ヘリポートの標示について、、、、、
上の赤いところは場外離着陸場で、下の屋上がヘリポートです。どちらのマーキングがヘリポートらしいでしょうか。
一般にヘリポートのマーキングは○の中にHを書いたものがつかわれています。
ドクターヘリが離着陸できる場所は法律的には大きく分けて、3種類あります。
まずヘリポートこれは飛行場の部類に入りどのヘリコプターも離着陸できます。
次に場外離着陸場でこれは臨時ヘリポートとも言われていて、事前に航空局へ申請して許可をもらうことになっています。広さと障害物との距離が一定以上確保出来ないと許可になりません。
もうひとつは救助のための特例で事前に許可なく着陸することが出来る場所です。
ヘリポートは飛行場とおなじ扱いなので、公聴会を開いて周りの利害関係者の同意を取って、しかるべき工事をして、○Hを規程の大きさに標示します。
最近になって、拠点病院がヘリポートを整備しだしています。世界的に、病院へリポートの標示は○Hではなく、赤字に白十時のところが多いようです。普通病院マークは赤十字なのですが、白地に赤十字では上空からの視認性が劣るので、色を逆転させて標示しているようです。
ヘリポートにそもそも○Hマークを使っているのは日本以外にあまり見たことがありません。
下地がコンクリート色だとそれに白のHマークだと視認性が非常に悪いようです。
もうひとつの問題点は、臨時に許可を取った場外離着陸場に○Hマークを入れているところが非常に多いようで、そもそもそういうところは、許可を取ったヘリコプターが、許可された操縦士だけで、なおかつ離着陸する目的まで限定されて許可されていますので、そのような場所にいわゆる誰でも着陸できるヘリポートとおなじマーキングするのはどうなのでしょうか。
このたび今使用している、屋上へリポートが5年以上過ぎ、雨風にさらされて塗装がはげてきたので、塗り替えをしていただけることになったので、より視認性のよい、濃い赤色かグリーンにしたいのでということを、航空局に相談したところ、赤はすこし待ってくれ 緑ならよいとの返事をもらいました。
ということは国際的に使われている赤字に白十字のマーキングは日本の航空法では使えないということらしいようです。
○Hマークの法的設定から50年以上は過ぎていると思いますが そろそろ時代遅れな規程は改定して国際標準に準じた、視認性のよい、また 場外とヘリポートの区別が出来る何らかの対策を早急ににとっていただきたいものです。
飛行場を上空から見つけるのも結構難しいのですが、30メートル角のヘリポートを遠いところから識別することはさらに困難です。
臨時ヘリポートも遠くから見つけることはさら難しいのですが、何かへリポートとは違ったマーキングをつけるようにも指導できないものでしょうか。
福島ドクターヘリもスタート、、、、
(ヘリポートは地上で格納庫、待機室 給油施設 隣接 非常に理想的な施設のようです。ここで患者さんを降ろすと後ろの病院まで少し距離がありそうですが、屋上からエレベーターを使うのとそう時間は変らないでしょう)
1月に大阪、福島、そして昨年10月に埼玉がすでに始まっていますので、これで19年度予算で3県がスタートし、全国で14機飛ぶことになりました。
来年度も3機程度の予算が着いたようですので、順調に増えていきそうです。
福島のドクターヘリの運航開始に当たって、報道されるニュースなどをみていると、その運航環境がかなり整備されているように見受けられて非常にうれしく思っています。
ヘリポート、格納庫、待機場所、給油設備 など ヘリコプターが1年365日、継続的に、また安全確実、効率的に飛行を続けるためには、必須の施設条件があるのですが、今までのドクターヘリの運航開始に際して、このようなことをあまり整備しないまま始まってしまっていました。
運航を始めてから、後になって、このような施設、条件を改善することはかなりの困難が伴います。
私が以前のブログに書き込んでいたことがほぼ100%取り入れた施設、環境になっているようで非常にうれしく思います。
今後 新しくドクターヘリを導入される都府県は福島に習ったようなものをぜひ取り入れてもらいたいものです。
