訓練空域とドクターヘリ、、、、、
この病院の場外離着陸場(立派な臨時へリポートです)は訓練空域内にあります。高度0から訓練空域ですが無線はまったく通じません。電話でやり取りせよと言うのでしょうか。
日本の空には訓練空域と呼ばれる空域があります。
私が飛行機で飛び出したころは訓練空域と呼ばれる空域はありませんでした。
日本の空に飛行機が増えだして、また民間にもジェット機が導入されるようになり、20000フィート以上の高空にも高速の交通量が増えだして、いわゆる ニアミスの危険と言うものが航空自衛隊の中でも言われ始めていました。
そんな折、同期生のI君が雫石の上空でANAのB727に追突され、162名の乗員乗客が死亡する当時としては世界最大の航空事故となりました。
そして日本の空に訓練空域と言う空域が設定され、訓練機とその他の航空機が分離され保護されることとなりました。
その規定で割を食ったのは一方的に航空自衛隊だけでした。
なぜかと言うと、空中戦の訓練や、アクロバットや 編隊飛行の訓練は広大な空域が必要で、それ以前は航空路を除いた空域に自主的に訓練をする空域を設定して、その訓練の内容によって適宜空域を自ら選んで飛んでいました。
設定された 狭い空域でないと訓練は一切負かりならんと言う、民主勢力に負け、自ら持つ防空レーダーで誘導されながら行うと言うまったく訓練効率を無視した方式を強制されたのです。
と同時に平等の法則と言うのでしょうか、民間訓練空域と言う空域も設定され、この空域内でこれから免許を取る訓練生が行う、旋回操作や失速からの回復訓練を行うこととなりました。
それから30年近い年月が過ぎ、今度は民間訓練空域内で、訓練中の大型ヘリコプターと同じく訓練中のセスナが衝突して双方6名の方がなくなりました。
両方とも名古屋のN航空の機体で、当時は訓練空域で同時に複数の機体が、ただ単にほかにも訓練機が飛んでいるという、情報を承知しているのみで、飛ぶことが許されていました。
この事故で、日本国中の民間訓練空域を統括管理する部署が設置され、訓練機はもちろん、この空域を通過する航空機も管制機関に無線で通報する義務を課せられることになりました。
ここで少し問題なのは、この通報を義務化するにあたって、訓練空域内で無線が通じないところが多くあるので、ただちに義務化は無理ではないかと意見を言ったことがあります。
無線が通じなければ、通報する義務を果たせないし、さらに言えばすべての訓練空域はレーダーによってカバーされていて適宜、他の航空機の動向を監視してもらわないと、訓練空域の安全が保てないのではないかと言うことです。
全国のドクターヘリが緊急発進状態で離陸して、飛んでいく先は訓練空域の外にあるところとは限りませんし、訓練空域を管理する部署に緊急用のホットラインがあると言う話は聞いたこともありません。
さらに緊急に離陸して、訓練空域に近づいたから、無線で呼ぼうにも通じないところがあります。
レーダーのカバーエリアであれば、あらかじめ一定のビーコンコードを指定してもらえばしてもらえば
自動的に識別していただけることも可能でしょうがそれも今は出来ていません。
通報の義務を課するなら、無線が届かないエリアは早急に解消するべきでしょうが2年も過ぎてもそれが放置されているのは、定期優先の航空行政と言われても仕方がないでしょう。
定期航空会社が民間の低高度訓練空域を使用する可能性はほぼゼロだからです。
ドクターヘリ 高速道路着陸は出来るようになるか、、、、
(この写真のようなところに着陸することは世界の常識です。日本では犯罪者となります。)
今の時点でドクターヘリが高速道路に着陸することは、認められたと言う話は聞いていません。
ただ 2,3回着陸して患者さんを搬送した例があると言う話しは聞いたことがあります。これは特異な例であるだろうと認識していますし、最近国道に着陸したと言うこともあったようですが、ある筋から抗議めいた動きがあったようです。
