明日から12月  冬季運航は、、、、



  (計器版の前方の地形、起伏が白一色で良くわかりません、離着陸のダウンウオッシュで雪を舞い上げるとさらにわかりにくくなります。)


 昨日、今日とやや強い冬型の気圧配置で季節風が強く肌寒い一日でした。

 ヘリコプターや小型機は冬季特有の飛行条件の悪い状態があって、そのために事故が起こったり危険なとこに出くわしたりすることがあります。

 特にヘリコプターは運航支援設備の整備されていない、山中や野外で運航することが多く、冬季間特有の原因で死亡事故が発生したり、墜落したりすることが多くありました。

 このために多くのヘリコプター運航会社では、12月になると直接運航に携わるパイロットや整備士にこれらの冬季運行に際しての注意点や過去の事故例などを改めて周知して注意を促しています。

 冬季運航の障害はなんといっても着氷が一番でしょう。

 私が生まれて初めて着氷を経験したのは、航空自衛隊でT33の課程のときでした。

 訓練も最終段階に入って、計器航法によって自分の好きな基地への航法訓練に出かけた時のことでした。

 朝のブリーフィングで日本中ほぼ雨模様でわれわれ新米のパイロットにとってはちょうどよいお天気の悪さだという訓練幹部の話を聞いて浜松から築城基地へ教官同乗で飛び立ちました。

 雨の中を離陸して、10分も上昇したら一面の雲の上ですので、築城上空までまったく快適な飛行でした。

 天候を問い合わせるとちょうど前線通過中のようで雨がひどく、ランウエー07の風が強いようでしたが雲が低すぎて、サークリングアプローチはできないようでした。ランウエー25で追い風で着陸することに決め、24000フィートから降下し始めて20000フィートをきったところで雲の中に入りました。16000フィートくらいで外を見たら主翼が真っ白になっていました。

 T33には翼の防氷装置はついていません。5000フィートくらいで温度が上がると一瞬にして氷は飛んでなくなりました。

 20000フィートを飛べるジェット機は防氷がなくてもあまり影響は受けないものなのですがヘリコプターの場合はかなり厄介です。

 小型のヘリは機体についた氷や雪がはがれてエンジンに吸い込むと一瞬にしてエンジンが止まることがあります。

 206BやH500程度のヘリの場合、コップ1杯分の水分にあたる雪や氷がエンジンに入ると止まるという実験結果もあるようです。

 このことが原因して琵琶湖上空で大雪の取材中の206Bがエンジン停止になり、オートローテーションでうまく着水したにもかかわらず、3名の方が溺死したことがありました。

 また長野県ではAS350が大雪の取材中同じように機体に付着した雪をエンジンに吸い込んでフレームアウトし、乗員が大怪我をしています。

 これらを含めて国内で10件程度以上エンジン停止の事故が発生しています。

 このような事例を防ぐ為に、雪などでエンジンが停止して回転数が一定以下に下がると再点火するような装置をつけている例もあるほどです。

 エンジン停止以外のことで大きく問題になるのはやはり、積雪の状態のところへ着陸するときの事故例でしょう。

 着陸時の吹き降ろしの強いダウンウオッシュで積もった雪が舞い上がって、姿勢や障害物が良く見えなくなるということが起こります。

 また積雪地は白一色で、着陸地帯の勾配や起伏状態が良くわからなくなるという危険性があります。

 このような場所への離着陸はある種のテクニックと知識がかなり必要で、航空局が許可しない程度の狭いところへの離着陸以上に技量が必要です。

 積雪地帯のドクターヘリの運航にはこのようなリスクも潜んでいるということは忘れてはならないでしょう。
 

 

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場外離着陸許可制度は、、、、、、



  (ホテルの2階くらいの高度ですぐ脇にホバリングして、このロープウエーの建設工事でメッセンジャーロープを取り付けました。もちろん着陸は許可にならないので裏六甲から飛んできましたが)


