが、その舵が流れ着いた東大阪東南部に今もある、舵無神社と命名された古い小さな神社でも、中学時代は遊んだものです。

 今はほとんどや和歌山を飛行していますが、ヘリパイロットになってからは、八尾空港を基地として飛んでいた期間が一番長く、この神武の東征の区域を、端から端までじっくりと上空から見る機会を与えてもらっています。

 那智の滝は海岸から10キロ近い山腹にありますが、史記のとおりに海岸線から離れて、航海する船から見事に見える位置にあることが良くわかります。
 また船をおりて、新宮川をさかのぼって大和盆地に進んだのか、はたまた伊勢神宮の近くまで航海して緩やかな地域を北上したの、飛んでいて非常に興味を引かれる地域です。

 このように有史以前からの歴史のいっぱいある地域をごく低い高度で長期間にわたって飛ぶ機会がありましたので、30歳を過ぎてフライトに少し余裕の出てきたころから邪馬台国の本を読みあさって50冊程度は読んだでしょうか、今は物置に埃をかぶっているのと同じように興味も幾分落ちてしまってはいるのですが。

 今日のニュースで桜井の箸墓古墳が卑弥呼の墓と年代がぴたりと合うということをまわりから出土した土器の炭素成分の分析で特定できたそうです。

 25年住んでいる今の団地の裏山の近くに ヒルメ(送迎)と言う地名が残っています。その昔、聖徳太子が斑鳩から河内へ出張されるとき、馬に乗っておつきの役人がたずなを引いていったようですが、ちょうど峠のところで、河内から来て待機しているお迎えの役人に交代したそうです。ですからその峠のところが送迎(ヒルメ)と言う地名になったそうです。

 そのような由緒ある地名が残っている地域の団地の名前を『 美しが丘 』などという馬鹿げた地名をつけしかも公式の町名に使用などとする、非常識な不動産屋がいたことは残念です。

 邪馬台国の話がまったく出ませんでしたが、大阪平野や大和盆地の上空を飛んでいると、無数の古墳があちこちにあり、そのひとつひとつがほとんど誰を祭ったものかわかっているようです。

 このような国は世界広しと言えども日本くらいではないでしょうか。

 やはり日本は世界に誇る歴史国家、邪馬台国のこともいずれ全てが明らかになることでしょう。

ヘリコプターパイロットの操縦姿勢は、、、、


ヘリコプターの操縦装置は操縦桿とコレクテブピッチレバーとラダーの3つが主なものです。

操縦桿は前後左右の傾きを、ピッチレバーはローターの角度を変えて揚力をを調整すると同時にエンジンの出力をコントロールして回転数を一定に保ちます。そしてラダーはテールローターの角度を変えて飛行機の方向舵の役割をします。

操縦桿は右手で前後左右に、ピッチレバーは上下に動かします。ラダーは両足で踏み込み加減を交互に調整します。

つまり、両手両足全てを常に使うので、オートパイロットが装備されていないとまったく手足を離すことが出来ません。

飛行機の場合は片方の手で動かすスロットルは、編隊飛行でもしない限り、通常は離すことが出来ますし、ラダーや操縦桿もヘリコプターほど頻繁に動かす必要はないようです。

高級車には座席を前後、上下に調整できますし、ハンドルはテレスコピッチで前後方向に、チルト機構で上下に動かせますので、完璧に個人個人の運転最適位置を選定できますし、一度設定すれば自分の最適位置まで自動的にセットしてくれる装置までついています。

ヘリコプターにはここまで完璧な装置はついていません。小型機では座席すら動かないものがあって、足で踏むラダーのみが前後に動くだけと言う悲惨な着座位置です。このようなヘリでは小柄な人は背中にクッションを入れないと、ラダーはおろか、操縦桿まで十分に手足が届かない位置になってしまいます。

