障害物への接近 ヘリコプターの場合、、、

204 木材搬出 (15)

 航空機は一般に高速で飛行するので障害物には近づかない、近づく必要がない空域をルールに従って飛行することと決まっていて、何かの故障や行き違いで急速に地上に接近する危険性が発生したときの警告装置 GPWSが装備されています。

 ヘリコプターの場合、一般に飛行機と同じように飛行する場合、いわゆる2地点間の離陸から巡航、そして着陸をする場合は飛行機と全く同じような飛び方ですので飛行機と同じGPWS地上接近警報装置を装備することは有効です。

 ところがヘリコプターの場合には高度10メートルで農薬をを散布したり、荷物を吊り下げて山間部へ輸送したり、遭難者を吊り下げて救助する場合には障害物に接近しないでは仕事ができませんので、いわるゆるGPWSは装備して作動させているとうるさくて仕事にならないという事象が発生します。

 ヘリコプターの通常の離着陸の場合、飛行機と同じでGPWSは切って飛ぶので、空港は障害物がないように周囲の建物や地形に制限があって危険な障害物はないことになっています。

ヘリが通常の飛行場以外のところへ離着陸する場合には事前に現地調査をして空港と同じように危険な障害物がないことが確認されていないと離着陸の許可が出ないことになっています。

 ドクターヘリや防災ヘリなどが人命救助のために離着陸したり、低空でホバリングして吊り下げて救助する場合には事前に危険な障害物の有無を確認、申請して許可を取ることが出来ないのですが、いきなりパイロットの判断で行ってよいことになっています。

 長野県防災ヘリは訓練中でしたが、埼玉と岐阜の防災ヘリは救助中に障害物のそれぞれローターやテールローターを山腹の岩や立木にぶつけて墜落する事故を起こしています。

 また神奈川県のドクターヘリはすり鉢状の工場の敷地に着陸する場合に障害物の工場の屋根の影響を受けて深い進入となり、墜落しています。

 このようなそれぞれの状況では障害物は千差万別にあって、今まさにぶつかるであろう障害物を選択して警告を出す装置は作れるのでしょうか。

 このような場合、通常は四方八方上下すべてに障害物がある可能性が高く、そのような装置は警報を出しっぱなしになことでしょうから、ほぼ意味はなさそうです。

 送電線など線状の障害物を察知して警報を出す装置は可能性がありそうですが、これとても長野県のテレビ取材のヘリの事故の後、全国の送電線の座標のデータを電力会社からもらって横流ししただけで、実査にGPSに連動させて表示したとして、それが障害物回避に有効かと言えばないよりあった方がまし程度でほとんど普及していないようです。

 つまりヘリコプターの実用上の障害物回避はパイロットの経験によるところがほとんどで、装置による有効性はいまだ実用化は難しいようです。

 高知防災ヘリのAW139 が障害物を感知する装置を着けたそうですが、実物を見てその費用対効果、、と言うよりその前に効果があるのかどうかも疑っていますので一度見てみたいものです。

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JAC機で不具合 到着地を変更、、、

ピトー管

 https://news.yahoo.co.jp/articles/8d6159a41661de4e30d868784712525ec6d38fbd

 年末年始に定期便の旅客機に何回かトラブルが起きているようですが、例年この時期には国内の陸海空の運送業者には年末年始の安全総点検が課せられていて、繁忙期に事故やトラブルが起きないようにとの指示がでています。

 このような中、JALの子会社のジャパンエアーコミューターの伊丹から屋久島に向かったATR72-600が離陸直後、淡路島上空で速度計の凍結防止用のヒーターが効かなくなって、屋久島への着陸をしないで、会社の基地がある鹿児島空港へ着陸したようです。

 この機長の判断に対して、ネットの書き込みでは離陸直後なので安全のためには伊丹へ引き返すべきだとか、鹿児島まで安全に飛べるなら客の利便性を考えて屋久島まで飛ぶべきだとか、機長の判断にもの申す意見が書き込まれています。

 ヘリでも同じものが着いているのですが、この故障は凍結気象状態になった時、速度計の空気取り入れ口に氷が着いてふさがると速度が指さなくなって着陸時に非常に危険となるのですが、普通は正副パイロット用に二つ着いていてそれぞれが独立していてほぼ同時に故障することはあり得ないことになっています。

 2系統のうち片方が正常なら離着陸を含めて飛行にはほぼ影響はなく、また冬季の雲の中などの凍結気象状態で飛ばない限りは正常に飛行することが出来ます。

 ということでこの場合機長が伊丹へ引き返すか、屋久島へ飛ぶか、基地のある鹿児島へ到着地を変更するかはほぼ安全性には影響がないのですが、いったん着陸してしまったら、修理しないと客を乗せては飛べなくなってしまいます。