ヘリコプターは垂直に狭いところに離着陸できるという性能を求めて発明 製作されました。

 いわゆる飛行機とはまったく違う能力を持つ空飛ぶ乗り物です。

 これが発明され当時は性能が極めて低く、飛行機と同じように浅い角度で滑走するようにしか離着陸できませんでした。

 ところが送電線を作る資材を山の上に運搬するようになると、4トン近くの荷物を吊り下げて、性能いっぱいの重量であっても垂直に上昇降下できるほどになりました。

 ですから普通の離着陸時、飛行機のように長い直線の安定した浅い角度の経路を飛行しなくても安全に狭いところで離着陸できる能力を備えています。

 日本でヘリコプターが飛び始めたころ、飛行場以外のところへ離着陸するとこが普通に行われるようになったとき、一定の広さと、進入や離陸の飛行経路を一定の長さ、勾配を取れない場所は許可しないという制度ができました。

 その後ヘリコプターの性能がよくなったのと、公的ヘリコプター、警察や消防、防災ヘリなどの災害対応や救助飛行に際してこのような規制があると、活動が大きく制限されてしまうということで、このような目的の民間登録ヘリに対してのみ、かなりの規制緩和がされました。

 つまり 以前より狭いところや、進入離陸の勾配がきつくても許可になるようになりました。

 その後、ドクターヘリなどが頻繁に飛び出すようになると、このような規制緩和だけでも、救助活動などに支障がきたすようになって来ました。

 つまり事前に許可を取るということができない状態で、任意の場所に着陸することが求められるようになったことと、緩和されたとはいえ、それ以上に条件の悪い狭いところや、進入に障害物があるなど許可基準をどうしても満たせないようなところへも着陸する必要が出てきたからです。

 さらに規制が緩和され、救急や救助に際して、公的機関の要請で飛行する航空機は事前の許可なしにどこへ着陸してもよいこととされるようになりました。

 つまりは救助救急時は実質的には規制がなくなったということなのですが、ここで大きな矛盾が出てしまっています。

 救急や救助 つまり 実働で飛ぶときはよいということになったのですが、パイロットが同じところへ着陸する訓練はできません。許可要件の広さや勾配が満たさないところへの訓練ができないということなのです。

 民間のヘリが撮影や物資輸送などで着陸する場所は、広さが足りなかったり、進入区域に電線や立ち木などがあると許可にならないために、その営業活動を大きく規制される事となっています。

 救助や救急の飛行の場合は、患者さんや要救助者などの乗客を乗せて飛ぶ急を要するフライトでも条件の悪いところへの離着陸を認めながら、十分準備や調査ができる他の営業飛行で同じ事を認めないということは、ヘリコプターの性能が格段に進歩した現代にはそぐわないものではないでしょうか。

 今の許可制度を改善してはいかがでしょうか。

 ヘリコプターが離着陸する場所はどのような条件のところであっても、十分調査をして、正確に届け出て、ランクをつけて許可を出し、そのランクにあった運行方法、重量を制限したり、操縦士の条件を規制したり、風向風速制限を課したり、離着陸訓練をすることを条件とするなどの方法によって安全性を確保してはいかがでしょうか。