私の想像ではたぶん、今後10年以内にこのような点が解決して、国道や高速道路にドクターヘリが着陸して、患者さんの救急搬送がなされるようにはならないと予想しています。
その理由の一番はやはり、航空法上の離着陸許可の問題です。
運輸省航空局(今は国土交通省ですが)はもともと名前があらわすように運輸です。航空で言う運輸とは定期航空しかありえません。
GA(定期航空以外の航空、一般航空とも言う)はそもそも運輸と言う仕事はありません。セスナなどの小型の飛行機もそうですが特にヘリコプターはその始まりが新聞航空、そして農薬散布、続いて送電線建設、テレビ局の取材、そして 警察航空、消防防災航空、そして最近になってドクターヘリと続いています。
それぞれが、総務省 農林省 通産省 自治省 厚生省と運輸省の管轄する運輸行政以外の分野で飛んでいます。
たまたま 乗員整備の免許の関係や運航整備の行政管轄が定期航空の分野と一致していたために、いわゆる航空行政の中で縛られることとなったのが不幸の始まりでした。
つまり、低空飛行や飛行場以外の場所に離着陸をする可能性のまったくない定期航空と同じ法体系の元で規制されたヘリコプターは羽根を半分もぎ取られながら飛んでいるようなものです。
ドクターヘリが許可基準に合わない狭いところに自由自在に離着陸しないとその存在がほぼ否定されてしまうような状況になった時、運輸省は、航空事故などに際して、救難救助のヘリが低空飛行や救助のための離着陸をしてよいと言う項目をドクターヘリにも当てはめると言い出しました。
その程度の危険を冒しても、俺たちは知らないから好きにしろといっているようなものです。
つまり、運輸省は運輸以外の航空にはほとんど興味がないというか、係わり合いになりたくないと言うことが本音でしょう。
そのような法律の適用は一官庁が決めていいものではないと思います。そのような状況で事故が発生したら必ずその法律の適用が正当なものであるかどうかは、裁判で司法が判断するでしょう。
このような状況に中で道路公団(高速道路会社)が着陸の許可をなぜ出さないのかと責められています。
高速道路会社は事故に合った傷病者のお客様を、速やかに救助することも非常にに大切ですが、まったく関係のない対向車線を通行するお客様の安全も非常に大切です。
航空法上の着陸許可は一定の安全性を確保されたことを確認して発せられるわけですから、正式な着陸許可がない状態で、ヘリ会社や病院関係者が大丈夫だから着陸させろと言ったとしても、はいどうぞとは言えないでしょう。
また、高速警察隊が安全を保障してくれるわけもないでしょう。
この問題の第一歩は、航空局がヘリ会社やパイロットたちとよく相談して、しかるべき訓練をさせ、着陸を許可する物理的条件(広さや障害物など)を今の許可基準にこだわらないで決め、その他の機関と十分協議して、一定の安全性を保障して許可を出すことでしょう。
高速道路会社は自社の道路の財産権を持っていて、安全管理を確実にする義務を負っています。
航空行政当局が一定の安全性を保障した上で、離着陸許可を出さないようなヘリを はいどうぞ、と言うわけには行かないでしょう。
ちなみに、地方整備局の管理する河川敷、国道、県が管理する県道、教育委員会を通して管理する学校、運動公園、これらの場所も正式にドクターヘリが着陸する許可文書を発行しているところはありません。
さすがに民地は消防当局が口頭で、許可をいただいているようです。
高速道路会社が着陸していいですよと簡単にいえないことも十分理解が出来ます。
過去に2,3回着陸したのは、たぶん パイロットが勝手に降りたのでしょう、と言うことで済んでいるのでしょう。
医療無線妨害検挙、、、、、
ドクターヘリで使っている医療用無線の周波数を使って、妨害していたとして埼玉県でトラック運転手が検挙されました。
栃木県でのも同様のことがあり、全国で2例目の摘発となったようです。
ドクターヘリの使う医療用無線とは、ドクターヘリが飛び立った後、ドクターとCS(無線係り)がこれから向かう現場でどのような患者さんが待っていかという、医療情報をやり取りする無線機です。