 そこで機長の選択は屋久島へ着陸して、からで基地のある鹿児島へ飛んで修理する、その場合は引き返し便は欠航とするか代わりの機体を用意することになります。

 もう一つは基地のある鹿児島へ着陸して、故障した部分を交換して、遅れて屋久島へ飛び折り返し便も飛ぶ。

 伊丹へ引き返すこそが一番安全性が高いので、着陸後交換部品を定期便に載せて到着後交換して、復旧することですがこれでは多分その日の後の便は欠航となるでしょう。

 もし代替機を出せるにしても、伊丹で出すか、鹿児島で出すか、屋久島へ出すかですがやはり鹿児島で出して屋久島への客に乗り換えてもらうことが一番早いことになったでしょう。

 客や外野が怒っているのは、安全性を無視して、伊丹へ引き返さないで、遠い鹿児島まで飛んだことだと思いますが、故障の内容が安全性にほとんど影響がないことをよく説明して、鹿児島以降の代替便について説明すれば理解できたと思います。

 客や関係者がよく理解できるように説明しないと、安全性を無視して利益効率優先の運航をしていると取られかねないので、日ごろから誠意のある対応が必要でしょう。

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雪上着陸、、、

豊岡ドクターヘリ (1718)

 ヘリコプターを雪の上に着陸させる場合、通常のマーキングされたヘリポートやグランドなどに着陸する場合と違って様々な相違点があり危険性が伴うという点があります。

 一般にはホワイトアウトという現象で、積もった雪がヘリのローターの吹きおろしの強風で舞い上がって、あたかも猛吹雪に包まれたようになり、一面真っ白のミルクの中を飛んでいるような状態になって、高度や位置、姿勢がわからなくなって墜落、あるいは周辺の立木や建物、電線などにぶつかってしまうことが起きます。

 着陸の時、積もった雪が舞い上がって周りが見えなくなるか、あるいはかすかにでも見えている状態で接地して着陸を完了するかをどの時点かで決心する必要があり、着陸できないと判断したら、必ず垂直上方へ逃げることが安全です。

 ホバリング重量的に重くて真上に逃げるだけの余力がなくて、前方へ速度を着けて逃げることは大変危険で、十分に視界がない状態で姿勢がよくわからずに、前方へ加速しているつもりが結果的に積雪の中へ突っ込んでしまった事故例があります。

 舞い上がりが強いと事前に判断したら、着陸ホバリングの前に一度低空低速で通過すると、積もった雪を吹き飛ばすことが可能ですが、一回吹き飛ばしたからと言って本番で舞い上がりが少ないと判断することも注意が必要で、何回吹き飛ばしても雪質によっては同じように舞い上がることがあります。

 着陸の前に地上の要員にスプレーでのマーキングや踏む固めることをしてもらったからと安心していると強烈な雪の舞い上がりで50センチ先も見えなくなる可能性もあり十分に慎重なホバリング降下が重要でしょう。

 積雪で白一色の場合、グランドなど完全に平らな場所以外は着陸場所や周囲の傾斜には十分に注意が必要で、相当な傾斜があってもまっ平らに見えることも普通で、最終的にヘリを雪面に接地させるときも慎重なピッチレバーのコントロールがいることになります。

 雪の舞い上がりの中、視界が確保されたとして、最終的に降下着陸する場合に、2,3メートルまで降下してきて油断すると、水面にホバリングするときの錯覚で前方に流れる波紋に錯覚して、波紋を追って前にどんどん進むのと同じような錯覚が起きて、前方に飛ぶ雪の流れを無意識に追いかけてしまう危険があります。

 無事接地してからピッチレバーを下げて、柔らかい雪に機体の荷重を徐々にかけていって、不意に傾かないか、テールが沈まないか、慎重な操作が必要で、急激な傾きにはホバリングで対応する必要があります。

 ピッチレバーを最低一に下げて機体が安定しことを確認して、誘導の整備しを下ろして接地状況や機体の傾斜状況をを確認させ、テールの高さを確認確認したのち可能ならばエンジンを止めることになります。

 このような操作はおおむね積雪が50センチ以上の場合で、それ以下の場合や、十分に圧雪してある場合は状況に応じてある程度は手順を簡略にすることが出来るでしょう。

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コロナで変わるか、民間ヘリパイロットの需給、、、

名古屋国際航空宇宙展 (80)

 世界中に蔓延した新型コロナの影響で大きく落ち込んだ観光関係の業界の中でも航空会社は世界的に壊滅的な打撃を受けています。

 予測によると乗客の数がコロナ以前に戻るのは世界的に見て国内線は3年、国際線は4年と言われていますが、落ち込みの程度が半端でなく、国際線は95%減、国内線は60%減らしいので、成り立っている航空会社は今や世界中見渡してもなさそうです。