中型機以上になるとほとんどは座席が前後 上下に調整でき、ラダーも前後に動かすことが出来るようになっています。

しかし 操縦桿の位置とピッチレバーの位置は動かせませんので、どちらかを最適位置に調整するために座席を前後 上下に調整するしかありませんので、どちらを最適位置に優先するかと言う選択を迫られます。

ヘリコプターの操縦で名人と呼ばれる人は、黄金の左腕と言う言い方もあって、微妙なコントロールがより難しいのは、左手で上下させるピッチレバーであると言われています。

ヘリコプターの操縦が難しいのは、そのときに使うピッチレバーの位置によって決まる、ローターの反トルクつまり左右方向に回されようとする動きと、テールローターの横方向に起こる推力(ドリフトと呼ばれる)によって、左右にスライドしようとする動きの変化にいかに操縦桿とラダーで対応するかなのです。

左右にまわされようとする動きは比較的わかりやすいのですが、ドリフトと呼ばれる左右にスライドする動きは高度が高いほどわかりにくくなります。

ですからピッチレバーをどのように動かすかと言うことが全てのコントロールの原点となりますので、ピッチレバーを長時間にわたって、正確にまた最小限の動きでいかにヘリコプターを動かすかにかかっていますので、左手が一番最適位置に座席を調整します。

体感する左手の位置だけで、どの程度の出力が出ているか、発生する揚力でどの程度ヘリを空中に支えられるかを、風の影響の中で計器類を見るまでもなく判断できるような操縦法を会得することが大切です。

これを十分に会得していないパイロットは、いきなり落とされて肝を冷やしたり、エンジンやトランスミッションの限界値を超えるオーバートルクをしてしまったりしがちです。

もちろん自分もその仲間でしたが、、、、、

 携帯電話 パケット料金に異議あり、、、、、


 携帯電話会社がもうけすぎていないかと記事を上げたらやはりパケット料金のトラブルに関する書き込みをいただきました。

 案の定と言う感じです。

 そもそも 物を買うときに値段がわからないで買う人はいないでしょう。パケット料金はどう考えても通話料金と同じで、従量制にするのが当たり前なのに、今はみなパケット定額と言うことで割引にしますと電話会社は嘯いています。

 その定額で使用するパケットの量は10万円20万円が普通で従量制で支払う人がほとんどいないので極割り引いて4000円ですと言うような設定となっています。

 ちょっと使えば10万20万になる料金設定は誰が考えても異常です。海外で知らないで使った人が100万200万請求されたなどはどう考えても公共料金の設定としては、犯罪行為でしょう。

 パケット通信が携帯電話の無線回線にどの程度の専有率をとり、音声通話のデジタル通信がどの程度のロードになるか、技術的なことはよくわかりませんが、何千万台ある携帯端末がフルにデジタル通信を行っていても圧縮技術によってパンクしたことはないでしょう。

 そして携帯電話端末をパソコンにつないで、インターネットにつなぐパケット料金は別料金であると言い張って、パケット定額にはふくまれないと設定し、別の無線ランをまた5000円程度の定額で売りつけることをしています。

 つまり公共の電波を利用して、自から設定した無線網を自分たちのまったく身勝手な料金体系を設定して、総務省 議員を取り込んで認可を受け、国民を犠牲にして儲け倒していないでしょうか。

 あなたが使った今月のパケット料金は10万円でしたが、パケット定額割り引きで4000円です。

 こんなばかげた料金体系が普通であるわけはありません。10万円がおかしいか、4000円が安すぎるかどちらです。もちろん10万円が異常であって、4000円ですら実は 馬鹿高い設定なのにだまされているのかもしれませんし、その 馬鹿高いパケット単位料金で携帯端末をネットにつなぐ料金も馬鹿高く、さらには別の無線ラン端末も同じようにだまされていないでしょうか。

 携帯無線網にかかる負担の割合に応じて料金を設定し、何とか定額でごまかすなということを誰も言わないのはどうしたことでしょう。

 さて 話はまったく飛んで、ドクターヘリです。

 どこかの知事がうちのドクターヘリは、固定料金契約なので、いくら飛んでも同じ料金です。今現在 まったく飛ばないので、有効利用のために隣の県にも無料で応援して有効利用をします。

