パイロットの技術評価、飛行時間と着陸回数、、、

和歌山ドクターヘリ1 (2)

 一般的にパイロット飛行経歴の技術的な評価は飛行時間がどれくらいあるかと言うことが普通言われています。

 そしてもう一つの評価が着陸回数と言うことも言うこともあります。

 少し前には、一般的に言えば定期航空のパイロット、機長を評価する場合に、国内線を飛ぶANAパイロットパイロットの方が国際線を飛ぶJALのパイロットより技術的には上であると言われたのは、短時間に着陸を繰り返す国内線のパイロットが長時間飛んで着陸回数が少ないパイロットと比較したということが言えます。

 この評価は、航空機の運航では着陸が一番難しいという意味と、長時間の巡航は自動操縦なので技術的には上達しないという思いがあるようです。

 つまり飛行機の操縦は着陸が一番難しく、この着陸の経験が多いほど熟練していて、技術的にも優れてるという考え方でANAのパイロットが常に高く評価されていたようです。

 航空機の運航は離陸から巡航して着陸するというパターンなので途中の巡航時間にかかわりなく、何回飛んだかと言うこと、つまり着陸回数が評価基準とするべきと言う考え方で、どちらにも一理ありそうです。

 ヘリコプターの場合にこのようなことが当てはまるかと言うと、一部当てはまり、一部当てはまらないと言えます。

 と言うのは航空機が一般に着陸が難しいということは言えますがヘリコプターの場合は着陸よりも難しい局面があり、それは荷物や人を吊り下げるという操作で、この技術は着陸と同じような局面がありますがそれに加えてより操作操縦が細かく、微妙なホバリング操作が必要なので、基本的な離着陸を相当程度こなせるパイロットでないと、訓練にも入れないほどのむつかしさがあります。

 ヘリコプターパイロットの経験記録に着陸回数の欄はありますが何回吊り下げたかと言う記録の欄がなく、より難しい操縦記録が無視され評価されることはありません。

 送電線工事で生コンを吊り下げて、ホッパーの定位置に卸して排出し、今度は地上でからのバケットを切り離して、隣のバケットを吊り変えて飛ぶ場合に1時間に20回程度は普通で、着陸より難しい操縦を40回繰り返します。

 木材を山中から運び出す場合にはヘリの腹の下に30メートル以上に吊り下げた状態で、1時間に30往復することもあるので、ピンポイントの着陸を60回も繰り返すような操縦で、新米にはとてもできない、夢のような難しい操縦となります。

 このようなヘリコプターの操縦の奥の深さは、ANAのパイロットがJALのパイロットより腕が良いというレベル程度からは想像もできないほどの開きなのですが、関係者以外に評価されることはほぼありません。

 どちらかと言うと土方パイロットより、4本線を着けて人を運ぶヘリパイロットの方が社内的にも評価が高く、結果的には地位も上がったようですので、土方パイロットは自己満足して終わったようです。

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ヘリパイロット 下手な奴ほど事故を起こしやすいか???

豊岡ドクターヘリ (400)

 定期便や小型固定翼機に比較してヘリコプターは10倍くらい事故率が高いと言う感じがありますが実際の事故率は飛行時間や着陸回数で計算すれば正確なことがわかるとは思いますが。

 何しろ、自分は空自のジェット機からヘリに変わったのですが、あれほど危険と言われる戦闘機乗りよりヘリの事故率死亡率の方が生涯のパイロット人生では圧倒的に高い結果となりました。

 小型固定翼機や定期便は特に安全性が高いのは、航空事故の80%くらいは離着陸時の事故で、しかも飛行場の滑走路にしか離着陸しないため、非常に安全性が高いと言えるでしょう。

 と言うことでおおむね定期便のパイロットや小型飛行機のパイロットは飛行場の滑走路に離着陸するという、安全上非常に有利な運航をしていますので、離着陸に失敗しなければ事故にならないので、下手なパイロットがおおむね事故りやすいということは言えそうです。