ドクターヘリの救急出動は、1分1秒をあらそって発進しますので、出動要請が入ったと同時にドクターナース、パイロット整備士はヘリコプターに向かって走りますので、要請もとの目的地や、患者さんの医療情報などは飛びたつと前後に無線で受けるのが普通です。
そのために医療用無線機がヘリコプターと運航司令室に設置されています。
この医療用無線機は通常のプレストークタイプ(交互送受信)と違い2波の周波数の電波を同時に使って、電話のように話せるFM変調の無線機です。
その周波数は143メガヘルツ帯と147メガヘルツ帯を使っていますので、検挙された人は、アマチュアの144メガ帯の無線機を改造して医療無線の周波数帯の電波を違法に発信していたものと思います。
当県の医療無線にも同じように違法のトラック仲間の声が聞こえたこともありましたが、最近は止まっています。
緊急発進したドクターが救急患者さんの医療情報を入手して、現場での救急処置の手順を決めたり、医薬品や医療器具を準備したりするための重要な情報源となります。
たぶん違法にこの周波数を使っている人たちは、普段の送受信がめったにないので、軽い気持ちで違法行為をしているかも知れませんが、いざドクターヘリが離陸したら大変重要な波となります。
アマチュア無線関係者や 無線愛好家の皆さんにもこの様な情報を周知して、違法行為のないように是非お願いしたいと思います。
JR尼崎事故から3年(2)、、、、、
(前にうっすら見える和泉山脈を越えれば5分で大阪府です)
事故当時はテレビ取材のヘリで飛んでいましたが、いまはドクターヘリのパイロットとして飛んでいます。
今 EMSのへりで飛んでいる目から当時のこの大事故に際して、医療用ヘリや、消防防災ヘリがどのように飛んでいたかを思い起こしてみます。
当時、近県を含めて、かなりの数の医療用ヘリ、消防防災ヘリがありました。大阪消防2機、神戸消防2機、奈良防災機、和歌山県防災機、和歌山県ドクターヘリ、京都消防機2機、さらに三重県防災、名古屋消防機などは40分程度以内で飛んでくることが出来る距離にあります。
このように要請をかければ1時間以内に飛んでこれるヘリは10機以上はあったと思います。
10時半くらいから夕方まで現場上空で取材飛行を続けていましたので、医療関係のヘリコプターの動きは目撃していただけなのですが、かなりその使われ方が思ったほどではないとの印象でした。
今勤務するこの病院のドクターヘリのメンバーは、当然 応援要請が入るものと、待機していたそうですが、最後までとうとう要請は来ませんでしたといっておられました。
100人以上の死者がで、さらに500人規模の方が負傷されているのに、私が上空を飛びながら目撃した医療用ヘリは、同時に視界内に存在したのは、最大でたった4機くらいでした。それも直近の学校のグランドに着陸してエンジンを止めて30分以上も待機しているような感じでした。
いかにもヘリコプターが活躍していると言うような状況ではなかったように見受けられました。
翻って、報道取材のヘリは常に10機以上が上空に張り付いたまま旋回を続けていました。
現場は伊丹空港から8キロ程度の南で、空域は管制圏と呼ばれる制限空域でしたので、常時 管制塔の無線の指揮下に入っていて、聴取する必要がありましたので聞いていました。
聞こえてくるのは報道機の無線ばかりで、医療用ヘリの無線はたまにしか聞こえてこない有様でした。
医療用ヘリの数は報道ヘリの3分の1以下であったような印象でした。
30分に一回くらい消防ヘリの無線がはいり、学校のグランドから離着陸するようでした。
普通に考えれば数百人単位の死傷者が一度に発生したら、100キロ圏内の救急医療施設が一時に満床になるほどの数だと思います。
ヘリコプターなどの手段を使わないで搬送できる数ではないはずですので、患者さんたちは適切な処置を受けないまま長時間放置されたの違いありません。
同じような列車事故が起こったドイツでは、50機規模の医療用ヘリが飛び回り、報道用ヘリはその取材飛行を大きく制限を受けたそうです。
