ローターブレード 木製から金属製、ファイバー製へ、、

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 ヘリコプターの一番重要な部品はやはり、何トンもの揚力を発生し、空気の流れに逆らって微妙に微妙に角度を変えて、自由に空中を泳ぎ回る、ローターブレードでしょう。

 そのローターブレードの材質は何かというと、最近のヘリはほとんどファイバー製で、強度があって、しかもねじれや曲げに対して強く、しかも耐久性に優れているようです。

 ヘリが最初に開発された当時の実用機、ベル47G2型はなんとブレードは比較的加工が簡単で同じものを作りやすい金属製ではなく、木製でした。 木製の耐久性としなりを優先採用したのでしょう。

 すぐに後継機となった、G3Bや川崎製のKH4は金属製で、耐用時間が多分3000時間程度で廃棄交換となりましたが、木製の場合の耐用時間は無制限だったのは、木材には金属疲労がないという理由で、金属は繰り返し応力で金属疲労があるからだと聞かされました。

 その後の機種、214は途中から、212が412に発展したときは金属製からファイバーブレードにとってかわったようです。

 特に214Bは金属製からやや軽いファイバー製に変更されたときには、オートローテーションなどの操作で回転数がオーバーシュートしやすくなったり、降下飛行から上昇へ急に変化させるときに、柔らかいファイバーの影響か、一瞬ピッチ角の効果が遅れて、上昇に移るのがややおそいように感じました。

 ファイバーを使用したのはやはり柔らかくて丈夫なために耐久性が改善されることと、同じものを作るのが比較的容易だからでしょう。

 シーソーローターは普通は2枚がセットで製造され、同時に2枚交換することが普通なのですが、1枚だけ 立木などにぶつけてへこみが許容を超えた場合に、後家ブレードをつけることがあって、振動の調整が難しくて許容に収めるのに苦労していたようです。

 防災ヘリで墜落した例で、降下から上昇に転じる操作で、ピッチレバーをあげたところ、意に反して降下が強くなったので、セットリングに入ったと思って不時着操作をして、山中に落ちたことがありました。

 そのパイロットは陸自出身でほとんど金属製ブレードの経験が多くて、ダイレクトに効くピッチバーの操縦感覚に慣れすぎていて、412のファイバーブレードの操縦特性をよく理解していなかったのではないかと思います。

 214の場合も同じように高度を下にえぐるように上昇に転じる、ファイバーブレードなので、ワンポイント少し上げ舵を与えおいて、その後上げるような操作をしたように思います。

 木製、金属製、ファイバー製といろいろとありますが、MD900は一番柔らかいファイバー製で、これも操作が遅れると着陸時にハードランデイングします。

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良いものは残る、長く残ったものは良いもの、、、



 ロシア製のカモフというヘリがあって、今でも重量物の物資輸送で飛んでいるようですが、大昔KA26というピストンエンジンの双発で2重反転のヘリで珍しいものがありました。

 確か800キロくらい積めるということで、ソ連にごまんとあって、価格はあってないようなもので、農薬散布機として使えないかということで導入しましたが、ろくに飛ばないうちに墜落していつの間にかなくなっていました。

 ヘリコプターはいろいろな形式があって、それぞれ特徴があり、欠点があって、良いものは長く飛んでいるようですが何か致命的な欠点があるとか性能的に無理があるようなものはいずれは消えていくようです。

 オスプレイは多分消えていくと予想しますが、あれほど欠陥機と言われ続けたベル412は50年もたっても新たに導入する国があるようですから、原理的にはそれほど致命的な欠陥はなかったのでしょう。

 テールローターがないMD900はほぼ消えかけていますが、当初言われたような素晴らしい新規技術のものなら世界のヘリはすべてノーターになっているはずですが、ついに後継機は出ないようですから眉唾であったということでしょう。

