いよいよ梅雨の走りか、、、、

https://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/29/6410/29425.html#week
地元 奈良の週間予報は月曜の今日から土曜日まで雨か曇りとなっていて、いよいよ梅雨の走りかと思わせる予報ですが、例年の西日本での実際の梅雨はほぼ6月の後半から7月の中旬くらいではないかと思います。
5月の末から6月の初めに少し長雨が続くと気象庁の担当者はメディアを意識して、梅雨入り宣言の発出に悩み、6月初旬に宣言してしまうことが多く、その時機以降に晴れが続くと、梅雨の中休みと言い逃れをすることが多いようです。
今年は季節外れの台風に影響を受け、週末くらいに入梅を宣言するかもしれません。
ヘリコプターの仕事は撮影をしたり、山岳地帯へ物資を輸送することが中心だったころ、天気予報を調べて、今日は中止と決めて、することがなくなると現地でクルー全員で遊びに行くようなことは普通でした。
視程が悪くなったり雨が降ったり、山岳部でガスがかかったりすると、まともに飛び続けることがむつかしくなったり、まともな絵が取れなかったりする可能性が高いと朝7時の電話連絡でその日は失業となりました。
ところが、テレビ報道や、ドクターヘリの場合はそのようなことはできず、どんなにお天気が悪くても一日中待機し、出動要請が入ったㇼ、事件事故が起きるとその都度飛行の可否を判断する必要があり、飛べる可能性があるなら悪天を突いて離陸しなければなりません。
もちろん 即座に飛べませんなどといつも言っていると、パイロットの腕を疑われることはもちろん、他社が飛ぶなどすれば信用が地に落ちてしまします。
空港間を計器飛行方式で飛べる旅客機などは、公式の観測データがあり、規定の数値がはっきりとわかりますので飛行の可否の判断はかなり簡単なのですが、飛行場以外の場所を離着陸するヘリの場合は公式なデータ数値は全くないので、観天望気で見て、ルート全域を予想するしかなく、これにはパイロットがどれだけ経験しているかが決め手となります。
パイロットは人間なので、イケイケどんどんもいれば、怖がりもいますので、判断は大きく分かれることがあるのですが、別れた判断で命を失うことや、行くも引くもできなくなって、不時着したりといろいろなことが起きることになります。
悪天地域へ向かって飛ぶときに、そろそろ無理かなと判断した場合に、わざと雲をかすめて飛んで、同乗者にこれ以上は無理ですねと語りかけて、引き返すなど、命を守るテクニックも必要となるようです。
ちょっとした悪天候でも先はわからない場合もあり、昼間でさえ危険が伴いますので、これが前がよく見えない夜間ならさらにむつかしいことになります。
梅雨時期には限りませんが、一般的に悪天候 雨降り、低い雲の多い時期は特に要注意です。
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スノーシュー、、、

