職場環境と飛行安全、、、、、
ヘリコプター業界も他の産業と同じように、かなりの浮き沈みに翻弄されて、来ました。
社会的にはそれなりの存在感のある、仕事をしてきたと思いますし、今後はドクターヘリの運航で社会に貢献して、それに携わる者はそれなりの社会的評価と処遇を受けることができればよいなと思います。
それは、個人が高い処遇を受ける事もさることながら、ヘリコプター会社や、運航するシステムが安定的に持続する事が非常に大切です。
会社や組織というものは、その玄関口から事務所、ヘリ会社であれば、格納庫や使用する工具類の管理状況などを見れば、この会社にヘリの運航を任せても大丈夫かどうかある程度の推測ができます。
一時期ヘリコプターの会社も、世間の好景気のおすそ分けを受けて、調子の良い時期もあったので、周辺環境、職場環境の整備、一般的な社員の処遇改善にもいくらかの伸展が合ったのですが、今はまた悲惨な状態に戻るのではないかと心配してしまいます。
まともでない会社は先ず玄関の植栽や芝生の手入れ等、周辺環境が荒れてきます。
大電力会社といえども同じでした。最初は送電線鉄塔の敷地の草がボウボウになって、鉄塔自体が錆だらけになっても手入れが行き届かなくなってそれから、人の目につく発電所や変電所の構内の植栽の手入れがぬけてきます。
そして結果的には、ダムの管理に違法行為をしていたのがばれたり、事故が起こって犠牲者が出たり、ピーク電力がパンクしそうになったり不具合が表に出てきます。
その徴候は玄関の植栽が少し手入れが足りないというちょっとしたところから大丈夫かなと思わせるものがあったのです。
ヘリコプターの運航会社はもともと そのような 優良大企業ではありませんので、ヘリコプターや必要資機材を買うだけでやっとの状態ですから、社員の使う事務所や格納庫、工具,待機場所等々とても資金が回らないことはある程度理解はできます。
しかし 社会的に重要な業務を官庁などから請け負って業務を継続的にやっていこうとする会社は、社員の処遇。職場環境、会社の敷地内の清掃 植栽の手入れまで、一般社会に恥ずかしくない程度にはやっていくべきでしょう。
そのようなことに全く気が回らないようでは、とてもこの難しいヘリコプターの安全運航や、更に困難な要員の育成までは手が回らないでしょう。
ヘリコプター業界が苦しい中でも、そのように、企業として恥ずかしくない、社会的責任を果たせてこそ、ドクターヘリその他 公共的に重要なヘリコプターの運航をやる資格があるというものだと思います。
また そのような業務を発注する官公庁は、ヘリコプター会社をそのような、まともな事業者に育成するような方向で指導監督してほしいものです。
安く飛べばいいだけでは将来に禍根を残す事にならなければいいのですが。
今日は理想論でした。
パイロットの経歴飛行時間とその実力は、、、、
ヘリコプターの操縦士は農薬散布や取材飛行 物資輸送と次々 難易度の高いフライトに挑戦して技量を向上させることができたので、飛行時間のみの経験尺度と、経験したフライトの業種が常にその操縦士の格付けを決められてきたようです。
飛行機の場合はほぼ2地点間の飛行自体が目的のことが多いので、離着陸と天候判断以外にはあまり奥行きがないようにもとられる面があると思います。
今ヘリコプターの各種の業種のフライトが減ってきてしまったので、各操縦士が、ステップアップしていける状況が減ってしまったのは非常に残念です。
同じ業種のフライトを長く続けないといけないようになってしまってきているからです。
今後は一生ドクターヘリばかりで終わる操縦士が出てくるかも知れません。
まったくの偏見で飛行時間とそのレベルを列挙します。
飛行経験50時間
自家用の免許を取得し一人で何とか飛べる程度。単独で10回飛行すれば1回は墜落しそうになる 恐れ大 過去に離着陸した場所に何とか着陸できる程度。外はまったく見れない状態 あぶないですね
飛行時間200時間
事業用操縦士の免許を取得して、ほぼ 何とか一人で飛べるかなくらいですね。天候の悪いとき風の悪いとき,いつ落ちてもおかしくないレベルかな