 同じようにテールローターをファン方式に変えたヨーロッパの技術はすでに特許が切れて、自由に使えるようになり、日本の川崎と三菱は導入しましたが、全く売れないで終わっています。

 過度な保護や何らかの偏向がある思想に元ずく科学技術への干渉は良い結果を生まないことは歴史が証明していますので、いずれ結果が出るのですが、魔女がりで殺しあう悪魔の人間はいつの時代でも多くいるので油断はできません。

 ファン方式は一枚一枚の羽が小さいので、空力的に効率が悪く、馬力を食う割にパワーが出ないので、大型機にはついに採用されることはないようです。

 社会主義者の主張する地球温暖化に対応する、電気自動車と空飛ぶ車は科学技術的に効率が悪く、エネルギーの無駄使いでCO2の削減にならず、100年間は実用化することなく消えていくことになりそうですが、空飛ぶものは犠牲者が出る可能性があるので規制当局は節度を守るべきでしょう。

 共産主義の下では小麦は良く育つと言うようなことをいまだに言う人は絶えないようです。

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空ぶ車 ドローン 事故調査の重要性、、、、

空飛ぶ車

 大阪万博のドローンの実用化に向けて、いよいよ最終段階に入る時期で、今は大変重要な時期で、今何かが起きるとすべてがパアーになりかねません。

 また、無人で医療物資などを運ぶ実用ドローンの実用化に向けての研究や実験があちこちで行われているようですが、100年近い歴史を持つ実用ヘリの世界でもいまだに事故が多発し、多くの犠牲者が出ている現実があります。

 空飛ぶ車や実用ドローン開発には多くの困難が伴うものですが、今日の記事は新しい航空機のに当たって夢ばかり見ているような甘い世界ではなく、多くの犠牲を払って実用化に進む中で、たった一回の事故で開発競争から退場となりかねない厳しい世界です。

 吉村知事が飛ばそうとしている、空飛ぶ車は今どのような段階にあるかよくわかりませんが、万一不利な事故やトラブルが起きた場合、開発企業や知事は必死の思いで不利なことは隠蔽しようとするでしょう。
 
 開発段階や試験中の空飛ぶ車やドローンは現実的には、法的には航空機ではないので、言わゆる、官の事故調査の対象になるものではなく、不具合や事故の報告の義務もなく、調査も強制できないでしょう。

 そのようなものにはインシデントも事故もなく、空力的な弱点や構造的な限界なども何ら追及されることはないでしょう。

 もちろん、広大な砂漠で自社のみで試験飛行や実用試験をすることには、制限を加えることは必要ないでしょうけれども、ほとんど実用航空機として、1年後に運航する予定の航空機がそのようないい加減な法体系の下で実験運航することには相当な管理体制が必要でしょう。

 今、このようなものが事件運航中に墜落するなどした場合、強制的な事故調査が入るkもなく、だれも見ていないところでなら必ず隠蔽することでしょう。

 もちろんメデイアも知らない顔を決め込むことはあり得るでしょう。

 固定ピッチプロペラの電池モーター駆動の航空機には大きな空力上の限界があり、限界を超えれば墜落しかありえない、強い不安があるのですが、すべて話題に上がることなく、夢の実用化に突き進んでいます。

 電動自動車と同様、一時のあだ花としてこの世から消える可能性が高いと言えるかもしれません。

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中國大型ヘリ テストフライトに成功か、、、、

中国ヘリ

 https://news.yahoo.co.jp/articles/faf2f1669fbc2f34cac42a9daeb5f46457887582

 中国が民間用ヘリAC3Aがテストフライトを始めたということで今後、高地、寒冷地、などでのテストフライトを実施するということだそうです。

 翻訳がおかしいようですが、ほかには消火バケット、救助用ホイスト、緊急用フロートなどの装備を備えてテストをするようなことを発表していますので、一応西側のヘリに対応するような装備はすべて開発するようです。

