風を読めるか、ヘリパイロット、、、、

和歌山ドクターヘリ (343)

 先日から日本列島は春の嵐で、昨日は東日本は春の嵐が吹き荒れていた様子で、ネットでは成田などの離着陸で200トンの航空機が木の葉のように暴れながらアプローチしている様子がアップされたりしています。

 航空機には横風制限や風速制限はあるのですが、ほぼ着陸ができるかどうかの問題で離陸はあまり関係ないですし、上空へ行けば乱気流が問題となるようです。

 ヘリでもそうなのですが重い大きいほど風に強いのですが、それは風の速度の変化によって揚力が大きく変化し、上げられるほうはあまり問題がないのですが落とされたときにちょうど地面に着けばハードランデイングとなって機体が壊れるということになります。

 飛行機が滑走路に着陸する場合は、風は普通、地面に平行に流れているので揚力の問題だけですが、ヘリの場合の離着陸の場合などはビル風が垂直方向へ強く吹くので、揚力の変化程度では済まないほど、落とされたり上げられたりします。

 空港では管制官から送られてくる風向風速は2分間平均と、最大最小に一定以上の変化がある場合には最大値と最小値がパイロットに送られてきます。

 飛行機の場合は、速度が低いと風の最大最小の影響を強く受けますので、通常より進入速度を早くするなどマニュアルで決められています。

 ヘリの場合は着陸は速度ゼロなので、垂直成分をもろに100%受けますので、10メートル毎秒降下の風に入ったら、最大パワーにしても墜落か地面に激突となります。

 屋上ヘリポートに設置してある風向風速計は水平方向の風の強さのみしか計測できないので、パイロットは風向風速を見て地形や、ビルの形状で垂直方向の風を予測します。

 マニュアルや運航規程、パイロット同士の情報で30ノット以上は着陸しないなどとある程度は決めておいたほうがより安全なのですが、実は離着陸時の一発勝負なので、経験がものをいうことになります。

 このようなことは、マニュアルなどで一概に決められない点がヘリパイロットの醍醐味でもありリスクでもあるのが特徴なのですが、それでもどこかには限界値があるはずなので、無理は禁物ともいえるでしょう。

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宮崎県で落雷被害、、、、、、



 https://news.yahoo.co.jp/articles/476248c7f71767ec5542bdfe66923f67a23b9795

 https://mainichi.jp/articles/20240403/k00/00m/040/292000c?inb=ys

 3日前に続いて昨日宮崎県で不安定な雷の天候になり、落雷被害があり、離陸直後のJAL機が2回の落雷を受けて、関西空港に臨時に着陸したほか、サッカー中の高校生が落雷の影響で18人が救急搬送、そのうち2名が意識喪失の重傷だそうです。

 JAL機は宮崎空港を離陸直後、5分後に空港の北9キロ付近4500メートルで2回の落雷を受け、飛行中に乗員が機内に異臭を感じたために羽田から関西空港に目的地を変更して着陸したそうです。

 雷レーダーでは飛行経路にまともに雷が観測されていて、離陸を遅らせるか、経路を変えていれば落雷を受けることはなかったようです。

 JALは3日前にも宇部空港付近で被雷し、北九州空港へ目的地変更で着陸したばかりなので、不安全の教訓を生かせないような体制があるようです。

 雷3日と言う気象のことわざがあって、上空に寒気が居座る不安定な状態が継続することが多くあり、雷レーダーで観測されている空域へまともに突っ込んで行く気持ちがよくわかりませんが、普通なら少し離陸時間を調整するか、激しい雷雨の空域を避ける慎重さが必要でしょう。

 サッカー中の高校生の被雷は不運なのですが、おおむね落雷の被害が出るのは激しい土砂降りの雷雨中だけではなく、空が暗くなって、比較的遠くからピカピカ雷鳴が近づいてきたと思ったら直撃したというゴルフ客の死亡例が数多くあるようです。

 気象の知識が命を守るということが言えそうです。

 落雷被害はアッと気が付いた時にはすでに遅く、君子危うきに近寄らずがもっともよい予防処置です。

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春の嵐 続く、、、、



 https://news.yahoo.co.jp/articles/6a193cfa1b7c469fbabd7bc15180b9d60e716bf3

 今日から4月1日 年度代わりですが、毎日が日曜日の年基金暮らしにはあまり変化はないようです。

 しかしこの頃は天候が激しく変化しているようで、2週間ほど前から4,5日おきに春の嵐が続いていて、強風 大雨 落雷、黄砂などが連続しています。

 4月は一年のうちでも結構乾燥しているうえ、一番風が強く、山火事の件数が一番多い月だったと思います。

 春の嵐でもないようですが、あまりの激しい気象現象で、定期便が欠航していましたが、ついに昨日夕方宇部に着陸するはずのJAL機が雷に打たれて、北九州空港へ目的地変更して着陸したようです。

 ウエザーレーダーがあって、夕方なら雷の雷光が見える場合もあるので、避けることはそうむつかしくはないのですが、着陸地がバリバリならある程度は接近せざるを得ず、着陸後の点検で撃たれた跡があったようですから、パイロットだけでなく乗客も相当恐怖心を味わったことでしょう。

 自分自身が飛行中に機体に雷が当たった経験はありませんが、100メートル以内 先の鉄塔に落ちたり、周りに続けて落ちたり肝を冷やした経験はあります。

 小型機やヘリはまともに当たって墜落したことは数件は知っていますが、旅客機程度の大きさで墜落した例はアメリカなど数件はあるようです。

 と言うことなら避けるに越したことはないのですが、目的地の場合にはある程度は近づく可能性があり、どこであきらめるかの判断が肝心で、乗っている全員はある程度の恐怖は避けられないでしょう。