飛行時間1000時間
ヘリコプターは自分の思うままに操れると自信がついたころかな。ここまで無事にこれたのは、 運がよかったからだと自戒して慎重になってほしい時期です
飛行時間2000時間
ここまでくれば一応はプロというレベル たいていのフライトは自分で判断してやれるようになっています。たいていのインシデントは経験してきたでしょう。一回や二回はヘリコプターの故障に見舞われて、窮地を脱した経験があるころかな。
飛行時間3000時間
ここまでくればレベルの高い物資輸送や木材搬出のフライトに挑戦して、それを成し遂げて自信を深める時期かな。しかし困難な仕事にはそれなりのリスクも多いので、その洗礼を受けて、事故ってめげる時期かも。
飛行時間5000時間
ほぼどんな条件でも、事故を回避して、安全に飛べる基礎ができたかな。自分の判断に自信ができて、飛ばないと決めてもほかからどうこう言われないだけの経験者 それでも一定の落とし穴は常にあるかも
飛行時間10000時間
ここまできたら後は無事故で終わりたい。下手な失敗はゆるされないし 守りのフライトでいくか。まーよく無事で命があったもんだ。
まったくの偏見と思い込みの意見です。
体感、パイロットの体、、、、
今日は少しいつもとは変った話です。
パイロットへの道に入る前は、中学 高校と器械体操をやっていましたので、空自の航空学生として、スタートをした時は、ほかの人たちに比較して少しは有利かなと思っていました。
T34で飛び出して、いきなり一回目から、ロールやループをやるようなフライトでした。鉄棒や平行棒などで、同じような体制には慣れていましたので、比較的冷静にコントロールに専念できたのではないかと思いましたが。
が 慣れれば同じでした。
飛行や操縦の素質と言うものは別のところにあったように思います。
Gはループ4G インメルマンターンは5Gでしたので、編隊を組んでやる時のコントロールはやはり天性の技が有利で、小さい時から逆立ちが上手ぐらいではどうにもならなかったようです(笑)
T33の計器飛行の異常姿勢からの回復で7.3Gちょうど、ドロップタンクドライ(からっぽ)の制限Gをぎりぎりオーバーさせたのが最大G体験でした。
背面60度バンクダイブでユーハブといわれて、パワーを絞って同時にバンクを返してウイングレベルで操縦桿を引くと同時にスピードブレーキを使ったため、一時的に大きなGをかけてしまって、着陸後の点検でGメーターを良く見たらオーバーでした。ちょっと一瞬 ブラックアウトしたくらいでした。
T34メンターは30時間しか乗せてもらえない試行過程であったので、まだ一人で飛べるかどうかの段階でジェット機に乗せられました。
離陸中の100ノットくらいからの加速はかなりのものでした。プロペラ機に比べたらまったく比較にならない迫力でした。
一回目の飛行で九州芦屋基地R/W30で離陸して10分もしないうちに前に島が見えてきました。教官いわく 対馬だ その向こうが 韓国だ うっすらと韓国が見えていました。
右に旋回して、山口のほうへ向け、ロールやループで引き回されて、ジェット機の性能を見せ付けられて、さあ 帰ろうと言って、パワーを絞って スピードブレーキ ダウン、これが初体験でした スピードブレーキ。戦闘機だけに装備されているダイブフラップとも言うそうですが。
スロットルレバーの上のスイッチを作動させると、ごーーどーん がーーすごい轟音とと同時に体が前へつんのめりました。
予想していなかった、体感は今でも新鮮に覚えています。
400ノットも出して使うとさらにすごいブレーキがかかります。編隊ではそんな使い方は出来ないです。僚機が暴れてしまいます。
あとひとつ 自分では体験できなかったのですが、F104 F4 F15 へと進んだ同期生から聞いた話ですが、
アフターバーナーの体感、スピードブレーキの 逆だ と言っていました。それも体験したかったのですが、果たせませんでした。
ヘリコプターも農薬散布などでは戦闘機のような機動をして飛ばすことも多いのでけっこう楽しんで飛んでいました。
ドクターヘリ 夜間飛行に向けて、、、、