 と言うことで破綻する会社は続出で、多くの国は政府資本を導入するなど生き残り策を講じてはいますが、パイロット、CAを含む多くの社員が首切りにあっているようです。

 1970年代の石油ショック時でもこれほどのダメージはなかったと思いますが、当時パイロットの新規採用は完全に止まり、航空大学校の卒業生がパイロットになれないとか、ヘリ業界に採用されるなど大きな影響が出ました。

 石油ショック前後の時期の反動ではパイロットが足りなくなって、任官のヘリパイロットが定期航空へ転職することが相次いで、優秀なヘリパイロットがいなくなるとまで言われたものです。

 さて今回の騒動はその当時の5倍もの大きなショックだと想像しますが、パイロットの需給はどうなるでしょう。

 来年春の採用はほぼゼロとするでしょうけれどもそれでも、給料の高いパイロットのだぶつきは止められず、すでに入社している新人の養成は先送り、派遣制度の外人機長は契約解除することでしょう。

 さらに60歳以上から66歳未満の定年退職後の高齢機長はどんどん首にしていって、人数を調整することでしょう。

 私は定期航空会社の乗客の需要が戻るには10年以上かかり、その間には旅行愛好の高齢年金生活の人口が減り、さらにリモート会議の普及などで移動人口そのものが減ってしまって下手をすると元に戻らない可能性すら高いでしょう。

 そのようン社会情勢となってもヘリパイロットは今の公的なヘリのパイロットの需要すら十分に満たせない状態なので、自衛隊などのヘリパイロットの数と公的ヘリを含めた民間ヘリパイロットの数には大きな変化はなく、一定の需要はありそうです。

 その絶対数が少ないながらも、安定した処遇、結構やりがいがあるヘリコプターパイロットの世界に、定期航空のパイロットになれない希望者がある程度集まり、死亡者のレベルが相当程度上がるように思います。

 コロナまでは定期航空のパイロットの需要があまりに多すぎたために処遇の悪いヘリパイロットを目指す希望者が限定されて、また熟練機長への道のりが非常に険しい環境でヘリパイロットを目指すものが少なかったようです。

 しかしどのような展開があるかはなかなか見通せないので、パイロットを目指す若者にとっては困難な時代がやってきたというしかないようです。

コロナで崩壊するか、パイロットの需給、、、

和歌山ドクターヘリ1 (1431)

 コロナで落ち込んだ定期航空の需要が回復するか、あるいは回復するとしても、どの程度の期間がかかるか見通せないような譲許となっているようです。

 特に国際線の運航は壊滅状況らしいのですが国内線と手今は同じで、コロナ前の30%以下になっているようです。

 我が家の上空は伊丹へアプローチする機体の通り道なのですが、便数がめっきり少なくてほとんど音がしない、機影を見かけないような状況になっていますので、CAがマスクを縫ったり、パイロット整備士が航空教室をするなど本来の仕事がないのでしょう。

 世の中全般に仕事がヘリGDPがへり、良い状況で推移していた雇用が滞るようで、航空大手は来年の定期採用を減らしたり、ゼロとすることもあり得るようで、当然パイロットの新規雇用はほとんどゼロとなるでしょう。

 私がヘリに入った昭和40年代末期は定期便航空のパイロットの採用が極端にヘリ、航空大学校の卒業生がヘリや小型機のパイロットになったりパイロットそのものをあきらめたりと大変な時代でしたが、コロナ後 2,3年は当時と同じような状況となる可能性がありそうです。

 便数が30%台の状態が4か月続けば、年間の便数が2割3割以上の減、乗客数なら50%減もありうる数字で、ならば年間売り上げ50%減となる可能性があり、新たな人員パイロットの雇用などもっての他で、即倒産という数字でしょう。

 会社は今抱えている高齢パイロットの雇用止めと新人の採用中止で乗り切ろうとすることでしょう。

 もう一つの大きな課題は余剰な機体をどうするかですが世界中が同じ状況なので、世界中で機体が余ってどうしようもなくなることでしょう。

 三菱MRJの撤退らしい判断も仕方がないと評価されるでしょう。

 ヘリコプターの世界のコロナの影響はもともと民間ヘリコプターの需要がすで何十年も最低ラインで推移していて、飛んでいるのは公的ヘリばかりという状態なのでコロナの影響はなさそうです。

 と言うことでパイロットの需給は相変わらずひっ迫した状態が続き、とくにベテランパイロットが足りないという状況は続きそうです。

 全体的にパイロットへの喚問は大変厳しくなり、特にアメリカでの訓練免許組の定期航空への入社はほぼ絶望、ヘリパイへの道も今まで通りと、全体的にはコロナが相当悪い影響を与えそうで、定期航空パイロットを目指すなら航空大学校、ヘリパイロットを目指すなら自衛隊と言うことになるでしょう。

 いずれにしても自費で訓練免許と言うルートはヘリ固定翼ともかなり難しいでしょう。
プロフィール

bell214b1989

Author:bell214b1989
35年間のヘリパイロット生活 
最終5年間はドクターヘリでした。

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