複数機格納できる格納庫、それに隣接した地上のヘリポート、格納庫に隣接した十分な広さのある待機事務所、敷地内の給油設備、すべてが病院敷地内にあること。
このようなものがほぼ整備されて、運航が始まったようです。
このような条件を整備されて運航が始まったことを喜ばないといけないということは、ほかの運航拠点が整備されないまま、飛んでいるということです。
これは十分整備しない運航発注者である県も悪いのですが、運航を受注しているヘリ会社も同罪です。
特に運航会社は自らの貧困な発想のため、長期に渉る事業に必要な設備について十分に発注者に説明し理解を求めることもなく、安易に開始してしまったようです。
燃料補給する場所や方法も決まらないまま、点検や整備する場所もなく、強風や風雨に野ざらしのまま365日ヘリコプターを放置したりするよう事は避けるべきでしょう。
緊急発進に備える運航クルーが物置のような狭い場所で足をのばすことも出来ないような状態で待機しなければならないようでは、よい運航環境とはとてもいえないでしょう。
これから何十年も先まで、先までドクターヘリは飛び続けるでしょう。
それに耐えうるような準備を十分に行って、運航を始めてほしいものです。
チップディテクターの思い出、、、、、
(ボルネオの大きな川沿いのヘリパッド 雨季に備えて高くなっている 人がいるのは川沿いのみで一歩川から離れるとジャングル)
ヘリコプターにはチップデイテクターというものが装備されています。
エンジンやギアボックスに装備されていて、その潤滑オイルの中にギアが掛けたりして小さな塊(チップ)が発生すると、オイルの中を循環するのでそれを磁石で吸い付けて、電気的に導通を検知して、計器版の注意灯を点灯させます。
それでマグネチックデイテクターとも呼ばれている、注意警報装置です。
ベル47の時代には装備されていませんでしが、206B以降のヘリコプターにはすべて装備されていますので、エンジン、トランスミッション、テールギアボックスに不具合が起こり、ギアが欠けたりするとすぐに異常がわかるので、重大な故障になる前に予防着陸するなど出来ますので、安全性が非常に向上しました。
この装置が装備された206Bが導入された当初、東京から八尾への空輸途中、浜松の中田島砂丘の上空でエンジンのチップが点灯し、飛行規程の指示どうり、2分後には直下の工場の空き地に不時着しました。
当時は導入当初だったので、非常に細かい金屑でも点灯することを十分に知らなかったので、注意等点灯は即重大な故障であると思って即不時着でした。
ところがあまりにも細かい 飛行に支障のないようなものでも点灯するので、いちいち不時着してはいられませんし、かといってどのような金屑が付着しているのか確認しないと、一定の危険性もあるということで、ハズバーンという、細かい 毛髪状の金屑は電熱で焼ききって飛ばしてしまう装置まで開発され 一部装備されました。
インドネシアで第1回目の、有償飛行で、ジャングルの中へ人員を送り込むフライトでいきなりエンジンのチップが点灯したときはさすがに緊張しました。
不時着しようにも、見渡す限りのジャングルでどうにもなりません。目的地まで飛んで、インドネシア人の整備士に、チップデイテクターをはずして点検し、金屑を確認して、オイルを抜き変えてもらいました。ノープロブレム ゴアヘッド といわれましたが さすがにかなりびびりました。
洋上飛行やジャングルの飛行にはハズバーンは非常に有効な装備でしょう。
今までに飛行中に何十回となく、チップデイテクターが点灯しましたが、すべて問題のない点灯であったかというと、やはりそうではありません。
206Bはほとんど大丈夫でしたが、204Bではチップ点灯 そのままエンジンとり降ろしということがありましたし、自分ではないのですが、350 や H500 では 点灯 5分以内にエンジン停止という事例もあったようです。
いずれにしても、ギアーボックスでの金屑の発生は即重大故障の前兆である可能性があるので、慎重な対応が必須でしょう。
特にヘリコプターは双発機であっても、ロータードライブ テールロータードライブは1系統しかないので、これらが絡む故障の前兆には油断大敵です。
橋下新知事に提案、、、、、
(今は事業機としては日本では飛んでいない205B すばらしいヘリでした)