今、勤務しているドクターヘリは朝8時から日没時間まで、出動することとなっています。
しかし、離陸して、現場について、ドクター、ナースが患者さんに救急処置をして、基地病院に帰ってくる時間が日没時間までとなっていますので、距離に応じて、遠いところは日没1時間前に、要請は受け付けないと言う風に受付終了時間をあらかじめ決めてあります。
と言うことは、12月など日の短い時期は3時45分受け付け終了と言うことも起こっています。
ギリギリの時間に入ったとき、判断によく迷うことがあります。やはり飛んでいってあげたいとどうしても思うからです。
日没時間を少し過ぎて着陸することも間々あることとなっています。これは正確に言うと航空法違反です。ドクターヘリの優先許認可項目にも入っていません。
またどうしても、薄暮時間を過ぎてしまいそうな時は、ドクター、ナースを現場で降りていただくとすぐにヘリだけからで帰るということもやっています。
これが今現在、日没時間にかかわる運航の限界となっています。
ヘリコプターの夕方の点検繋留作業をおわり、病院からホテルへの歩く道で、救急車がサイレンを流しながら、患者さんを運んでくることに良く出会います。
ランデブーポイントでいつも出会う救急車であったり、乗務している救急隊員さんの中には顔見知りの方もよく見かけます。
ヘリコプターが飛べれば、このように運ばれてくる患者さんも、もっと早く処置を受けれたのではないのかなーと少し複雑な気持ちになったりしてしまいます。
薄暮時間から10時ころにかけては、救急事案が多く発生しているのかもしれません。
いずれこのような時間帯のドクターヘリの運航を求める声がすぐにでも大きくなってきそうに思えます。
どのようにしたらこの山国 日本で安全にドクターヘリの運航が出来るようになるのでしょうか。
アメリカで普通にやっているから日本でも出来る。 そうは簡単にいかない事情があるようです。
今年も沖縄の陸自のフル装備のチヌークが悪天候とはいえ、計器飛行できるベテランパイロットが2名も乗っていながら、ほとんど障害物のない洋上を飛んで、ごく低い山にぶつけて殉職しています。目的地が適切に整備されていて、夜間照明のあるヘリポートだったら違った結果になっていたかもしれません。
やはり、インフラの整備がまず必要でしょう。
今ドクターヘリはめったやたらに多くのランデブーポイントに着陸します。昼間はそれでもいいでしょうが、やはり夜間着陸を視野に入れた拠点へリポートを各消防本部にひとつは整備すべきでしょう。
その拠点へリポートに十分な夜間照明施設を整備することからはじめるべきでしょう。毎年 数箇所ずつ整備していっても 5年10年でかなりのものが出来上がると思います。
今 そういう方向に進んでいる県もあるようです。県内 全消防本部でそのような拠点を作って それ以外のところには着陸しない。将来の夜間飛行を視野に入れて整備されることを各所で機会あるごとにお勧めしています。
これでかなりの安全性が確保されると思います。
このほか、パイロットの訓練はどうするかと言う問題が出てきます。
その前に、今 日没時間を1分でも過ぎたら飛ぶな、と言う規則を変えて、基地病院へ帰るフライトは日没時間を過ぎてもパイロットの判断で30分は認めると言う風に変えてもいいと思います。安全上ほとんど問題はない上、パイロットが合法的に夜間飛行の経験をつめる良い機会になると思います。
今 定期便は夜間飛行を普通に飛んでいて、安全なのにヘリはどうしてできないのだ、と 思われる方も多いと思います。
彼らがやっているのは夜間飛行でも何でもありません。今の空港は昔と違って、照明施設が発達して、ほとんど昼間と同じ明るさです。
ヘリコプターはかなりの低空で暗黒の世界を飛んで、小さな明かりのヘリポートに着陸します。基地病院が都市にあれば照明施設がなくてもかなり明るい状態です。
拠点へリポートの整備をしない県は夜間飛行はとても無理であることは間違いないでしょう。
想像できないトラブル 過去の話ですが、、、、
