ドクターヘリパイロットは優秀なパイロット???

今日の写真は自分自身が30代後半か40代初めのころで、西武警察最終回に出たころで、パイロットとしては一番性能が良かったころで、普通はこのような仕事はしないのですが、たまたまロケ地の付近で長い仕事があって、そのあいまに、石原プロに格安でサービスで出たときのものです。
当時、ヘリコプターが稼ぐ仕事は原発に繫がる山岳地帯の巨大送電線を建設する仕事で、いろいろ他の仕事があってもあまりもうからないものばかりでした。
防災ヘリやドクターヘリなどはヘリを飛ばす者にとっては必要性や実用性に疑問があって、いつまで続くか知れたものでなく、農薬散布の国家事業が急になくなって、余ったパイロットやヘリを使える道がないかと模索して、役人を巻き込んで政治的に実現したものでした。
つまりは余ったパイロットや整備士を投入して始めた仕事なので、「優秀」な人材を配置しますという営業トークで始まったともいえるでしょう。
ということで、そのヘリを使った医療サイドや官庁関係ではパイロットをどのように評価していたかは例のテレビドラマ、コードブルーにパイロットがどのように描かれていたかを見ればよくわかります。
役者はやくざ役を演じるような役者で離陸前に飛ぶのが怖くて、首からぶら下げたお守りを握りしめて祈るようなパイロットに描かれていて、、実際のヘリパイロットから見たら アホかというしかない程度なのですが、ドラマの筋書きを作った人からはそのように見えていたのでしょう。
そのような評価を受けていた会社は当然衰退し、完全未経験な会社が参入するすきを与えてしまって、大きな市場を奪われてしまったようです。
防災ヘリにしても、結果は全国で5機も墜落し、多数の死者をだし、悲惨な歴史を作ってしまったのですが、結局はパイロットの選定に甘さがあって、飛べるだけの技量しかない、仕事ができないパイロットに仕事をさせるとこうなるという結果を出したようです。
ドクターヘリが50機も飛んでいて、お守りを握りしめたり、仕事ができないパイロットが飛んでいないことを祈るしかありませんが、現実はなかなか大変だと思います。
実際にヘリを操縦し仕事をするパイロットの現実に目を向けない甘い制度設計はいずれ破綻する可能性が高いのですが、できればお守りを握りしめないパイロットで飛んでほしいものです。
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過去の50年と未来の50年、、パイロット、、、

世間の話を聞いたり、ネットを見ていると、ドクターヘリのパイロットになりたいという若者がたまにいるようであったり、民間の飛行学校にパイロットの資格を取る希望者が結構いるようです。
自分はたまたま50年前にパイロットを希望して、航空自衛隊に入り、その後事情があってヘリに乗って、最後の5年間はドクターヘリでパイロット人生を10年前に終わった幸せ者です。
自分がパイロットを志した時代と今現在の航空機やパイロットの状況はそれほど変わっていないようなので、目指した世界がまるで変ってしまったということはなさそうです。
ところが今から空を飛ぶパイロットを目指す若者が描く世界と、20年後30年後、そして引退するころには航空という世界が大きく変わりそうな予感がします。
まずはパイロットは航空機を操縦するかという最も基本的な面では、自動化と無人化という流れは止められないようで、海保や海自の無人機のオペレーターはパイロットと言えるかどうかは意見が分かれるところです。
そして旅客機などのように決められたところしか飛ばない航空機は自動化がどんどん進んでいて、パイロットは実際に操縦かんを握って操縦しなければならない場面がどんどん少なくなってきていて、2名パイロットから1名になりそして無人化へと進むことはほぼ確実なので、今からパイロットになる若者が70歳程度で引退することには、パイロットという職業は半減している可能性があります。
自動化が進みにくい航空機はどこへでも着陸するヘリコプターや、最終的に敵と対峙する必要が高い戦闘機パイロットなど一部のパイロットの果たす場面はかなり自動化が進まない可能性がありそうです。
パイロットが特別な技術とある程度の危険性を帯びる任務のパイロットの給料はある程度は高いレベルで維持される可能性がありますが、ゲーム感覚で危険性なく、そして自動化が進んだ無人機のオペレーターが特別高い給料が舗装される可能性は低いでしょう。
ドクターヘリや戦闘機はパイロットの固有の操縦技術が任務を果たす上で重要な要素となるので、処遇は維持されそうですが、飛べる飛行時間は概して少ないので、引退まで5000時間も飛べれば良いほうでしょう。
飛ぶこと自体を楽しむグライダーや自家用機、パラグライダーなどのスポーツ航空は自分で操縦を楽しんで、操縦技術を高める楽しさがありますが、これは職業として飛ぶのではないので、さらに飛ぶ機会が少なくて飛行時間は多くはならないでしょう。
このようなことを考えるとき、自分たちがたどった50年の航空の変化が今後の50年ではかなり創造のつかない進歩や変化がありそうなので、今職業としてパイロットを目指す若者たちにはよく考えて挑戦するべきだと思えますがいかがでしょうか。
航空の世界が進歩することは必ずしもパイロットが職業として飛ぶ上で、充実感や楽しさが増す可能性は比例しないので、難しいところです。
私たちの時代には、10機種以上の航空機を乗り継いで、操縦技術を高め、より大型機に乗り、難しいと言われる技術が必要な飛行作業に対応しながら成長し続けて引退を迎えることができたように思います。
処遇も定期便パイロットには及ばないものの、最終10年ころから低下するまでは、同僚を含めて、皆1000万円程度は保証された良い時代でほとんど1万時間くらいは飛べた良い時代でした。
さて今後50年、いろいろな航空機を飛ばすパイロットはどうなるのでしょう、、、、半分は無人機になるのでしょうか、、、
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パイロットへの道 大ピンチの時代、、、、