今 同じような事例が発生しても、たぶん当時と同じようなことが繰り返されそうな気がします。
事故以降に大阪にドクターヘリが配置され、また当時の教訓から、消防防災ヘリなどが、いくらかはまともな搬送飛行を出来るかも知れませんが、あまり期待は出来ないように思います。
それは 緊急時の救助指揮体系がはっきりしていないことがあるからです。
寄せ集めの医療用ヘリの指揮監督は誰がするのか決まっていませんし、誰もこうしろああしろと指揮監督できる人はいないでしょう。
和歌山ドクターヘリは、あの当時必ず要請が入るだろうと、待機していたそうですが、とうとう誰も要請する人はいなかったのですから。
このようなヘリコプターの常識外れた 悲惨なほどの使われ方は 大昔の話ではなく、たった3年前の出来事なのです。
40分圏内 10機以上のヘリに少なくとも100億円 下手をすれば200億円以上の血税がつぎ込まれてこの様でした。
JR尼崎事故から3年、、、、、
(朝日放送(ABC)機に乗っていたころ)
107名の方たちが亡くなったあの、JR尼崎脱線事故から今日で3年過ぎました。
事故の日は取材で飛んだのですが、まったく別の意味で忘れられない日です。
当日は休みだと思って寝坊していて、会社からの電話で起こされました。 9時半ころだったと思いますが、今日 ABC(朝日放送の取材機)担当ですが、どうされました?と電話が入りました。
えーーそうだったの 今日は休みじゃななかったの?
当時会社は以前からの慢性的な人手不足と、過剰な仕事量のため、頻繁に予定を変えて人繰りをしていました。
しかも、中高年になると、ほぼどんなヘリでも、どんな仕事でもある程度はこなせるために、予定変更の犠牲になるのは年配者と決まっていました。
このような状況で勘違いで、休みと思っていた本人と、前日の確認を怠った、運航管理の不手際で朝寝をむさぼっていたところへの電話でした。
取材が入りましたが、ちょうど代わりがいましたのでいま飛んで行きましたが 直ぐに出勤してください。
代わりがいるなら休ませてよーーー。
えーーーテレビ見てないのですか、えらいことになってます。直ぐにきてください。
テレビをつけたら、JR踏み切りで脱線、けが人が多数出ている模様 などとのんきなことを言っていました。
取るものもとりあえず、車で40分ほどで会社へ着いたら、通信社のチャーターが入ったので直ぐ飛んでくれとのことでした。
離陸して10分で現場へ着きました。悲惨な現場を見てこれでは何人の方が亡くなっているかわからないなと思いましたがそのころ11時くらいでしょうか、まだ 死者は数人とか言っていました。
1時間半くらい、通信社のスチール撮影をし、着陸後今度は朝日放送機に乗り換えて飛び続けました。
そこで見たヘリコプターの救助活動の模様は明日にします。
手違いで仕事をすっぽかしたのは30年以上のヘリ生活で3度目でしたが、今回は3度目の正直でした。
変わりに飛んでくれた後輩パイロット 本当にありがとう でした。
今日は雨降り、、、
雨降りの屋上で待機中
ヘリコプターは機械ものですから、大事に使ってあげれば長持ちしますし、それなりに使えば各部分がさびたり傷んだり、ガタが来たりすることは、車やその他の機械ものと変わるところはないでしょう。
車と違うところは、その使用期間の長いところでしょうか。
通常ドクターヘリは年間200時間から300時間程度飛行しています。ヘリコプターの寿命は日本では普通10000時間くらいですので、30年から50年も使える計算となります。
ドクターヘリは飛び出してまだ5年程度しかなっていないので、今後どの程度の年数 使うことになるのか、予想 出来ない面はあります。
過去に日本の民間用として使用されたヘリは、物輸用やパトロール用の多く飛ぶヘリでも1万時間位で引退しています。
過去に一番使用されたヘリで、私が知っている限り、インドネシアで205Bが 23000時間でまだ飛んでいるという話を聞いたことがありました。
