ヘリコプターの航空無線、、、

関空

 訓練生として飛び始めたとき、あまりに多くのことを覚えるというかマスターするというか、一挙に重くのしかかってくることに航空無線のことがあります。

 航空学生の場合は2年近くも準備教育があって、それなりに準備できていると思ったのですが、航空無線のことがなかなかむつかしかったように思います。

 航空英語の問題と航空無線機のノイズや聞き取りにくさの問題、そして相手が何を言ってくるかわからない場合のむつかしさなどがあります。

 固定翼機の場合は管制官とやり取りする言い回しは離着陸時の地点地点でほとんど決まったことばかりなので、ノイズが多かったり、管制官の個癖の問題などがあってもある程度はわかりやすと言えるでしょう。

 これは外国へ行くと必ずしも日本と同じような言い回しとは限らず、基本通りの言い方でない場合もあり、あるいは私が飛んだインドネシアでは特有の訛りの強い英語など聞き取りにくいことも多々あったようです。

 さらに日本でも海外でも、ヘリコプターは固定翼機のようにいつも同じパターン経路で離着陸するとは限rず、航空管制用語以上に一般的な英会話能力が必要なようでした。

 このようなやり取りがノイズの多い航空無線にの波に乗って、飛び交いますので自分が呼ばれているのか違うのか、あるいは管制指示が出たのか他機へのものなのかなど難しい面がありました。

 日本国内でも無線機が2台同時運用になってからは、2波が同時にかぶることや、相手が自機の状況にお構いなく呼び込んでくるなど難しいものがあります。

 2波同時に受信したら聖徳太子の10人どころか2波ですら聞き取れないのが普通です。

 空港の管制塔へ見学研修に何回か出かけて実際の運用を見せてもらったことや旅客機のコクピットの無線の状況を見せてもらったこともありますが、ヘリコプターの騒音の大きさに比較して大変静かで、無線の聞き取りがしやすい環境であることに驚いたものです。

 ヘリはジェット戦闘機並みの騒音で大変聞き取りにくく、初めて飛んで無線を聞いた時には何を言って言うのかほとんどわからないと思ったものですが慣れれば聞き取れるようになってくるものでした。

 自機からの送信内容に対して、帰ってくる内容はほとんどが予想できますので聞き取れますがいきなり想像していないことをしゃべられるとうまく聞き取れないもので、ベテランになるにつれて、あるいは管制官の癖や声まで覚えるようになるということを聞かなくても内容が理解できるようになるものです。

 定期便や固定翼機が管制塔とかわす通信内容はほとんどが定型通りで聞き取りやすいのですが、ヘリの通信はイレギュラーばかりでなかなかむつかしく誤解も多く発生するようです。

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北朝鮮ICBMとドクターヘリのGPS、、



 日本のGPS衛星「みちびき」4号が打ち上げに成功し、アメリカのGPS衛星の精度を補完し、その誤差を数センチ程度まで向上させることが出来るそうです。

 きわめて正確なGPSは様々な使い方を出来るのですが、超貧乏国、北朝鮮はICBMの位置制御にGPSを使っている可能性があるのでしょうか。

 ドクターヘリはランデブーポイントを1県当たり数百箇所も設定していますので、一昔前の新米パイロットには手も足も出ないほど、飛行することが難しかったのですが、GPSがあるおかげで、ほとんど目をつぶっていても、目的地のランデブーポイントへ着いてしまいます。

 ただしGPSだけで飛べるかというと、地形は山あり谷ありで、山を越えるか迂回するかなど、必ずしも直線で飛べないところに、GPSだけではだめだと言うことが出てきます。

 つまりGPSがあっても地形に慣熟している必要がありますし、天候が悪い時には特に外を良く見て障害物を確認して、安全に飛行するワザが必要なので、GPSばかり見ないと飛べないということは、大変危険だと言うことになります。

 さて北朝鮮のICBMの飛行ルートの制御はウクライナ製の慣性航法装置などを使っていて、まさかアメリカのGPSで飛んでいるとは思えないのですが、貧乏な国なので日本のカーナビなどを使っていないとも限りません。