40年以上飛び続けた自分のパイロット人生で大ピンチと言えば、事故で命が亡くなるか、訓練生の時代にエルミネイトと言って簡単に言えば首になるの二つで、どちらも皮一枚で首がつながった人生でした。
命が亡くなりそうになったのは30歳の時、スマトラでジャンプ台の上で地上共振に入って裏返しに墜落したときですが、目が覚めたら病院のベッドで、目が覚める寸前に、それまでの人生30年分を10秒くらいで走馬灯のように、、、そしてうなされて目が覚めたのですが、さめなければ死んでいたということだったと思います。
その事故の10年ほど前には、T-1の最初の難関、いわゆるエルミネイトのピンチで、10人ほどの同期生の中で、3人が選抜(逆選抜ですが)、週明けのソロフライトのチェックアウトでソロに出られなければ首という大ピンチでした。
その後はいろいろ試験やチェックがありましたが、首になりそうになったことはありませんでしたが、、、
運が良いのか悪いのか、一人ソロに出してもらって残った二人のうち、一人はのちにジャンボの大キャプテン、もう一人は大手航空会社の海外の支店長と大出世しました。
残った自分も事情があって民間のヘリに代わって、30歳で事故死の危険に遭遇しましたが、何とか最後まで命を長らえながら飛び続けることができました。
自衛隊で活躍していた仲間は30人ほど、そのうち5人は事故で殉職し、厳しい人生を生き抜いてきたと言えるでしょう。
パイロットを目指し、最後まで飛び続けることができたのは本当に幸運で、事故死の危険も首になる大ピンチもなんとか乗り越えて今生きて、過去を懐かしく思いだせる幸運があったようです。
飛ばなくなってからすでに10年ほど過ぎているのですが、飛んでいる夢を見ないのは十分飛んだからでしょうか、、、、
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公的ヘリは2名パイロット制度確立へ、、、、