 高い定額パケット料金を払っているから、いらないものもみんなで使おうよと言っているように聞こえますが、、、、、、隣の県でパケット通信するのは契約に入ってたのですかねーーーはじめから正当な金額で固定費用と従量費用を分けて契約するのが当たり前でしょうに、、、、

自らこのような どんぶり勘定の契約をする 官の体質がとんでもない携帯電話の料金体系を認可する素地なのでしょう。

 携帯電話料金は各社認可された料金ですがみな似たり寄ったりですので、個人が契約内容を選べるような体制になっていないので、今のところどうしようもないでしょうが、いずれ国民にひっくり返されるでしょう。向こう側にいるマスコミ連中にも負けないで、、、、

 一点集中、、、、、


 飛行機の操縦を習っているときに、一番してはならないこと、また陥りやすい欠点はやはり「 一点集中 」と言われることです。

 航空機を安全にスムースに飛ばすためには、操縦者があっちにもこっちに適宜適切に注意を配分し、迫り来る障害に対して、適宜適切に処置をすることでしょう。

 そのような能力が備わっていないと、狭いところに着陸したり、低空で飛行することを日常的に要求されるヘリコプターは何回でも墜落してしまいます。

 一点集中とは危機に及んで、その危機ばかりに目が行って、ほかのことがまったく目に入らなくて、他の危機が襲ってきていることに気がつかないで、さらに大きな危機を招いてしまうと言う危険性があるということで、操縦士は一番してはならないことなのです。

 また 一点集中状態に陥ると、その集中する一点さえもよく見えなくなって、対処法を誤ってしまうと言うきわめて危険な状態に入ってしまう事があります。

 ここまで書いてやはりふと思わざるを得ません。この状態はまったく今の日本の状態なのではないかと思ってしまいます。

 小沢さんの金権問題、北朝鮮のミサイルから、新型インフルエンザ 北朝鮮核実験と問題は次々変わってはいますが、そのときそのときは狂ったようにひとつの事をこれでもか これでもかと取り上げているマスコミの状態はまさに一点集中そのもので、国民もそのペースにまんまとはめられてしまっているように見えるのですが。

 パイロットと言うものの素質の中で「かなりの重要なファクターである一点集中でないと言う点、国家もマスコミも みな同じではないでしょうか。

 もっと冷静にいろいろな物事を満遍なく見ましょう。でないと気がついたらそれこそ取り返しがつかない危機におちないとも限りません・

 

 ドクターヘリ フライトナースになり手がいない?、、、、、


先日の病院関係者と運航側とのミィーテングの後の雑談中、看護師長さんから、フライトナースになり手がなくて困っていますとの話があってかなりの驚きでした。

 昨年度、ドラマでドクターヘリが取り上げられて、高視聴率をあげて、国民の間に、ドクターヘリが認知されるきっかけとなりました。

 このドラマのホームページの中でも中学生や小学生たちがフライトナースやフライトドクターになって傷病人の救命のための仕事がしたいなどとの書き込みも多く見られたので、現実の世界がこれほど厳しいものだとは思いませんでした。

 私が勤務する病院では、看護師さんの数は500人とも700人とも言われる数がおられるようですので、まさか10人程度のフライトナースを選抜することにそれほど苦労しておられるとは思いませんでした。

 フライトナースの選抜の要件は看護師資格を取ったあと、救急関係の部門に5年以上の経験があって、外傷救命関係の講習を受けていることだそうですが、この人にやってほしいと指名しても、たいていの人は断るそうです。

 まず普通、救急関係の厳しい部門で5年ももつ人がそもそも少ないそうで、それまでに離職してしまうことが大変多いそうです。

 また、いったん選抜されたら、医師と二人だけで外へ出て、瀕死の傷病者に対して、ほとんど誰の手助けもなく、処置看護に当たることは相当な業務なので、ヘリ当番の前日には良く眠れないほどですとよく言っておられます。