 今の許認可制度では離着陸許可基準が厳し過ぎるのに、救急救助ヘリは規制なし、おまけの合法的に訓練できないという大きな矛盾を抱えています。

 訓練できなければ新人はまったく育ちません。

BELL214B、、、、、、


 私がヘリコプターを乗り出した次の年の1973年でしょうか、日本に初めて214Bが導入されはじめたのは。

 1973年入間で開催された航空ショウに214は登場し、いすゞのトラック2,5トンを軽々と吊り上げてダイナミックな軌道飛行を展示しました。

 そのときのパイロットは富士山頂物輸で有名なKさんでした。当時はまったくの駆け出しのヘリパイしかもまだノーライセンスでした。

 その後35年もその道を続けることになろうとは想像もできませんでした。

 その後214は日本では20機以上も導入され、日本の山岳部の大型送電線の半分以上はこの機体が作ることとなったのです。

 もともと214Bはこのような目的で製造されたのではなく、高温の砂漠の国のイラン空軍が多目的用途に高性能のヘリを必要としていたところにベル社が開発したものでした。

 50機納入に際して、ベル社から派遣されて訓練を担当した、ベトナム帰りの米人パイロットとインドネシアで一緒に働いたときにそのようなことを言っていました。

 何らかの事情があってイランは214の使用を取りやめてベル社に付き返してしまい多くの機体があまっていたところ、日本の送電線建設工事に白羽の矢が立って多くの機数が急遽、日本に来ることとなったようでした。

 2950馬力のT55を積んで1950馬力の定格で畳みのような幅広のローターをぶん回していますので、やはり小ぶりな205と同じ胴体では無理があったのでしょうか、何回もエンジンが停止し半数近くが墜落しています。

 同じシリーズのT55エンジンを使っている、チヌークやC130などはあまりエンジンが止まったようなことは聞いていませんので、やはり振動をうまく吸収できなかったことが無理を与えたのではないかと思います。

 直接の原因はエンジンでドライブされる補機類を回すギアーが坊主になって燃料ポンプが止まりフレームアウトしたようです。坊主になったほうのギアを強化型に変える処置をしたのですが今度は反対の方のギアーが坊主になったそうです。つまりは長時間にわたる振動が原因だったのではないかと今にして思い当たります。

 もう20年ほど前になりますが、当時大阪の運航部長のYさん東京から単身赴任の帰任にあわせて空輸途中、豊橋上空6500フィートで突然エンジンが止まったことがありました。

 ちょうど同じ時間自分は204Bで四国から八尾に向かって空輸していました。冬の好天で高いところのんびり飛んでいました。Yさんも同じだったのでしょう。

 八尾に無線を入れたところ、今5分前214がエンジンが止まり無線が途切れたとの報告でした。

 Yさんはエンジンが停止した瞬間はとまったことが信じられなかったのか、確認したかったのか「とまったよな、とまってるよな」と緊張で無線のトリガーを引きながら、隣の同乗整備士にしゃべったそうですが、それがモロに無線で八尾まで飛んで傍受していたそうです。

 その後6500フィートの高度を十分い使ってYさんは121,5緊急周波数でメイデイコール(緊急通報)をしてからオートローテーションで見事にノーショックで水田に着陸しました。

 八尾からの無線では無事かどうかまだ連絡はないと言っていましたが、それから十数分後には無事着陸したとの電話が入り、皆やったーと思ったものです。

 しかし同乗していた整備士は1月くらいで退職してしまいましたので、やはり強烈に身の危険を感じたのでしょうか。

 その後 自分自身も214に乗ることになったのですが、50時間も乗らないうちに訓練試験を一緒に受けた同僚が事故死して、全機アメリカへ売却することとなりました。

 畳が分回るヘリ、セスナの主翼と同じものが2000馬力でぶん回すヘリ、すごいヘリでした。

 ドクターへりを運送事業形態で飛ばすことは本当にいいのか、、、、


 民間のヘリコプターの運航は自家用運航、使用事業運航、運送事業運航と3種類に分かれています。

 つまり 乗客を有償で運ぶフライトが一番により安全でなければならないという基本的な考え方があります。

 よって、自家用運航はより規制が少なくて、安全でなくてもよいということではありませんが、自由に飛べるという利点がありますし、運送事業は多くの規制がかかるという欠点といえば欠点があります。

 この考え方はいわゆる飛行機、定期便の飛行機や小型固定翼機の運航を元にヘリコプターに延長して決められたルールです。

 小型飛行機が送電のすぐ脇をとんだり、ホイストで人を吊り上げたりすることもありませんし、翼端が立ち木から10メートルのぎりぎりの滑走路に着陸するとこもないでしょう。