 一方、ヘリコプターも離着陸時の事故が多いことは確かですが、運航中、と言うか作業飛行中の事故が絶えないのは、物資輸送、農薬散布、取材飛行、などなど作業に起因する事故が多いのは低空飛行、吊り下げ飛行、多数気が集まる低空飛行などなど、危険性が潜む内容のフライトに充ちています。

 だったら腕の良い優秀なパイロットに事故が少ないと思われるかもしれませんが、難易度が高い作業飛行や条件の悪い場所への離着陸など、パイロットの経験や技量によって、できる仕事と出来ない仕事で常務割や搭乗機種を分けたり、だれにどの仕事をさせるかを悩むのが乗員管理や管理職の仕事です。

 群馬県防災ヘリの墜落事故はこのような状況での乗務割の失敗のような気がしますが、、、

 固定翼機のように安全な飛行場への離着陸が一番事故が起きやすい状況なら下手なパイロットが一番事故を起こしやすいことが当然ですが、ヘリの場合はそもそも離着陸する場所の危険性や難易度がはなから違いますので、パイロットが決められた、大変難易度の高い危険に満ちた場所への着陸をするかどうかはパイロット自身が自分の腕と相談して決めることになります。

 つまりヘリパイロットは自分の腕と相談してその範囲内で安全に飛ぶということを求められていて、ベテランで腕の良いパイロットはより困難な、危険性が高いフライトも安全にこなそうとしますので、腕が良ければ安全だという単純なものではないと言えます。

 どこかのドクターヘリが行き違いのできない欄干ある橋に着陸していましたが、この例はそのようなことを実行している良い例で、新米はこのような危険なことはしないので事故は起きないのですが、腕の良いベテランでもテールローターを欄干にひっかければ大事故となります。

 定期便や小型固定翼機は滑走路に欄干があることはないので、ベテランも新米も同じ条件となり、比較するとベテランは新米より安全となりますが、ヘリの場合は新米は欄干のある橋に着陸しないので、ベテランがより危険となります。

 と言うことでヘリコプターの安全性と飛行作業完結の関係はどこまで行っても相矛盾する事項で、ベテランの腕の見せ所となります。

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ヘリパイロット、高さの判定、、、、

朝日時代 (29)

 航空機のパイロットは原始的な機体に乗るほど体感による高度の正確な判定が必要となります。

 もちろん着陸の場合なのですが、それは車輪が滑走路に着くときに沈下率をゼロ近くにする必要があるからで、その場合もちろん速度と高度の両方を体感で読んでコントロールする必要があります。

 先ほどブルーインパルスの富山でのフライトのコクピット映像を見ていたのですが、編隊飛行をする戦闘機パイロットは着陸の体感以外に編隊飛行の時には、周りに全くレファレンスポイントがない広い空中で、相手機への接近率だけを判定して、空中集合する技が必要となります。

 接近率をうまくコントロールできないで早すぎると最終段階で相手機にぶつかり、ゆっくり過ぎるといつまでたっても空中集合できないということになり、距離に応じて近づくにしたがって接近率を落としていって定位置には自然と止まるという操作は、着陸時の正確な高度判定でのノーショック着陸、沈下率ゼロのわざと同じような操作です。

 ヘリコプターの場合には、固定翼機のこのような操作以外に、着陸時の進入角度 パス角と言うのですが、着陸地の障害物を避ける都合上、進入角度がいつも一定ではなく、より高度判定や沈下率の判定は難しくなります。

 ホバリングして、垂直に降下できるヘリコプターだから、簡単にできそうに思えますが、秦野のドクターヘリが着陸時に墜落したのはこの操作ができないパイロットであったからだと言えるでしょう。

 さらに降下角度の判定が難しい状況は、屋上へリポートのような場所への進入の場合で、レファレンスとなる地面が着陸接地の場合まで遠く離れているので、角度判定の他、速度判定も難しくなります。