まさかと思うようなトラブルがパイロットを襲う、それが結果的に事故死につながったりはたまた、九死に一生を得て生還と言うような話が、長いパイロット生活の中で見聞きしたことが結構ありました。
まず飛行機の話です。離陸前、操縦桿をフルに動かしてその動きを確認します。エレベーター(昇降舵)は普通、操縦席からは見えませんがエルロン(補助翼)は見えます。操縦桿を右へ倒した場合右の補助翼は上に上がります。
これが操縦索が反対に取り付けてあったために、離陸と同時にどんどんバンク(傾斜角)大きくなってそのまま墜落してパイロットがなくなった事例が実際にありました。15年位前かもわかりませんが八尾空港でO航空の知り合いのパイロットが事故死しました。
同じことがさらにさかのぼること20年以上になると思いますが、空自のT33で同じ取り付けミスが起こり、離陸と同時にあわや墜落と言う事態に、なんと 冷静なパイロットが、取り付けが逆なことに気がついて、ゆっくりした旋回で一周して生還したそうです。
当時、あの野郎はパイロットじゃない と 生還を冷やかされたと言う話を聞きました。普通のパイロットはそれほどおっとりとした修正操作は出来ないもので、立て直そうとすればするほど深いバンクに入れてしまうものだと言う意味だそうでした。
同じようなことがヘリコプターにも起こっています。
ベル47でやはり 方向をコントロールするテールローターにつながるケーブルが逆に接続されていたと言うことが何回かあったそうです。
この場合も、離陸に際して、ピッチレバーを上げてエンジンのパワーをあげる時、ローターの反トルクに合わせるように左ラダーを踏み込んだら、逆方向に踏み込んだようにテールローターが作用して、ぐるぐる回されたそうです。
いずれの場合もその後、ケーブルが逆方向には、つながらない構造に改良されて、以後同じトラブルは起こらないようになったと言うことです。
この例は普段使う機構にミスがあって、ただちに事故や、インシデントにつながった事例ですがほかにも次のような事例が実際に発生しています。
10年くらい前の話だと思います。アメリカでベル412の例だったと思います。
飛行中 エンジンファイヤの警告灯が点灯し、実際にエンジンから出火して、パイロットは直ちにエンジン消火装置を作動させました。
かなりの緊急事態です。 なんと、正常な方のエンジンの消火装置が作動してしまいました。もちろんパイロットがスイッチを間違えるわけはありません。警告灯のついたスイッチを入れるわけですから。
消火装置作動の配線がなんと間違ってクロスして配線されていたのです。正常のエンジンが止められてしまって、燃えているエンジンがそのままになってしまったのです。
もちろん墜落したようです。
考えられないトラブルに見舞われる不運なパイロットたちが存在したと言う事実です。
官庁ヘリ統合案、、、、、
ドクターヘリが各県に導入されようとしています。
これが導入されると各県は、県警、防災、ドクターヘリと最低3機のヘリコプターを各所、違った部門がそれぞればらばらに持つ事となります。
財政的にも面積的にも、小さな県から、大きな県まで、それぞれ3機はどうも無駄なような気がして仕方がありません。
一応、書類上はおのおのの任務が違っていて、お互いに持分を決めて運航するので、無駄ではない、県民の安全のために、必要であると言う理屈にはなっています。
県警、防災、ドクターヘリ、以外にも、県によっては、消防、海上保安庁、自衛隊、国土交通省地方整備局、のヘリコプターがあり、ひとつの事案に対して、出動を取り合ったりしている場面まであるそうです。
以下 まったくの私案ですが。
鳥取県には防災ヘリが、ベル412 県警は206Lで近々、双発機に変えようとしています。
隣の島根県には、防災ヘリが、BK117 県警は206B でこれも近々双発機に変るそうです。
ここでドクターヘリの導入が間じかになり、鳥取県知事は京都北部、兵庫県北部と3件でのドクターヘリ共同運航を、提案しています。
ここで提案ですが、
島根、鳥取2県共同運航で 防災ヘリは今の鳥取県の412、県警は今の島根県の防災ヘリ1機を県警用に流用します。
つまり 防災機、県警機は1機ずつで2県を 米子空港からカバーします。