 普段は救急部門の看護師として、夜勤や長時間の激務をこなしながら、週1回はフライトナースとして厳しい現場へ飛んでいくと言うのはかなりハードな勤務となるのでしょう。

 また強風の中ゆれるヘリコプターで乗り物酔いとも戦うことも強いられます。

 そして このような業務をこなしながら、飛行しても1回あたりの搭乗危険手当では、スターバックスでの1杯のコーヒー代にしかならないそうです。

 同じ給料ならこれほど厳しい勤務はしたくないというのが、普通なのでしょうか。

 新しい世代の人たちが、争ってフライトナースを目指すような体制を作ってあげないと、救命医療という尊い場所がいずれうまくいかなくならないかと心配になってしまいます。

自分が勤務し始めて10名程度のフライトナースの方たちの中では、1年に1名以上に方は確実に離職されています。

 アナログ計器とデジタル計器


 デジタル表示器が普及しだしたころ、車の速度計などが一時デジタル表示となったことがありました。

 今はどうなっているかはよく知りませんが、一時期トヨタのフラッグシップ クラウンにもデジタルの速度計がついたことがありました。

 戦闘機のヘッドアップデスプレイを真似た装置がついいて、フロントガラスに速度を表示するものまで装備されたことがありましたが今もあるのでしょうか。戦闘機は強いGをかけて引っ張りまわすので、いったん計器版に視点を移したら、前方を見るために頭を上げようとしても簡単にはあがらないので、ヘッドアップデスプレイはきわめて有効でしょうが、車程度では何でもかんでもつければよいと言うものではないでしょう。

 デジタル表示は非常にわかりやすく、アナログ計器のように、斜め方向から読んだときに正確な値がわかりにくい視差と言う減少がありません。

 しかし、そんなデジタル表示も航空機にはあまり普及しないで、依然として旧式のアナログ表示が幅を利かしています。

 液晶表示の装置になってまで、表示はアナログ式の円形計器を表示するものも多くあるようです。

 それはなぜなのでしょうか。時計を思い出してみればよくわかるのですが、1時47分45秒を指しているとき、2時まであと何分あるか、あるいは35分から何分過ぎたのかまったく計算しなくても、すぐにわかることです。

 デジタルの速度計が87キロをさしているとき、50キロ制限の道路では何キロオーバーしているか計算しなくてもすぐにわかることです。

 計器の指示が何を意味しているか、瞬間的に判断できると言う点が優れているのでしょう。

 タービンエンジンの始動時の排気温度制限も後どのくらいで制限温度になるかも一目でわかります。

 もちろん回転数の制限やトルクの制限も後どのくらい使えるか、どのくらいの余裕で離陸できたのか一挙にわかります。

 これがデジタル表示ではいちいち計算しないとわからない恐れがあります。

 また、温度や回転数やトルク値の上昇速度や変化速度も一目でつかむことができるようです。

 デジタル表示は過渡期の値は読みにくく、ある程度落ち着かないと読めないと言う欠陥があります。

 そのようなわけで一時期デジタル表示が普及するのではと思われましたが、やはりアナログが結果的には生き残ったようです。

 腕時計を見ればよくわかるように結局はアナログ時計が廃れることはありませんでした。

 しかしアナログ計器にも欠点があります。

 最初に上げた視差の問題ともうひとつは機械式に表示するのが多いので、ギアなどが引っかかって指針が止まってしまうことです。

 そのれを防ぐために、初期のジェット戦闘機などにはインスルメントバイブレーターと言って計器版全体細かい振動を与える携帯電話のバイブのような装置がついていました。

 またインドネシアで一緒にとんだ、ベル社のテストパイロットをしていた米人の同僚は、ベル206のエンジンスタートのときいつもエンジンの回転計ををたたきながらスタートしていましたし、あるときなどは引っかかって動かないのにいらだって計器のガラスを割ってしまったことも実際にありました。