雪国で飛ぶヘリコプターは雪の上に着陸する場合があるので、スノーシューを装備します。
直訳すれば雪の靴なのですが東北地方の日本語にはカンジキというぴったりの言葉があります。
カンジキは雪深い山中へ熊や鹿をを打ちに行く猟師が雪に潜って歩けなくならないように着けているもので、人間の重みでもカンジキを付けないで新雪なら腰まで埋もれて歩けなくなる状態です。
25歳のころ10年に一度の大雪が降った舞鶴付近で、電力会社の送電線パトロールで飛んだ時、何か所追記断線しているところを見つけました。電線に雪が巻いて伸び切って田んぼに接触している中で、ついに断線しているところを発見し、無線機もなかった当時で、広い田畑の向こうに公衆電話がありました。
もちろんスノーシューを付けているので着陸は可能と判断し、雪の中にスキッドを突っ込んだ状態で半分は浮いているような状態で降りてもらって、連絡電話をするということで、電力会社社員はドアを開けて外へ出ました。
様子を見ていたら、外に出は彼が一瞬見えなくなったので転んだのかとみていると、腰か胸までずっぽりと雪の中へ沈み、まるで泳ぐように公衆電話へ向かいました。
ヘリコプターも大型になって重くなると、スノーシューでは重量を支え切れないので、着陸はしてもエンジンを止めて重量をかけることはできないので、ごく小さなものを付けて、浮いた状態で足だけつける場合に安定するようになっているようです。
ドクターヘリのような小型のヘリでも3トンもあれば、ほぼ新雪上での完全な着陸は相当危険が伴い、着陸後にエンジンを止めるとしっぽが沈んで雪の中へテールローターが入ってしまったり、左右前後に大きく傾いたらエンジンをかけられなくなります。
大きなスノーシューを着ければある程度の新雪でも着陸は可能となりますが今度は、大面積の板は大きな抵抗となったり、ダウンウオッシュが当たって大きな振動が発生する元になり、実用的ではないようです。
ヘリコプターにスノーシューが必要なのは、着陸場所の準備ができる通常の運行ではなく、飛行中に起きた緊急事態の時や天候悪化で不時着する場合で、いきなり転覆しないような装置としてスノーシューがあると言えます。
そろそろ春の暖かい風が吹き出した季節ですが、ヘリに装備したスノーシューは何時外すのかということが結構むつかしく、それは里では春でもちょっと山へ入れば2,3メートルの残雪がある地域が多く、4月ころまでつけている地域も多いようです。
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風を感じながら、、、、

ヘリパイロットが何らかの失敗をしたり、事故を起こしたりする場合、いろいろ事故調査で調べる項目にはあまり取り上げられることが少ないのですが、最終的にヒヤリで済むか、激突するかの分かれ目はパイロットが空気やj風を適切に読んでいたかということが大変重要です。
航空機は速度が早い機種ほど風や空気に影響される度合いは小さくなりますが、ヘリパイロットは5メートルの微風を読み違えて墜落することすらあります。
微風でも大きな影響を受けるほどですから、15メートル以上の強風の中を屋上ヘリポートに着陸するのは至難の業で、得体のしれないビル風を読み違えばビルに激突しかねません。
そういうことなら風はいつも、難敵かと言えば全くそのようなわけではなく、稜線を駆け上がる上昇風に助けられたら、全備重量いっぱいの荷物を吊っていても、軽々と稜線へと持ち上げてくれますし、頂上での上昇から下降に切り替わる風の曲がり角で、軽々とホバリングして荷物の吊りできしができる幸運もあります。
真冬の季節風は6000メートルでは時速100キロもの強風が吹くこともまれではなく、ドクターヘリでも時速200キロ程度の巡航速度ながら、2000メートルで追い風で巡航すれば350キロも出ることがあったりしますが、帰りの逆方向は低空を這って強風の影響を避けて帰ります。
あとは山間部などでの乱気流ですが、まるで高波やうねりを避けて漁をする漁師やヨットマンのように空気の乱れを交わして飛ぶのも重要なテクニックです。
もっと微妙なのは、夏の高温と真冬の低温時の空気密度の差が、ローターが機体の重量を支えてくれる性能にかなりの差があって、真冬はローターの先が自分の指先のようになってがっちりと空気をつかんで空中で支えてくれるのですが、真夏はまるで雲をつかむように頼りなくなることを実感できれば一人前です。
ヘリパイロットは船乗りが波や風を読んでいるのと同じように、風や空気を読むのが仕事なのですが、ヘリの性能が良くなりすぎて余裕があると忘れがちになりそうですが限界はどこかにあるので油断ができません。
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雪崩多発、防災ヘリ大活躍、、、、