 そしてさらに難しいのは写真のように長いスリングロープで荷物を吊っている場合で、高ければ、高度速度の判定がが難しいほか、接地点上空で垂直に卸す必要が出て、吊り荷が大きく揺れることや、垂直降下時の危険性があります。

 高度速度の判定を比較的しやすいように、パス角を浅く持ってきたり、低く入ってくると、吊り荷が手前の地面に激突してしまいます。

 さらに吊りにはどうしても前後左右に微妙に揺れるために、揺れをコントロールする必要があり、パス角とコースを微妙にずらして揺れをコントロールするために、パス角、コースを完全な直進で飛べないということが起こります。

 特に降下率、パス角は荷物を最終接地させる手前の障害物をいつも一定の高度速度で通過させるパス角で進入することがポイントで、相当微妙は高度感覚速度感覚が必要とされます。

 高度感覚速度感覚が鋭いパイロットはいつも一定のパス角速度で進入できるほか、障害物を一定の高さで通過させることが出来、安全確実に物資輸送ができることになります。

 このような操作ができるパイロットは、ドクターヘリなど吊り荷がない状態で飛ぶヘリなら、屋上への着陸や障害物に囲まれた場所への着陸がいとも簡単に安全確実にできることになります。

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自衛隊パイロット訓練生、エルミネイトと人権、、、、

空自時代スキャン (3)

 今日の記事は自衛隊パイロットの中でも一番の厳しいコースを経て育てられる戦闘機パイロットへの道についての話です。

 入隊した当時からよく言われたことに、戦闘機パイロットとして一人前になるべく者がならないと、自分が死ぬだけではなく、仲間や他人を殺すことになるということがありました。

 と言うことでパイロットとしての十分な素養を持ち合わせていて、努力して、そして一人前になって優秀な戦闘機パイロットとして育て上げるために、一番良い方法は課程が進むにしたがって、技量が不十分であったり、知識や性格などに不安があるものを切っていくという方法が取られています。

 と言うことで今年67名入隊した航空学生は、数年後晴れてパイロットに成れる人数は初めから決まっていて、訓練の段階ごとに決められた人数の劣等生は首になっていく運命にあります。

 それは全員が優秀なクラスであっても下から決められた数の訓練生が首になる運命にあり、航空大学校などのように成績不良者だけがエルミネイトになる制度とは全く違った制度になっています。

 戦闘機コースの訓練生が首になっても、パイロットとしての素養に不備がないものには、ジャンボのキャプテンになったものは限りなくなくいますし、自衛隊がどうも転身を援助していた形跡もあります。

 また農薬散布のヘリパイロットが多く必要になった時代には、ヘリに転身したものもかなりいます。

 今年の航空学生67名は基礎課程が終わってある程度飛行訓練が進むと、ヘリと輸送機と戦闘機の過程に分かれますが、戦闘機のクラスは10名程度の3クラスに分かれ、それぞれ成績順に暮らすわけになり、一番先に進むコースから成績優秀者から分けられます。

 そして各コースから計画通りに2,3名が首になる制度になっています。

 私たちのころは英語課程の成績順に3クラスに分かれて操縦訓練に入りましたが、区隊長から個人的に、一番先のクラスは優秀な者が多いから首になる確率が高いので、真ん中のクラスで行けと囁かれました。
 
 個人的に目をかけていただいたと感謝し、鼻の通気性をよくする、鼻中隔湾曲を治す手術を受けて、2番目のBクラスに入って無事ウイングマークを与えられる結果となりました。

 最後にウイングマークを与えられる寸前、ファイナルチェックの前に副主任教官が宿舎に来て、全員集めてこの中で民間へ行きたいものはいないかと信じられない言葉を言いました。