長野県の防災ヘリが墜落して明日3月6日で6年になるそうです。
その直後に群馬県の防災ヘリも墜落し、大きな事故が多発した防災ヘリですが、県警ヘリや政令指定都市などの都会の消防ヘリに大事故が起きないのはやはり高い山岳地帯などの運航環境の厳しさと、実任務の出動回数が少ないからでしょうか。
パイロットが1名制で飛ぶ場合と2名制で飛ぶ場合には2名のほうが安全性が高いということと、ベテラン若手の組み合わせの旅客機の機長副操縦士体制に似た組み合わせによる世代継承の意味も重要でしょう。
自衛隊や海上保安庁のヘリは一名操縦のヘリでも常に正副操縦士が乗っているのは、予算をとれることが大きいでしょうけれども、安全性と世代継承が目的であると思われます。
民間のヘリはほぼすべてが一人操縦で、整備士を補助として載せることを行っていはすべて、金儲けのためで、332など大型機でも1名が普通になっています。
20年30年前のように、ヘリがどんどん飛ぶような時代はすでに終わっていて、その後は十分に経験を積めるように飛ぶ仕事はどんどん減少していますので、パイロットの育成はほぼ限界に来ていて、経験の少ないパイロットがレベルの高い困難な仕事に、十分な経験のないまま従事するようになってきていることが想像されます。
消防防災ヘリは監督官庁の総務省が2人操縦制度を強制するようになって、要員の採用に苦しむ、ここ5,6年が最後の苦しい時期でこの時期を過ぎればパイロットは順調に育つようになることでしょう。
ただ予算と任務の関係で1機当たりの飛行時間が年間300時間程度と少ないことが、気になりますが、少ない飛行時間でも十分に生かして技量を挙げるしかないでしょう。
10年後20年後には純粋の民間ヘリパイロットの技量平均を追い越すことが予想されますので、民間優位も後しばらくでしょう。
先日の取材ヘリの事故もパイロット全体の経験値の低下と若年化が影響している可能性があり、特に取材ヘリのパイロットは平均月に10時間も飛ばないことが長く続けば自然と技量は低下傾向となるでしょう。
パイロットは飛べば必ず技量が上がるということは保証の限りではなのですが、しかし、飛ばなければ上達しないということは確かです。
私たちの時代は結構飛行時間が多い時代でしたのでわざわざ2人制にしなくても飛べたので、隣にパイロットが乗っているとペースが乱れてうっとうしいなどとぜいたくを言えたのですが、背に腹は代えられないでしょう。
パイロットが飛行時間を重ねて上達していけるような制度を継続するしか、良いパイロットは育たないことは確かで、これはいずれ無人になるらしい空飛ぶ車にも当てはまるでしょう。
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地上の人間が鳥になるために、、、、

少しは水の中を泳げる人間もいるので、一応水の中では、はるかに魚に劣るものの、一応魚が泳ぐ基本というものをマスターしないとすぐにおぼれて死んでしまうように、空を飛ぶようにできていない人間がヘリか飛行機かドローンで飛ぶにはかなり基本的なことをマスターする必要があります。
ライト兄弟以来、航空機はどんどん進化して、すべて自動化が進むと、鳥に倣って、6感を鍛えて鳥にならなくても安全に飛べるように機械は進んでも、やはり原理原則は訓練や経験を経て鳥の心と鳥の体の機能を身に着けることが優秀なパイロットになる基本です。
速度や高度が正確に計器で表示されるので、体感は無用であると思うかもしれませんが、離着陸や低空の飛行には計器以上に体感が重要で、風がちょっと強いのでドンと着けましたという下手な言い訳をしながら、しなくても良いランデングギアーの強度試験をするパイロットもいるようです。
ヘリパイロットにとっては着陸進入の最後の300メートルは全く速度計は正確に指さない中で、速度をコントロールしますが、それに失敗するとドクヘリ秦野の事故となります。
ILSで着陸する旅客機の大キャプテンは機体が上下左右に微妙に外れることはありませんが、同じ御仁がヘリに乗り換えたら管制塔にぶつかると大クレームが着いたのは、まったく鳥ではなく、まっすぐに飛べないお方だったということになります。
ヘリは最終侵入で速度コントロールができないパイロットが、微風背風で落とされて、屋上ヘリポートの下のレストランに突っ込みそうになるとか、手前の田んぼでワンバウンドするとかあるようです。
また進入角度を一定で速度コントロールをする場合には、落ちたり上がったりしないように微妙なパワーコントロールをしたり、最終は急激にパワーを入れたりする場合、テールロータの推力が変わって、ヘリは右に左に見事に曲線を描くパイロットもいて、まさか鳥はそのような下手な飛び方はアヒルでもしないでしょう。
渡りをする鳥が大群で飛んでいきますが、まさかぶつかる鳥がいないのは、空中での接近感覚、距離感が生まれながらに身に着いているためで、悲しいかな人間にはそのような能力は生まれながらにはなく、たまに、ぶつかって墜落して死ぬ不運な鳥になれなかった人間は多くいます。
雲や障害物、電線などとの距離感や接近感覚、回避の仕方も知らない鳥はいないようですが、不器用な鳥になれなかった人間はぶつけてしまったり、バーテーゴとやらで墜落するようです。
このような人間が鳥になって飛ぼうとするような無謀なパイロットやらと言う人種は、乗る空飛ぶ機械が、ジェット機、ヘリ、セスナ、ドローン、空飛ぶ自動車、なんであろうと基本的にはある程度身に着けるべき能力で、長い経験や訓練でやっと身に着けたとしても、あまりの自動化で鳥であることも忘れてしまうようです。
まして、ドローンや空飛ぶ車で飛ぼうとするようなひよこなら、いったいどこまで身に着けるべきかむつかしいところですが、鳥はほとんど落ちなくても人間は鳥ではないという厳しい現実が空の世界でしょう。
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