経済的な地盤沈下が著しい、また財政が破綻した大阪府の新しい知事に弁護士タレントの橋下 徹氏が当選したようです。
全国でもっとも若い、またやる気 満々の新しい知事の誕生で、大阪府民は大いに期待していることでしょう。
大胆な改革を次々と打ち出して、東京に比べて何事も大きく立ち遅れてしまった大阪を大いに発展させてほしいものです。
私は自分がヘリコプターの関係者ですので、大阪府が所有 または運航する各種のヘリコプターを一挙に統合してひとつの組織でなおかつ運航自体は大胆に民営化して、経費削減効率化することを提案したいと思います。
大阪府は各種のヘリコプターをそれぞれの目的で多数のヘリを所有、運航しています。
まず大阪府警がAS332 1機 ベル412 1機 AS365 1機 EC135 1機 ベル206L 2機
大阪市 消防が AS365 2機
さらに堺市が政令指定都市になったので、何らかのヘリコプターを導入することが出来ます。
そして1月17日 運行を開始したドクターヘリ EC135 1機
計 10機ものヘリコプターが飛べる体制にあるということです。
このようなヘリコプターを運航する部門を大阪府庁内に新しくつくり、運航そのものは一括民間会社に委託して、ヘリコプターの運航は警察、消防 ドクターヘリ などの要求で運航することにしてはいかがでしょうか。
問題点は 警察活動 警備活動が 民間会社に委託したヘリですること問題点がないかどうか。
また 消防の場合は、犬猿の仲といわれる、大阪市と大阪府が仲良くやっていけるかどうかです。
きわめて大胆な民営化ですが、オーストラリア空軍は戦闘機のパイロットのレスキューに民間ヘリを使用している例もあるようです。
いずれにしても、大阪府内にある公共ヘリコプターは多すぎます。統合民営化すればヘリの機数は少なくとも3分の2 経費は半分以下になるでしょう。
このような提案はほぼ実現する可能性はないとは思いますが、あまりに無駄を出していると何とかならないものかと人事ながら言いたくなります。
県境を越えたフライトについて、、、、、
(ドクターヘリ 防災ヘリのために河川敷に整備された、場外離着陸場、他のヘリにも開放すればヘリの活用に大きく貢献するのにもったいなくないかな)
静岡県のドクターヘリが愛知県の幼児を搬送し、一命を取り留めて無事退院したといううれしい話がつい最近あったばかりです。
この場合は、大規模な災害や、地震などではなく、ドクターヘリがただ単に県境を越えて飛んだというだけの話ですが。
このほかには、ドクターヘリがDMAT(緊急医療援助)で 他府県へ出動したり、あるいは一定期間その被災地で活動することが想定されていますし、実際に千葉県や神奈川県のドクターヘリが新潟地震などで出動した例もあるようです。
また 出動までは行かなくても、DMAT の隊員に指名されたドクター ナースの方たちには 休日であっても待機指令がかかったりするそうです。
しかし、このようなシステムは完全に整備されていて、指名された関係者が整斉と現地に赴いて、危険性や困難性に打ち勝って思う存分働けるかというとどうもそうではないようです。
たとえば 従事者の滞在費用 ヘリコプターの運航費用 万が一のときの保障などなど、ほとんど何も決まっていないようです。
隣県同士でお互いにドクターヘリを持っていて、今回の静岡、愛知のような場合は、協定を結ぶだけで費用保険関係は県内運航として扱うと決めればよいでしょう。
しかし、片方が援助を受けるだけで、自県のヘリがない場合はそうはいかないでしょう。
一部 和歌山県のドクターヘリが 三重県 奈良県の一部をカバーして飛ぶ場合は1件あたり数十万の費用を和歌山県に対して支払うとこと決めてあります。
しかし 隣県を飛び越えて支援に入った場合はどのようにするのか決めてあるということは聞いた事がありません。
また 救急医療行為をした その医療費は誰がどこへ支払うのかもわからないようです。
ドクターヘリを全国的に導入して、災害時などは広域的に応援体制をとるという 理想論は簡単に口には出来ますが、調整事項 取り決めしなければならない事項は多くありそうです。
まさか、1県が他の46都道府県と各個に取り決めなければならないというような事はないでしょう。