ドクターヘリは、狭い県とは言え、僻地の救急患者をカバーするためにの、1機は鳥取県立医大と、もう1機は島根県立医大へ新たに購入する予定の、警察用双発機(EC135が最善でしょう)をドクターヘリとして使用します。
この4機体制で2県をカバーします。これで6機から4機に必要ヘリ数は減っても任務にはなんら差し支えないでしょう。
運航体制は県職員、県警職員で すべてカバーするのが望ましいと思いますが、ドクターヘリのみはなれた場所となるので、乗員整備は米子からの出張体制でカバーし、管理要員は転勤配置が適当と思います。
ヘリは小型双発から中型機 任務も警察任務、防災任務、ドクターヘリと多彩になるので、乗員整備の技術的進歩、切磋琢磨にも非常に良い環境となるでしょう。
一部民間の運航、整備力も入れることは、組織の活性化に良いかも知れません。官は主導権を民に明け渡さないほうが良いでしょう。
県警は県庁の指揮下にありますし、防災 医療ももちろん県庁の管轄ですから、両県とも 経費 効果、安全、総合的に協議し、全国の模範となる 共同飛行隊を新設してみてはいかがでしょうか。
ドクターヘリは1県1機の民間ヘリチャーターと決めた厚生省方式のみがベストであろうはずがありません。
航空事故とは、、、、、、
いわゆる 航空事故とは、航空機が航行中または航行の準備中に起こった事故を航空事故と言っています。
航空事故が起こると、航空事故調査委員会が調査をして、その原因を突き止め、主に再発防止のための報告書を作成します。
それに基づいて、国土交通省がその航空会社に対して、業務改善命令や改善勧告を出したり、航空の安全を図ります。
命令や、勧告を受けたヘリ会社は、公的は運航の入札等に参加できないなどの、処置を受ける場合が多いようです。
たとえば3年以内に人命にかかわる、事故を起こしたヘリ会社は、新たなドクターヘリの入札に参加できないなどの処置を受けることがあるようです。
しかし、ヘリコプターの事故があまりにも多く発生した時代にはそのような、制限もあまりなく、また公的なヘリコプターの運航もそれほど多くありませんでした。
今は、ドクターヘリが50機、防災へりが50機、ほかにも国土交通省の地方整備局のヘリが10機程度、ほかにも民間の放送局や電力会社、などなど 公共的なヘリコプターの運航の契約に、事故を起こした会社は入れないというような条件が増えてきているものと思われます。
安全を測る具体的明瞭な尺度が無事故以外に見当たらないために、このような条件が今後続くように思われます。
このようなやり方に問題点が二つあります。
100機飛ばしている会社は10機飛ばしている会社の10倍の事故率があります。それだけ社会的責任が高いともいえますが。
おなじように大きな会社はその規模以上に飛行時間が多くなっているような傾向もあります。
小さな会社は機数が少ない分以上に飛ばないような仕事内容だといえるようです。
無事故で落札会社を決めていくと小さな会社が有利となってきかねません。
もうひとつの問題点は、ヘリコプターの事故は飛行機と違って地上で起こる事故の確率が非常に高くなっています。
狭くて 整備されていない 場外離着陸場で、飛行作業にかかわる人たちが、変幻自在に動き回る場合などが多く、また、地面が不整地であったりすることが、ヘリの横転事故や、障害物との接触など、飛行機にはありえない事故が多く発生しています。
このような場合に、いわゆる飛行中 あるいは飛行準備中でないから事故として扱われない例や、極端な事例では事故そものを隠蔽してしまう例まであったりしました。
いずれにしても、安全な運用は、今後とも、公的ヘリコプターの発展に必須の条件であることは間違いありません。
安全に関して、包み隠さず、オープンに意見交換、対策処置の実施、不安全事項発生時の十分な対応などは 競合競争社会の中でどのような整合性を構築できるかかなりの難問であることには間違いないようです。
安全に飛ばしたいものです。パイロットとしてはそれを一番に願っていますが、、、、、、
見事な安全管理 C電力パトロールヘリ、、、、、