そのようなヘリは月間200時間以上飛ぶ、石油開発支援用のヘリで朝5時6時から日没すぎまで、パイロット二交代で飛び続けていました。
このような古い時代のヘリは整備点検時間の間隔が100時間ごとくらいで頻繁に点検整備していましたので、月に2回も点検整備でダウンしますので、かえって機材上、整備上のトラブルは少なかったかも知れません。
私が所属したインドネシアの会社の206Bは最大 月間160時間飛行したことがあり、平均100時間程度飛行していましたので、点検整備のほか、1年ごとにオーバーホールまでしていました。
整備方式が変わり、部品類の工作精度や寿命が改善され、今のヘリは400時間500時間は燃料とオイルさえ入れれば点検はほとんどしなくても良いという、製造会社のセールストークがそのまま認可され、1年間何も点検しなくても済むようなことが認められている危惧もあります。
さらに、ドクターヘリは飛行距離が短いため、飛行時間が少ない割にはエンジンのスタート回数が極端に多かったり、離着陸回数が多かったりして、飛行時間とは違ったストレスが多くかかる可能性もあります。
また、365日野ざらし状態や、墜落したNHK取材ヘリのように、格納されてるとはいえ、海岸近くにおかれ、しかも飛行回数が極端に少ないような使われ方も問題としてあるのではないでしょうか。
このような状態の使われ方のヘリコプターが果たしてメーカーの言うような点検のみで30年から50年も無事に飛べるのかと思うとき、一抹の不安を感じないわけには行きません。
今飛んでいる14機、さらに導入されるであろう40機 計50機以上のヘリが今の使い方で果たして30年以上持つでしょうか。
参考までに完全にメンテされている自衛隊のヘリは6000時間でリタイヤします。我々から見たら新品同様でしたが。
光市 母子殺人事件裁判 報道、、、、、、、
(古い写真ですが今回の広島高裁が写っていると思います)
年に何回か大きな事件事故があって、報道各社はこの時とばかりに、自社の持つ報道取材体制を集中させて競争します。
今回のような、裁判報道などはあらかじめ時間場所がわかっているので、よほど失敗のない限り、その差が出ることはあまりないようです。
航空取材の面では、あらかじめ航空局からの航空情報や事前文書で各報道会社に安全を喚起したり、安全に注意するようにとの連絡があったりします。
広島でこのような大きな報道合戦と言うものがあるのは、オウム事件の上祐受刑者が広島刑務所を出所した時や西鉄バスジャック事件以来ではないでしょうか。
この光市母子殺人事件の2審判決の時、たぶん7年ほど前だったと思いますが、取材で飛んだ記憶があります。
そのときは今ほどの注目度がなっかたので 地元局の5機程度の取材合戦でした。
今回は死刑判決が出るかどうかで、全国的に大きな注目を集めていましたので、9機のヘリが飛んだそうです。
今は当時から比べると各へりは、高性能な防振架台に高倍率のレンズを装備したカメラを積んでいますので、より高い高度で飛んでもクリアーな絵が取れるようになっています。
十分に高度を取って、大きく旋回しても 良い絵が取れるのでずいぶんと安全になっているようです。
やはり、低い高度に多数機が集中すると、間隔がどうしても近くなり、またベストアングルがほぼ決まってきますのでさらにそこに多数機が集中して、不安全となりがちでした。
当時と変わらないのは、新聞社機がスチール写真を撮るために、相当な低空飛行をやっていたようです。
スチール写真は良いカットを取ろうとすればやはりかなりな低空で、一瞬を狙って取るようなことをしないと、うまく取れないようなのですが、この点を技術的に改善してテレビ局のヘリと同程度の高度から
取れるようになれば、航空取材もずいぶんと安全になり、騒音の苦情も大きく減るのではないかと思います。
さらに言えば、今回の取材対象のように、ヘリの絵がさほど重要でない、しかも突発生事件でないようなものは、代表取材で1.2機飛ばせば十分かも知れませんが、やはりここ一番の取材に自社の機材が使えないことは各社納得できないのかも知れません。
