屋上ヘリポートの重量制限、、、

https://news.yahoo.co.jp/articles/38e9f5b028688a3ecc39c4f9f18dfa8e9823c165
4月に有明海で小型機が不時着水したときに、海保のヘリが吊り下げ救助して病院に搬送しようとして屋上ヘリポートの重量制限を超えるということで、空港で救急車に乗せ変えて搬送したという事例があったそうです。
この件を反省し、直接病院へリポートに着陸する訓練を実施したというニュースが入っていました。
屋上ヘリポートは設計上、使用するヘリの機種対象を決め、それに該当するヘリの最大重量の2,5倍の荷重に設計されているようです。
この2,5倍という数値は航空機の設計の基準となっている値だそうで、MRJがテストフライトで主翼の構造部分にひびがはいったとうわさされたのが事実なら絶対にありえない設計ミスだったと科学者が評価していたことがあります。
ビルの強度設計上、屋上の重量物は下の部分に与える強度設計に大きく影響するため、ヘリポートの制限重量をむやみに大きく余裕を持たせことが経済合理上できないため、着陸が予想されるヘリの重量をカバーするギリギリの制限でしてあるため、その県で運航している防災ヘリの重量を基準として設計されていたようです。
ということでBK117やB412 で設計していたところAW139やAS332が着陸できないという事態が各地で起きたようです。
ところがヘリの最大重量の2,5倍までの荷重に耐えられるような設計のヘリポートに人命救助のヘリが最大荷重設計重量の半分にも満たないヘリが、規定があるから着陸できない、しないということが実際に実行されていたそうですが、あまりに狂っていないかということが取り上げられることはなかったようです。
1キロ先の飛行機に離陸するヘリがぶつかるから離陸するなとか、少し大きい文字規則を守れというような、あまりに現実とかけ離れた規則を強要することと同じ考え方で頭が固すぎるというようなものです。
もし搬送する患者が手遅れで死ねば、富士山で落とした事例と全く同じ結果で、設計上15トンに耐えられるヘリポートのに規則違反だから7トンのヘリが着陸できないなど、気ちがい沙汰でしょう。
規則は人の命を守るためにありながらその規則が人の命を奪うことを平気で行うという矛盾です。
ヘリポートの設計基準がなぜ航空機の設計基準と同じでなければならないのかということなのですが、毎日100回の離着陸に耐えるような運用ならその基準も無視はできないでしょうけれど、10年に一回人命のために着陸するときにその規則を守ることが重要なのかどうかはだれが見ても同じ結論を出すでしょう。
結果的にやはりおかしいという結論でどのような解決策を取るかというと、反省して何とか着陸できるようにと今回の訓練となったようですから、そのようなことはしなくても、人命救助の場合は設計重量の2,5倍までパイロットの判断でご自由に着陸してくださいと規鉛筆を舐めて規則を変えればよいだけの話で、自ら決めた規則にとらわれて人を殺しても、頑として譲らないアホさ加減の日本がそこにあります。
設計は2,5倍まで耐ええるようになっているなら、人の命がより大事でしょう、何をためらっているのでしょうか、、、
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ヘリコプター 着陸場所は、見えるか??