 今さかんに活躍している、防災へりや消防へりはそのようなことは普通に行っていますので、果たしてヘリコプターの運航仕分けを、自家用 使用事業 運送事業というようなわけ方に何の意味があるのかというような疑問も当然ながらあるでしょう。

 ヘリコプターにはヘリコプターの飛行内容というものがあって、安全に飛ばすためにはどのような、要件が必要であるかというような事はある程度以上、業界関係者、監督官庁とも理解はできているように思います。

 たとえば運送事業で飛行するヘリのパイロットは90日に同型機で3回以上の離着陸経験が必要であり、夜間飛行する場合はその3回のうち1回は夜間に経験しておくことが要件となっています。

 そして、運送事業の機長としての資格要件は、500時間の総飛行時間で同型機30時間以上、夜間飛行や野外飛行の要件とかがあったようですが、これらをはるかにクリアーしていても、夜間のドクターへりを飛ばす能力があるかどうかなどは、誰もわからないでしょう。

 防災機や消防機そしてドクターへりが夜間、山の中へ飛ぶという新しい状況が出てきそうなこの時期に、運送事業がどうしたこうしたなどというような議論ではなく、まったく新しいことに挑戦するのだというような気構えで、ヘリコプター関係者一丸となってあたる内容ではないかと思います。

 遥か、50年も前、多くの先輩が日本国中の水田に農薬散布をするために力を結集して250機ものへりを飛ばした実績があるのですから、やってやれないことはないでしょう。

 ヘリコプターのドアー、、、、


 普通の民間の飛行機の場合は飛行中にドアーを開けるということはほぼありえません。

 ヘリコプターも初期のころは同じだったようですが、ヘリコプターが空中で一点に止まって吊り下げで救助作業をしたり、荷物を吊り下げて飛行することが普通になって、ドアーをスライド式のものを取り付けて、飛行中に開けることが多くなっています。

 今、流行のワンボックスカーと同じようなものがついいています。

 初期のころのものは立て付けが悪く、開け閉めができなくなったり、最悪の場合はドアーそのものを飛行中に落としたりする例がかなり起こっています。

 私自身も飛行中ではありませんが、1980年代に9月1日の防災の日の訓練が盛んだったころでした。

 関東地方のある県の防災訓練に参加し、大地震が発生したという想定で、AS350にドクター1名、ナースを3名載せて、とある小学校へ飛びました。

 数百名の児童が見守る中、校庭の真ん中へ着陸、ナースの方がスライドドアーを開けたところ、ストッパーで止まらずにそのまま地面にドテンとドアーが落ちてしまいました。

 職員室で電話を借りて、ヘリポートの整備士と打ち合わせ、機内にドアーを積み込んで、シートベルトで固定して、ドアー開放の制限速度も守って基地まで飛んで帰ったことがありました。

 当時AS350はこのスライドドアーのトラブルが続き、最悪は耐空検査の最高速飛行テスト中にぶっ飛んだことまでありましたが、幸い機体に当たることなく無事飛んで帰れたようです。

 飛んだドアーは枯れ葉が落ちるようにふわふわと農家の納屋の屋根に乗っかり、上空からパイロットがそれを確認したところ、農家の人が大きく手を振っていることを見て、怒っていると思い、基地へ飛んで帰ったそうです。

 農家の人は実はかえしてあげるから降りて来いと合図してくれていたそうなのでした。どこのへりが落としたかわからないため仕方なく警察に連絡し、落とし主を探すように手配したところ、その情報がマスコミに流れ、テレビでそのドアーがそのものが放映されてしまいました。