早朝 高速道で大事故 死者3 重体3、、、、
昨日 早朝 県内の対面通行の高速道路で釣り帰りのワンボックスとトラックが正面衝突する大事故がありました。
この高速道路は片側1車線のでセンターラインには高さ50センチくらいのゴムのポールのような物が設置されているだけで、対向車が居眠り運転などで飛び出して、正面衝突する大事故が過去にも数回起きています。
いずれも複数の死者を出す大事故になっています。
今回の事故は早朝の6時ころに起きたようです。
当病院 救急外来の当直で夜勤されていた看護師さんのお話では、直ぐにドクターヘリ要請のホットラインが鳴ったそうです。
このホットラインはヘリ運航司令室以外に、1階の救急外来と、4階の救命センターでも取れるようになっていて、同時に会話内容が放送されるようになっています。
8時からの運行時間であることを伝えて、ドクターヘリは飛行できないむね伝えたそうです。
ドクターヘリは現在では朝8時の離陸から日没時間の着陸までの運航時間となっていて、それ以外の時間には飛ぶことはありません。
クルーは夜間、近くのホテルに泊まりこんで、勤務していますが、近隣住民との協定もあり、この時間以外は飛ばないことになっています。
消防関係の要請される方たちも、このことをご存知のはずなのですが、多数の傷病者の出た大事故に面してとっさにドクターヘリを要請されたのでしょうか。
この要請の電話が終わって、数分後にまた同じ事故にドクターヘリの要請のホットラインが入ったそうです。
隣接する消防から入ったたのか、あるいは警察関係から入ったのかも知れません。
その後、生存されていた負傷者2名がこの病院に救急車で搬送されて、現在も手当てを受けておられるそうです。
運行時間内ならば出動して、救命処置搬送にお役に立てた事例でした。
出動していたとしても、もう1つ問題点がありました。
事故発生した道路は片側1車線で中央にポールがあり、その幅は10メートル強しかありません。
今高速道路にドクターヘリが着陸する、とかできるとかの検討課題になって協議中なのですが、この片側1車線のものはその課題にも入っていません。
つまりヘリが着陸するには幅が狭すぎると言うことで、着陸する対象にもなっていませんが、対面通行であるがゆえに何回も大きな正面衝突が起こっています。
一度くらいは安全に着陸できると言うことを、実際にやってみて証明したいのですが、はじめから着陸できないものと決めつけて、話題にもなっていません。
農薬散布で幅2メートルの農道に着陸することを思えばいとも簡単に 安全に着陸できると思いますが、瀕死の重傷者を目の前にはるか離れたところに着陸しないといけないことが起きないように願うのみです。
今回のような事例に際して、早朝から飛んで、また片側1車線の高速道路に着陸し、救命活動が出来るようになるのはいつのことでしょうか。またそうい時期がいずれ来るのでしょうか。
道のりはどうも長そうです。
バードストライクとヘリコプター、、、
(ヘリポートの一角で羽を休める野鳥 近づいても逃げようとしません 仲間だと思ってくれているのでしょうか)
航空機と鳥が衝突することをバードストライクと呼び、年間かなりのこのトラブルが報告されています。
飛行機の場合は飛行場周辺で離着陸の時に起こることがほとんどです。飛行場は広大な草地があって、小動物や昆虫など鳥のえさが多く、また巣を作るのに適しているために多くの野鳥が住み着いて、運航の障害になっています。
そのために飛行場の管理する部門は、鳥を追い払ったり、駆除するために様々な対策を取っているようです。
小さな鳥ならば衝突したり、エンジンに吸い込んでも大事には至らないことが多いのですが、大きな鳥などは、エンジンが止まってしまったりかなりの危険性もあります。
飛行機の場合は飛行場周辺だけなのですが、通常比較的低空を飛行することが多い、また小型機が多いヘリコプターにとってはより深刻な危険性をはらんでいます。