https://news.yahoo.co.jp/articles/d5926a2c93be4d81f7d003a891f3b31d160de231
昨日の記事の内容は元ヘリ会社で同僚のパイロットの方からのご指摘で、旅客機パイロットのライセンス制度の改革での期間短縮が行われるとのことを指摘していただいて、自分の知識やニュースの改革が進んでいないことを思い知りました。
参考にしたネット記事の内容を書いた記者もほとんど理解していないようで、やはり専門的な内容の記事を書くには適切なアドバイサーが必要なようです。
最近、数日以内に大山や白馬で雪崩が起き、犠牲者が出る事故ですが救助に防災ヘリが活躍していることがニュースになっています。
雪崩は積雪量が多いということが一番の原因ですが、積雪の多さに加えて気温が高いということも条件で、豪雪地帯の深い山間部では春が進むとそこらじゅうの谷という谷に向かって、雪崩が起きて、山肌の土砂もろとも崩れ落ちて、茶色い肌を見せて醜い姿をさらします。
ということを送電線の鉄塔は雪崩で倒れないように、必ず谷と谷の間の稜線に建てる原則があって、谷間に落ちる雪崩の影響を受けないようになっています。
集中豪雨でも土砂崩れは同じような崩れ方をするので、やはり谷で起き、稜線部分はほとんど崩れないようですので、集中豪雨の後の被害調査に飛んでも、あちこちで土砂崩れが多発していても、鉄塔は無事なことがほとんどです。
写真は豪雪の白山の様子ですが、きれいな白山も夏が近づく季節には、谷間に向かって土砂を巻き込んで醜い崩れが起きて、雪が少なくなってきて夏にはごく少ない残雪が残る場所もあるようです。
雪崩地域の救助フライトは、雪のオペレーションの技術と、天候の悪い状況を理解した地形の慣熟程度がものをいう世界で、日ごろからの訓練や運航実績が大変重要となります。
ということで、いざというときに限界を熟知し、任務を成し遂げたということは大いに評価するべきことでしょう。
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雪の季節もピークかな、、、、

私は大阪生まれで高校まで育ち、今は奈良県で住むので、元は雪が降ると楽しいという無邪気な気持ちだったのですが、雪国育ちの方は長い冬の大雪にうんざり程度ならいいですが白魔という気持ちまで持つことは普通のようです。
最近では、大雪が降る寒気団が来ると暇を持て余して、狂ったメディアが雪の被害予測を針小棒大に報道し、国民すべてに脅しをかけて来るので、積雪が楽しいというような気持ちは小学生でもなさそうです。
大雪が降るとその年は豊作だと言われたり、スキー場に客があふれ、融雪による水力発電は梅雨ごろまで長く発電出来たりと良いこともいっぱいありそうなのですが、世知辛い世の中になったものです。
平野でも2メートルを超える雪が積もる、新潟県の僻地の豪雪地帯で4,5日続く降雪の合間の1日2日、電力設備の点検で飛ぶ仕事で毎日夜は、小さなスナックへ出かけて熱燗をいただく日々は結構楽しいものでした。
正月の間も電力設備に事故が起きると飛ぶので、平常待機するのでが、一応電力会社は休みに入るので、待機はやや緩くなり、正月手当は着くというので、家族そろって、定宿の古い旅館にお世話になって、子供たちに雪国を体験させてやることができました。
山間部で着陸する場所の積雪のピークは10メートルを超えているところは普通で、見渡すと地形が変わって見えるほどで、完全にモノクロの世界で、ほとんど白一色の世界です。
近畿地方でも原発の電力を関西へ送る巨大な送電線が何本も通る、福井滋賀県境の山間部では10メートル以上も積もり、大変な難所ですが、高さが60メートルもある巨大な送電線鉄塔が雪害で倒れたことがあり、仮復旧まで3か月も作業員や資材を運ぶという、貴重な経験をさせてもらったことがありました。
おかげで雪にはなれたはずなのですが、年は取りたくくないもので、今では最近2,3日のほんの少しの雪でも全く動けない元の体に戻っていて、温かい部屋でパソコンで遊んでいるような年寄りになってしまいました。
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