 GPSが民間使用に開放されたのは確か1980年代初めではないかと思いますが、日本の民間ヘリに最初に装備されたのが私が乗っていた204Bでした。

 車にはすでに高額のものが多く装備されていいました。

 ヘリで使い始めてまもなくのころ、木材搬出のフライトで一日中GPSがまったく正確に指さず、基地へ帰って同僚にその話をすると、新聞を持ってきて私に見せてくれました。

 それはカーナビメーカのパイオニアの広告記事で、その日は米軍がGPS衛星の整備のため電波を止めるので、ナビが指さなくても故障ではありませんと言う内容でした。

 GPSを使い始めて、その高性能、便利性に大変驚いたのですが、そのほかにも何か変な誤差が出るので少し調べてみたことがありました。

 それの結果はやはり米軍の軍用無線装置なので、どのようにも制御できて当然であると言う自分なりの結論になりました。

 北朝鮮のICBMがGPSで制御しているかどうかは、打ち上げ直後に微妙に位置情報のデータを変更し、飛行軌跡がそれに応じて変わるかどうかを調べればすぐにわかります。

 そして、戦争状態になって、北朝鮮がICBMに核弾頭を積んでアメリカへ向けて発射されたことを確認すれば、GPSの送信データを変更して旋回させ、ピョンヤンに落とすことすら可能でしょう。

 日本はいつものごとくまったくノー天気な平和主義一本やり、数センチ誤差の「みちびき」の位置情報データを変更するなり止めるなりすることなど、まったく考えもしていないことでしょう。

 そして「みちびき」の超正確な位置情報によって北朝鮮のミサイルは日本国内のどんな目標にも、数センチの誤差で落ちてくるのでしょうか。

ヘリコプターにスピーカー、、、、





 
 今日はヘリコプターに着けられているスピーカーについての話です。  

 ドクターヘリには地上の人たちに注意喚起をするためにスピーカーとサイレンが装備されています。

 他府県ではどうなのかあまり知らないのですが、私はほとんど使ったことがありませんでした。

 特にスピーカーはヘリの大きな騒音を通して声を届けるために、大音響であり、近すぎるとほとんど聞こえない、遠すぎると呼びかけに対する人々の反応がよく見えないと言うことで、使いかが結構難しいと感じていました。

 ヘリのスピーカとの最初の出会いは、ドクターヘリに乗る30年も前で、ちょうど東京大震災が近いというニュースが流れていた時期で、ある大学教授が避難する大群衆が上空のヘリから流れる大音響の誘導に従って動けるかどうかの研究実験を行ったことがありました。

 確か東京中野の住宅街に1000人以上の被験者を集めて206Bに大型のスピーカーとビデオを積んで実験を行いましたが、効果の程は良く覚えていません。

 その後実用化されたという話をあまり聞きませんでしたので、どうだったのでしょう。

 その後、204Bで鉄塔建設を始めたころ、無線電気にマニアックな先輩パイロット自ら開発したスピーカーを、すべての物資輸送ヘリに搭載されました。

 この装置は無線では近すぎてヘリの雑音で聞こえない場合などで、急ぎの連絡や緊急のばあいなどに使う目的でした。

 山上の現場で自動フックが機上から切れなくなったり、生コンが排出できなくなったとき、「すみませーーん、フックはずしてくださーーい」などと使ったものでした。

 これもヘリがごく近くにいる時には大変聞き取りにくく、込み入った連絡は100メートルから300メートルくらいが良く聞き取れたようです。

 今では携帯電話が普及して便利なものですが、予定が変わったりした場合、いつもお世話になっている民宿の手前でホバリングして待っていると、しばらくするとお上さんが出てきますので、「今日3人止めてくださーーい」などとスピーカで呼びかけると「いいですよーー」と手を振ってくれた良い時代でした。

ヒトココ ココヘリ?、、、、





 愛読者のpunpu0460さんから面白いものを教えていただきました。

 なかなか面白いもので非常によく出来た緊急用位置通報無線機で使い方によっては大変有効でしかも価格が非常に安く市販されています。

 ヘリコプターなど航空機に搭載されるELT(緊急位置通報装置や)自動車会社などがドクターヘリを巻き込んで実用化しようとしているD-CALL-NETよりはるかに実用性があるようにも思えます。

 送受信機ともで4万円以下で買えるようですから、徘徊老人やかぎっ子に持たせるには最適かもしれません。

 ただしココヘリというようなシステムを造って会員制で、山岳遭難に対応すると言うことには幾分無理があるように思えます。

 一番の弱点はヘリを契約して、昼間なら常時、遭難者の捜索に飛び立てるようになっているとは言うものの、R44のような小型ヘリでは山岳地帯の捜索は十分に出来ないでしょう。

 一部AS350も使用できると言うことになっているようですが、どの程度カバーできるかははっきりと書いていないようでした。

 防災ヘリや県警ヘリ自衛隊ヘリなどにこのヒトココの親機を無償で配ってしまえばヘリココの存在価値がなくなってしまいそうですが、公的ヘリの管理者はどう考えるでしょうか。

 このシステム自体は価格も安く、大変実用性が高く、山岳遭難や年少者や高齢者の行方不明事故には大変有効で、D-CALL-NETに比較して大変有効でしょう。

 常時車に積んでおくことも結構有効かも知れません。

 携帯電話のGPS機能を利用した同じような装置、捜索方法もあるようですが山岳遭難の場合は携帯電話の不感地域の関係もあって、すべての地域と言うことは不可能かもしれません。