 なんと そのドアーにはチャーター主の要望で『 安全はわれらの願い 』と書いてありました。

 へりのドアーは車のものに比較してかなりの軽量に作られているために、一般的にたてつけも悪く、扱い感もよくありませんがもう少し何とかならないものかといつも思います。

 S76のドアーだけはキャデラックのものを踏襲して作ったと聞いたことがありますがやはりよいつくりになっているようです。

 静岡空港 やはり 開港延期、、、、


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081125-00000056-san-soci


 測量ミスから開港が危ぶまれていた静岡空港はやはり最低3ヶ月くらいは開港延期となるようです。

 滑走路延長上の地権者が立ち木の伐採に応じないので、進入表面に障害物が突出することになり、計画通りの滑走路2500メートルは使えないようです。滑走路を300メートル短縮して、飛行場灯火を付け直して変更申請を行って暫定的に開港するようですが、その手続きに時間がかかり開港が遅れるようです。

 飛行場設置者(県)の失敗により1900億円かけた空港の開港が3ヶ月遅れるための経済的損失、追加修正工事をするためにかかる費用、などが県民はじめ関係者の負担増となることは間違いありません。

 この損失のトータルは50億円程度にはなるのではないでしょうか。

 飛行機にたとえれば、離陸体制に入ろうとしたところでいろいろとトラブルが発生し、故障の修理や、天候確認などが遅れ遅れでいつになったら離陸できるのかと思っていたところ、やっと飛べることになったものの、乗客を30%降ろさないと重量オーバーだとわかったようなものでしょうか。

 この静岡空港の次には茨城空港の開港でいよいよおしまいとなります。過去50年に亘って続いてきた日本の空港開発の歴史はいよいよ終わったようですが、最後に及んでこのような無様な失敗が表ざたになるとは今までの空港開発の歴史を象徴しているような出来事です。

 後は成田、羽田、関空の拡張工事が残るだけとなります。

 空港整備特別会計によって全国の各県に空港を作ってきた原資となった航空燃料にかけられた税金は今後どのようになるのでしょうか。

 聞くところによるとこの原資は今後空港本体の整備費用だけでなく、空港周辺の地域整備にも、使用できるようにともくろんでるようなこともあるようです。

 それが良いのかどうか、議論が分かれるところでしょう。

 これで全国の都道府県で空港のない県は、奈良県、京都府、埼玉県、群馬県、山梨県 岐阜県 滋賀県、三重県、このくらいでしょうか。

 このような府県は今後どのように動くのでしょう。

 また、空港整備特別会計が、新規整備分がなくなった分をドクターへり、防災へり、などの緊急ヘリコプターのための離着陸場や夜間照明施設の整備に使われれることは期待できないのでしょうか。やはりそれは厚生省予算、消防警察総務省予算ということで縦割り行政維持を抜けきれないでしょうか。

 いずれにしても今後100年以上、新たに空港が作られるということはないでしょう。

 ドクターへり導入の障害となること、、、


 全国に14にすでに導入されたドクターへりですが、今後 各県に次々と導入されて、最低各県1機づつ、全国で50機配備されるようになるのでしょうか。

 各県が負担する運航費用の問題が一番の障害となるということがよく言われています。

 いわゆる 過疎地の多い県ほどドクターへりが必要であるにもかかわらず、そのような県はおおむね貧乏な県では、ドクターへり1機分の県の負担分年間 8000万円やヘリポートや給油施設の整備費用などを負担することが難しく、そうは簡単に導入できないのではないかということが言われています。

 まったくそのとおりなのですが、ほかにも導入に際しての障害があるように聞きました。

 いわゆる貧乏県にはドクターへりで県内の重症患者を集中的に受け入れるだけの設備や、ドクターナースの員数や、また救急医療から引き続いて医療を行う、十分に各科の総合医療資源があるかどうかかなり難しいのではないかとも言っておられました。

 もちろん3次救急病院でなければならないのですが、3次救急病院でもピンからキリまであるそうですし、また、通常は県内の最大の救急病院にヘリを置くことがいいのですが、ヘリポートが設定できるかどうかなど、いろいろな条件があって難しいようです。