 今回の場合、ある程度近づいて宇部に着陸しようとして粘っているときに被雷し、仕方なくすぐに北九州に着陸したのではないかと思います。何しろ宇部から北九州は20キロはなかったと思います。

 離陸したらすぐに見える距離なので、北九州も雷だったと思うのですが、被雷したらすぐに着陸したくなることでしょう。

 マー無事で何よりですが、比較的穏やかな春4月近くにこのようなことが起きるのは珍しいと思います。

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凍結気象状態での飛行、、、、



 ヘリや小型機が強い降雪中などの凍結気象状態での飛行は一般的に大変危険で、過去には犠牲者が出る墜落事故が起きています。

 ヘリの場合、凍結が起きる場所は風防やエンジン、機体の外板の風の当たる先端部などで、もちろん、外気温度が0度以下で雲中飛行や降雪中、あるいはプラス5度以下での雨のなかの飛行でも起きる可能性が高いのですが、このような条件なら必ず起きるとも限りません。

 ローターは結構振動が強いようであまり起きないようで、ローターの着氷凍結が起きた例はあまり経験はなくあまり聞いたことはありません。

 海外では報告されているようですが、、

 ヘリの場合、速度が遅いので、着氷は風防から起きることが多いようで、何回も経験がありますが、風防に着氷が始まると、エンジンの空気取り入れ口にも起きていることを想定して、早く着陸するか着氷空域を避ける必要があるようです。

 ベル206の取材機が湖北地方の豪雪の取材に飛び、帰りに琵琶湖南部を横断中にエンジンの空気取り入れ口に付いた着氷が溶けて一挙にエンジンに吸い込まれて、エンジンが止まって、オートローテーションで無事着水したものの、あまりの冷たい湖水を泳いで、力尽きて3名の方がなくなる事故がありました。

 当時からスノーデフレクターという着雪防止のカバーがあったのですが、着雪の知識が不十分で装備することを怠ったためエンジンが止まることを防げなかったようでした。

 大型機には風防の着雪を強力な熱線で溶かす装置がありますが、時々風防にひびが入るトラブルがあるのは、強い熱の影響があるようです。

 強い降雪中の飛行は着雪と降る雪によるホワイトアウトが重なり、視界が一挙に失う危険性があり、このような状態での着陸はさらに視界を失う可能性があって、相当慎重な操作がひつようで、いつでも着陸復行できる体制で臨む必要があります。

 そして、ドクターヘリなどが夜間飛行を行う場合になると、このような最悪の状態でさらに夜間の暗さが加わり、一挙に離着陸技術が最高難度となります。

 強い降雪状態に変化する時間はごく短時間、飛行距離のごく近い地点でも急激に変化し、あっという間にヘリが雪だるまになり、視界を失う可能性があり、引き返す判断、予防着陸する判断に時間的な余裕が少ないと心得て飛ぶ必要があるでしょう。

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ドクターヘリ 積雪で救急車と合流できず??



 https://news.yahoo.co.jp/articles/2954487fb6fcd1c340950383f5efc5aca8cf390e

 今月18日に開かれた山梨県のドクターヘリ運航調整委員会で今年の2月に2件、積雪のためランデブーポイントでヘリと救急車が合流できなかった事例があったと奉公されたようです。

 そのようなことを防ぐため、積雪の場合は消防本部が5メートル四方を地面が見えるように除雪すると、運用ガイドブックを改定することに決めたそうです。

 改善されたことは非常に良いと言えますが、2月に事例があったのに、3月くらいまでは同じことが起きる恐れがあるのに12月まで改善しなかったことはあまり感心したことではないでしょう。

 一晩で30センチ50センチ積もることは普通にあり、機械力で5メートル四方を除雪するには10分20分程度でできますが、除雪機がどこから来るかで1時間程度はかかりそうですから、ドクターヘリの運航には間に合わないでしょう。

 人力でやると30センチでも小一時間はかかりますので、同じく間に合わないでしょう。

 また新雪の場合にホワイトアウト防止には5メートル四方では不十分でローターが巻き上げる雪の飛散は止められないでしょう。

 通常の場合 ランデブーポイントの除雪は道路の除雪を行う業者の除雪ルートに入れてもらって、付近の道路の除雪に合わせて、除雪車が出動する日には自動的に除雪することをルール化してもらうことが必要です。

 普段、雪が降らない地方で、除雪車の備えがない地域で、夜間に積雪があった場合には消防本部に近い地域の特定のランデブーポイント決めて毎回除雪をしておき、優先的に使用すると良いでしょう。

 通常雪があまり降らない地方では、ヘリコプターにスノーシューを装備しないのですが、20センチ以上の積雪がたびたび起こる地方ではスノーシューは装備するべきで、この場合は、10メートル四方を圧雪していただくと着陸の安全性が飛躍的に向上します。

 ヘリコプターが安全に着陸して、エンジンを止めるには不安な積雪地でも、何とか医療クルーだけでも下ろせれば、患者への初期処置はできる場合もあるので、臨機応変に対応する場合もあるでしょう。

 常時雪が積もる地域では雪の中の運航技術は経験とともに向上しますが、普段降らない地域で慣れない積雪があると一挙に危険性が増すので、雪を想定したイメージトレーニングや知識の吸収は機会を見て実施するべきでしょう。

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プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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