 D-CALL-NETは天下りを多数抱える大企業がドクターヘリを呼びつけることをごり押しできても、零細ベンチャーは防災ヘリを呼びつけることが出来なかったので自前でヘリを契約したと言うことですが、果たしてどちらのシステムにより実用性があるかといえばいかがでしょう。

 いろいろなものが出てきても、最終的には実用性と費用対効果で最善のものが残るか、あるいは強引に監督規制官庁を巻き込んで残るか、見ものです。

 とはいえ航空機搭載関係と考えればこれほど安い装置もありえないということは最大評価点でしょう。

無線が通じない、、、、

 

 
 
 今日は航空機が飛ぶあいだ、無線が通じない空域があっても良いのかという基本的な事柄についての記事です。
 
 無線通信というものは本当に便利なもので、どこにいても所用の連絡が取れて、仕事の安全や効率に大いに寄与するものです。
 
 定期便の航空機は国内線でも8000メートルもの富士山の2倍以上の高度を飛行し、空港は通常広い平野か海上などにあってVHF(極超短波)の直進性の電波であっても飛行中、ほぼ100%通じないということはありえません。
 
 私がお世話になった電力会社の送電線部門では、通電 遮断の連絡がうまくつかないで感電死する事故が多発したのでしょうか、昭和40年代の早い時期から、送電線がある場所ではどこにいても、携帯無線や車載無線が通じるような無線網が整備されたようです。
 
 もちろん警察や消防関係も自己の管内ならどこにいても無線が通じるような無線網が整備され、警察関係は早い時期から。秘匿性の問題でデジタル化されていて、消防関係も、ごく近い将来全国的なデジタル化が終るようです。
 
 このようなほぼ完璧は無線網を持っている上、無線を補完しより緊密な連絡体制のため、消防警察関係者は携帯電話はもちろん山間部では衛星携帯電話を使っているようですが、これも地上で使うので違法性はまったくありません。
 
そして ヘリコプターの場合ですが、警察 消防のヘリは地上用に整備された無線網を空中からヘリも使う免許を受けていて、活動する空域内で電波が通じない場所は皆無ということになっています。
 
 さて ドクターヘリなどを含む民間の有視界飛行で飛ぶ航空機は通常運航の管理監督をする国土交通省航空局が設置する無線網がまったくない状態であったのですが、それではまずいということで昭和50年代に入って整備されることになり、全国の小高い山に20箇所程度無線局を整備することになりました。
 
 このときに時の担当者が小型機関係者に説明に訪れ、いかにも恩着せがましく説明を始めたときに、日本地図の上に電波がカバー出来る空域を描いた地図を提示しました。
 
 その地図には最低高度が6000フィートでカバーできる地域が書いてあったので、いきなり注文を着けたがありました。
 
 小型機ヘリは6000フィートもの高い空域を飛行することは少ないし、少しでも天候が思わしくないと少なくとも3000フィート程度の図を出してもらわないと話にならないと、そんな無線網作っても何の役にも立たないと厳しく言ったものでした。
 
 その後30年過ぎても、無線網の状況はほとんど、まったく改善されることなく、新たに出てきた携帯電話にたよることとなっています。
 
 さて ドクターヘリなどは消防無線を使えば良いではないかと言うことになるのですが、消防の組織は基本的に市町村単位になっていて、通過していく消防本部はそのときのドクターヘリの運航にはまったく関係ありませんし、飛行する情報も流れていません。
 
 県波や全国波という周波数も使えますが、全県的に指令、支援する県本部という消防組織があって電波を通じた管理をしているわけではありませんので、飛行するドクターヘリはほぼ着陸時の情報を得ることだけとなり、しかも車載の消防無線は直近の中継局へ飛ばす出力しかなく、10キロも離れるとヘリからは通信できない状況となります。
 
 ドクターへリは通常離陸すると5分で医療無線が聞こえなくなり、10キロ程度で、運航会社の社内無線も通じなくなり、着陸2,3分前に消防の車載無線がやっと聞こえる状態となります。
 
 それ以外の間はすべて携帯電話を違法使用するということしか連絡手段は一切なく、飛行中のパイロットからは殆ど通信連絡は出来なくなります。
 
 その点 警察 消防のヘリは独自の電波網を十分に使えるような設備と通信要員を基地局に配置していることでしょう。
 
 ドクターヘリの通信網はこれでよいのでしょうか、さらには通常、低い高度を飛行している民間のヘリ 小型機は常時使える通信網はいつまでも要らないということで良いのでしょうか。
 
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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