 硬い風 やわらかい風、、、、


 飛行中 ヘリコプターが気流の影響を受けて上下に揺れたり横方向へ降られたりします。

 そのゆれ方が激しいときは、同乗者が身の危険を感じて不安を抱いたり、乗り物酔いになったり、いいことは何もありません。

 気流は目に見えないのでどこでどのように揺れるかは、同乗されている方には想像がつかないので、急に大きく落とされたり、上げられたら不安になるのでしょう。

 低高度を飛ぶヘリコプターが乱気流の影響を受けてゆれるのは、ほとんどが気流が地形の影響を受けて、山や建物にあたった気流がその後方で渦となったり、急降下するためです。

 車がきれいな舗装道路を走るときは、揺れもなく快適ですし、船が波の穏やかな海面を走行するときも同じです。しかし荒れたでこぼこ道を走る車や、波の高い海を航行する船はゆれが激しくて乗り心地は最悪です。

 ヘリコプターが飛行中揺れるのはこれとまったく同じで空気の層が乱れていると言うこのなのですが、相手が空気なので目で見ることができないので不安になってしまうのでしょう。

 車が大きなわだちに入ってしまって転覆したり、船が大きな波で遭難したりするのとおなじように、乱気流の影響によって墜落したり、機体が壊れて事故に至る例もないとはいえません。

 このように乱気流の影響でヘリコプターが墜落した例の中では、一昨年の大阪航空のR22
が南海電車の線路上に墜落した例があります。

 また10年以上前ですが、旧エースヘリのAS330がフェーン現象による強風下、最終進入中に落とされて炎上し死者が出た事故もありました。

 いずれの日も強風は強風であったのですが、風の強さ以上に乱気流要因の強い吹き方の風であったように記憶しています。

 どうも、風の強さと気流の悪さと言うものは必ずしも比例するものではないように体感、実感として身にしみています。硬い風 やわらかい風と表現しましたが、多分多くのヘリのパイロットが体感として感じているのではないでしょうか。

 硬い乱気流に落とされて、3トンの生コンとともに全備重量8トンのAS332を奈落の底へ引きずりこまれそうになったパイロットはひとりや二人ではないでしょう。

 ヘリコプターの時計、、、、、


 航空機にはいっぱい計器類がついいています。

 小学生などがヘリコプターの操縦席に座って、興味深く計器類をうれしそうに眺めているときいろいろ質問を投げてきます。

 そんな時、こちらからいつも逆に質問をしてあげます。いっぱいある計器の中であなたが知っている計器があるんだけど、どこに着いてるかな、それは何かなという質問です。

 答えは時計なのですが、ほとんどの子供たちは、数多くある計器類の中から時計を見つけ出すことができません。

 全部同じように見えてしまうからなのでしょうか、航空機の操縦を習い始めたころはそれと同じように、多くの計器類の中から、必要な情報をすばやく、確実に、また抜けがなく得ることがなかなかできません。

 航空機の操縦と言うものは、必要な情報を的確につかんで、修正操作を最小限で行うことを会得することに尽きるでしょう。

 正しいあるべき計器指示をいかに狂わさないか、狂ったら最小の修正操作で正しい位置にあわせるかと言うことが操縦と言えるでしょう。

 航空機の計器類の中で時計は果たして何に使うのかと言う質問をする小学生はあまりいませんがそれは時計ですから時を計るという計器です。

 エンジンが正常にスタートするかどうか、スターターの駆動時間を正確に測って毎回の変化を読んでエンジンの健康状態をモニターします。

 また停止時には正確に決められた時間、クーリング運転をし、停止操作の後のコストダウンタイムを計測して回転惰性が変化ないことを確かめたりもします。

 離陸時間や着陸時間、予定通過地点の経過時間を計測して、速度や燃料消費の確認もします。

 山間部で物資輸送などで飛ぶときは、同じ経路を何回も往復しますので、秒針を回したままにして、自分で決めた稜線通過などの地点を、秒針がどこで通過するかを計測して一回一回の飛行の経過時間を計って、一往復飛行のどこに失敗があるか、どの程度うまく飛行できたかの結果を秒単位で判定することができます。