 フライトドクターがへりで救急現場へ飛んでいって救命処置をするところまでは、ドクターへりが大活躍なのですが、その患者さんをしかるべき十分な設備とドクターナースがいる病院へ搬送して医療を続けられる体制があるかどうか、なければどのようにするのかが問題となるようです。

 つまり県内にひとつ大きな病院があって、どんな傷病にも十分に対応できて、ベッド数にも余裕があるような大病院にへりを置けばよいのですがそのような理想はなかなかないようです。

 救急車やドクターカーなどでの救急医療体制に問題があるところで、搬送に時間がかかるということは解決できてもそのほかの問題は一向に解決しない恐れが大きいということでしょうか。

 なにぶんヘリコプターのこと以外は素人ですのでよくはわからないのですが、今後のドクターへり全国配備にはなかなか難しい問題があることは確かなようです。

 これは新しくドクターへりを導入される県から派遣されて研修に来ておられた、若い救急医の先生から聞いた話です。

 偽医者とライセンス


 関東地方で偽医者が25年にも渡って、医療行為を続けていたことがばれて検挙されたようです。

 彼はかなりの良い評判の医者であったそうですが、医者という職業はライセンスを診察室に掲示することも、業務中に携帯、携行することも求められていないようです。

 患者としては医者を信用するしかないということでしょうが、偽医者の評判がよかったということはライセンス制度というものはいったい何なんでしょう。

 航空従事者は業務中はライセンスを携帯することを法によって求められています。写真のように昔のライセンスは非常に立派にできていてとても携帯はできませんですが、最近のものは少し安っぽいカードタイプになっているようです。

 偽医者がライセンスの提示を求められなかったように、私も35年ほどのパイロット生活で見せろといわれた経験は一回もありません。

 このような状態ですので、昔は同僚先輩などほとんど会社の机の引き出しの中か自宅においているものが多かったようです。

 ライセンスを見せろといわれる一番の例は事故が起こったときです。過去に送電線パトロールで墜落した先輩が怪我もたいしたことが無くて良かったのですが、事故の時に会社に電話を入れた、第一声が机の引き出しの中にあるライセンスを持ってきてくれだったそうです。

 ライセンスを法規どおりに携帯していたり、地図、資料入れに入れて携帯しているパイロットは落としたりなくしたりする危険性があって、実際になくした人も何人かいます。

 送電線パトロール中にドアと座席の間においていたバッグが突然ロックが外れたドアの隙間から山の中に落とした例や、休憩中、何の気なしに水平安定版の上にかばんごと置いて、そのまま忘れて離陸してしまった例を聞いたことがありました。

 今は厳正な時代になっていますので、少なくともパイロットは携帯はしていなくても携行はしていますので、もしライセンスを落とすと再発行まで少なくとも一月はかかりその間は飛行できません。

 そのような例も実際に起きています。これは少し不合理な規定だと思うのですが法はそうなっているので会社としては飛ばすわけにはいきません。

 定期便のパイロットがライセンスを持ってくることを忘れて欠航したような例もあったようです。

 医者はライセンスの携行や提示義務はないようですので、なくしたとしても業務は続けることが出来そうですが、パイロットは業務が出来ないこととなっています。

 また 偽医者がよい医者だとの評価を受けていたようですが、へりのパイロットの場合はライセンスのない偽パイロットは飛行できる技術は絶対にないでしょうから、偽医者のようなわけには行かないことは確かです。