やはり、厚生省なり、消防庁なり、国交省なりが全国レベルの取り決めを指導、実行をするべきでしょうが今はまだそのような動きはないようです。
ドクターヘリを有効に飛ばそうというとき、誰かが何かをやってくれて、そのうちうまく飛ぶようになります。
このようなことはまったく期待できません。
ドクターへりの近くで働く人々 それぞれが 問題を提起して、周りの人たちを巻き込んで、納得させて、協力を頼み込んで、規程類を変えさせて、最後は自分自身が動く。
これがないとまともには飛びそうもありません。
本当に狭いところにも安全に着陸出来るのか、、、、、
(ヘリの過重はほとんどローターの中心が重心点なので後ろのクロスチューブにかかるため、後方の板を広く敷いてあります。誤差10センチ以内に着陸しないとあぶない)
ドクターヘリに関するいろいろなブログやホームページを見ていると、狭い日本にはヘリコプターが安全に離着陸できる場所はそれほど多く確保できないので、ヘリコプターはあまり活躍する場面がないのではないかという意見の方が多くおられるようです。
ヘリコプターが着陸する安全に離着陸できる場所というはどのような広さがいるかどうかという議論は、それを誰が議論をするかということで大きく変ってきます。
つまり 誰がそれを決めるのかということで変ってきます。最終的にはパイロットが判断していいのではないかと思うのですが。
自衛隊のヘリ以外のヘリ、民間のヘリ 県警 消防 海保 いずれも航空法の制約を受けていますので、どこにでも着陸することは認められていません。
原則的に事前に現地を調査して、広さや障害物を計測し、一定の条件が満たされないと許可にならないことになっています。
しかし この方法だと大災害や急な救急救助活動に間にあわないので、そのような場合は許可がなく着陸しても良いということに規定を改定していただきました。
よって運航する側としては、許可を受けなくても離着陸できるということは、上記許可基準を満たさない場所、狭いところにもパイロットの判断で、消防機関等の警備のもと、離着陸する事が許されたものとして運航していました。
ところが最近の航空当局とのやり取りの中で、この改正は許可を得る時間的いとまがないので許可申請が要らないだけで、離着陸場所自体の基準は守らないといけないし、パイロットは当該離着陸場所が許可基準を満たしているかどうかを判断して、着陸するかどうかを決めよということを言い出しています。
安全に離着陸できるかどうかではなく、基準に合っているかどうかを判断しろといっています。
つまり あらかじめ許可を取るか、取れない緊急の場合も同じ広さがないとだめだということを言い出しています。
許可になる広さというものは、以前にも書きましたが、一番性能の劣るヘリが、昨日、自家用の免許を取ったパイロットが、そのヘリに許された一番重い状態で、制限いっぱいの強風の元でも、安全に離着陸できる広さ、障害物の状態です。
ただし、防災基準というやや条件の悪い場所の基準というものがあって、それによってもかなりのスペースが必要です。
やはり このような場所でないと離着陸できないならば、日本でヘリコプターが活躍できる場所が大きく限定されてきてしまいます。
たぶん 今 話題になっている高速道路への直接着陸することは95%以上、出来ないでしょう。
ま それほどの安全性をとってやらないと日本のヘリパイロットはへたくそばかりで、無法者集団なのでこのくらいにしておいて、幾分のいきすぎには目をつぶってやるか、と 航空局のお役人は考えているのかも知れませんが、同じ航空局の職員であるヘリコプターパイロットの試験官はいったいどう考えているものか聞いて見たいものです。
上の写真は 最近別のところで掲載したものですが、この写真でヘリが前後においた板の上に着陸していることを気がついた人は少ないと思います。
うしろの人が立ちションしてるんではないかと思った人はいたようですが(笑)
陸上自衛隊で5000時間同型機に乗っておられた、運航担当役員の方が、どうしてこのようなところへ着陸できるのだと、驚いておられましたが、民間ではこれは普通の技でした。
ここは刈り取った水田なので、自重4トンのこのヘリは直接地面に着陸すると、後方のスキッドが地中に沈み込んで尻尾下がりになって、テールローターが地面を叩いて、事故になってしまいます。