 実は業務計画でどうしても一人を首にしないといけないのだけれど、と言う話でしたが行くと言ったらANAででもあっせんするつもりだったようです。

 苦しい訓練を経てここまできた今更民間へ行きますというようなものはいるはずもないのですが、そのすぐ後に雫石事故が起き、当人は養成計画から削除され、我々は晴れて全員がウイングマークを授与されました。

 空自の戦闘機パイロットはこのようにパイロットの素養が十分なものでも容赦なく首にし、適格者、精鋭を残すような制度になっているようです。

 それでもやはりばらつきはあるようで、一時2人乗りのF4ファントム無が導入された時代には、要請数が大幅に増えたかとなどが影響しことなどが影響したようです。

 民間のパイロット養成では操縦や素養に問題がない人間がパイロットになれないことはなく、パイロットに成ったばかりの駆け出しが最終的にどこまで伸びるかを考えると、民間操縦士のレベルにはかなりのばらつきが出そうです。

 さらに入り口自由の自費訓練生が将来的にどのようなパイロットに育つかは大いに個人的な要素が強く、一抹の不安があると思えます。

 このようなことは別にパイロットだけの政界に限ったことではないのですが、戦闘機パイロットを目指した航空学生にはこのような個人の人権を無視したような制度で精強なパイロットを養成することになっています。

 自分はギリギリの低空飛行でエルミネイトはされませんでしたが、仲間が去っていくのを見るのはつらいものがあり、いつ自分がその耐場になるのかもと言う不安の中で訓練をしていたようです。

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長い付き合い、、操縦桿、、、

和歌山ドクターヘリ2 (303)

 私が飛んだヘリも固定翼もすべて操縦輪ではなく操縦かんでした。

 オートパイロットが着いていたのは214と330、332だけでしたので、またその機種もほとんどがオートパイロットは使わずに手動で物資を吊り下げて飛んでいましたので、飛行時間の99%以上、操縦かんを握っていました。

 ヘリコプターも飛行機も基本や原理は同じなので、操縦かんの作動範囲のどの位置にあるかと言うことが操縦の上手下手を決めてしまいます。

その時の飛行状況で操縦かんがどの位置にあるべきかと言うことが決まっていて、最適な位置をたどれば良いのですが、通常はそううまくいかないのが普通で、ではどのようになるかと言えば、最適な位置を行き過ぎて、おっととと言うことで行く過ぎた分だけ戻そうとすれば少し戻し過ぎ、、、、と言うことを繰り返すことが普通です。、

 飛行経験を重ねてだんだん上達してくると、行き過ぎ、戻しすぎの量が小さくなってきて、名人になるとまるで操縦していないかのように操縦かんは動かなくなります。

 つまり必要最小限しか動かないのですが、その様子はまるで操縦かんが静止していて、機体の方の動きのみ、動きが必要最小限動くというような様子になります。

 もちろんこれは気流が安定していて揺さぶりがない状態なのですが、乱気流などで揺れた分のみ、その修正分が動くので、気流の悪いときのみ操縦かんがすこし動くということになります。

 このような操縦かんの動きは熟達したパイロットのみで、ベテランのパイロットでも「探る」とか 「無駄舵」と言うように無意識に余分にいらない修正を繰り返すパイロットが多くいて、飛行中に操縦かんの動きをちらっとのぞいてみればよくわかります。

 このような動きは操縦かんだけではなく、パワーコントロールを行うピッチレバーや方向操縦を足で行うラダーコントロールにも言えることで、あらゆる操縦操作は必要最小限で行うような操作を理想とすることが出来るでしょう。

 探りの舵や無駄舵と言う操作を常々していると、ヘリの細かい動きが気流や風などの外力によるものか、パイロット自身が動かしてしまっているものかがわからなくなっていて、細かい微妙な操縦が適切に出来なくなってしまっています。

 このようなことを他人の操縦を見て一発でわかるようになるべきで、ヘリが一見同じようには飛ぶのですが実は舵の使い方がまともか全くダメか見るものが見たらよくわかります。

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プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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