 写真を見るとS92とよく似ているように見えますが、コピー機だとしても大したもので、日本よりは相当進んでいるようです。

 MRJに対応する小型ジェット機はすでに商用運航を始めていて、1000機以上の注文が入っているようですから、中身はとにかく、実用化に進んでいますので、日本よりはかなり優秀なようです。

 後進国が航空機を開発するのはまずはライセンス生産から入って、その後独自に似たようなコピー機を作り、最終的には独自の設計をし、エンジンも作れると海外に売れるようになるのですが、その道のりは険しく、そう簡単にはいかないものですが、やらないことには実現はしないので、大したものです。

 ジェット戦闘機しかり、航空母艦しかり、原子力潜水艦しかり、半導体しかり、どんどん新しい技術に挑戦しない限りは先進国とは言えないのですから、失敗しても失敗してもあきらめない、盗める技術はすべて盗むことが大原則ですから、恥も外聞もなく頑張るしかないでしょう。

日本の技術者を取り込んで、鉄鋼 家電、車はすでに世界レベルですから次々と新しい技術に挑戦することは否定できない戦略ですから、日本も指をくわえていないで技術者を育成して取り組むべきでしょう。

 それにしてもヘリコプターくらいはまともなものを作ってほしいものですが、陸自の偵察用に作ったOH1のみがまともなヘリと言えるようですが数十機程度で終わっているのは、情けないと言うほかなさそうです。

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ヘリコプターどうなったら落ちる--??

1985年当時の写真 (3)

 22歳ころから64歳まで、40年以上、16000時間くらいヘリで飛び、スマトラで墜落事故1回、その他墜落寸前数知れず、一応生きてヘリパイロット人生を終え、振り返ってみるにどうなったらヘリは墜落するのかかなり理解できた気がします。

 ヘリコプターの設計思想に私のようなできの悪いパイロットでも死なないように一定の余裕をもって作ってくれたのか、はたまたたまたま構造的にそうなっていたのか、運が良かったのか、あるいは運悪く落ちそうになったのかよくわかりませんが、一応生きていますので、良しとするしかなさそうです。

 ヘリコプターの限界性能はエンジンの制限最大出力でホバリングする場合の重量が、またほぼ制限重量となるようになっていますし、その時のテールローターの性能限界もほぼ一致するようですが、瞬間的過渡的な限界はほぼ120%はあるように思います。

 つまり100%パワーでやっと浮いている、テールが回されない、制限馬力は100%を指しているということになりますが、しかしヘリに種類によって、空気の濃さ つまりその条件が標高が5000フィートで来るか、2000フィートで来るか、夏冬でも違ってきます。

 また追い風横風、ビル風によっても違ってきますが、性能は正直で嘘偽りはなく、ちょっと間違えば奈落の底へ落ちて行ったり、しっぽが回されたり、エンジンをふかしても負荷が大きくてローターの回転が下がりだしたりして、地獄への招待状が突き付けられます。

 そんな時、女神が助けてくれるように、計器の限界値を超えても反応してくれる、設計上の余裕の設定で、これは設計者が必ずしも意図したものでない場合もあるようです。

 逆に制限値までまだ少し余裕があると見込んでいても、空気密度や風、上昇下降気流などが寄ってたかって地獄へ呼びに来ることもあるので、経験と勘と、知識で予防線を張る必要がります。

 例えばローターやテールローターは長くて重いほど、慣性によって瞬間的な変化を受け止めてくれるので、パイロットが下手で鈍感でも一瞬の時間をくれるのですが、ローターが短くてファイバーで軽いとその猶予の時間はなく,即墜落しかねません。

 私が最近強く危険性を感じるのは、乱気流やビル風の中で離着陸を繰り返すであろう、空飛ぶ車のローターがそろいもそろって短く、いかにも軽く、落とされた場合に、パワーを足しても全く支えてくれないような気がするのですが、あっという間に地獄へ落ちそうです。

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プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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