このような運用が出来れば 多少、狭いところもぜんぜん問題ないと思うのですが。
アグスタ109 ベル407 427 はドクターヘリに不向きなのか、、
(アグスタ109 車と同じで、かっこういいのは実用性が落ちるのかな)
日本でドクターヘリに使われているヘリコプターは EC135 BK117 MD902の3機種のみです。
他のヘリコプターはドクターヘリに使えないのでしょうか。 アグスタ109 ベル407 427などのヘリは果たしてドクターへりには絶対使えないのでしょうか。
あるいは ほかにも206L EC130 大きいほうでは防災に使用されているベル412 ほかにはベル205などなど ドクターヘリに使おうとすれば使えるヘリの種類は多数あります。
タイトルにあげたヘリはいずれも7.8人乗れる、キャパシテイ的には今のドクターヘリに使用されているのとほぼ同じくらいの大きさのヘリです。
それではなぜ3機種に絞られてしまったのでしょうか。
それは導入に際して、一定の条件をどこかで誰かが相談して設定してしまったからです。
これは防災のヘリを導入する時にも同じような動きがあって、今のベル412 BK117 S76 AS365 以外のヘリが防災ヘリとして採用されることはありませんでした。
その条件は 1、双発エンジンであること
2、ホイスト(人員吊り上げ装置)を装備できること
3、消火用バケットを装備できること
4、計器飛行能力がそなえられていること
などを決めてしまったので、以前から使用されていたベル205などはきわめて頑丈で、構造がシンプルでなおかつ自衛隊が100機以上使っている国産機であるのに候補にも入れてもらえませんでした。
ドクターヘリはそれよりも幾分小型機で十分対応できます。
パイロット 整備士 ドクター ナース 患者 予備として後1,2名分で 合計 6人か7人乗れるのが最小でしょう。
双発エンジンの安全性は必須かどうかは、経済性との相談でしょうが、機体の価格は同じ大きさの単発機の1,5倍以上しますので、経済的に余力のない県や平野部を主に飛ぶ県では単発機でも十分ではないでしょうか。
ところが ドクターヘリ補助金事業の条件として、単発機は認められないので、貧乏な県も1,5倍以上の高い双発機を導入せざるを得ないこととなっています。
ほかの条件としては、クラムシェルドアー(胴体後部の観音開きのストレッチャーを出し入れするどあー)が装備されていることも条件に入っていたようです。
ほかにはやはり機体の計器飛行能力も必須であったようです。
いろいろ 条件がつくことによってなにが起こるかというと、条件ひとつにつき5000万ほど機体の価格が上がるということです。
ということは運航費用があがるということ、また、このような条件をクリアーするヘリの価格は暴騰し、出来ないヘリは価格が下がるということです。
うわさによると、アグスター109はいまや4億円程度のようですし、人気のあるEC135は一回り大きいベル412より高い6億円にもなったようです。
単発機を更新しなければならない各県警ヘリは、頑丈なEC135を買いたいらしいのですが、人気でいつ手に入るかわからない、また価格が高騰してしまっているので、仕方なくアグスタ109を買っているというらしいようです。
アグスター109は150ノット巡航できますので、結果的には良い買い物かもしれませんが。
日本はどうして、このように自分自身で形を決めてそれにとらわれて自由に物を選択できなくなってしまうのでしょうか。
単発でも十分安全性にはこれといった問題もなさそうですし、機体価格が2億5千万円程度ですので、年間運航費用は1億を十分きるでしょう。
日本人のこのような習性 よく現れているのが身近にあります。
軽自動車の排気量はなぜ650CCしかないのでしょうか。 800CCも 400CCもあってもいいと思うのですが、税制とか規格で縛ってしまう日本、何かおかしくないでしょうか。
この 軽自動車という規格のために2割も3割も高い価格の車を強制的に買わされて黙っている善良な日本人ってなんなんでしょう。
200万円の軽自動車は作っても28万円の車は出来ないということでしょうか。
