法の下に平等か???



 ヘリコプターの事故やトラブルでパイロットや他の乗組員が事故調査の対象になったり、場合によっては起訴されたり、損害賠償の対象になったり、社内で処分を受けたりと、その職務遂行でいろいろな取り扱いを受けることがあります。

 もちろんそのほとんどは前例主義で同じことをすれば同じように処分されるはずですが、なかなかそうはいかないのが世の中の面白いところです。

 私がこのようなことに興味を持つ度合いが他のパイロット仲間よりも深いというか、見方によってひねくれているという面があるようです。

 そのきっかけとなったのはパイロットになりたてのころ、空自の同期生が起こしたというか当てられたというか、当時世界最大の航空事故、162名の犠牲者が出た全日空雫石事故の当事者が同期生だったことから始まりました。

 私の姓の頭文字が「い」で事故を起こした同期生も同じ「い」だったので入隊からほとんど机の並べて学んだ仲でしたが、彼は少し優秀だったのでフライトコースは前後しました。

 彼の86Fの右主翼は全日空の727の水平尾翼で切り取られて、背面スピンに入ったため射出座席が作動せず、みずからシートベルトを開放して、落下傘のリップコードを引いて開傘させて田んぼに無事着地したそうです。

 しばらくしたら警察官が来て連行され、その日から牢屋にぶち込まれたそうです。

 これが当時の世間や警察の自衛隊に対する態度で、落下さんで生還したパイロットが被害者か加害者かもわからず、さらには犯罪者であるかどうかなどお構いなく牢屋にぶち込んだそうですから人権蹂躙もいいところでしたが、誰もそれに異を唱える者すらいなかった時代です。

 池袋で歩行者をひき殺した高級官僚OBは容疑者ですらなく、同じことを三宮で起こしたバスの運転手は即逮捕牢屋行きだったようです。

 富士山で要救助者を落として死亡させた疑いが濃厚な消防関係者は警察の取り調べを受けることもなく、航空事故調査の対象にもならず、部内の会議で再発防止を検討しただけで無罪放免となったようです。

 今回の東京消防庁の要救助者落下の事例も同じように扱われることは、役所の前例主義と言うことなのでしょうけれども、自衛隊のヘリが同じことを起こしたらどうなるのか大変興味があるところです。

 富山で332で物資輸送中に作業員を怪我させた容疑で事故調査の対象になった後輩パイロットの件ですが、取り調べの状況の詳しいことは承知していないのですが、事故調査でやいやい追及され、社内調査でもガタガタ言われて面白くない立場になったことは想像に難くないでしょう。

 結局、当人は立場が弱くてうっとうしい民間会社のヘリパイロットなどにはきっぱりと見切りをつけて、要救助者を落として殺しても何ら追及されることのない安全な某県公的へりの隊長に収まっています。

 一連の流れを見るになんといい加減な日本社会なのかとあきれるばかりですが、出来たら忖度される方に回らないとわが身が危ないと行動するのも無理はなさそうです。
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戦闘ヘリ裁判、富士重勝利、、




 


 陸上自衛隊が62機導入する予定で富士重工が契約し、製造を始めたものの、国は予定を変更して10機だけで一方的に導入を打ち切ったため、多額の損害が出たと、富士重工が国を相手取って起こしていた裁判の控訴審で高等裁判所は、ほぼ富士重工の言い分を認め350億円の支払いを命じたようです。

 このような不始末で、AH64は1機当たり、200億円もの費用がかかってしまい、F15の2倍以上、近く導入されるオスプレイに比較しても2倍以上の値段になってしまったようです。

 
 しかも、結果的に10機しか導入できないで終ってしまいましたので、2000億円以上もかけて、殆ど防衛の役割を担うことは出来ないでしょう。

 長期的な導入計画の読みがまったく出来ていない状態ではじめてしまった大失敗の見本みたいなものになったというしかないようです。

民間ヘリの一パイロットなので、攻撃ヘリの導入の流れ、いきさつについて殆ど知識はないのですが、攻撃ヘリAH1を富士重工がライセンス生産して、陸上自衛隊に一定の航空勢力が配置出来、その後のっ時間の流れで。ある程度老巧化し、より高性能のものが世界で一般的になり次期攻撃ヘリを導入しようとしたまでは良かったのでしょうが、高額のものを10機程度で打ち切るというような失敗はあまりにもひどいものでした。

 
このAH64攻撃ヘリだけではなく、偵察ヘリとして導入したOH1も当初の計画より大幅な生産縮小となり、UH1の後継機のUHXも陸自の担当者が逮捕されて開発 導入計画はどうなっているのか怪しいものとなっています。

 
こんな迷走が続く中、オスプレイは早々と導入が決まり、配備する基地も佐賀空港となりそうですが、さて陸上自衛隊の航空戦力の将来像はどのように描いているのか、見えてこないようです。

 
将来像がまったく見通せないことが、結果として 富士重裁判となって出たのでしょうけれども、政府 防衛庁 陸上自衛隊がしっかりしてくれないことには、重工メーカーも困り果てることになり、大金はつぎ込んだものの、結果として防衛力に大穴が開くということになりかねないでしょう。



 
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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