ヘリコプターのパイロットにとって、着陸場所は空港、、ヘリポート、ただの空き地など様々なところなので、飛行場しか着陸しない飛行機と違っていろいろと苦労があり、巡航から着陸に至る見張と着陸場所特定と着陸技術が一体となっていて、パイロットそれぞれの経験と技術が大きく出ることになります。
写真の真ん中に写っているのが神戸大学病院のヘリポートですが、真ん中に映してあるからかろうじてわかりますが、今はGPSという便利なものがあって、距離と方向と到着予定時間がわかりますので、あらかじめ実物を確認する距離をほぼ決めておいて、発見したら目視で着陸のパターンに入って着陸します。
大昔インドの空港へアプローチしていたJALのDC8が無線方向探知機で空港の上空を確認し目視したのち、有視界飛行の着陸のパターンに入ったのち、目的空港と平行にあった小型機専用の小さな空港に着陸してしまって、オーバーランした大事故を起こしたことがありました。
これと同じようなことがヘリコプターにとっては頻繁に起こることなのですが、ヘリが着陸する場所に、全くマーキングもなければだれも待っていないことなどいつでも起こりうることで、ドクターヘリでなくてもヘリパイロットはずいぶんと苦労したものです。
ヘリパイロットは着陸場所を目視で確認したのちに障害物と風の様子、そして今一番重要なのは騒音被害で地上にできるだけ迷惑をかけないパターンを決めるのですが、その判断でほぼ安全性と迅速性などすべてが決まってしまいます。
ということなので、いかに早く着陸地点を特定できるかなのですが、灯台のような強烈な光と明確なマーキングや、学校、公園、などというようなわかりやすい目印があれば簡単なのですが現実はそううまくいく場合ばかりであはりません。
現実はGPSで一定の距離から減速したとしてもうっかりしていたらあっという間に行き過ぎてしまいますので、相当な観察目と予備知識、状況を読む動物的な感などが必要で、着陸にかける時間がへりパイロットの技量と経験の集大成となります。
そして一度着陸した場所は自分のメモリーに正確に記憶させておいて次回からの着陸に遺憾なく情報処理能力を発揮させる必要があります。
全国的に最近の屋上ヘリポートのマーキングは視認性があまりよくない、航空法指定の丸Hマークから病院へリポートの国際標準規格に統一されているようなので大変良いことなのですが、国土交通省はもういい加減航空法を改正して、〇にHの強制はやめるべきでしょう。
ヘリパイロットにとって、着陸地点の発見特定から着陸に至る一連の判断操縦は技量の評価そのもので、たぶん100人いれば1番から100番までの評価が下ることでしょう。
さらにもう一点付け加えると、一連の着陸に至る判断操作の中間くらいから、すでに離陸のパターン操作を考慮し、着陸前には離陸方法を確定しておくべきでしょう。
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屋上へリポートの周囲のネットは、、、、

古い屋上へリポートには周囲にネットがほぼ水平に張ってあり、新しく建設されたものほどほぼ、ネットはないという状況なのですがこれはいったい何の目的なのでしょうか。
ヘリの吹きおろしの風で何かが吹っ飛んだ時に下に落ちないように止めるためなら、少しは角度をつけたほうがよさそうですが、急角度に立てると離着陸の時に引っかかって大変危険なので、寝かせてあるようにも思えます。
私が先輩から聞いた話では、ヘリが着陸するときに、最終的には屋上の外側から、中央のHマークへたいへんゆっくりと進入しますので、ヘリの前方のローターが屋上にかかると、その前方のローターの吹きおろしの風が跳ね返って、機体を持ち上げようとするのですが、それが前方だけに起こってアンバランスとなって、機種が上がって、域足が止まってしまうかひどいときには後ずさりしてしまうということが起きると言われていました。
後ずさりをするとどうなるかというと、もちろん地面効果が全くなくなるので、すかさずパワーを入れないと落とされて、ビルの側面が目の前に来るということになり下手をすればローターでビルの壁をたたくか、うまくかわしたら下に落ちていくことになります。
屋上へリポートの外側にネットがあると、この地面効果の起き方が緩徐になり、このようなことが起きにくくなるといわれていて、古い屋上へリポートのはほとんど設置されていたようです。
その後このネットがなくなったのはなぜかということですが、やはり地面効果のアンバランスが起きないような効果がそれほど顕著ではないと多くのパイロットが感じた事が第一で、ならばいらないとなったのでしょうか。
そして、離着陸で生じる地面効果のアンバランスが影響する、姿勢の変化と速度の急低下には操縦法で十分に対処できるということがあるでしょう。
新米パイロットがヘリの前方ローターが屋上面にかぶさるときに速度を落としてしまって、いわゆる落とされることを経験することがありがちで、これを怖がって逆に屋上面に入る高度を10メートルも20メートルもの高さで入るパイロットも多くいます。
これはセットリングウイズパワーという別の危険性が大きいほか、速度コントロールがむつかしくなり、別の危険性が起きる可能性が高くなります。
屋上だからと、高く入ったり、低く入ったり、速度を殺して入ったりと、地上の離着陸と同じように進入することが一番安全で確実といえ、ヘリポート面のネットがあろうとなかろうと、同じ角度、減速レートで行うことが、また行えることが安全上重要でしょう。
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急角度の離着陸は危険??