ドクターヘリで搬送された幼児が退院、、、、
(河川敷はほとんど どこでも着陸可能なほどである 公園や運動場として整備する際にはこのような舗装面を一部分でも造っていただければ非常に着陸しやすい)
今月2日愛知県の設楽町のため池でおぼれ、心肺停止状態になった幼児が静岡県浜松市に配置されたドクターヘリで、70キロ離れた静岡市の県立子供病院へ搬送され、後遺症もなく回復し、昨日無事退院したようです。
先ほどのテレビニュースで放送していました。
ドクターヘリを中心とした、救急救命活動が最大の効果を発揮し、一番理想的な結果となって現れた例でしょう。
翻って、最近は反対に救急患者が何箇所にも受け入れを拒否されて、たらいまわしされた挙句、死亡に至ったとあちこちで報道しています。
テレビ、新聞などの報道機関は、白か黒、、裏か表、正義の味方と悪徳非道のように、何事もこのように単純に決め付けて報道する姿勢が、どうも問題の解決を複雑にしているような面が多々見受けられるようです。
搬送する救急隊と患者さんは善意の被害者であることは一理ありますが、少ない人員で全力で救急医療に携わる病院や医療従事者だけがさも極悪非道な人たちばかりだというような報道姿勢はいただけません。
そして いまや ドクターヘリは救急医療の救世主であるかのような報道姿勢もどうかなと思います。
救急車の救急活動も、ドクターヘリの救急活動もまったく同じだということを無視することは出来ません。
各部署の十分な連携、お互いの業務に対する理解、そして、新しくやろうとする時にはなにが、メリットで、なにが問題なのか正確に掌握して十分に協力しあわないと、何の役にもたたない鉄の塊になりかねません。
わたしが今回の救急搬送例で最大に評価したいのは、愛知県で起こった救急事例に、静岡県のドクターヘリが出動し、静岡県の病院へ収容して全快に至ったという点です。
このようなことが出来た背景には、まず両県ともドクターヘリを飛ばしているからこそ出来た例だと思います。
ドクターヘリを飛ばしている県は、ドクターヘリ要請の手順、連絡体制が確立しています。
次にドクターヘリが常時離着陸する場所を設定してあって、いつでも着陸できるようになっていて、しかもその場所で実際に離着陸しているという、実績があります。
このような運航要領をお互いにドクターヘリを飛ばす、隣県と協定として結んでいて、なおかつ訓練をしていれば万全でしょう。
今回の例はどこまでそのような準備がなされていたかどうかは、よく知りませんが、いずれにしても県を越えたドクターヘリの運航によって救命されたということは画期的なことだと思います。
現場は愛知県であってもごく静岡県にい近くて、愛知県ドクターヘリの長久手の愛知医科大より、浜松のドクターヘリの基地 浜松聖霊病院のほうが近い場所でした。
県単位に運航するドクターヘリが全国でこのように、県の砦を越えた運航を患者優先で出来るかどうか非常に危惧を持ちながら、配備状況を見守っています。
1分1秒を争う救命活動に、このような判断をされた救急司令の方、即飛ばすことを決めた浜松ドクターヘリの関係者の方に拍手です。
このような点は報道では一切触れてはいませんでしたが。
あまりにも期間を取られすぎないか 耐空検査、、、、
(訓練の時にはこのようにチェックリストで確認しながらですが、ドクターヘリ緊急発進ではこんなのんびりはしていません)
ヘリコプターは車と同じように車険に相当する、耐空検査という検査を受けないといけません。
車は普通2年に一回ですが、ヘリコプターは毎年航空局の検査を受けることとなっています。(一部認定検査制度で代行できます)
検査の項目は、
1、飛行時間ごとに要求される、決められた定時点検を間違いなく実施されているかどうか。
2、前回受験以後、発生した、同型機などの事故や故障に対処するため、特別に命令された点検改修 を実施してあるか。
3、同じく前回受験以降に発生した、故障や機器の不具合に対して適切な整備、修理がなされている か。
4、機体自体の各系統、装備品が決められたとおりに作動するかどうかの実地検査(飛行検査を含 む)
このような整備検査のため、通常は一月近く、認定制度で自社で実施しても少なくとも1週間はかかります。