 このような物資輸送を長く一日飛行するときは、一回あたりの経過時間の変化を計測して、自身の体調の具合まで推測できたりしました。

 農薬散布では農薬が時間当たり正確な量が吐出しているかも秒針を回したまま正確な時間の計測に使ったりもしました。

 このように計器板に装備された時計はストップウォッチを酷使して使いますのでよく壊れたものです。最近までほとんど機械式の手巻きのものが多く、値段も数十万円と航空機用と名がつくだけで非常に高いものです。

 カシオのデジタル式とか セイコー シチズン などでも堅牢で正確なものがありそうですがよく壊れるものがいまでも使用されていることは日本人としては残念なことです。

 裁判員制度スタート


 裁判を傍聴したしたことが一度だけあります。

 雪の中を飛行する訓練中後輩が墜落し、航空危険罪で罰金5万円の略式処分を受け、検察は当然被疑者が5万円払って一件落着という予定だったのですがそうは行きませんでした。

もともとハイジャック犯人を重罰に処して、同様の犯罪が起きないようにと設けられた航空危険罪という法律の前提が、故意に航空に危険を生じせしめたと言うハイジャックを対象にしていたのですが、何を勘違いしたのか、故意の次に「または過失」という文言を入れてしまったのがそもそものボタンの掛け違いになってしまいました。

この法律によって裁かれるハイジャック犯人は数えるほどしか出なかったのですが、農薬を散布するヘリコプターは次々と墜落し、多い年には250機以上出動しそのうち20回も事故が起こる有様でした。

この法律によってヘリコプターのパイロットが次々と罪人に仕立て上げられて、ほとんど無条件に最低の金額5万円程度の罰金刑の処置にされ続けていました。

そんな馬鹿なことがあってたまるかと言う、当時のA社の社長の一声で本裁判となったのです。

裁判は過失の証明と言う、ヘリコプター操縦上のきわめて難しい専門的な分野での争点となりましたので、裁判長や検事はもちろん弁護側もほとんどまったくのヘリコプターの素人ばかりですので、技術的な失敗があったかなかったか、あるいは過失があったとしても被害者がまったくない事故で、本当に罪を問うような過失の程度なのかどうか、ほとんど素人には判定のつけようがなかったように記憶しています。

しかし裁判と言うものは被告が自分自身の意思で5万円の簡易裁判所の決定を拒否して本裁判を望んだのかどうかと言う、検事側からの強烈なパンチが最初にありました。

本人は5万円支払って終わりにし、面倒な裁判を何回もすることを望んでいたのかどうかでした。社長が裁判をやろうと言ったからやりましたでは、はじめから裁判は必要ないということで5万円支払いなさいで終わったでしょう。

本題に入って過失の有無の認定になったときに、検事は離陸に際してピッチレバーを十分に上げなかったことが雪の中へ突っ込んだ原因であるので、過失があると述べました。

弁護士は、では事故のとき被告のパイロットはどの程度ピッチレバーを上げたのか、またどの程度まで上げれば過失でなかったのか、何度程度なのですか、あるいはMAP計で何インチなのですか。具体的に証明してください。

これには検事側はまったくお手上げで、完全無罪で裁判は終了となりました。

航空事故の裁判や医療事故の裁判など専門的な分野での論争には、その道のプロでも困難な判定を一般の人たちが裁判員として参加して、有罪無罪 刑量の判定など本当にできるのでしょうか。

自分が唯一体験した裁判の様子を見るとき、難しい問題が次々に出てきそうに思います。

被告の後輩パイロットは新潟で事故を起こし、本裁判は大阪でやり、途中 東京へ転勤となりましたとき、検事さんがぽつりと漏らしました、不規則発言ですが、、、
「 この裁判 ○○さん(被告にさんずけは絶対に裁判ではないようです)の転勤と一緒に東京へ持っていってくれませんかねーー」

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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