一般に素人というかヘリのパイロットの中でもヘリコプターの離着陸を急角度で行うことが危険であるという認識すらない者がいるようで困ったものです。
素人はヘリだからまっすぐ上昇したり、急角度で着陸進入することが危険であるということを知らないため、ドクターヘリ基地の周りの住民が騒音被害を訴えてくることを恐れて、急角度で着陸したり、まっすぐ上昇してから目的地へ向かってくれというような、自殺願望のようなことを平気で要求する関係者が普通にいるようです。
またヘリ会社の営業幹部や経営者までそのような危険な要求をいとも簡単に受け入れるものが多いうえ、運航関係者まで危険ですよと言わないものが多いようです。
ヘリポートの基準や臨時ヘリポートの許可基準に進入勾配や離陸方向の勾配が8分の一や4分の一以下と決まっているのはもちろんそれ以上の角度は危険が大きいからで、この基準は双発機や大出力のヘリなども同じ基準で、墜落して死ぬよということを言っているのと同じです。
ヘリの離着陸の難易度からいえば、角度が浅いほど操縦が容易で、飛行場に着陸できないヘリパイロットはいませんが、狭い場所へ急角度で着陸できないパイロットは五万といます。
飛行機の場合は飛行場はVACSという光で進入角度がわかる装置があったり、計器飛行の場合は3度程度の無線誘導されますが、ヘリの場合は角度の判定を目視で行うため、パイロットの経験錬度で判定能力に優劣があります。
さらに屋上ヘリポートの進入角度の判定は地上からの高度が高いため、難易度が高く、屋上が高いほどむつかしくなり、さらに騒音で高くしろという命知らずの命令で毎回自殺願望のような着陸をしているパイロットをよく見かけます。
飛行機の場合は1000時間も飛べば、毎回同じような飛行場へVACSの見え方で同じアプローチができるので、ほぼ着陸はできるようになりますが、1000時間のヘリパイロットが屋上ヘリポートにまともに着陸できるものは少ないようです。
狭い場所への着陸の場合、新米ほど障害物からの距離を取ろうとしますので、より深いアプローチになり、さらに追い風判断を誤るとより深くなって秦野の墜落となります。
屋上ヘリポートへの着陸を見たら、そのパイロットがどの程度高さを把握しているかがわかり、わからない新米はとにかく速度を落として、ゆっくりと進入する安易な方法をとりがちで、これに角度判定を誤ると致命傷です。
ヘリの着陸は飛行機と違って、速度も角度も方向も自由自在に変えることができるだけに、基本ができていないパイロットにとっては毎回命がけでしょう。
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和歌山県もドクターヘリ格納庫整備、、、、

https://www.komei.or.jp/km/wakayamacity-tada-junichi/2016/10/03/%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E4%B8%AD%E3%81%AE%E6%B6%88%E9%98%B2%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%82%92%E8%A6%96%E5%AF%9F/
昨日 岡山ドクターヘリの格納庫のことを記事にして、少し気になっていたものですから、古巣 和歌山ドクターヘリはどうなっているのかと調べてみると、なんとこの6月に新しい消防学校に立派な格納庫が完成して使えるようになるそうです。
ただし、台風非難の場合のみと書いてありましたので、なんと巨額な費用を使ってと思ったのですが、新しい消防学校の建設に合わせて立派なヘリポートを作ったようですので、県庁所在地からはるか離れた白浜空港に駐在している防災ヘリや県警ヘリのヘリポートとしての機能もあるように思います。
もちろん給油施設も作れば、海岸近くの埋め立て地の空き地で一回出動するたびに給油していたものも、消防学校へリポートでできることになりそうですが、どうなるのでしょうか。
台風避難などで年間2,3回使うにしても、給油設備や、ヘリを移動させるトーイングカーが必要ですので、常時配置しておく必要はありそうです。
ということで避難用の格納庫を建設する費用は他の目的の格納庫と同じだけ必要なので、片道20分かかる神戸への避難の飛行時間が5分になるだけなのでそのための格納庫に1億円もかけることには合理性がないでしょう。
病院敷地内なら毎日使用するので、1億円でも合理性がありますが、ドクターヘリ運航開始の時に解決しておく物理的な条件を先送りすればこのようなことになります。
この新しい消防学校の用地は大阪府との県境にあって、関空を建設するときの埋め立て用の土砂を取ったところで、造成して住宅地にする予定がバブルが初めて、20年以上も更地のままになっていて、最近は太陽光発電に利用されてるような、使い道のない土地だったので、消防学校やヘリポートにもってこいの土地ということなのでしょう。
そのような条件での格納庫建設なので、和歌山県は渡りに船なのですが運航会社にとっては何らメリットはないでしょう。
ドクターヘリの運航にも、片道20分が5分になるだけで、自社運航基地から誰もいない無人の格納庫になっても何のメリットもなさそうです。
県警ヘリや防災ヘリにとっては県庁所在地に近いヘリポートが整備されて運航上のメリットはありそうです。
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