アメリカ救急ヘリ墜落と似た体験、、、、

フロリダの救急ヘリの墜落事故で30年前、同じような体験をし、無事着陸して事なきを得て、今も生きているをわが身の幸運を思わずにはいられません。
すでにこのブログでは複数回取り上げていると思いますので、興味のある方は検索していただくと違ったことを書いているかもしれませんが、、、、
フロリダの救急ヘリは事故の直接の原因はまだわからないままですが、新たに検索したニュースではパイロットの最後の通信の録音が公開されていて、よく聞き取れませんがファイヤと最初に行っているように聞こえましたので、火災警告灯が着いた可能性が高いようです。
私の場合は朝一番に八尾空港を飛び立って、神戸の新神戸駅から山頂の布引公園へのロープウエーの工事で、鉄塔が完成し、ロープウエーのロープを始めて渡す工事に向かう途中でした。
大阪湾まで来て、眼下に前日の台風で転覆した100メートルくらいの貨物船の腹を弥次馬で見るため旋回に入ったところ、後ろの真ん中に座った整備部長が”イッサン”(私のニックネーム) エンジンオイル温度が高くない?と声かけたのが悲劇の始まりでした。
針が上限に向かって動いているように見え、計器が故障かなと少し強めに叩いても、正常に戻らず、ヤバイ 本物だ!!すぐに神戸ヘリポートに機種を向けました。
エンジンを絞ってアイドルで頭を下げて突っ込んでいくと、上限まで移動した針が少し、下がり出し、あーーやれやれと思ったものの高度が下がりすぎたのでパワーを少し上げたら今度は上限をはるかに超えて振り切れそうでした。
そのころには機内は焼けるようなにおいが充満し、ちょうど通過中の関電タービン発電所の構内に降りるかと迷ったものの、真上過ぎて回るのに時間がかかるので、神戸ヘリポートまで行くことに決め、「止まるな。止まるな、回れ、回れとエンジンを激励する言葉を心の中で繰り返していました。
ちょうどそのころにはエンジンの排気口からブルーインパルスのような白煙を引いていたとはつい知らずでした。
神戸ヘリポートに緊急着陸の無線を入れると、なんと4番スポットへと言うではないか、この場でなんと縁起の悪い番号、、、、
最速のスピードで4番スポットへ直行して、近づくとヘリポートの他社の関係者が皆注目している、、なぜ??
大きくフレアーしてスピードを殺すと排気口からの大量の白煙が機体を包んで、視界不良になるほどでした。
みんなが注目するはずでしたが、後ろの見えない我々は知らぬが仏でした。
白煙に火が付いたら、フロリダと同じ運命になった可能性があったようです。
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阪神淡路大震災から28年、、、

https://news.yahoo.co.jp/articles/d4e3135f7558ba6bb4ca992cb3ca160a108af1ff
あの大震災から早くも28年も過ぎたそうで、地震から1月後の2月に初孫ができたので、その彼も今は28歳、ひ孫の女の子に恵まれていますので、地震の年は忘れることはありません。
地震の10日ほど前にはいとこ仲間で病気で初めて亡くなったものが出て、これも忘れることはありません。
地震の日の朝は朝いちばんに八尾空港を飛び立って、吉野へ木材搬出に出る予定だったので、ちょうど目を覚ます時間ころに奈良の自宅で揺れを迎えました。
ひと月くらいは地震対応のフライトや東京方面から30機も来たヘリの運行管理にとほとんど家に寝に帰るだけの日が続き、写真は4月に入ったころ南港の高層ビルにパラボラアンテナをつける工事のものです。
最終的に地震関係のフライトが終わったのは1年後で、六甲山の各地に急遽砂防ダムを造るフライトが長く続きました。
当時は乗員課長も兼ねて飛んでいたので、朝一番にテレビ取材に送り出した、部下が、8時過ぎに、高速道路倒壊の絵を全国初のスクープ中継をして、お手柄だったのですが、一年後に長野へ転勤して、取材中に空中衝突して殉職していしまいました。
確か地震の一年前には、課長になってひと月くらいの時に新人の部下が沖縄で墜落して殉職することもあって、管理ができなくて申し訳ないことをしたものでした。
そのころからだんだんと飛べない配置になって、腕も落ち、元気体力も落ちて、そろそろ最後まで平和に終わるかと思っていたら最後の最後に東北震災へ飛ぶことになって、波乱のパイロット人生が終わりました。
やはり、大災害の緊張感のフライトは昨日のように、ストップモーションで印象深く残るシーンが多くあり、普通の人が体験できないようなことを数多く体験でき、良い人生でした。
子や孫が元気に育ってくれることを思うだけの日々ですが、毎日が日曜日の平和も良いものです。
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エンジンが止まらない話、、、、