西日本にあるC電力が送電線パトロールにヘリコプターを使いだしたのは、1970年くらいで他の電力会社よりも遅れること10年以上だったかもしれません。
送電線パトロールヘリコプターが飛び出して、無事故なのは C電力 のみです。他社は軒並み事故を起こしています。死亡事故を起こしている電力会社も1,2社ではありません。
C電力は35年以上飛行時間にして4万時間以上、無事故が続いています。
それは緻密で手のかかる安全対策をヘリ会社に強制しているからでしょう。しかもその安全対策を実施するのに掛かる費用はヘリ会社に支払っているのです。
ですから他の電力会社の支払うヘリの運航料金よりも高い金額を支払っています。
ヘリコプターの整備上のこと、パイロットの経験訓練 育成の事、ヘリポートの安全管理のこと、ほかで起こった同型機の事故のこと、運航会社がほかで起こした事故のこと、ありとあらゆる安全上の問題について、調査 報告 対策を求めてきます。
また、その報告、対策等が十分でないと、直ぐにパトロールの運航を止めてしまいます。
そして、不具合に対して十分な対策を取った段階で運航再開と成ります。
これは 多分 原子力発電所の事故不具合対策実行の、手法ではないかと想像しました。
絶対に事故を起こさない、起こせない ではどうするかという手法ではないかと思いました。
35年前運航を始めた当初、ヘリコプターが故障して、説明を求められた時、相手は素人だと読んで、適当にはぐらかそうとした、整備の責任者が返り討ちにあって、それから不信感が増幅し、整備規定以上の整備を要求されたり、他社の農薬散布で同型機が事故を起こしたために、長期間運航を止められたものです。
どんどん 安全対策が 膨らんで 会社としては非常に困った状態になったのですが、結果的には無事故が達成されています。
こう言う状態でも 安全が保たれて、無事故が続いていますが、何ら不具合が無いというわけではありません。
色々と不具合が発生し、規定以上の整備を求められた場合には、その費用については別途支払っていただけるようにもなりましたし、保安上 夜間 出先場外に係留しないで安全な場所まで空輸する場合についてもその費用を支払っていただけるようにもなったようです。
安全に対して、無関心な顧客は言う事も殆ど言わないし、必要な安全対策費用も支払おうとはしません。
事故が起きるまで、ヘリ会社に好き勝手にやらせて、結果自社の社員を殺したりけがをさせたりしてしまうようです。
超大企業電力会社であってもC電力以外はこのような状況です。
そう言えば、原電の蒸気配管の破裂で下請け社員を殺したのも、k電力ですし、今回の中越沖地震で原発が大きな被害を受けて、夏のピークの電力危機を招いたのもTK電力でした。
安全管理体制の充実度は、会社の大小、規模にはぜんぜん関係ないようです。TK電力はヘリコプターの送電線パトロールでも社員を殺しています。
そのような中で弱小電力会社 C電力のヘリコプター送電線パトロールの安全管理手法は秀でています。
4万時間以上 35年無事故です。
ドクターヘリ、もぐらたたきゲームは大丈夫かな、、、、
ドクターヘリに関わって約1年過ぎました。出動回数も110回を越え 何とか周りの様子が見えてきたのかなという感じです。
いま ここで振り返ってみて、ドクターヘリ運航の現状を見て一番、欠けているものはなにかと、聞かれれば やはり 【安全】と答えるしかないでしょう。
日本のへりは1万時間に一回事故を起こしてその半分以上は死亡事故となっています。過去の統計ですが。
1機あたりのドクターへりは30年で約1万時間飛行しますので、30年で一回事故を起こす確率が高いといえます。
そうすると全国で50機飛べば、毎年2機が落ちて、そのうち1機は死亡事故となる確率があります。
こう言う状態が現実であるならば、安全や無事故ということに関して、無関心でいられるはずがないと思います。
モグラたたきゲームでモグラが顔を出す前にたたいておかないと顔を出した時点で誰かが犠牲になるということです。