 木枯らし1号、、、


 全国的に昨日あたりから真冬並みの本格的な冬型気圧配置となって、日本海側は本格的な雪、太平洋側は木枯らし1号が吹き荒れたようなお天気でした。

 飛行機はおおむね広い平野に作られた空港に離着陸するので、少々風が強くても、横風成分が一定以上にならない限り、あまり離着陸に支障が出ることは少ないようです。

 ドクターヘリを含むヘリコプターは冬の強風時期はいろいろと風の影響を受けることが多く、ある意味パイロット泣かせの時期となります。

 一番影響を受けるのはやはり離着陸の時です。

 比較的広い平野部での離着陸は空港と同じようなものですが、山間部での離着陸はかなり事情が違ってきます。

 まず風の方向ですが、強い北西の季節風は山間部に入ると、地形の影響を大きく受け、北西風が山の形や、谷の方向など影響を受け、必ずしも北西風でなくなる事が厄介です。

 その方向は風の息の影響などで短時間にまったく逆方向から吹くこともまれではありませんので油断ができません。

 山間部の風は水平面での方向はこのようなのですがこれ以外に厄介なことに垂直方向の成分がそれ以上に影響を与えます。

 強い風は山の表面に沿って流れますので、当然山に当たれば吹き上がり、稜線を超えれば強く吹き降ろしたり、強い渦となって乱気流となってヘリコプターを翻弄します。

 15メートルの風は45度の角度で吹き降ろせば、垂直成分は1秒間に10メートルの吹き降ろしとなって、1分当たり600メートル2000フィート落とされますから通常のヘリコプターの最大上昇率を持って戦っても水平飛行がやっとということになります。

 つまり上昇成分は少し乗り心地が悪い程度で済みますが、下手に降下成分に入ると命をなくすことにもなりかねません。

 ですから15メートル程度の季節風の中、山間部のランデブーポイントへ患者さんを迎えに行くという技術は、ただ単に高く飛んでいって着陸すればよいというようなものではありません。

 山間部の風がどのように流れていて自分はどこを飛んでいくことがもっとも安全で効率的に飛べるかということの毎日の実践となります。

 全備重量8.5トンの332も1.5トンの206Bも同じように持ち上げられ、落とされますのでヘリコプターにとって風というものは固定翼機とはまた一味違った重要なファクターです。

 ついに勃発 年金テロ事件、、、、


 枡添大臣が今回のテロ事件に対するコメントを述べていました。いかなる理由があろうと暴力に訴ええることは許せない、、、、と力なく述べていました。

 つまり自分もテロを絶対に許さない変わりにに今の問題はすべて、必ず解決すると言い切る自信がないので弱々しく答えるしかなかったのでしょうか。

 政治の責任にあるものは、宗教問題じゃないのだから、テロなんかしないでくれ。必ず解決するからと断言するべきでしょう。

 今の20代30代の若者たちは50%近い人たちが年金を納めていないようです。

 ということはこの人たちが年金を受ける時代 30年後には確実に年金制度は崩壊しているでしょう。

 もう数年で年金を受ける年代の団塊の世代より年上で生存中の人たちの年金不納付率はいったいどのくらいなのでしょうか。ほとんど100%近い人たちが正規労働者として子育てしマイホームを買い、いい車に乗る生活をできたのですから、ほとんど皆そろって納めていたのでしょう。

 非正規労働者やニートばかりが目立つ今の若者たちは、自分が子供のころから育つのにどの程度の金がかかったくらいはわかっているでしょうし、自分たちが同じように子供ができて、マイホームを買って、いい車を買って暮らしていけるなどと考える人はいないでしょう。

 そしてそれは彼ら若者たちは自身のせいではないことも、わかってはいるでしょうがそのような不満を世の中に訴えたり、権利としての選挙権を行使しても変わるなどとはとても思ってはいないでしょう。

 いよいよそういう若者たちの氾濫が起こり出したのでしょうか。

 秋葉原も今回のテロも根は同じように見えて仕方がありません。

 特に今回の年金テロはかなりの計画性と、年金制度に対する深い知識や不満、社会正義への強い思いいれが見受けられます。

 医者という人類は変わったやつが多くて、世間ずれしているなどととんでもないことを公式の場で発言するような、変わったやつはとても彼らを納得させられるような政策を実行できないような気がして仕方がありません。

プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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