昨日はエンジンがかからない話でしたので、今日の話題はエンジンが止まらない話です。
と言っても航空機、ヘリの話ではなく、給油用のタンクローリーの話です。
大きな送電線の新設工事ではAS332や214Bが多用され、下手をすると一日で400トンもの生コンを運ぶこともよくあって、一日の売り上げが1000万円を超える場合もありました。
もちろんそのためにはヘリも燃料をがぶ飲みし、ドラム缶で25本、5000リッターも使うことがあってドラム缶から給油していては間に合わないほどなので、古いタンクローリーを着陸帯の横に据え付けて、給油していました。
3,4日で空になりそうになると同じ容量のタンクローリーが走ってきて,ジェット燃料を移し替えることをしていました。
夕方作業を終わって違う現場へ移動するために、所帯道具をすべてヘリに積み込みながら給油して、機体の燃料搭載量がちょうどよくなったので、合図して給油を止めさせました。
日没が近いので、早く離陸しようとしていたのですが、整備士3人が何かタンクローリーの運転席付近でやっているようで、なかなかヘリに乗ってくる様子がなく、合図して操縦席のドアーのところへ呼んでどうしたのかと問うと、タンクローリーのエンジンが止まりませんとのこと。
ローリーはジーゼルエンジンなので、確かキーを切ってもエンジンは止まらないらしく、デコンプレバーを引いて止めるらしいのですが、引いても止まらないということで頭を抱えています。
ローリーのエンジンがかかったまま離陸していくわけにはいかないので、ヘリのエンジンを止めてくださいと、修理する気になっていました。
あっと気が付いて、ヘリから降りて、ローリーの運転席に座って、一瞬で止めて見せました。
自分は運転が下手だったので、、、、ではありませんが、やわらギアをセカンドに入れて、クラッチを急に離せば、ノッキングして見事に止まりました。
サー早くみなヘリに乗ってーーー、出発だーーと無事離陸しました、エンジンが止まらない話でした。
ヘリのエンジンが止まらない話はなかったような気がしますが意外にあったかもしれません。
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ヘリコプター スキッドタイプの利点、、、

最近のヘリのパイロットには初めからヘリで飛行機を操縦したことのないものがまれにいるそうですが、私はパイロットとしてのスタートを飛行機で始めたので、ヘリに車輪がついていてもあまり違和感はなく、着陸地上操作ができました。
長い間、ずっとスキッドタイプで、1万時間以上飛んでから、AS330 で車輪タイプを操縦したのですが、日本国内で、民間で運用するヘリは、大きなヘリでもスキッドタイプのほうが扱いやすいという感じを受けていました。
というのはスキッドタイプのヘリがいったん着陸すると、相当な急斜面でも、強風が吹いていても、スキッドががっちり地面をつかんでくれるので、ほとんど動く心配がないからでした。
飛行場では傾斜している駐機場などはありえないので、パーキングブレーキをかけておくと動く心配はないのですが、ヘリが着陸する飛行場以外の場所では、接地面が傾斜していることは普通にありますし、3車輪がギリギリ入る鉄板や板の上に降りることもあり、雨でぬれている場合など、いつ滑ってもおかしくはありません。
着地と同時にパーキングをかけるのも、ピッチレバーから手を離さないとできませんし、かけたまま接地すると少し動いただけでもタイヤを痛めてしまうし、動かなくても設置から荷重をかけるときにタイヤが開くときに痛めてしまうことがあります。
普通はタイヤが接地するとピッチレバーを下げて荷重をかけるときに、タイヤが半回転するくらい前に進んで回して、横方向のスリップを軽減させる操作をするのですが、強い傾斜があるとこれができません。
ということで。6トン以上ある214Bでもスキッドで、気軽に傾斜面に着陸していましたが、大型ヘリでスキッドタイプで不利な点はやはり、ダウンウオッシュの強すぎることで、最速25メートルの風だそうですが、この点場所が広ければ、車輪タイプは離れたところで接地して、転がして移動できるという利点があります。
たまに、車輪タイプの引き込み式に乗ると、ギアダウンの手順を相当気を使って忘れないようにすることでした。
ということで、長距離空輸の時は上げますが、物資輸送中など、下ろしたまま飛ぶことが多くて、ともすれば車輪タイプであることを忘れそうになります。
写真は車輪タイプのメリットの一例で、泥んこの軟弱な田んぼに直角に最小の板を敷いて、荷重を受け止めて着陸していますが、車輪タイプではできない芸当です。
ヘリの荷重はローターマスト付近に重心があり、その部分に荷重が集中的にかかるので、広く敷いてあり、前方部分は安定を取るためだけでほとんど荷重はかかりません。
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