どんなモグラが顔を出すのでしょうか。ヘリコプターの故障 悪天候 操縦士の経験技量、離着陸場の整備状況、給油に際してうける制限、操縦士が受ける救急時のプレッシャー、少し並べただけでも どんどん出てきます。
始めから たたいておけるモグラは 事前にたたくべきでしょう。
例えば 給油施設を基地病院に5億円で作ったとしても、飛行回数が半分になるのですから事故を起こす確率は半分になります。
ヘリポートを整備するのに5億円かけたとしても、今後100年も使うのであれば安いものです。
これで2匹のモグラはいなくなるわけです。
モグラをたたくのはヘリ会社であったり、当事者のパイロットであったりするのですが、実はその当事者の後ろにいて、それを支援、管理するのは 病院担当者であったり、県の担当者であったりします。
あるいは、県知事や厚生大臣であるかもしれません。
現状はモグラたたきは当事者任せ、ほとんど関心が無いように見受けられます。
ヘリコプターが飛び出して50年どれほどの犠牲者が出ているか考える時、無関心でいられる神経をどうも理解できません。
入札で安いところに落ちるのは仕方がないとしても、安全の条件で決まることは全く無い状態がどうも心配です。
安全に関心があるということは、なにか具体的行動をするという事で、安全に飛んでくださいね は何もしないのとほぼ同じです。
ヘリコプターのモグラはなかなか手ごわいですね。 過去の実績からそれは確かです。
続くな!!警察 消防 防災ヘリに、、、、、
今現在 10県に11機のドクターヘリが配備されて、飛んでいます。
その 有効性 費用対効果について付いての検証が十分なされているかどうか、やや疑わしい所がありますが、救命効果については、概ね一定の評価がなされているようです。
それは なぜかと言うと、先進的に 導入されている県は、いずれも強力なリーダーがおられて、ドクターヘリの有効性について、強い確信を持って配備導入されています。
そういう県では、周到な準備がなされています。通常は本運航に入る前に長期間のシュミュレーションを実機を使用して行って、様々な問題点の検証をして、その対策をしたり、実際の有効性等を、再確認したりされている所が多いようです。
長いところでは30年近い期間を経て、本運航にこぎつけた所もあるくらいです。
さて 法律ができて、各県導入がほぼ目前に来ています。
今既に運航しているところの県は、皆先進的であった訳ですから、その熱意たるや普通ではありませんでした。
まさに尊敬に値します。
ところが 少し心配なのは、残った36県です。まさにピンきりです。
既に運航しているところの県へ先ず、アンケートを送りつけてきます。
運航内容の実態を知りたいのでしょう。それは理解できます。多分ドクターヘリは何か全く分からない状態なのでしょう。
あるいは、視察にきます。上は大臣クラスの国会議員から、市会議員まで、さらには県の担当者レベルの方々までおられます。
が、 長くて 1時間 早い時には30分もいないで帰ってしまいます。
短い時間に、実態やこれから起こるであろう問題点について、できるだけお話するようにはしていますが。
はっきり言ってそれで何がわかるのでしょうか。
一月や二月 運航の現場や実態を 見る必要は無いのでしょうか。
まさに自分の県の状況を重ね合わせて、運航の実態や、患者さんの取扱い、ヘリコプターの状況、見るべきものはいくらでもあります。
ドクターヘリが入れば多分少ない県でも10年で30億円くらいの金は飛んでしまいます。
果たしてそれの見合うものが、実際にあるのかどうか。
少なくとも一月や二月は試験運航ぐらいはするべきでしょう。
こう言うことを完全に失敗したのが、警察へり 消防へり 防災ヘリです。
ヘリを飛ばす職業についている者なら、今の3分の1の数で十分だという意見に90%の者は賛成するでしょう。
補助金がばら撒かれた結果、有効なヘリコプターの使われ方が崩壊したいい例です。
今後 導入されるドクターヘリのうち半分は失敗に終わるでしょう。一律補助金制度がそうさせるのかも知れません。
訓練ばかりで飛んでいる、警察防災消防のヘリに続くな、、、、ドクターヘリ!!!!