ヘリコプターはこの検査のほか、飛行時間ごとに点検をすることとなっているので、年間1月以上飛べない期間があります。
ドクターヘリが一月間も飛べない期間があるとだめだということで、運航会社は予備のヘリコプターを
持たないと入札に参加することすら出来ないようになっています。
ちなみにこの一月近くもかかる耐空検査というシステムは世界的に見て普通のことなのでしょうか。
私が30年前に飛行していた、インドネシアでは同じ検査は1日で終わりました。しかもヘリコプターが本来の仕事を離れて拘束されるのは、1時間ほどの飛行検査のみです。
あとの時間は書類で整備状況の確認をされます。
ほかの外国はどのようになっているかはよくわかりませんが、あまりにも飛べない期間が長すぎるということで、前述の認定制度という、設備や整備要員が充実した一定の会社にのみ自社の検査で代行することを認めるようになりました。
定期便の航空機は外国との格差はほとんどない様で、実際に客を運びながらの飛行検査が認められているようで、この検査のために飛べないという日はないようです。
ドクターヘリや防災へり、県警 消防のへりは365日稼動が原則ですので、今の検査整備制度では、非常に非効率といえるでしょう。
定期便の飛行機と同じように、整備作業は夜間、検査は最小限の期間で、出来るような体制、制度に変えるべきでしょう。
まさか12分の1の期間ために何千万円もの予備機にかかる経費を負担するという都府県は出てこないでしょう。
県警のへりと防災のヘリが隣同士の格納庫内で、同じ日に点検整備中、山岳救助の要請がはいり、どちらも飛べなくて、他府県の防災ヘリを要請したという笑えない話が過去にあったようです。
近い将来、県警、防災、ドクターヘリの3機が同一県に配備されるようですので、いまさら予備機などなくても、今の検査制度を少し手直ししただけで、またお互いの連携を再確認するだけで、県内のへりが1機も飛べないなどという馬鹿げたことはなくなります。
そうなると、各機は 本当に必要な点検整備のために、飛ばない日時を十分に確保し、整備点検できるようになり、安全性は向上するでしょう。
冬山遭難救助に活躍するヘリコプター、、、、、
今日のお昼のニュースで、中央アルプス、北アルプスで冬山遭難があり、ヘリコプターによる捜索救難活動がなされているといっていました。
長野県 岐阜県 富山県あたりの各県警ヘリ、防災ヘリが出動し、捜索している絵が流れていましたが、まだ発見に至ってないようです。
私がヘリコプターに乗り出したころ、30年前は今のように県警ヘリや防災ヘリがまだ十分に配備されていませんでした。
民間のヘリはその当時以前から、黒部ダム工事をはじめとして、アルプスの山小屋への資材輸送など、急峻 高高度の山岳地帯での飛行に習熟していました。
そのためにいざ山岳遭難が起こると、民間のヘリ会社へ県警や家族からの依頼があり、捜索救難飛行を実施して、多くの救助をものにし、実績を上げていました。
県警へりや防災ヘリが配備されたあとも、かなりの年月は民間のヘリが救助をするということが続きました。
高高度の山岳地の飛行がかなりの経験と技術が必要で、非常に危険に満ちた飛行であって、新たに編成された、県警ヘリや防災へりがやるにはあまりにも困難であったからです。
前年度春に、2機も続けてベテランが事故を起こしたことでもそれが証明されています。
それは色々困難な条件があるのですが、まずは天候が急変しやすいことでしょう。3000メートル級の山岳部では急な吹雪やガスで一瞬にして視界をなくしたり、穏やかな気流だと思っていたら5分ほどで30メートルの突風か吹くようなこともまれではありません。
また気圧の低減で、エンジンやローターの効率が落ち、搭載重量が大きく制限をうけたり、操縦性の低下で機体が安定しないなど不利な条件ばかりです。
今は各県警へり、防災ヘリは十分な訓練と経験を積んで安全に任務を遂行しておられます。
今後 団塊の世代の引退にしたがって、従事者は、新人に入れ替わっていくものと思われますが、今まで培った経験と技術を抜かりなく次の世代に引き継いで困難な任務を安全確実に出来るようにしていただきたいものです。
今回の冬山遭難救助活動が安全、かつ確実に終わるように願っています。