毎年 4月から5月くらいは、鳥が繁殖のため巣を作ります。この時期、鳥はかなり攻撃的となり、領空を守ろうと、ヘリコプターに向かって攻撃的な飛び方をしてきます。
今、ちょうどこの病院へリポートの付近にとんびが、巣を作ろうとしているようで、何時も直近上空を旋回していることが多く、離着陸時 気を許せません。
過去に2度バードストライクの経験があります。
一度は広島から隠岐へ夜間飛行中、1500フィートくらいで洋上を巡航しているとき、ラダーペダルの前でドンという音がして、着陸後 その付近に鳥の羽が付着していました。
鳥は夜間飛ばないと思っていましたし、1500フィートも高いところを飛行するとも思っていませんでした。また夜間飛行だったのでまったく見えない状態でした。相手の鳥もこちらが見えなかったのでしょうか。
もう一回は空港に着陸して、ホバリングタクシーしてエプロンに接地しようとした瞬間、鳩の群れが直近を横切りました。回避する暇もなく、そのうちの一羽をローターで叩いたらしく、血しぶきが風防に飛び散り、ばらばらの死骸がエプロンに叩きつけられました。幸いローターその他に傷がつきませんでした。
物資輸送などで同じ経路を繰り返し、往復するときなど、上昇気流を有効に使って飛ぶようにするのですが、そこには何時もとんびや鷹が同じ上昇気流を使って悠々と旋回していますので、気が許せません。
過去の事例では、チンバブル(下の風防)を突き破ってとんびが操縦席に入ったとか、物輸中の204がとんびを叩き、硬いくちばしでローターに穴があいて交換したことなどがありました。
春の営巣時期の鳥は気が許せない宿敵なのですが、たぶん鳥もそう思っているかもしれません。
福田総理と連れション、、、、、、
(この青白の塗装の204が福田総理お気に入りのへりでした)
長年ヘリコプターに乗っていると、いわゆる有名人と遭遇することが何度かありました。
テレビ局関係の仕事も多数ありましたので、ドラマや映画などにも何回か出たこともありましたが、ライセンスを取ってまだ1、2年の駆け出しのころ福田総理(赳夫)遭遇したことがありました。
Y空港に会社の事務所がありました。バラック建の平屋の小汚い事務所でした。
当日 朝 出勤して 送電線パトロールに飛んでいく前のことだったと思います。
薄暗い トイレにはいってさあ用途足そうとしたところ、小柄な頭の薄いおじいさんが駆け込んできて隣の便器に向かいました。
あれ どこかで見たおじいさんだな と 思った瞬間 えーー福田総理だーーー。
一瞬 止まりそうになりました(笑)肘が触れ合うばかりの隣で総理は用を足し始めたようです。
黙って知らない振りをするのはまずいと思ったので、総理の方を見て会釈しました。総理も用を足しながら笑顔で会釈を返してくれました。
なにか それでずいぶんと打ち解けた雰囲気になって 確か お疲れ様です か ご苦労様です と口走ったような記憶があります。
総理はもう一度 笑顔で会釈をして無言で出て行かれました。
福田総理はじめ、清和会の有力国会議員がこの会社のヘリを選挙のたびに、活用し全国を遊説に飛び回り出した最初のころだったと思います。
当時 運航部長だった岩埼さんや故宮田さんなどが当時の最新鋭機 204で全国を飛び回ったようです。
この日はY空港から四国を飛び回り、夕方には伊丹から定期便で帰京される予定だったようで、朝離陸前に汚いトイレに一人で駆け込んでこられたようでした。
当時 総理が私的な選挙目的で民間ヘリに乗って飛ぶ場合でも、どこの空港でも定期便に横付けし、規制も許可も何のそので飛び回っていました。
今の福田康男総理が父親の赳夫総理と同じように次回の総選挙にヘリコプターで全国をとびまわることなどとても想像できないのは非常に残念なことです。
リーダーシップがなく、政策が後手後手で、カリスマ性がまったく感じられない今の状態だと、応援に来てもらったら困ると言う候補者ばかりかもしれません。
少なくとも遊説用ヘリくらいは自由自在に活用できるくらいにはあってほしいものです。